【人】 小満末候 麦秋至―― むかしの話をしよう ―― [小雪域を去る前に、わたしが小雪さまへ残したのは、 あのような手紙だけでした。 風見家の執事へちゃんと託したので、無事にあの方の元へ届いたことでしょう。 あの方はこれを見てどう思ったのでしょう。 放っておかれるならそれはそれで結果オーライだと、>>219 当時は一方的に思っておりました。 あの方が内に秘めていた思いなど知ることもなく。 とにもかくにも、わたしが世界を見て回る旅を始めたのは、 手紙にもしたためた通りの時季。 小雪から大雪への移り変わりを追うように、わたしも大雪域へとその身を移したのだ。 それから先は色々あった。ありすぎた。 その一端もいずれ語ることはあるだろう] (377) 2022/01/18(Tue) 1:18:38 |