【人】 U『女教皇』 キュリア--回想-- [ 彼と初めてお会いした時、不思議なことがあったのです。 ひとに初めて会った時には"はじめまして"と挨拶をする。 と、館を出る時に読み始めた"対人マナーを学ぶ書籍"には書いてありました。 ですから、彼にお会いした時も、出迎えてくださった館のスタッフの方に対して挨拶したように"はじめまして"と挨拶して名を名乗ろうとしていたのです。] ……、あ、の [彼と対峙した時になぜか涙が出そうになりました。 悲しかったわけではありません。 怖かったわけでもございません。 なぜかわからないのですが、 目頭が熱くなり身体がふわりと浮くような……自分で自分をコントロールできないと感じた初めての体感でございました。] …………こんにちは。 [どうにか言葉を声にできたのは、お昼の時間帯の挨拶だけでございました。 さらに不思議だったのは、名前を問いかける彼の声もまた震えているように聞こえました。>>0:487] キュリア。キュリア、です。 [名を名乗りましたが、わたくしの声もきっと震えていたでしょう。 叫び出したくなるほどの感情が頭の中を駆け巡りました。] (342) 2022/12/17(Sat) 21:14:26 |