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人狼物語 三日月国


159 【身内RP】旧三途国民学校の怪【R18G】

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視点:


【秘】 怖怖 ライカ → かれがれ ユメカワ

/*
再放送ありがとうハニー
必ず死んでやる 絶対に、未来を共にしような!
(-8) osatou 2022/07/10(Sun) 21:57:50
ライカは、廊下を駆ける最中、ミナイの声に足を止めた。
(a7) osatou 2022/07/10(Sun) 22:37:01

【秘】 怖怖 ライカ → 不知 ミナイ


────びく。

あからさまに、恐ろしいものでも確認するかのように振り向いて
一瞬だけ、幽霊でも出たかと肩を震わせたけれど
よくよく目を凝らし、君の顔を認めれば、安堵を浮かべた。

「……み、薬袋。」

君とは、保健室登校のクラスメイト──と言っても、
教室なり廊下なりで姿を見れば、何気ない会話を交わすような仲だ。

体が弱くて儚げで──体力面では気を使いつつも、
君を極端に特別扱いしたことはない。


「あー……、いや、居たケド。
 何も無いよ。ほんとに、なんにも。」

駆けていたものだから、僅か呼吸は乱れている。
何度か荒い呼吸を繰り返し、君へと向き直った。

「……そっちは、どしたの。
 何か……あったの? 手伝おう……か?」

何かを誤魔化すかのように
からりと下手な笑顔を作って、思い切り話題をすり替えてやった。
(-16) osatou 2022/07/10(Sun) 22:38:05

【秘】 怖怖 ライカ → 不知 ミナイ


「バケツ?
 そんなの何処にでも転がってるだろ……」

とは言うが。
嫌がる素振りはなく、じきに取っ手の取れたぼろぼろのバケツでも発見するだろう。


「……み、深雪のこと?」

──本題だ、とでも言わんばかりに。
君の視線、言葉、繋がれた手。
その全てが自分を逃すまいとして、向けられている。

事実、自分達の別れ話(?)は色々な人を巻き込んでいたり、気を遣わせたりしているようだから
君もきっと、心配や慰めの気持ちを持ってくれているのだろう。

「あ〜……
 うーん……そうだな……。」

……どうしようか。
言うか、言わないか。たった2択。
君の事はそれなりに信用している──けれど、選べずに暫し沈黙。
たっぷり間をかけて、口を開いた。

「……怖い、けど。
 酷くも辛くも……ないよ。
 W何かあったWケド……大丈夫。」
(-31) osatou 2022/07/11(Mon) 1:57:23
ライカは、空いた手を、君の頭上へ向けて。
(a10) osatou 2022/07/11(Mon) 1:57:44

【秘】 怖怖 ライカ → 不知 ミナイ


弱々しく笑って、
あんまり目線の変わらない、君の頭を柔らかく撫でた。

「僕らの問題だから、
 僕らが何とかする。」

心配はいらない、大丈夫だ、と。
言葉で、温度で、示す。

「あ。」

嗚呼、でも、ひとつだけ。
君に伝えたい事がある。



「……今までありがとな。
 薬袋のこと、結構好きだったよ。」

ずうっと下げていた、カメラの紐へ手を掛けて。
首から降ろせば、君へと差し向ける。
それをやっと手に入れた時の喜び様を、自分が肌身離さず持っていた事を、君は知っている。

