【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地―― 1d朝の廊下 ―― ……はよ。 [おはよう。 かけられた言葉に、曖昧に返す。>>1:479 大丈夫じゃないよな、って。 わかってるよ、って感じで、君が言う。 だから俺は、 大丈夫、って言わずに済んでしまう。 ……甘やかされてるなぁ、って気分。 本当に、酷いやつだよ、君は ] (66) だいち 2022/10/17(Mon) 7:54:38 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[謝らなくていいよ。 君のせいだとは思っていない。 君に誘われたのは事実だけど、 他の誰かにも誘われた気がするし。 俺はこれでも、 自分の行動には自分で責任を持つ方なんだぜ。] (67) だいち 2022/10/17(Mon) 7:54:47 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[突然取られた手に、その持ち主を見やる。>>1:486] ――――え? サボる…? [まさか君からそんな単語が飛び出すとは。 瞬くのもつかの間、君は甘い誘いをかける。 正直、授業なんか受けてる場合じゃない、 みたいな気持ちはあった。 鼓膜を揺らした囁きに、 思わずくすぐったいような心地がして、 小さく笑ってしまう。 それは、是の返事と同義だ。] (68) だいち 2022/10/17(Mon) 7:54:59 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[誘われるままに、向かったのは屋上。 こんなの先生に見つかったら、 絶対怒られるじゃん。 そう思ったら何だかおかしくなってしまって、 俺はつい、胸を弾ませた。 君が慣れたように、日陰へと向かうのに、 俺も着いて行って、 壮真の隣に腰を下ろした。>>1:488] (69) だいち 2022/10/17(Mon) 7:55:09 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 ……つまらない話だよ。 子守唄にもならないくらい。 [まるで寝物語を要求するように、 君が俺を促す。>>1:490 爽やかな風が吹く。 秋の空は高く、鱗みたいな雲が流れている。 捕まっちゃったなぁ、って気持ちと、 やっと……という気持ちがないまぜになって、 ……ずるいなぁ、って、なんとなく思うんだ。] (70) だいち 2022/10/17(Mon) 7:55:22 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 俺にはね、兄ちゃんがいたんだ。 12歳年上の兄ちゃん。 物心ついた時から兄ちゃんは、 俺のことをめちゃくちゃ可愛がってくれててね。 『俺の救世主』とか、言うんだよ、俺のこと。 普通天使とかじゃん?言うとしても。 いっくら可愛がってるって、言ってもさ。 (71) だいち 2022/10/17(Mon) 7:55:37 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 意味が分かったのは、 俺が小学生になるくらいのころだったかな。 俺、本当に、兄ちゃんの救世主だったの。 俺は、文字通り、 兄ちゃんの救世主になるべく生まれたんだよ。 [そう、 俺が『俺』じゃなきゃいけなかったのは、 俺が兄ちゃんの救世主だったからだ。] (72) だいち 2022/10/17(Mon) 7:55:49 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 兄ちゃんは、血液の病気だった。 薬での治療には限界があって、ちゃんと治すには、 骨髄とか、まぁそういうヤツの移植が必要だった。 骨髄バンクってね、 中々ピッタリのドナー見つかんないの。 でもね、その一般的には1%に満たない確率を、 25%に引き上げられる存在がある。 それが、同じ両親から生まれた兄弟ってわけ。 (73) だいち 2022/10/17(Mon) 7:56:10 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 国によっては、もう最初っから、 受精卵の段階からハズレの75%を切り捨てて、 25%を100%にするやり方もあるらしいけど。 この国では、それは許されてないからね。 俺たちの両親は、25%に賭けたわけ。 で、生まれたのが、俺ってわけで。 25%の大勝利。 俺が生まれた時、くっつけてきたへその緒で、 兄ちゃんは治ったんだ。 [だから、俺は兄ちゃんの救世主。 ……だった。] (74) だいち 2022/10/17(Mon) 7:56:22 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 兄ちゃんは、俺のこと滅茶苦茶可愛がってくれたよ。 俺が状況を理解する前から。 理解した後も。 兄ちゃん、友達にまで俺のこと、 『俺の救世主』だって紹介するもんだから、 俺恥ずかしかったよ。 でも、馬鹿にする人なんか全然いなかったし。 兄ちゃんも、本気で言ってるの分かってたから。 (75) だいち 2022/10/17(Mon) 7:56:35 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[思い出して、くすりと笑ってしまう。] お前が大人になったら、 最初の酒は絶対俺がおごってやるからな、って 言ってたなぁ…… 大人まで待たなくっても、 俺は兄ちゃんから、 随分いろんなもの貰ってたけどね。 (76) だいち 2022/10/17(Mon) 7:56:50 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[宿題がわからなければ、兄ちゃんが教えてくれた。 勉強だけじゃなくて、 いろんな遊びも教えてくれた。 学校で喧嘩して泣きながら帰ったら、 話を聞いて慰めてくれた。 お前は悪くないって、 頭ぐっしゃぐしゃに撫でまわして。 俺が小学生になったくらいのころには、 どこにでも連れてってくれたし、 バイト代削って、 俺にお菓子やゲームを買ってくれたりもした。 甘やかすって意味では、 両親より上だったかもしれない。] (77) だいち 2022/10/17(Mon) 7:57:00 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 でもね。 