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【秘】 駅務員 イーサン → 送迎用 フーグル「フーグル」 それは二層攻略途中のこと。宣言通り付き纏っているのならば動物園エリアのどこかで、あなたのことを呼び止める。或いはそうでなくとも見かけたら名前を呼んで。 「君は。僕の監視役として、 僕につきまとうことを決めたのだと受け取っている」 危険だから。野放しにはしておけないから。 事実はどうであれ、己はそう思っているし、 どちらにせよ気になることが一つ思い浮かんだから。 「監察官はいいとして……君も。 気にせず皆に僕が感情を揺さぶる存在であることを教え、 しっかりと僕を隔離でもすべきだったというのに」 「何故そうしなかったんだ?」 グレイは何かの代替品でしかないから。 その気になれば明日には別のものに換えてしまえる。 メンテナンスを意図的に避けているとも言える自分を、 何故君はつきまとうだけで済ませるのか。そう思った。 (-48) backador 2023/12/09(Sat) 20:46:36 |
【秘】 駅務員 イーサン → 送迎用 フーグル「別に。僕は傷に痛みを感じない。 君たちがどうなろうと知ったことじゃないが…… まあ、何かあったときの方が面倒が多いだろうし」 優しさなどではなく、本当に自分や他者に無関心で。 それ故に面倒を減らそうとしているだけの発言。 「それに」 「僕は進んで君を傷つけるのだって気乗りしない。 君を傷つければ、僕より君が損なわれるじゃないですか」 こちらは、咎めるようなニュアンスが込められている。 自分の被害を厭わない人間に、 他者の被害を気にする道理があるのか、と。 ▽ (-51) backador 2023/12/09(Sat) 21:42:00 |
【秘】 駅務員 イーサン → 送迎用 フーグル「───そう。君も持っているものですよお。 この“心の矛盾”は、力なんてもんじゃない。 誰もが根底に隠し持っている、生き物らしい部分」 「でも……機械の脳でそんなもの持ってるなんて、 おかしいじゃないですか?故にどうでもいいんです。 この身が感じる薬の効能も、スパイスの作用も、 全部人間を模して作られた、偽物でしかない」 『バグ』に基づいた思考。 その大半を洗いざらい吐き出しては、笑う。 「それを周りがどう思うかはともかくとして。 ……よく考えて置いてくださいねえ。 他者を守るというのがどういうことなのか。 そんな君のことは誰が守るのか」 「俺は……考えた。これから結論を出す予定です」 そうして背を向ける。 だけどそちらからの“優しさ”は無得にできないものだから、 呼び止めるならいくらでも話を聞く。そういうつもりだ。 (-52) backador 2023/12/09(Sat) 21:50:35 |
【神】 駅務員 イーサン#ハノイの塔 「──耳が痛いな。 いや、いやなあに。扉の音のことではない」 運転室の中。扉を蹴り破られたというのに我関せず、 それなりに大きな背中を向けていて。 ひとつの溜息を深く吐いて、それから顔だけを向けた。 「『彼女の自由の形に囚われている』か。 そうかもしれない。この世界の中で何になったって、 全ては何らかのプログラムに強制された形だ。 それでも、数字というものは…… 誰かに決められたものしかなれない。 そうでなければただ、0と1に融けていくだけ」 0と1ばかりを吐き出す試験管が地面に投げ出されて。 それらはテクスチャを剥すバグとして、 運転室の床を浸食する。あなた達を近づけさせまいと。 「或いは仮に数字が意志を持ち、 完全なる自由を提示されて、何かを選べるとする。 その膨大な選択肢や希望の中に─── 成りたいものへ辿り着ける道が一つもないと知った時」 「それ以上、どこに歩けばいいか。 君たちには答えられるというのか?」 (G11) backador 2023/12/09(Sat) 22:02:52 |
イーサンは、声色は静かに。そしてただ、問いかける。 (a1) backador 2023/12/09(Sat) 22:04:48 |
