【赤】 右方舞 戸隠>>*3 しゃなりとした、ひらひらとした舞の衣装。 それに似合わない、古びたボストンバッグ。 そんなちぐはぐな取り合わせの男は、 どこか神秘性すら感じさせるその面に似合わぬ仕草で、かりかりと頭をかいた。 「ああ、人がいた。お邪魔します。 いえ、あのー」 手にはめた、ブレスレットを見せる。 ちゃり、と木がぶつかる音がした。 「これ貰った後、偉そうな人が来てさ。 ここと……そのあと、祠? に行けって、言われたんだよ。 行きゃあ分かると、それだけだ。 俺は、踊れりゃそれでいいんだけど」 困った様子で、首をかしげた。 (*4) gt_o1 2021/07/20(Tue) 14:33:21 |