人狼物語 三日月国

258 【身内】冬融けて、春浅し


【赤】 靖国 冬莉


[口を噤み、応えることへの躊躇を覚えるその姿に 心の淵を重く伸していくものへと思考が否が応でも向けてしまう。が、降り落ちる口付けに遮られて、———情を擽らせるその児戯に加担して 此方からも啄むようなキスを注いでいく。]


 ………言葉が上手いな、幸春。


[肯定もしないし、否定もしない。はぐらかされたと言っても過言では無いのかもしれない。それでも、視界一杯に映し出される彼の その直向な眼差しと言葉の優越さに手繰られて、———彼の可愛らしい強請りに頷きを一つ、俺が最初で、最期にしような。≠ニ応える声音に甘さを孕ませて その愛おしくも、達者な唇を奪い 彼の柔い赤舌を捉えては水音を立てて吸い付き、彼の欲情を煽らんと 互いの液を絡め合わせては 侵していった。]
 
(*7) teco 2024/05/01(Wed) 0:31:52