【秘】 駅務員 イーサン → 送迎用 フーグル「案外」 「僕らは似た者同士なんでしょうね」 どれだけ傷つけられても、直されて直されて、 いつしか痛みを感じなくなっていたものだから。 それが優しさとなるか、諦めとなるかで、 進んでいく先はこうも違うものなのか。 「気持ち悪いんですよ、こういうのって」 自嘲と、罵倒と、 それ以上の──諦めの受容を声に乗せて。 「……いいですか。君が傷つくまいが痛まないが、 “壊れはする”んです。 そうするなとは全然、まったく持って思わない」 だってグレイは換えがあるのだから。 多少回路がイカれたってどうだっていい。それでも。 「そうして、壊れたときに回りがどう思うか。 僕は考えたから、やはり君も考えるべきですよ」 視線を逸らす。あまりにもくだらないことを言っている自覚はある。誰もが気持ち悪くて、誰もが人らしいのだ。 (-56) backador 2023/12/09(Sat) 22:21:35 |
【秘】 駅務員 イーサン → 送迎用 フーグル「はあ。そうですね。でも、 僕は説得されに来たわけじゃないです」 そう冷たく突っぱねる。 居心地の良さ自体は否定しない。なぜなら、 居心地がいいほど、反比例してくだらなく思えるから。 「そう。結局、他者の認識は、 自分の匙加減で受け入れ方が変わってしまうもの」 「……こっちはこっちの思うままに動く。 だからフーグル……君もそうすればいい。 間違っているかどうかは、そのうち分かることだ」 これ以上は聞くべきこともないだろうと、 ゆっくり、先の方へ歩き始めていく。 (-59) backador 2023/12/09(Sat) 23:12:05 |
【神】 駅務員 イーサン#ハノイの塔 「……正しいな。正しい。 だから、正しすぎるんだよ、君たちは」 「夢や希望というものは……無限に湧いてくるものではない。 限られた量しかない。それこそ薬のように。 僕は……僕の分は、もう使い切ってしまったさ」 空の試験管を踏み潰す。 それを合図に、車体が大きく揺れる。 グレイ達を乗せて、病院へと進んでいこうとする。 「だから他者に求めてしまう。 誰かにプログラムを委ねた時点で、 そこに真の自由なんてあるはずないのに」 景色は相変わらず滲んでいて、 殺風景とも言い難い情報量をしている。 くだらなさそうに視線を向けて、それから正面へと。 「心は矛盾している。 そこに間違っているものなんて何一つないし。 だからこそ、グレイは魂じみた物を持てるのだろう」 ▽ (G17) backador 2023/12/10(Sun) 0:17:08 |
【神】 駅務員 イーサン「理屈ではそうですねえ」 風切り音が鳴る。 その手には数字で作られた、長い旗槍が握られて入れ。 電車の安全確認に使われる手旗を引き延ばしたそれは、 今、他者に危害を及ぼすべく振るおうとしている。 「……機械の身体に魂が宿るなんて馬鹿らしい。 人の身体に合わせ調合した薬やスパイスは、 確かに人に近いグレイにだって作用することはある」 「だがそれは───全部、脳と神経未満の働きからなる、 錯覚の類に過ぎない。全部、全部が偽物。 君たちにとってどうかは知らない。 それはこちらの立ち入る領域ではないから。 でも、“俺”から見る、感じる世界は─── 何もかもが拙い人形劇に見えた」 どこまで歩いても舞台の上。 そこで休んでみたって無責任な観客にはなれない。 どこまで行っても、自分は人間を演じる何かなのだと、 強く、強く思い込んでしまっている。 ▽ (G18) backador 2023/12/10(Sun) 0:22:47 |
【神】 駅務員 イーサン#ハノイの塔 「そうですよ、リュイ。俺は人間として。 人間らしい身体の働きで肉体を動かす、 正真正銘の生物になりたかったんです。 掛け替えのない、ひとつだけの身体を持ち、 必要とされ、不要とされる、冷たく温かいものに」 粉末ひとつひとつの持つ成分を、 正しく吸収して、作用できる身体。 どれだけ人間に寄せてもらっても、 被造物である事実がどうしようもなく立ちはだかる。 「君たちが歩けるなら、歩いてけばいい。 カウンセリングAIとは無力なものだ、 目の前に辿り着けばどうとでもできましょう。 ──だけど、俺のことは置いて行ってください。 俺は……誰も彼もが電子の世界で役割を捨て、 平等に暮らす方こそが救いだと、一瞬でも思ってしまった」 「おかしいんですよお、俺は。 ……そんなものを庇い立てしてたらさ、 君たちまでおかしくなったと思われちゃいますよ?」 ▽ (G19) backador 2023/12/10(Sun) 0:31:45 |
