人狼物語 三日月国

129 【身内】狂花監獄BarreNwort2【R18G】


【秘】 疾風迅雷 バーナード → 迅雷風烈 ラサルハグ


「だよなあ」


 ため息交じりに呟いた言葉は果たしてどれだけ言葉としてあなたの耳に届いたのやら。

 あなたの思う通り、そんな言葉だけで怒るようなことはない。戯れだと分かった上でわざとらしくため息をついてみせているだけなのだ。ただのじゃれ合いでしかないやり取りを終えてから続く言葉には一瞬言葉に詰まる。

「…………考えた上での言葉ではあるんだが、少し待ってくれ。改めて言語化して敗北を認めるの、クッソ悔しい……」

 あなたには"賭け"が始まった時点でこうなることが見えていたのだろうか。男にとっては想定外だらけすぎて、それ故に雁字搦めになって今僅かに視線を泳がせていて、それから。

「一言で言うなら、お前と『楽しく』生きたいと思った。

 ……俺の欲していたものが、こんな……いや、俺を知った上で俺とともにいてくれる人間だったと気づいてからは、本当にお前で決めていいのか確かめていたんだ。

 けれど、お前が俺を庇って死にかけたあの時に……失うのが怖くなった。傷付くのが嫌だと思った。失いかけただけであんなに怖かったのに、いっときでもお前を失ったら耐えられないと思ったし、……実際耐えられなかった。

 傷付けたくなくて、失いたくなくて。お前のおかげで知ることができた生き辛さと生きやすさを考えて。色々お前にしてやりたいことが出てきて。何より、これからの人生にお前がいてほしくて。

 
――なあ、お前もそうでしょ?
お前も俺のこと、」

 これをどう呼んだらいいか分からない。愛であるかすら分からない。けれど、
"大好き"
だけでは決定的に欠けることだけは分かっていて、じっとあなたを見つめる。
(-79) uni 2022/03/08(Tue) 17:54:50