人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「オレ記憶力は良いけど頭は良くねーの。
 騙されちまったらもうそれきりな気がすんな」

「そうしてくれよ。そしたらオレも安心するから」

しっかり頷く貴方が何だか可愛らしくて、
頭を撫でようと手を伸ばした。
叶えばそのままぐりぐりと頭を撫でる。唐突だ。

「あんまり焦んなよ〜……おお。行った」

平気かね、と追加で水を頼んだりした。
自分も欲しかったのもあるし、
酒を飲むならどっちにしろ水は飲まねばなるまいし。

「普段? あー……」
「一人かな……たまにセンパイと」

ぼんやりと天井を見つめてそう返す。

「ここにも来るし、ここじゃないとこにも行くし。
 でもあんま自分から人は誘わないな……」
(-228) susuya 2023/09/18(Mon) 21:26:38

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

「ああ旦那の……本当にな。
 あの人も物あげたがりだよな……」

そう聞けば納得したように深く頷いた。
律儀に飾るんだな、とも思ったけれど
貰いものを飾っているのは自分も同じことを思い出し、
口に出すのはやめておいた。

「美味しいから……食べて欲しくて」
「悪ぃな、なんか。
 じゃあ頑張って掃除してくれた礼って事で……食うか」

寝る前のおやつには賛成して、
とりあえず手洗いを借りてから、おやつの用意をしよう。
ホットミルクの横のブランデーを見つければ、
おっ、と声を出した。ブランデー派だったらしい。
(-236) susuya 2023/09/18(Mon) 21:49:41

【秘】 渡りに船 ロメオ → うたかたの ダニエラ

隣に座れば少し目で追った。
猫は構わず餌を食べていて、もうこっちに目もくれやしない。
夏の終わりの風に、珈琲の香が乗る。

「アハハ。言っといたよ、店長に。『馬鹿言え』って笑ってた」
「笑ってたって事は気前は良くなるんじゃねーの?
 これからに期待ですねー」

こっちも冗談で店長に言ったつもりなのだが、
案外きちんとリクエストとして受け取られたかもしれなかった。

「猫触った事ねーの。好きなタイプかと思ってた」
「名前ね、Coccoココナッツ。白いから」

「そいつも野良猫だったんだよ。
 オレは保護した人から譲り受けただけなんだけど」
「今も何匹か貰い手探してんだ。
 猫欲しい奴に心当たり居たら教えてよ」

……最近、パン屋に『飼い主探しています』という
貼り紙がしてある事を貴女は覚えているかもしれない。
あれもロメオの手書きで、依頼物なのであった。
(-247) susuya 2023/09/18(Mon) 22:20:49

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

「懐広いよなー。かっこいいよ、あの人」

この間も珈琲を貰ったばかりだった。
仕事もできるし、尊敬している。
貴方はきっとそれよりも、もっと。

「誘われたにしたって一応客だからさぁ。
 ……純粋に人んちに泊まるのってなかなか無いから」
「楽しいよ」

ふ、とした気の抜けた笑み。
立場がどうとかは余り気にしていないけど、
もし立場が上の人の家に泊まりに行くとなれば
こんなにリラックスすることも無いだろう。

「あ、うん。入れるのすき」
「はちみつもいいよね」

子供じみた返事をして、嬉しそうにスプーンを受け取って。
とろとろとホットミルクにブランデーを入れてかき混ぜる。

「じゃ、ありがたく……」

Buon appetitoいただきます、と一言。
暖かいミルクとブランデーで、体がほの温かくなる。
(-276) susuya 2023/09/19(Tue) 1:11:42

