人狼物語 三日月国

163 【全年齢ランダ村】G2087第10.5次再戦村【参加CO制】


【独】 閻魔参


──ウフフ…身も心も、妾のものになったかえ?閻魔参よ。

「…あァ…お前の…お前のものだ…」

口にしながら、いや、そうではない、と首を振る。
熱に浮かされたように、夢見るように、己の柔らかな部分全てを明け渡す。

「…お前のものにしてくれ…何でもする…何もかも、お前に捧げるから…」

言葉の上では全てを差し出しておきながら、本当は欲しくて堪らないのはこちらの方だ。極限まで渇いた後の水の一滴を、間違いなく彼女が持っているのに。
だが彼女の許しがなければそれは手に入らない。あらゆるものと引き換えにしてでもそれが欲しい、欲しくて堪らない。手に入らなければ生きていけない。垣間見えたら最後、諦めることは二度とできない。どうしても彼女が、彼女を、彼女の、ただ一滴でいいから慈悲を、…否、愛を──
久しく欲望など抱いたことのない心と身体が、その急激な変化に悲鳴を上げる。

「……ァ、」

もう一度、小さく呻いて。
両の腕に柔らかな女の身体を抱いたまま、閻魔参は意識を手放した。
(-117) 2022/07/26(Tue) 22:43:13