「だから、貰って欲しい。」
(-32) osatou 2022/07/11(Mon) 1:59:55

【秘】 怖怖 ライカ → かれがれ ユメカワ


──画面の向こう側。
またグループLINEが鳴っているのかとスマホを確認すれば
君の名前が目に入る。

君を傷つけてしまった、だろうか。
それはそうか。無理もないか。
僅か思い悩んで、文字を打つ。

君がWひとのそとWへ成りかけていたとしても、気付く筈もない。
だって君は、大切な君のままなんだから。

覚悟を、決めなきゃ。





『僕こそごめん』
『もう大丈夫』

『どうしたいかって』
『深雪と居たい』

『今どこにいる?』
(-55) osatou 2022/07/11(Mon) 14:26:10

【秘】 怖怖 ライカ → 不知 ミナイ


「……写真に残せるのか、分かんないからさ。
 壊しちゃったら、僕だってヤだし。」

自分が、自分達が、何をするのか。
自分が何を危惧しているのか。何を想定しているのか。
……きっと、君は理解っている。

だから、これ以上何も言わない。
困った様に眉を下げて、笑ってやった。


肌身離さず、いつだって側に置いていたそのカメラには
今まで撮ってきたデータが詰め込まれたまんま。
彼の笑顔だとか、何気ない景色だとか、廃校の理科室だとか──クリスを撮ったW心霊写真Wだけは、消してしまって残っていない。

「そんで、多分、もう使わないし。
 それならさ、誰かに持ってて欲しくて。」
(-76) osatou 2022/07/11(Mon) 19:59:56
ライカは、お気に入りのカメラを、手離して
(a24) osatou 2022/07/11(Mon) 20:00:26

ライカは、やっぱり下手くそに、笑った。
(a25) osatou 2022/07/11(Mon) 20:00:51

【秘】 怖怖 ライカ → 不知 ミナイ


高校生が買うには、ちょっと高価なカメラ。──それが確かに、君の手に渡る。

なんとなく、
自分が生きていた痕跡を残しているみたいな気分だ。

「そのW誰かWは、
 薬袋が良いなと思ったんだ。」

自分だって、君の事が好きだ。
それは勿論、友情に近い感情だけど。
W特別Wと括るには、十分なほどの大きさ。


「……じゃあ、そろそろ。
 行ってくるよ。」

君と出会えたお陰で、少し心の整理ができた。
……ちゃんとW見出しWて、笑って、彼の元に行けそうだ。





  「
ばいばい。
(-78) osatou 2022/07/11(Mon) 20:01:35
ライカは、君に背を向けて、階段を登っていく。
(a26) osatou 2022/07/11(Mon) 20:02:39

【秘】 怖怖 ライカ → かれがれ ユメカワ





君のメッセージに、既読だけが付いて。
返事は、無かった。

(-83) osatou 2022/07/11(Mon) 21:23:11
ライカは、階段を登る。古びた木が、きしりと音を鳴らす。
(a28) osatou 2022/07/11(Mon) 21:23:30