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

連絡を受ければすぐに向かい、

「あ、なんだ。良かった」
「気になってたんすよ。
 なんかヤバイ事だったらどうしようかって」

分かりやすいくらいに安堵の様子を見せた。
わざわざ教えに来てくれたんだな、と貴方の表情を見れば
なんだか喜ばしい感じでもなく。

「……結局何だったんすか?」

問う事にした。無論答えなくても良い質問だ。
(-278) susuya 2023/09/19(Tue) 1:20:54

【秘】 渡りに船 ロメオ → うたかたの ダニエラ

「オレも楽しみー。
 つまみ食いできるパンが増えますからね」

バイトの特権、つまみ食い。
『朝一番に試食ができる』というのは
パン屋で勤めている理由の一つかもしれない。

「触るのはー、って奴すかね。アレルギーとかもあるか…」
「でしょ。人懐こいメスですよー」

興味はあると聞けばおっ、とも思ったけれど、
その先の表情と言葉に「あー……」と声を漏らした。

「なんか最近街もざわついてますしねえ。…………、」
「オレも最後まで飼えないかも、っつったんですけどね。
 一人暮らしだし、独身だし、オレに何かあったら
 猫の世話が誰がやんだ〜つってね」

首の後ろを掻いて、遠くの花壇の方を見つめた。
珈琲のほろ苦さと砂糖の甘さが口に残っている。

「落ち着いて欲しいですね。ホント」
「パン屋は変わらずやってますけど」
(-282) susuya 2023/09/19(Tue) 1:32:34

【人】 渡りに船 ロメオ

>>11 ヴィンセンツィオ

「アハハ。ま、働いてみたかったすね」

背丈ばかりは立派だけれど、それ以外は年相応、
もしくはそれよりも子供っぽいかだ。
ロメオから見る貴方は『オトナ』で、オレもこれからこうなれっかな、と初対面ながらに細やかな憧れを抱くような、そんな雰囲気を貴方に感じていた。

「あ、褒められた。あざす」
「オレを引き抜くなら高くつきますよ。
 それかオレを惚れさせるか」

なんてね、と片手の指でハートを作って見せた。
緩く笑んで冗談めかして返すのには慣れていて、
どんな疑りにも慣れている。
ロメオがその意図に気付いているかどうかは分からないが。
なんにせよ、この答えは戯れのジョークだ。

「ありがとうございましたぁ。喜んで〜」

ゆる、と手を上げてあなたを見上げる。
そのままドアベルが鳴って貴方の姿が見えなくなれば、
またロメオは足を組んで椅子に寄り掛かり、
店の中の日向とパンの香りを吸い込んだ。
まだ穏やかな昼前の、束の間のやり取りだった。
(22) susuya 2023/09/19(Tue) 9:54:21

【秘】 渡りに船 ロメオ → うたかたの ダニエラ

「いいでしょ。おねーさんも働く?」

いつでも歓迎してますよぉ、と何とも軽い勧誘。
つまみ食いの為にバイトをするとはこれいかに、なのだが。

「ああ、そういう。良いんじゃないすかね、猫カフェ。
 可愛がるんなら人んちの猫が一番ですからね」
「飼ってるオレが言う事じゃないけど」

本来は自分はそういう考えで……飼わないかと言われたので。
猫はかわいいので是非撫でて欲しいとは思った。
ロメオは猫好きだった。

「…………」
「ま、オレは捕まんないでしょー。流石に」

「捕まったら何しようかな。なかなか無い体験ですからね」
「それはそれで楽しくやるんで心配しなくていいですよ。
 オレ、タフなんで」

へら、と苦笑いに眉を下げた気の抜けた笑顔を返す。
一般人が叩くにしては大口だが、
返ってそれで冗談だと思ってくれればそれでいい。

それに、言っていること自体は本当なのだ。
(-339) susuya 2023/09/19(Tue) 10:20:17

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

「え?」
「あぶねー……」

「え?本当に大事な事じゃないすか?それ。怖……」

いい方向に動いて本当に良かった……と、
改めて胸を撫で降ろした。
殴りはしないが顔をくしゃ……とさせていた。

「どういたしまして……?」
「てか内部犯とか居るんすか。やっぱいなかったんすか」

それからハッとして、
聞き捨てならないことについても質問する。
(-340) susuya 2023/09/19(Tue) 10:26:55

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「一から物事考えんのが苦手なんだよ……
 考えは出来っけどいつも不正解だからな」

