【赤】 よろず屋 シラサワ>>*18 「おおきに戸隠はん。 それにな、そんなに卑下せんでええ。 俺は舞下手やからな、代わりに口回してるんや。」 例えこの先に待っているのが地獄だろうとも。 どうか今だけは、平和に、平穏に。 この素直な青年の記憶の全てが夜に囚われてしまわぬように。 ……はは、俺はとんだ偽善者やな? 「別に俺が二度手間なるんは構わへんよ。 構わへんけど、独りで 置いていくんよりは皆で行った方がええってだけや。」 何せ今年の自分の役割は道化。 実際に神託をするのは他のモノ。 出来得る限りの仕事はしよう。 けれども、自分に出来ることはこの口から音を紡ぐのみ。 それが吉と出るか凶と出るかすら、今は分からないのだ。 (*19) 2021/07/20(Tue) 20:01:45 |