［思わず長い睫毛を持ち上げて
　薔薇色で見つめてしまいます。

　キスを、チェシャと、キスをした……。

　認めた途端に音が遠くなり
　身体の中心が切なく疼いて……、
　甘い痺れが頭の中いっぱいに溢れました。］
　

　
［……どれほど法悦に浸っていたでしょう。
　足に力が入らずギリギリの所で立っていました。
　同じく力の入らない手で胸を押して
　チェシャを引き剥がそうとします。
　貴方の目に見られるのと吐息があたるだけでも
　なってしまうから……、
　貴方への愛おしさを隠せずに見つめる瞳は潤んで
　所々息を乱してしまいながら問いかけます。］


　　　　ああ、あの、待って……
　　　　ふ、不敬、ですよ……っ
　　　　責任とってくれますの……っ？

　　　　だ……、大事なもんって言うなら……
　　　　一生そう想っていてくれないと
　　　　く、首を刎ねますからね……っ


［背中を預けた時の声、届いていました。>>2:@66
　だけど直接言われた訳ではなかったし……、
　聞き間違いだったらとおもうとこわいんです。
　とすっかり認識していましたが
　貴方の方もそうじゃないと嫌でした。*］
　

　

［やわらかく解けていく、おまえの唇。>>-179

　すっげぇ甘くて
　脳の血管がブチ切れちまうんじゃねぇかって
　思うくらいに、くらくら痺れて
　
　どうしようもなく‥、イイ。］

　

　
［ああ、それに‥
　なんつー顔>>-180してんだよ、

　ワケわかんねぇくらいに
　かわいくて
　かわいすぎて

　気ぃ狂いそう。
　

　こんなん、止められるワケねーだろ。］
　

　　
［気づいたら、また奪ってた。］



　　　っ、　ちゅ‥　　は、…　ちゅッ‥



［食い入るように見つめながら

　くり返し
　くり返し
　角度を変えて啄んで、

　唇同士がスレる感覚や
　離れがたいとくっつき引き合う感触が
　こんなに気持ちいーんだって

　おまえが教えてくれる
　初めてを
　必死に貪る。］
　　

　
［このまま食っちまいてぇ、なんて
　考えながら
　下唇を甘く喰んでたら、

　なんか、ゆるく胸を押してくる>>-181から］



　　　んー？



［不服ながらも、しぶしぶ唇を離し
　長いまつげに縁取られたナカを覗き込む。

　零れそうに潤んだ瞳で
　見上げてくンのが
　ヤバいくらい唆られるけど

　ただ、喉をコクと鳴らすに留めて
　じっと待つ。］
　

　

［ああ‥、もう
　なんっつーか、降参！って感じだ。
　全面降伏。完敗。
　おまえにだけは絶対勝てねぇ。］



　　　ふはっ、
　　　こんな時まで　おっかねぇな？

　　　けど‥‥



［にやり、口の端を上げて続ける。］



　　　そういうとこも、すっげぇ好き

　　　おまえと一緒にいンの
　　　一生どころか、永遠に飽きる気がしねぇや



［責任とか、そんなんじゃなく
　オレ様がどれだけ
　おまえと共にいることを望んでるか伝わるといい。］

　



　　　イヤだって言われても離れてやんねーし？

　　　ずっと傍にいて
　　　大事に、大切に‥守ってやる

　　　おまえ強ぇぇくせに
　　　なんか危なっかしいとこあるからな



［ふらつく足を支えるように
　両腕で腰をきゅっと抱き寄せる。

　もう今回みたいに傷付けさせたりしねぇし、
　ほかのヤツらに照れたり
　無防備なとこ見せるようなのも
　これからは、全部まとめて防いでやる。］
　

　
［手始めは、そうだ。

　こんな誰が見るとも分からねーとこで
　節操なく盛っちまったけど、ダメだ。却下。］



　　　んなワケで、

　　　手当ての続きは
　　　おまえの部屋でシていいよな？



［答えを待たずに足を持ち上げ、横抱きにする。］
　

　