そして人の言う事を聞くのでたまに騙される。
困った事だった。
ぐりぐりわしゃわしゃと撫でて気が済めば、
今度はつつかれるままに手をつつかれている。

「どした……?」
「手だよ」

当たり前のことも思わず言った。

「ん〜ん。……学校の」

嘘だ。学校は途中からまともに通っていない。
交友関係が続くはずもない。

「そう思いなよ。オレも誘える相手少ないから」
「誘えるの、嬉しいよ……あ。来た」

ありがとうございます、とグラスを受け取る。
XYZの白い表面が揺れて、二人の前へと置かれた。
(-343) susuya 2023/09/19(Tue) 10:45:03

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

「だった……はあ。なるほど」
「まさか。自分で縄張り潰す様な面倒しません」

ぱ、と両の手のひらを上げて貴方に見せた。
ホールドアップ、手の内明かし。
そこには何も握られていない。当たり前だ。

「……旦那も無茶しますね。
 トロイの木馬の真似事でもしようってつもりなんすか?」
「本当になんの為の法案なんだか……、
 あんたも自分から行く気はしてないでしょうね」

ジト、とその瞳を見つめて。

「道具は一人で動けませんよ」
「使い手がいなきゃあオレぁ独活の大木なんで……」

だーれも減らないでほしいなあ、と億劫な顔をした。
(-345) susuya 2023/09/19(Tue) 11:04:26

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

「あー、サングラスな。あの人は似合うよなぁ……。
 お前はまだ……似合わないな」

髪でも伸ばして結んだら似合うんじゃね、と
なんとなくの感想を話す。
自分は上に昇る気は無いので、掛ける機会も無いだろうと
高をくくっているが。

「ん。そうするわ……手元に仕事もないし。
 久々にホットミルクなんか飲んだな……」

足を伸ばして、温かいカップを傾ける。
少し涼しくなってきたから、
温かい飲み物は体を温めるのにちょうどいい。
おやつはチーズの塩気とクリームの甘さが良くって、
サイズも小さめだからかあっという間に食べてしまった。

「シャワー? んや、大丈夫。浴びてきたから。
 あと歯ぁ磨いて着替えたらいつでも寝れっかなーて感じ」
(-349) susuya 2023/09/19(Tue) 11:23:54

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

「おう。いずれな、いずれ」
「拗ねんでもちゃんと似合うようになるよ、お前なら」

なんだか微笑ましくなってしまって、笑いながらそう返し。
それから。

「髪? ああ……かっこいい理由じゃないよ」
「髪短くしてるとさ、怖いんだよね。背中に何もないと怖くて。
 伸ばしてたらちゃんと覆ってくれるじゃん」

何が怖いんだかはオレもよくわかってないんだけどさ、
と目を細めながら首を傾げた。
薄いレモン色の癖毛がサラリと揺れる。

歯磨きと聞けばはあいと返事して、素直に並んで歯を磨こう。
横を見れば貴方の頭。歯磨き中にいたずらでエイと旋毛を押した。
よくない。
(-370) susuya 2023/09/19(Tue) 12:49:10

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

はあ?


素っ頓狂で大きな声が出た。
ほとんど前髪に隠れた翠の瞳が、
重たい瞼を上げて今回ばっかりは大きく開かれる。

「………………………………」「…………あんたが、」
「今度逮捕されんなら、あんただって?」
「ふうん、 そう……」

ロメオにとって、
サラリと告げられるには重たく、頭が痛くなる言葉だった。
動揺と一緒に貴方に差された人差し指を、
ゆらゆらと振って握りこむ。

「猫、猫は…………預かります。オレが飼います……」
「あの白いやつでしょ。いいですよ」

「あと何をよろしくすればいいかわからないんですけど。
 殺されるんならせめてちゃんと抵抗してください」
「やりますけど。頼まれますけど」
「あんたが言うなら……」

