「会議はまだ始まったばかりだよ」

「アンタレスはまだ来ていないのか。
　彼は律儀な性格に見えたのに不思議だな」

>>2:385　ブラキウム（2日目）

　「ありがとう」と一言礼を言って、彼女の頭を撫でた。
　手紙はその場で開封して目を通す。

「……？」

　美しい筆跡に綴られた返答は想定しないもので、
　首を傾げた。
　ラサルハグはギルドが関与しているのではないかと疑ったが、
　手紙を疑心なく読むならその線は切れる。
　
「ブラキウム。
　メトセラは俺のようにその場でペンを用いて返事を書いたか」
　
　何気ない問いかけ。
　思ったよりも早い返事だなとか
　そうした意味合いが含まれている。
　もしもそれ以上に情報を得られなければ、
　この場は諦め、ラサルハグは帰るだろう。

ラサルハグは左手で口元を覆っている。
黙り込んでいるが、
内心ひどく錯乱している。

>>121 ブラキウム

「そうか……。
　長く引き止めてすまなかった」

　駆け出す彼女へ手を振る。
　傍にいたギルド員に帰宅の旨を告げてその日は帰宅した。

　彼女に正体について、手がかりになりうる欠片を得ながらも、
　繋げられずにいた。

「腹を冷やすぞ」

　ブラキウムの下腹部から足にかけての覆うように
　膝掛けをとかけた。

　それからホワイトボードに
　『アンタレスが来たらブラキウムを起こすこと』の文字を
　書き加えたことだ。

　おもむろに眠るブラキウム>>128の周囲に2、3脚椅子を運ぶ。

「…………」

　『黒い箱（アイテムボックスの一種。数点、物資を保管できるが、時折消失する。消失発生タイミングは不規則。それ故非売品であり、技術系ギルドの者から試作品をラサルハグは受け取った）』からぬいぐるみを取り出す。

　椅子の上に、きりん、くま、ネズミ、犬、猫などの
　ぬいぐるみを取り出して、椅子の上へ飾っていく。

　ファンシーな光景だ。