人狼物語 三日月国


42 【突発完全RP村】実になりてこそ、恋ひまさりけれ【誰歓】R18

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[アルバイトが顔を上げたのは
 目覚めた青年の小さな声を聞き止めたから>>16


  おう、起きたッスか!
  はよざいやーす。


[カウンター越しに尻尾をふりふり
 片っぽの唇だけ上げてみせる。
 そのまま起きなかったら……とか
 救急車呼ばなきゃならないかな……とか
 正直気が気じゃなかったのは内緒なのだ。]
(25) ヨキ 2020/09/12(Sat) 18:25:44

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす



  腹減ったなら何か作りましょーか。
  ……っつっても、軽食くらいッスかね
  ここにある材料だと。


[頭をボリボリ掻きながら
 口をへの字に曲げて思案顔。
 この青年が、訳ありそうなのはともかく
 一見普通の人間だと思っている。

 
万が一にも生き血のリクエストがあったなら
 流石に度肝を抜くだろうが。
 スキュラ、オイシクナイ、オイシクナイヨ……
(26) ヨキ 2020/09/12(Sat) 18:26:53

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[リクエストがあったかどうか。
 無くても「そうスかー」なんてキッチンに入って
 賄いを作りに掛かるだろう。

 鍋でパスタを茹でている間に
 半端に残ったピーマン、玉ねぎ、アスパラガスを
 適当な大きさに刻んでいく。
 パスタが茹で上がったら、切った野菜を
 にんにくチューブと一緒に炒めてしまえ。

 ケチャップと胡椒で味付けする頃には
 辺りにふんわり、いい匂いが漂ってくるだろう。
 本日の賄い飯「ナポリタン」の出来上がり。]
(27) ヨキ 2020/09/12(Sat) 18:32:27

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[リクエストがあったなら
 その料理を青年の元へ運んだろうし
 何も言われなかったら、ナポリタンを皿に盛って
 束の間の休憩に羽根を伸ばすだろう。

 ……ちょっと作りすぎたんで
 分けてあげてもいいんスけどね!なんて
 内心思いながら。]*
(28) ヨキ 2020/09/12(Sat) 18:36:36

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[肉が欲しい、なんて不思議なリクエストだったけど
 望み通りにソーセージをたっぷり入れた
 ナポリタンにしてやろう、と
 長い尾をしゅるり、と引きずりながら
 奥へと引っ込んでいくのだった。

 下半身が蛇であること、別に隠しちゃいない。
 たまに失礼な輩から「異形」と言われるけれど
 此方からすればこれが通常なわけで。

 そうして湯気の立つひと皿を
 青年の前に持ってきて─────
 無邪気な笑みを見たならば>>36


  きしし……ごゆっくり。


[そう、また尾を揺らすのだ。]
(74) ヨキ 2020/09/13(Sun) 8:47:18

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[けれども、それからしばらくの後
 フォークが床を叩く音に顔を上げれば
 そこにいたのは無邪気な青年じゃなく
 さっきよりグロッキーな顔した男>>48


  個室使うのは大丈夫スけど……
  アンタ、本当に大丈夫ッスか?
  顔色、すげえ悪いけど……。


[調子悪いならちゃんと言うんスよ、と
 きちんと言い含めた上で
 個室に消える青年の背中を見守るだろう。

 何度も読み返した万葉集も
 一句一句、頭の中を滑っていく。]
(75) ヨキ 2020/09/13(Sun) 8:47:54

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[まあ、ここは漫画を読むために
 オーナーが作った空間ではあるけれど、
 休みたい人は休むだろうし
 ただ友達と語らいたいだけの人もいる。
 何処でどう過ごそうと、自由な空間。


 ─────ああ、だけど、ご覧!
 ここにある一冊一冊は、
 君を決して孤独にしない!


 アルバイトがかつて「客」として
 この店を訪れた時に出逢った本のことは
 今でも鮮明に覚えている。

 ろくな娯楽もない世界でただ真面目に
 与えられた課題をこなすだけだった男の前に
 ある日突然この店は姿を現して
 たくさんの本で男を魅了したのだ。]
(76) ヨキ 2020/09/13(Sun) 8:48:19

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[これだけある中の一つくらい、
 俺だけのものにしたっていいだろ?

 ─────そう思って、漫画を一冊、
 ジャケットの内側へと忍ばせた。

 あの日から男はずっとここに居る。]
(77) ヨキ 2020/09/13(Sun) 8:50:44

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[本当に、ここにはたくさんの本がある。
 そこには描き手の描いた空想や思想、
 誰かに分かってもらいたい気持ちが
 所狭しと店内を埋めつくしている。

 たったひとりぼっち、空腹に耐えて
 それでもより良く生きようと
 足掻いて生きようとした異形の者の物語も
 もしかしたら─────?



 カウンターへと戻ったアルバイトの目に
 棚から一冊転げ落ちた漫画が止まる。
 『ポーの一族』と書かれたその漫画を
 棚に戻すと、男はまたカウンターでとぐろを巻いた。]*
(78) ヨキ 2020/09/13(Sun) 8:51:37

【独】 やる気のないアルバイト でゅーーす

/*
>>73
俺ッスか?!?!
モーニングコールはサービス外ッスよー!
(-35) ヨキ 2020/09/13(Sun) 9:07:14

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[そう、例えば『ポーの一族』。
 不死の生き物バンパネラにされた主人公は
 巻き込むまいと妹を遠くの街へ養子に出したのに
 結局妹は自らバンパネラに加わることを望み、
 最愛の妹は人間との戦いの末に散ってしまう。


 例えば『レベルE』。
 食人鬼の少年は葛藤の末、
 愛する少女を食べてしまった。
 それは「許されないこと」だったけれど
 同時に「仕方の無いこと」でもあって。
 食うなと言われても腹は減る。
 寝るなと言われても眠くなる。
 彼らは人の間で暮らすには
 あまりに違いすぎたのだ。


 例えば、『うしおととら』。
 獲物と捕食者の関係だった二人は
 幾度もの冒険の末に最高の友になった。
 「喰ってやる」という執着は
 いつしか「俺以外に喰われるな」という
 絆の形に変わっていった。]
(157) ヨキ 2020/09/14(Mon) 13:04:23

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[探せば幾らでも、物語はある。
 その中のどれが、明日を生きるために必要なのか
 一見じゃ分からないだけで。

 それが和歌であろうが、漫画であろうが
 劇であろうが、歌であろうが
 世界は決してひとりぼっちにさせてくれない。
 それはいつも、読み手の心に
 音もなく寄り添ってくれるのだ。]
(158) ヨキ 2020/09/14(Mon) 13:04:44

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす



    世の中を 憂しと恥しと 思へども
     飛び立ちかねつ 鳥にしあらねば


[そう、或る歌人は詠ったけれど
 唯一許された翼が、自由だ。
 想像の翼は時を越え、場所を越えて
 種族を越えて、心の扉を叩きに来る。

 そういう世界に、このアルバイトは
 心を揺さぶられたのだ。]
(159) ヨキ 2020/09/14(Mon) 13:05:19

【人】 やる気のないアルバイト でゅーーす

[─────ただの「客」から
 「アルバイト」へと変化せしめた運命の一冊も
 今はこの店を埋め尽くす本棚の一角。

 誰が手に取るか知らないし
 手に取ったとて、男の同じくらい
 心を揺さぶられるとも限らない。

 けれどその秘宝は静かに
 手に取られる時を待っている。]*
(167) ヨキ 2020/09/14(Mon) 13:15:54