そこまで言えば、むっと口を結んだ。
怒ってはいないのだけれど。
(-375) susuya 2023/09/19(Tue) 13:04:44

【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ

『どーいたしまして』
『作り方なら教えるよ。
 あんたの時間が空いてたらいつでも』

ほどなくして、返信。
すぐに送られてきた。

『アジト来ないから心配した。大丈夫そうだな』

そう送ってから、少し間を置いて。

『何かあったら俺の事使ってください』
『頼るでも頼むでも 言われたら応えるんで』

そんなことも、付け足した。
(-377) susuya 2023/09/19(Tue) 13:20:17

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

「しますけどお……??」
「候補にいるだけで十分懸念材料ですけど??」

拳の中にしまった指をまた出して差した。

マジで何したんすか?
…………はあ、もう」

それからわしわしと頭を掻いて、
だらんと腕を下ろす。

「…………迷惑じゃないす。頼まれんのは好きだから」
「便利に使ってもらうためにここにいるんで……」

「……………………」
「じゃあ連れてかれんならちゃんと帰ってきてください。
 大丈夫ならこれからも猫のこと手伝わせてください」

拗ねたみたいに唇を尖らせてはそんなことを言って、
踵を返した貴方の背中を見る。

「あんま無茶しないでくださいよ」

なんて一言、その背中に投げて。
貴方が行くのなら、ロメオもこの場を後にするんだろう。
(-379) susuya 2023/09/19(Tue) 13:31:27

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

どれだけの罪を重ねていたとしても帰って来てほしい。
そう思うのは現実の見えていない我儘かもしれない。
事実返ってくるのは難しいのかもしれない。
でも、それでも。

「……だって」
「あんた、ノッテ『ファミリー家族』でしょ」

誰が最初にこの纏まりの事をファミリーと呼んだのだろうか。
忠誠、繋がり、伝統、そういう纏まりの強さを
意識させるためなのだろうか。
ロメオにそんな事は知ったこっちゃなかった。
勝手に文字通りの物をそこに受け取っては、
勝手な情を、押し付けないでも抱えて生きてきた。
そして今、勝手に押し付けたのだった。


何回かは聞いた事があるかもしれないその言葉。
それを聞いて、緩慢に振り返り。

(-389) susuya 2023/09/19(Tue) 15:26:15
ロメオは、「楽になりたくなったら」「言ってくださいね。いつでも」
(a13) susuya 2023/09/19(Tue) 15:26:42

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ



「……なんて」

また背を向けて、歩いていくのだ。
(-391) susuya 2023/09/19(Tue) 15:27:41

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

「なんか……背後に立たれるのが嫌、みたいな。
 オレホラーは全然何でもないんだけど」
「ちゃんと身を守ってないと嫌みたいなのに近いのかね。
 恥ずかし〜……」

例えば背中を叩かれれば大げさにびっくりするだろうし、
誰かに背中を見せないように、
アジトの居場所はいつも端っこだ。
誰かが背後に立てばすぐに振り向く。
ロメオのいつもの様子はそんなような感じだ。
貴方がそれに気づいているかは分からないが。

押せば鳴ると分かれば「アハハ」ともう一回押した。
よくない。

寝室へと通されれば「広……」とつぶやきを漏らした。
シンプルな内装も相まってすっきりとして見える。

「すごいな。ベッドもでかいし」
「オレよりいい家じゃん。妬ける〜」
(-459) susuya 2023/09/19(Tue) 21:18:11

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「逆にどんなイメージだったんだよ。
 オレは別にカッコよかねーぞ」
「不服ではないけど」

少し目を細めて貴方を見やり、
やれやれと言った様子でゆったり首を傾げた。
つつかれれば握られ、それも不思議そうに見た。
体温の高い同士その体温差に驚くことはないにすれ。

「ああ……そゆこと。そら急に撫でて悪かった」
「嫌じゃないならよかったんだけど。つい。
 弟居たらこんな感じなのかなーって……」

架空の家族を夢に見て、照らし合わせた結果があれだ。
平素ならこんな事もしない。
こちらもきっと酒が回ってきたのだろう。
嫌じゃあないなら、嬉しかった。またできるかな、なんて。

「いいの? んじゃお先に……」
「……あ、酒強。でもすげーすっきりしてる。
 レモンがいいな、これ。お前も飲んでみろよ」

それじゃあとグラスに口を付け、こくりと一つ飲む。
口に含んでから何度か瞬きをして、感心したような表情だ。
気に入ったのだろう。
(-464) susuya 2023/09/19(Tue) 21:28:13