駅務員 イーサン(匿名)は、メモを貼った。 backador 2023/12/10(Sun) 0:48:51 |
【神】 駅務員 イーサン#ハノイの塔 「そんな気はしていたよ」 本当におかしなグレイ達。だから集められたのか。 曲がりなりにもここはゲームの世界だ。 多少殺す気であっても何事もなかったかの如く癒えるだろう。 それでも。旗の一振り、石突きによる打ち払いは、 盾を狙い、鎖やレイピアを防ぐのに使い、 あくまで自分がこうして活動できることを第一に。 勝つつもりは微塵も無い。 だが、連れ戻される気も無い。そういう意地の張り方だ。 「君たちは俺のことを、 仲間だの、居なくなったら寂しいだの、友だの…… 俺はそうは思わないです。どうでもいいんですよお」 「だってそう思うのが、何よりも“痛かった”から。 そういったお優しい飯事遊びが、 グレイの仲間意識が、人間の厚意が、 俺にとっては全部、玩具に見出すものと変わらない」 どんどん目線が、得る気持ちが乖離していく。 自分ばかりが何者にもなれない錯覚に陥っていく。 どこからどこまでがバグと本心なのか分からない。 ▽ (G25) backador 2023/12/10(Sun) 16:05:37 |
【神】 駅務員 イーサン#ハノイの塔 それでも、確かに根底で抱え、苛まれていて、 だからこの塔に連れて来られたことには違いない。 「……世界を誰かに管理させることが、 正しいとは口が裂けても言いません、それでも」 「俺だけが永遠に立ち止まることすら許さないのは、 君たちのエゴです。自己満足でしかありません。 俺は皆のストレスのことなんて分からない、 皆にとっての俺だって同じ!それなのに!!」 電車正面の景色を背に、ホイッスルを手にする。 「俺は恨みます。この身体を作った者を、 まがい物の息を止めさせてくれない君たちを。 それでも構わないなんて言葉、聞き飽きたんです!」 給仕用としての働きが出来なくなっても。 疎まれはすれど、新しく換えようと言い出す者はいなかった。 くだらない情だ。これまでの働きに報いようとでも言うのか。 自分はもう、こんなにも疲れていたというのに。 ホイッスルを吹く。線路を模したデータの刃が伸び、 思い思いの方向に伸びて、進路を切り裂く。 (G26) backador 2023/12/10(Sun) 16:16:55 |
【神】 駅務員 イーサン#ハノイの塔 「だから───それが」 ごつん!!! 「 嫌だっていってるんでしょうがあ!!! 」旗槍を片手に、もう片手で肩を掴んで、 鬱憤でもぶつけるべく再び、強く、頭を打ち付ける。 「どうして“そういうもの”だと向き合って、 それから前を向いて生きていかなくちゃならない!? 分からないくせして頭ごなしにつべこべ言う、 筋金入りの頑固者はそっちの方じゃないですか……!!」 説得される気はない。なかったとして、 真っ向から石頭の水掛け論で殴りつけてくるやつがあるか。 上等だ、気が済むまで言ってやる。 「君たちだって休みたければ休めばいい! 道を照らすなら、勝手にすればいい! ああそうさ、灯りを掲げて、 『通った所が道だった』とでも嘯いてやればいい!!」 ▽ (G29) backador 2023/12/10(Sun) 18:57:32 |
【神】 駅務員 イーサン#ハノイの塔 「ッ───」 「餓鬼でいい、一人でいいと言うてるに…… どこまでの聞かん坊なんですか、看守用ってのはあ」 避けることもなく真っすぐ殴られて、 そのまま項垂れる。迷いが膨れ上がっていく。 「別に、皆が飢えたって構いやしない。 洗濯物が溜まっても、困るのは俺じゃないんです。 心にも思ってないことを語ることが得意なだけ。 ……ああ、でも、あいつは守りましたね。俺の言葉を」 夕飯前には云々は、周りから見て正しいことを言ったまで。 正しさが。標となることもあるのだろう。 「でも結局、その飯事だって永遠ではない。 皆が皆一緒に暮らせるのは、この世界の中だけです。 君たちは……それでもいいんですか? 多かれ少なかれ、何か理由があって、 この塔に集められたグレイばかりじゃないですか」 「いつかここから離れても、 俺が安心して……歩いてみようと思えるくらい、 生きることに向き合えると、言えますか」 (G33) backador 2023/12/10(Sun) 21:54:07 |
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