あの病気って、再発するんだよ。 [全員ではない。 でも、いつ再発してもおかしくない。 そういう種類の病気だって知ったのは、 兄ちゃんの病気が再発してからだった。 ちなみに、近い遺伝子をもってる俺も、 ]いつ発症してもおかしくないらしい。 怖くないといえば、嘘になる。 でもね。 もう一回、今度は俺の骨髄あげれば、 兄ちゃん治ったはずなんだ。 [それが、許されていれば。 だが惜しむらくは、 俺はまだ12歳の子供だった。] (78) だいち 2022/10/17(Mon) 7:57:15 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[俺が悪かったわけじゃない。 そんなことは、分かってる。 でも、俺は、 兄ちゃんの救世主だったはずの俺は。 何もできないまま、 兄ちゃんが死に近づいていくのを 見ているしかできなかった。 兄ちゃんに、10年以上かけ ]懇切丁寧に育て上げられたアイデンティティは、 音を立てて崩れ逝く。 (80) だいち 2022/10/17(Mon) 7:57:44 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[胸元のロケットには、 兄ちゃんの遺骨が入っている。 どうしてそんなことを?って言われると、 明確な答えは返せない。 寂しくて? 見守っててほしくて? どっちも違う気がする。 強いて言うなら、見せてあげたくて…… 見てるわけ、無いって知ってるのに。 だって兄ちゃんはもう、 ]俺に何の言葉もかけてくれない。 (82) だいち 2022/10/17(Mon) 7:58:11 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 人間の心ってどこにあると思う? 俺はね、脳みそだと思うんだ。 そんでね、全ての意識は電気信号だと思ってる。 だってさ。 人間ってさ。 死んじゃったら何も言わなくなるんだよ。 [中学生だった3年間。 俺は毎日、仏壇の前で兄ちゃんに話しかけた。 それまでのように毎日、 その日にあったことを報告して。 よかったな、って、頭を撫でてくれないことに、 理不尽に怒って見せたりした。 返事は一度もなかった。 当たり前だ。 死んじゃったんだから。] (83) だいち 2022/10/17(Mon) 7:58:23 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 だからね、多分。 生きて、考えて、喋ってる、 その状態こそが、とんでもない奇跡なんだよ。 [高校に上がったころ、唐突に理解した。 生物の授業があったからかもしれない。 人間の身体って、 なんかもう大体細かく解析されてて。 そんなに神秘的なモンでもない。 でも、脳が死んだら全て終わり。 どんなに健康な身体が無傷で残ったって。 その人はもう、二度と考えないし、喋らない。] (84) だいち 2022/10/17(Mon) 7:58:35 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 (85) だいち 2022/10/17(Mon) 7:58:45 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 話、聞いてくれてありがとう。 ねぇ、壮真。俺———— [言いかけた言葉を、途切れさせる。 壮真が何も言わなくて、 それに救われた気がして 本当に眠っちゃったのかな、 ふと、不安になる 壮真の方へ、少し体を寄せて、 つい、君の心臓の音を聞こうとして 生きてるよね?って確かめたくなって ふと、我に返る。 近づきすぎた。] (86) だいち 2022/10/17(Mon) 7:58:57 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地[帽子を深く下ろした君が気づく前に、 俺は静かに体を起こす。 君の息遣いが聞こえた。 大丈夫。 生きてる。 普通は、そう。 同時に気づく。 君は、俺のつまらない秘密を聞いてしまった君は、 ]俺にとって、きっと、既に————、 (87) だいち 2022/10/17(Mon) 7:59:23 |
【人】 助っ人担当 小鳥遊 大地 (88) だいち 2022/10/17(Mon) 7:59:47 |
世良健人は、メモを貼った。 (a11) 翠 2022/10/17(Mon) 8:03:21 |
【人】 未國 聖奈── 2nd day ── モノローグが流れるとしたら、『2nd day』>>n0 あたしたちの二日目はちゃんと来た。 期限が三日間なだけであって 三日後に願いをかなえるとは誰も言ってない。 だからさあたしたちの日常を変える♀閧「を 既に誰かがお願いしていたとしたら。 ちゃんと来ないかもしれないでしょ。二日目。 昨日よりかは視界は良好。 通学路、誰かに会えば挨拶するし、 今日は、筆箱も食べないし、移動教室も忘れない。 それでももしかしたら 朝のコンビニ、鬼のような形相で カレーパンを睨む未國は居たかもしれない。 (89) ししゃもん 2022/10/17(Mon) 8:12:35 |
【鳴】 未國 聖奈それから午前中のどこか。 そうだね、二限とか三限のあとくらいだったかもしれない あたしはひとつだけ、世良に個人的にメッセージを送る これは昨日からずっと言いたかったこと お守りのこと… 気になってたしね 『 幽霊、会っちゃったじゃん 思った以上に、考えることが多すぎて あたし、このまま逃亡したいよ。 』 効かなかったお守りをくれた世良ならわかってくれるかな (=8) ししゃもん 2022/10/17(Mon) 8:13:19 |
【人】 未國 聖奈長くて短い三日間。 それが過ぎ去るまで、隠れていたい気分だった。 高校三年間、あんまり授業をサボったことはないけど 昨日から碌に、授業内容なんて頭に入ってこない 遠くにいけるなら、それでもいいな、って あたしは、もうすぐ授業が始まるというのに 昇降口で、逃げ出すための靴を履いている。 * (90) ししゃもん 2022/10/17(Mon) 8:13:39 |
未國 聖奈は、メモを貼った。 (a12) ししゃもん 2022/10/17(Mon) 8:15:48 |
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