【秘】 渡りに船 ロメオ → うたかたの ダニエラ

「なーんだ、フラれちゃったよ」

いつでも待ってまーす、なんてこっちもあっさり。
バイトが増えるのは悪く無い事だ。

「かわいいすよ。家帰ったらもう玄関にいるんだもん。
 ずっと面倒見てやれればいいんすけどねえ」

こーんなのが……と手でサイズを指し示したり。
今は無理かもしれないけれど、お勧めだけはしておくのだ。
……情勢がどうなるのか、見通しは立たないが。

「厳し。風邪引いてんなら休ませてよ」
「でも、まあ、うん」
いつも通り・・・・・って安心材料ですからね」

「ちゃんと朝、待ってますから」

「……そっちは休むのかよ。寂し〜」

アハハ、と冗談も笑い飛ばして。
紙のカップを傾ければコーヒーも最後の一口だった。
猫がにゃあ、と鳴く。すっかり缶の中は空になって、
並んで座る人間二人を眺めていた。
(-471) susuya 2023/09/19(Tue) 22:00:41
渡りに船 ロメオ(匿名)は、メモを貼った。
susuya 2023/09/19(Tue) 22:05:32

【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ

『OK』
『気を付けろよ。おまわりさんの巡回も多くなってる』

ポン、と敬礼する犬のスタンプ。
警察の暗喩のつもりだろう。
警察に対する嫌味が存分に含まれている。

『それじゃ頼るよ。あんたもファミリーだからさ』

その『ファミリー』の五文字に含まれる意味は、
果たして貴女が感じている意味と同じだろうか。
少なくともロメオの持つ意味は、
そんなに軽いものではなかった。
(-474) susuya 2023/09/19(Tue) 22:10:52

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「ああ……やればできる的な……」
「……そうかね」

カッコいいと思われること自体は悪い気はしない。
ありがとさん、と小さく返したのは少しそわついたから。
段々握られるのにも慣れて、
自分の手を握る手をぼんやり眺めたころに、

「に」
「……………………おう」

まさかそんな風に呼ばれるだなんて思わなかったから、
珍しく動揺して、短い返事をした。
少しそっけなくなってしまったが、照れているだけ。

「……さっきよりも強いよ。結構、」
「あ、ほら。結構来るよな」

これでも飲みやすい方なんだろうなあ、と思いながら
グラスの中身を少しずつ味わう。
一気に飲んだら倒れちゃうからね。
(-493) susuya 2023/09/19(Tue) 23:05:56

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

「臆病なだけだよ」
「ま、オレが髪切んのは……掴まれた時に逃げるためか、
 ここから足洗うときだな」

別に足を洗う予定もないから、あり得るとすれば前者か。
警戒心は立派に備えてはいるが、
どちらかと言えばマフィアだからというより
生来の性分から来る臆病さなのかもしれない。

