人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


コルヴォは、その夜を境に夜闇に消えて、何処へも帰る事は無い。
(c9) unforg00 2022/08/24(Wed) 1:55:49

コルヴォは、誰かとの口約束を果たす事は無い。
(c10) unforg00 2022/08/24(Wed) 1:55:57

コルヴォは、預けたものを受け取りに行く日は永遠に来ない。
(c11) unforg00 2022/08/24(Wed) 1:56:02

コルヴォは、次の会議に訪れたのは、その死を告げる書類だけで。
(c12) unforg00 2022/08/24(Wed) 2:00:16

コルヴォは、もう誰の元にも戻らない。きっと子守歌を聞く事も無い。
(c13) unforg00 2022/08/24(Wed) 2:00:23

コルヴォは、いつだって喪に服していた。
(c14) unforg00 2022/08/24(Wed) 2:00:29

コルヴォは、死んでいった人間と、それから死に損なった自分の為に。
(c15) unforg00 2022/08/24(Wed) 2:00:35

【秘】 鳥葬 コルヴォ → 愚者 フィオレロ


結局は徒労に終わるとわかっている努力を、誰が続けられようか。
当然、他人からすればそんな事情は知った事ではないだろう。
だからこの腹の底は誰に話す事も無い。
片手の指の数にも満たない人間だけが、知っている事。

他人にとっては、誰に話す程の過去も無い、つまらない人間だ。

「……努力して、報われるなら。
 生きる事をやめようとしてやめられるのなら、
 きっと俺は、とうに終わっていた人間だよ」

とはいえ、今は回りくどく慎重すぎるやり方をしている。
その事だって今はもう嫌というほどわかっていて、
だから今後の進退を決めるなら、きっと今が岐路なんだろう。

けれど、それでも。

「人はいつかは死ぬ。死んだ奴に頼らなきゃならないほど、
 俺もやりようが無くなったわけじゃない。
 たとえいつかお前が引き金を引く時が来たとしても、」

「それは今じゃない」

死に損ないは、今を選ばなかった。

それが良い事だったのか、悪い事だったのかはわからない。
何れにしても、その賭けが行われる事は終ぞ無く。
それ故に、互いに淡く脆い期待を裏切られる事は無かった。
ただそれだけが、確かな事だった。
(-89) unforg00 2022/08/24(Wed) 20:44:55