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【秘】 黄金十字 アウレア → □□ エーラ「ナルも言ってたのかよ!! まあ手伝ってもらう時に困るのはそうなんだけどさッ……」 こればかりはあなたの方が正しい。 深夜に自室の机の汚さを年下の後輩に諭されている図。 分かっちゃいるがそれはそうなので言い返すのをやめた。 「俺様ちゃんともなると二つの性質を併せ持つか……」 なんてふざけた事を言いつつ、 こちらはすいとコップを空にして。 「だってそうだろ。……なんだよ、甘えんぼか?」 「俺はしょうがないトコあるし……それに、」 抱き締められれば、少しの温かさ。 いつも通りに抱き返そうとしたところで。 → (-242) susuya 2024/04/03(Wed) 13:01:26 |
【秘】 黄金十字 アウレア → □□ エーラ「ッ、あ ?」 痛み。 「な、にして……ッ、!?」 あなたの背中に回そうとした手は、 代わりに拳の形を作り鳩尾に目掛けて突き飛ばすように あなたに叩きこもうと。 何をされた? いつもの悪戯ではない。 何かを流し込まれた感覚。注射針? であれば、どうして、 ――いや。 「……エーラ」 「本当は何の ご用事 なんだァ?」「 言ってみろ 」あなたが離れても、離れずとも。 アウレアは針を刺された場所を押さえながらそう問いかける。 (-243) susuya 2024/04/03(Wed) 13:04:01 |
【秘】 黄金十字 アウレア → □□ エーラ即座に立ち上がり素早く距離を取る。 やはりというべきか、袖から見えた針。 その先から床に落ちる一滴を少し目で追って舌打ちをした。 「ふ」 「ふは、は、はは! あははは! そう、そぉかあエーラ……」 「オメェかぁ…… もう一人 は。こりゃあ他にも誰か居やがるな」 「勿体ぶってないではっきり言えばいいんだよ! 俺を殺しに来たんだろう? 良いチョイスじゃないか。 メイドマンかつエンジニア、邪魔臭いだろうなあ」 アウレアは呵々と笑う。 すっかりいつも通りのなりを潜めたあなたを、 いつも通りの調子で見据える。睨みつける。 ……少し頭が痛い。何を打たれたかわからないが、悠長な事はしていられない。 この身体の事だ、少しは丈夫に作られているだろうが。 覚悟はもう既に決まっている筈だ。 一つ、息を吸い込んで。 「――Type-Noah、 緊急コール:Carpe diem! 次のアウレアによろしくなぁ、良き旅を!!」 『本気ですか?……緊急コールの受理。アウレア、良き旅を』 鋭い声がオトモ君――小型ドローンにコールを告げる。 ピピ、と小さい電子音の後、ドローンの姿は搔き消える。 (-257) susuya 2024/04/03(Wed) 14:53:53 |
【秘】 黄金十字 アウレア → ソーレファミリー エーラ「知ってるともよ。そっちが動くと思ってたんだが……、 小回り効くのは確かに君の方だ」 「流石にそこら辺は分かってるってワケね。 やっぱヨソにも有能さが知れちゃったか〜っ、と。いいもの持ってんな?」 修道服の横、目立たないスリット部分に手を入れ――、 拳銃を向けられれば止まる。 「俺様ちゃんがこの世から居なくなったら 流石に世界の損失だろ〜? もち取ってるってぇ」 「……なんて冗談も言ってられなくなってきたんだけどな。 お前、どこのシマの奴だったんだ? いや待て、当てよう」 凶器を突き付けられるのは想定内だ。 動揺はしないが十分警戒に値する。それでも努めて、いつも通りに。 「最近見た名前なら……ソーレか、」 途端。 。――カクン、とあなたの照準から外れるように体の力を抜く 「 なァ!! 」そのまま自ら頽れるような動作を踏み込みに変換し、 背の低いあなたのさらに下方から投擲したのは……杭だ。 修道服に忍ばせておいた銀製の太い杭は、 ナイフのようにあなたに目掛け飛ぶ。 これもただの牽制だ。少しでも動揺を買えば次に繋がる、筈。 尤も、そろそろ薬が効いてくる頃だろうか。 (-268) susuya 2024/04/03(Wed) 18:23:22 |
【秘】 黄金十字 アウレア → ソーレファミリー エーラ投擲した時点でさらにもう一本袖から杭を出す。 踏み込んだ足が床を全力で蹴り飛ばし、 肉薄せんとする間にもう一つ――十字が刻まれた槌が握られた。 視線が合う。 無謀だろうか。相手の持つ武器は一発当たれば死に至る。 対してこちらは武器とも言えない古びた道具。 無謀でも愚かでもなんでもいい。 絶対に逃がしはしない。 「あんまり、」 狙いは定めた。片足を前方、あなたの横に踏み出し支えに。 左手に杭。右手に槌。ここからなら心臓を目掛けて、 「ナメんじゃ、……ッ、!」 ぐらり。 ――途端に眩む視界。 ぐにゃりと歪んだ視界に、体勢が傾げる。 構わない。当たればいい。 ぎり、と奥歯を噛み締め、 → (-283) susuya 2024/04/03(Wed) 20:41:56 |