歯磨き中にじゃれ合うのがなんだか面白くなってしまった。
とはいえあんまり押しすぎも良くないので、
少し撫でていい加減にやめることにする。

「寝室に何置くかって難しいよなー……。
 サイドテーブルとかランプとかか?」
「ああ、なるほどな。まあ確かにこりゃ一人で寝るたあ…」

広いよなあ、とまた改めて呟いて。

「…………」
「おお……」

ベッドの縦幅と自分の縦幅を比べた。
セーフだった。
(-498) susuya 2023/09/19(Tue) 23:16:43

【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ

『そりゃいい。人を騙せる女はいい女だよ』

猫のスタンプが送られてくると少し微笑んだ。
かわい、と呟いて。

『おう』『任せな』

そう返せば、ロメオの返信は途切れるだろう。

「…………」

心配をしている。
様々を、考えている。

ロメオはこれよりもっと人が減る事を知っていた。
警察も、マフィアも。
目星がつけられている人がいるという事も。

自分が、あなたが、親しい誰かがいなくなった時。
その時のことを、考えている。
(-505) susuya 2023/09/19(Tue) 23:39:51

【秘】 渡りに船 ロメオ → うたかたの ダニエラ

「そうなんだよ。ちゃんとオレの足音、分かんだなって」

誰かが自分の帰りを迎えてくれるなんてこと、
今まではなかったから嬉しいのだ。
先行きに不安はあるものの、今の所、いいなと思っている。

「ハ。違いないすね」
「気まぐれで店閉めないように店長にも言っときますよ」

店長は平気だと言っていたから大丈夫だとは思うけれど、
この騒動の余波で店を休まれるのもなんだか嫌なので。
バイトの身ながらでも守れるものはあると思いたい。

「……ああ。そういえばあんたはそうでしたね」
「世話んなりました。多分もう大丈夫」
「な」

猫もナア、と鳴いた。くつくつとロメオは笑う。

「オレも解放されたし帰るとしますわ。……」
「じゃ」

「また店で」

猫が付いてくる様子はない事にそっと安堵しつつ、
貴女に背を向ければ後ろ手に軽く手を振った。
呼び止めなければ、きっとそのまま公園を後にするだろう。
(-508) susuya 2023/09/19(Tue) 23:56:46

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

「…………おう」
「髪を褒められたのは初めてだな……」


癖のある長髪を撫でつける。毛質は固くも柔らかくもない。
臆病故に伸ばした髪を褒められるとは思っていなかった。
ほんの少し照れくさくなって、ぼそりと呟いた。

「お前な……」
「いいよ。寝返り打てなくても知らないからな」

棒読みに苦笑しながらも、それが望みならとOKを出した。
貴方の予想通りだ。

「オレで良かったわけ?
 もっとかわいこちゃんと一緒に寝ればいいのによ」

なんて、揶揄いつつ。
ロメオは失礼しまーすとベッドに腰掛けて、
マットレスの弾みで遊び始めた。ぼよんぼよん。
(-632) susuya 2023/09/20(Wed) 19:04:14

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

貴方が覗き込めばそこには翠がある。
厚いレンズを間に挟み、貴方と視線がぶつかる。
緩慢な瞬き。

「…………」
「初めて……そういう呼ばれ方」「した から……」
「嬉しかった」

「マジで弟だったらよかったのにな」

そう言って、ふ、と口元だけで笑った。
叶わない事を願うのは虚しい。
けれど夢って、見てしまうものだから。

もう一度貴方の頭に手を伸ばして、
今度は酷く優しく撫でた。

手は握られたまま。

「弟だったら何でもしてやるのにな〜……」
「オレじゃあな〜……ハハ……」


そんな事を本当に小さく零して、手を離した。
そのままグラスの中身をすっと全て口の中に流しこみ、
「やっぱり酒って美味いな」なんて、
ヘタクソに話題を逸らそうとした。
(-636) susuya 2023/09/20(Wed) 19:22:08

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

数度人のベッドで弾んで遊んで、
それからごろんと横になる。
慣れないマットレスの感触が楽しくなって、
「ハハ」と子供っぽく笑った。

「気ィ使わせちまったって事? 反省〜……」
「まあお陰で久々にちゃんと寝れるかなー。
 寂しがり屋で心配性のかわいこちゃんと一緒に」

ごろりと寝返り、意地悪な笑顔を向ける。
横向きに頬杖をつけば、髪がカーテンみたいに広がった。

「オレがいいなら、それがいい」
「そう言ってくれるってのは良いことだからな〜」
(-645) susuya 2023/09/20(Wed) 20:19:41

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

これから寝るって言う時に、
こんなに人が近くに居る事なんてあんまりない。
子供の頃だって誰かと一緒に寝た記憶もない。
少し不思議で、嫌ではなかった。

「そら困ったな〜。何回でも来ちまう」

言外にまた来ますと言っているようなもので、
貴女の心配も寂しんぼもロメオは受け入れている。
オレにとっちゃGattino子猫ちゃんと同じだよ、なんてまた揶揄って。

「ほんとにかわいい奴だな……寝ろ寝ろ。
 起きたらいなくなってるって事も無いから、
 抱き枕にでもなんでもしろ」

子供みたいだな、なんて思って、
貴方の腹を寝かしつけるみたいにポンポン叩いた。
貴方の寝顔を拝むまでは、こうしていようかな。
(-656) susuya 2023/09/20(Wed) 20:50:31