ライカは、体が軽い、気がする。カメラひとつ分の重みがないから。
(a29) osatou 2022/07/11(Mon) 21:23:37

ライカは、行かなければならない。彼が好きだから。
(a30) osatou 2022/07/11(Mon) 21:23:50

ライカは、……ほんとは、まだちょっと怖い。
(a31) osatou 2022/07/11(Mon) 21:24:01

ライカは、きっと今なら、W見出せているWと思う。
(a32) osatou 2022/07/11(Mon) 21:24:11

【秘】 夢の先 ライカ → かれがれ ユメカワ


3階の、階段を上がってすぐの教室。
ぱた、ぱた、からり──床板とドアが鳴って、
君の前に再び姿を表す。

お気に入りのカメラは、手中にない。
これが自分なりの覚悟で、誠意。のつもり。

「おまたせ、
 ………さっきは、ごめんな。」

もう、怖がったりしないから。
だから、君の側に居させて欲しい。





 ──君以外の全てを、捨てるから。


「好きだ、深雪。
 僕も、ずっと一緒に居たい。」

宵闇の空が、白んでいく。
ぼやけた月明かりに照らされる君が、あんまりにも綺麗で。

惹かれる様に、君の側へと、歩み寄る。
辿り着けば、いつもみたいににっと笑ってみせた。

もうその瞳に、恐怖はない。
(-84) osatou 2022/07/11(Mon) 21:25:37

【秘】 夢の先 ライカ → 不知 ミナイ


振り返る事はしないけれど、
少しだけ、足を止めて。

知っている。君のWいつも通りWを。
故に、君のおかげで固まった決意を、僅か揺らがせて。


「……責任なんて、
 誰のものも取れないよ。」

ただ一人を、選んでしまったから。
たった一人だけを、隣に選んでしまったから。




「ねー薬袋、」
「笑って見送ってよ。」

君が笑ってくれないと、
僕だって泣き出してしまいそうだから。

「……さいごの、お願い。
 もうこんな事言わないからさ、聞いてくんない?」

覚悟は、折らない。
君の望みは、叶えられない。

今君は、どんな顔をしているのだろう。
(-96) osatou 2022/07/11(Mon) 23:30:05

【秘】 夢の先 ライカ → 不知 ミナイ



「───はは、」

振り向くな、と言われたから
君の笑顔を拝むことはない。
見たかったな、なんて思ったのがバレたら
彼は拗ねてしまうだろうか。

「叶えてくれてありがとう、
      僕の大事な友達よ。」


君に贈る言葉は、たったそれだけ。
だけど良いだろう、長々話せば、決意が揺らいでしまいそうなんだ。


そうして、止めた足をまた動かして
古びた木の階段を、一段ずつ踏みしめていった。
(-151) osatou 2022/07/12(Tue) 20:20:16

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


君のすぐ隣は、自分の定位置。
頭ひとつ分高いところから、君の声が聞こえるのが、酷く心地良い。

笑い合えば、Wいつも通りWみたいな空気が流れていって
それがなんだか懐かしくて、また笑った。

「どんなでも、良いよ。
 だってそんな深雪が……す、好きなんだから。」

ああやっぱり、慣れないな。
歯の浮く様な台詞は、何度吐いても照れ臭くて。
いつか自然と言える日が来るかな、なんて考えてたけど、どうやら来ないらしい。

「……もう、一人にしないから。
 空回っても、ダイジョーブでしょ。」





幼い頃は、ちょっと体が弱くて。
自分の為にと越してきた先が、この広大な田舎で。

初めはうまく友達が作れなくて、ずっとカメラばかり触ってたから
君が声を掛けてくれるよりも、ずっと前──インスタントカメラを持っている君の姿を見つけてた。

思い返せば、きっとあれが一目惚れ。
(-154) osatou 2022/07/12(Tue) 21:05:38

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ



「……あのさ、
 この町の──夜景が見たい。
 いちばん高い所から、二人でさ。」

自分達が出会って、関係を育んで、
生きていた景色が見たい。
カメラは置いてきたから、
レンズの代わりに、自分の目で。

「この校舎あんま高くないし
 灯りも少ないけど……まあ、
 ギラギラしてるよりは綺麗だと思う。」

最期の、デートの誘い。
自分から何か切り出すのは、数えられる程しか無かったから
さいごくらい、自分から。




「……深雪と見たいんだ。」

そっと君へと、手を差し出す。

屋根の登り方なんて知らないけれど
少しだけ格好付けるくらいは、させてくれ。
(-155) osatou 2022/07/12(Tue) 21:06:37

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ

/*
バタフライ今日は今までの
どんな日々より美しい

飛び降りていこうぜ
結婚死き、しような!