【秘】 救済執行 アウレア → ソーレファミリー エーラ「――ねェぞ!!」 思い切り、振り抜く。 大幅にずれた狙いは胸から腹へ。 自分の手ごと埋める勢いで振ったつもりが、 予定よりも傷は浅かったかもしれない。 もしかすれば、簡単に躱されてしまったかもしれない。 それでも鋭い金属が勢いよく人体に打たれれば、 少なくとも無事ではいられない事はあなたにもわかるだろう。 「ぐッ、う!」「あ、」 どさ、と勢いのまま床に無様に倒れ伏す。 すぐに立ち上がろうとしては、また膝を付き。 「ノッテがんな、 簡単に 、ぃ」「マジ、っ、何打った?」途端に息を荒くして、それでも尚まだ対峙しようと。 落ちたウィンプルに見向きもせずに立ち上がる気で。 (-284) susuya 2024/04/03(Wed) 20:43:00 |
【秘】 救済執行 アウレア → 通信士 カテリーナ「だってよお」 「……誰も疑いたくないんだもの。嫌んなるよな。 俺様ちゃんにとっては全員大事な人間だったぜ」 「俺様ちゃんは裏切りは嫌いだが……怨めねえわ。 今まで一緒に居た奴を信じられないって、心細いんだよ」 「……だから誰がクロだとしても赦しちまうわ。 悲しい、寂しいより先に。性分だな」 報いはあるべきだと思うがな、と付け足して。 声音は本当に、寂し気で。 「ねー。その時はお土産の袋でも持って行くかな。ハハ」 そうやって笑うアウレアも、すぐにいつもの調子に戻る。 「えっ、ホントか!? やったぜ〜! 楽しみにしとくな! 俺様ちゃんからもなにかご褒美を予定しようか……」 「…………」「しっかりしろよ〜?」 そしてまた沈んでしまった表情に、 腰に手を当てて苦笑いをした。 「お前は大丈夫だよ。しゃんとしな」 (-286) susuya 2024/04/03(Wed) 21:01:14 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 通信士 カテリーナ「……ま、しゃあねーのかもな。 平和な振りしてっけどその実マフィアなんてこんなもんさ」 「 まあキレたっちゃキレたけど…… 」キレていました。喉元過ぎれば平気なタイプなのかも。 「全ての魂は赦されるべきだよ。そして祝福されるべきだ」 「どうせマフィアなんざ全員地獄行きだしねぇ。 今の内に赦し合って地獄の門の向こう側で笑いたいや」 どうせウチらが何言ったって神様は許してくれるからね、なんて。 シスターにしては緩い言葉でそう言ってケラケラ笑った。 「まっ、今日は早く寝とけよ〜? 仕事が落ち着いてるときに寝た方がいい」 「俺様ちゃんもそろぼち残った仕事してきますかねぇ……。 オハナシ聞いてくれてありがとさん」 そう言って、ひらりと手を振って。 そのまま離れようとしたけれど、途中「あ、」と気づいたように。 「ほい! チョコ!」 持っていたトートバッグの中から、ポイとあなたに放った。 (-297) susuya 2024/04/03(Wed) 23:13:00 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 通信士 カテリーナ「まかせな〜? 一言はガツンと言ってやるって」 「まあ……死なねえのが一番だよ。 どうせ笑うなら全員笑って生きててほしいもんだぜ」 ――結果として、それは叶わなかったのだけれど。 叶わないかもしれないから、どうか、なんて。 祈りの意味を込めて、言葉にしたのかもしれない。 「そ。いっちゃんデカいブツの点検がまだなんで。 だぁいじょうぶだよ、ウチはただじゃあやられないから」 かつん、かつん。 手の上で踊るように跳ねて収まったチョコと、 慌てたようなあなたの姿にくすくすと笑い。 「頑張れよっ。おやすみ」 ぱちんとそんなウインクをして、 あなたの元を去ったのだった。 それが最期だった。 結局アウレアは、あなたが『裏切り者』なのだと気づかぬまま。 それはきっと神様の悪戯だったのかもしれない。 知って、生きていたらきっと、また違う未来が。 その全てはもはや、もしも話でしかないけれど。 (-359) susuya 2024/04/04(Thu) 23:29:43 |
