人狼物語 三日月国

258 【身内】冬融けて、春浅し


【秘】 靖国 冬莉 → 葛切 幸春


[交じり合った指先を繋ぎ止めるようにきゅうと握り、彼の手の形を、その温もりを確かめる。持ち上げられ、指の先から緩りと降り注ぐ柔さにすいと目を細めた。]


 ……、
 『余すことなく受け止めるさ。お前さんからのものならば愛も、———何もかも¢Sて。』


[なぞらえるのは、つい先刻の、車内での言葉。]


 好きだよ、幸春。
 この数日、………お前さんのことを考えなかった日は無かった。


[許してくれるのだろうか、と。そう紡ぐ彼の声音は、まるで顔色を窺うような 怯えの入った色味で。
彼の為を思うなら、—————多少の気恥ずかしささえも厭わない。厭いたく、なかった。]
(-26) 2024/04/28(Sun) 22:55:00