　　　
　　　
　　　



［ぼそ、っと呟き、突風のように空を駆けた。＊］
　

　
［いつも笑っている顔が、こんな……。>>-229
　一心に見つめてくれる瞳に灼かれて
　内側から溶け出してしまいそうでした。］


　　　　っ　ん、……　ぁ……っ


［日頃は三日月を描いている大きめの口が
　わたくしの唇に夢中になったみたいに
　何度も襲ってくれるから、
　鼻にかかったような声が漏れて
　貴方の体温も柔らかさも憶えてしまいます。
　こんなの、ぜったい忘れられません……。］
　

　
［甘く喰まれると不思議な切なさを覚えて
　潤んだ瞳が揺れて唇は小さく震えました。
　頭の中に広がる甘い痺れは
　収まるどころか波のように続いていて
　ずっと満たされているのに
　まだ足りないなんて
　欲深い自分に気づいてしまったんです。

　わたくし、貴方になら食べられたいわ……>>-230］
　

　
［胸を押したのはぎりぎり残っていた理性でした。
　彼は渋々ながらも離してくれましたが
　わたくしを狂わせる瞳は一層近づいてきます。>>-230

　心音は激しさを増して
　逃れようのない獲物になった心地です。
　

　口紅はもう取れてしまっていましたが
　熱心に愛されて充血して
　花のように色づいた唇を動かし
　見つめ返しながら話し出したのでした。］
　

　
［彼の答えは期待を裏切らないどころか
　遥か超えたものでした。>>-231>>-232

　わたくし、守る必要があるほど弱くないし、
　女なのに物騒なことを言ってしまいます。
　そんなわたくしのことを、
　チェシャはすっげぇ好きだと、……守ってくれると。
　永遠に飽きずに、大事に大切にしてくれると。］


　　　　


［ふらつく足だって見逃さずに支えてくれるから、
　強がる隙もなかったし、
　そうせず甘えて良いのだと思えました。］
　

　
［痛い思いをさせないよう空中で捕まえてくれた貴方。
　怪我を見て自分のこと以上に怒ってくれた貴方。
　ありのままのわたくしを愛してくれる貴方。

　見慣れた笑顔が
　いつになく格好良くて、……頼もしくて、
　どこまでも想いが溢れてしまいます。］


　　　　わ、わたくしも……チェシャのことが
　　　　すっげぇ好き、ですの……！

　　　　わたくし、弱くありません、けど
　　　　あ、貴方にだけなら、守られても良い、ですわ

　　　　貴方を超える人なんて、現れないでしょうね
　　　　　　　　　　　　　　　　……永遠に


［震えてしまう声でぎこちなく想いを伝えました。
　貴方の深すぎる愛に攫われて囚われて
　溺れてしまいそうなわたくしですが……、
　貴方もきっと近いうちに溺れさせてあげますわ。
　負けてばかりでは、いられませんもの。］
　

　
［こんなに幸せな日はないわ。

　……いいえ、貴方のことだから
　明日も、明後日も、見果てぬ先も、限りなく
　夢より幸せな現実を与え続けてくれるのでしょうね。］


　　　　っ、……えっ。　続き……っ！？


［身体をふわりと抱えてくれる逞しい腕だって、すき……。

　ですが言葉の意味を想像して、頭が沸騰します。>>-233
　断じてしたくない訳ではないですが
　あのあの、わたくし死んでしまわないかしら……！］
　

　
［けど、呟かれた言葉に何も言えなくなりました。>>-234
　これだけ顔が近いんですもの、
　聞こえない筈ありません。］


　　　　


［わたくし、貴方の目にそう見えますか……？

　ただでさえ耳馴染みの薄い言葉ですが
　大好きなひとの声で、
　しかも独占したいようなことを言われてしまえば、
　大人しく腕の中に収まるしかありません。

　実際に飛ぶ位置よりずっと高いところに
　わたくしの心は舞い上がっておりました。］
　

　
［かわりに貴方もわたくし独りのものにしますけど
　わたくし、貴方になら独り占めされたいわ。**］