【秘】 黄金十字 アウレア → ソーレファミリー エーラ「動ける、し……!」「キ、ッツい、けど!」 ――嘘だ。動けていない。 ようやく立ち上がって、槌を握りしめているので精一杯だ。 辛うじて外れていないハートフレームの眼鏡の奥で、 緑の目があなたと、あなた以外の何かを見ていた。 袖からもう一本杭を出そうにも、酷く手が震えている。 「こんな事、すんなよ」「キャプテンだって悲しむ、んだよ」 黒い影に囲まれている。かつての仲間の姿が見える。 炎に包まれている。マーブル模様のノイズ。強い光。 「う、ぁ」「は、ははは、は」「あッ、たま痛い……」 伽藍洞に見える。歪んで見える。眩んで見える。その隙間に、あなたの姿が見える。 目を閉じてはいけない。目を逸らしてはいけない。 「潰れる、訳、ねェだろ……宙がある限り、」 「夜はずっと続く、ってな」 随分重たそうに。ずるり、と、槌をゆっくりあなたに向けて。 「……とっとと殺りなよ。あんたにはあんたの役目が、だろ」 「お互い、カッコはつけとかねェと……ふ、ふふ」 「よーく狙えよ……外したら殺しちまうぞ」 → (-368) susuya 2024/04/05(Fri) 0:41:44 |
【秘】 君の友達 アウレア → ソーレファミリー エーラアウレアは立っている。自分のプライドと、精神力だけで。 もうろくに真実を映さぬ目を歪めて、笑っている。 抵抗はない。出来ない。ここで殺されることを悟っている。 「安心しろ」「神は赦して下さるよ」 死ぬのは怖くない。怖いと思った事は無い。 ただ、 「……エーラ」 「楽しかった」 胸が痛い。 膝を 付いた。 (-369) susuya 2024/04/05(Fri) 0:45:00 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 仕分人 ナル「おお……俺様ちゃんの保存か。びっくりした。 盗撮を本人の目の前で依頼するんじゃねえ。 人格データなら取っといてるぞー、探して勝手に見ろ」 なんとも投げやり。ただし嘘は言ってなかった。 自分があなたのデータを見たのだから自分も明かそうと、 この船のどこかに隠してあるんだ、なんて付け足して。 「まあ……要はあれだろ、アルバム作り。 オトモ君のマスター権限ナル君にもあげておこうかな……。 後から好きに見れるようにしとくね。悪用しないでしょ?」 『はい。オトモ君も良いと思いました。 お任せください、オトモ君にはセンスがあります』 ぴぴ、と電子音の後、白い機体が誇らしげにくるりと回った。 「……ん。頼むぞナル君、その意気だぜ」 「死ぬなよ〜?」 んじゃな、と笑みにはにかみを返した。 背中を最後まで見送って。 どうかあなたが望む通りになればいいと、祈った。 それから先。アウレアの死が告げられた後。 きっとアウレアの言う通り、オトモ君のマスター権限はあなたにも付与されていただろう。 オトモ君の内部データはクリーンアップされていたけれど、 あなたの望んだ思い出はアウレアの持つガラクタのどこかに。 それが見つかるのがいつかは、命無き者には判らぬ事だ。 (-377) susuya 2024/04/05(Fri) 1:25:13 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 正常動作 エーラぱん。 「ぁ、」 視界が弾けた。あたまが、はじけた。 ぱん。 激痛。焼けるような、燃えるような。 ぱん。 冷たいような。 撃たれた勢いで、アウレアの身体は仰向けに倒れた。 壁に掛かる黄金の十字架を仰ぎ見るように。 気に入っていた煙草がそのはずみでポケットから落ちて、 広がっていく紅に浸って行った。 見えない。なにも、どこも動かない。 けれど最期、声だけは聞こえて。 「 」 照れんなよ、って皮肉ってやろうって思ったけれど。 その前にふっと、意識が落ちて。 そのままだった。 それきりだった。 (-379) susuya 2024/04/05(Fri) 1:53:15 |
黄金十字 アウレアは、メモを貼った。 (c4) susuya 2024/04/05(Fri) 2:02:25 |
【秘】 黄金十字 アウレア → 仕分人 ナル終ぞ剥がされなかったままのシール。 このドローンにも自分で剥がせる術はあるのだが、 あれからずっと貼ったままでいる。 『……現存しているプロトタープデータから分析した結果』 『感情が関係するため演算結果の正確性は不明ですが』 『アウレア様は楽しんでおられたと推察します。 あの方は仲間と過ごすのがお好きな方ですから』 『寂しがり屋であることは事実だと判断します。 でなければ『アウレア』という在り方を 選ぶことはなかったでしょう』 幼い子供の声をした合成音声がそう告げる。 かつてのマスターの亡骸を見ながら。 誕生日はいつになるかという問いには、機体を傾けた。 『不明です。当該データはロストしました』 ふよ、と体勢を直しながら一つの事実を述べて。 それからお供をするように、あなたの後を追っていった。 (-397) susuya 2024/04/05(Fri) 10:53:28 |
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