人狼物語 三日月国

86 【R15RP】君と僕の、夏祭り


【人】 三年生 神田 京平

 
 ── 昔:大雨の日──

[雨の日
傘を差し出してくれる手があった。
頭に被さったタオルは濡れた髪の水分を吸い取る
今のように図々しくなく謙虚で控えめで強情だった
少年京平は
傘を受け取る手に戸惑いがあった。]

 (今思い出しても難儀な子供やったなぁ)


 (ああ、そうだった
  あの時
 ”ありがとう”
と言えなかったな)


[京平少年は受け取った傘とタオルを返そうと
次の日も同じ場所で座っていたけれど
会うことは叶わなかった。
まさか翌日自分のせいで風邪を引いていたなんて知ったら
大きな声で笑って揶揄った後
これまた大げさに10年越しの恩人に感謝と謝罪をするだろう。
果たしてそんな未来のページは訪れるだろうか。]
(300) 2021/07/24(Sat) 18:26:30