(-156) osatou 2022/07/12(Tue) 21:09:11

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


「──……〜〜っ、!?」

懐かしい唇の感触。目を見開いて、次にぎゅっと閉じて。
──もっと、と、唇を薄く開いて、控えめに舌を絡めていく。
静かな教室内に似つかわしく無いリップ音を立てて。

「……、ん、」

自分達が付き合って、だいたい一年くらい。深いキス。君と数えきれない程交わした筈なのに、上達しなかった、とぼんやり思う。


───暫く、そうしていて。
 息苦しさに胸を叩いて、どちらからともなく唇を離す。

「……やるなら、やるって、」

ちゃんと言ってよ。なんて、どの口で言うのか。
君をじとりとねめつけて、それでも繋がれたままの手を引けば

「……行こう死のう
 僕が居るから、大丈夫。」

もう離さないから、命を終わらせに。
夢の先へ、向かう為に。


さて。
「や……屋根って、
 どう行ったら……良いんだろな。」
(-189) osatou 2022/07/13(Wed) 11:31:08

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


同じではない気がする。いつだって君の方が一枚上手だ。
……なんて言ったところで、水掛論。

「………もう。」

仕方ないな、と独りごちれば
五指を絡めた手を引いて、君の言葉の通りに空き教室を後にする。

「連れて行くよ。
 離さないからさ、安心して。」

ここを出て、右の突き当たり。
廊下の隅の目立たない階段。
屋根裏に上がる──前に、音楽室からパイプ椅子を拝借してやった。
足りなければ、瓦礫でも何でもかき集めてやればいい。

「さっきセンパイと来た時、
 階段なんて見逃してたな……。」

情けないけれど
君以外見えていない、証左。

さて。
パイプ椅子を引き摺って屋根裏へと登れば、確かに上へと続く穴がある。
ぎし、とパイプの鉄錆を鳴らして踏み付けて、屋根の上──いちばん高い場所へと辿り着くだろう。

君を先導して、手を引いて。
存分に甘やかすのは、僕の特権。
(-241) osatou 2022/07/14(Thu) 1:15:18
ライカは、君を連れて行く。
(a81) osatou 2022/07/14(Thu) 1:15:42

ライカは、「足元、気を付けて。」
(a82) osatou 2022/07/14(Thu) 1:16:53

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


───屋根上。
星空にいちばん近い場所。

落ちてしまわないように、確と足腰へ力を込めて
ゆるりと屋根へ腰を下ろす。勿論、君を隣へ誘って。

「……カメラじゃ、
 上手く撮れないんだよね、星って。」


電気の灯りが少ない町では
夜空に星々が力一杯煌めいていて、
そうして、大きな月が、僕たちをいっとう優しく照らす。

まるで二人の選んだ夢を、
見守ってくれるみたいだ。

「……綺麗。」

星空、それから君が。
僅かに残る死への恐怖を、全部飲み込んでしまいそう。

「夜景は、見に行った事無かったよね。
 夜は……いつも、家で……、だったし…………。」


……もう少し。
もう少しだけ、デートを楽しませて欲しい。
これから踏み出す一歩は、あまりにも大き過ぎるから。
(-243) osatou 2022/07/14(Thu) 1:17:23

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


君と当たり前みたいに隣り合って、
綺麗なものを綺麗だと、好きなものを好きだと言って
まるで普段と変わらないW日常Wを、味わって。

レンズを通さずに見上げた空は、いつもよりも綺麗に見えた。
嗚呼、これから死ぬんだ、なんて。実感は未だ湧かない。


「か、わいいって……僕が………?」

そうして、君のストレートな言葉には、むっと眉を顰める。
可愛がられるのも嬉しいけれど、
他の誰でもない君には、もっと───

「格好良いとか、頼り甲斐があるとか
 そういう方が嬉しいんだけど……?」

……そっとその横顔に、頬に唇を触れさせて
意地悪には、不意打ちで仕返してやった。

(-278) osatou 2022/07/14(Thu) 20:04:32

【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ


そんなふうに君と笑い合って、戯れて。
どれだけの時間が経っただろう。

軽口から、意地悪、愛の言葉まで。
伝え合って、何となく互いに言葉が止まる頃。

「………、」

そろそろかな、なんて
誘うように両腕を広げて、君をまっすぐに見据える。




「好きだよ、深雪。
 ずっと……一緒に居よう。」

太陽が目を覚ます前に。
行かなくちゃ。僕たちの夢の先へ。

君をこの腕に抱いて、その後はどうしよう。
何もかもに逆らって、空でも飛んでやろうか。
(-281) osatou 2022/07/14(Thu) 20:06:12