マユミは、ピアノの演奏技術は58くらい。 (a95) もちぱい 2022/07/10(Sun) 20:45:05 |
ネコジマは、軍歌の気配をはらんだピアノの旋律を聞いていた。 (a96) 66111 2022/07/10(Sun) 20:57:58 |
ネコジマは、屋根裏から空き教室へ。まっすぐ向かったのでした。 (a97) 66111 2022/07/10(Sun) 20:58:54 |
【置】 出席番号 縺斐a繧薙↑番 カナイ────起立、気をつけ。 どこか懐かしさを覚える、快活な声が脳の裏を焼く。 んぁ、と間の抜けた覚醒。 鳴き声の主は、がばりと身を起こす。 大きな、長袖のパーカーを身に纏った小柄な少女だった。 着席の姿勢を保った少女が居るのはどこか暗い一室のようで、目の前の机に突っ伏して眠っていたらしい。 窓から鈍く刺しこむ月明かりのほかに光源は存在せず、掛け時計のあるべき壁にはその痕だけが残されて。今が何時なのか、見当もつかない。 すぐにでも窓の外を見に行きたかったけれど、逸る気と裏腹にどうにも手足に力が戻らない。 次第に思考も霞がかって、只ぼんやりと月の光に照らされていた。 じりじりとした時間が過ぎて、薄闇に目が慣れた頃。 再び正面に視線を戻せば、黒い板が目に飛び込む。 壁を横切る堂々とした質量に加えてこちらを向き鎮座する教卓とくれば、ここが教室であることは一目瞭然だった。 自分は、一体いつから眠っていたのだろう。 不安を覚えた少女は、ぐるりと辺りを見回す。 静けさが耳に痛いほどで、毛羽立った居たたまれなさが際立つ。 息を潜めるように、焦れったい程にゆっくりゆっくりと正面から視線をずらせば────視界の端に、人影が、引っ掛かる。 誰かが、斜め前の席に突っ伏している。 皺の寄ったシャツが月を反射して、白々と冴えていた。 いつからそこに在ったのだろう。ひぅ、と息を呑む。 しっかりとした体格を表すような広々とした背中、男の子のように見える。 身じろぎ一つしない背中が、生物の形をした置物のようで薄ら寒い。 肩越しにどうにか彼の顔を見られないかと思い立ち、座ったまま首を伸ばすと、 (L7) 榛 2022/07/10(Sun) 20:58:56 公開: 2022/07/10(Sun) 21:00:00 |
【置】 出席番号 縺斐a繧薙↑番 カナイ頭には、見慣れた麦わら帽子 。雲間が途切れ、窓から入る光がさっと床を照らし出す。 埃を掻き分け踏んだ幾つもの、人と猫の足跡。細く、僅かに伸びた赤い痕跡。 つん、と鉄臭さが少女の鼻をつく。 些か唐突に過ぎるそれは、路傍の石が不意に思い出されたようなものだった。 記憶の底から立ちのぼるような、まだ新しい血の匂いは、一気に生々しさを以って少女に迫る。 ―――え? 息を殺していたことも忘れ、跳ね上がるように立ち上がる。 しかし間もなく追いかけてくるはずの、 椅子の倒れる音は、いつまで経っても響かなかった。 (L8) 榛 2022/07/10(Sun) 20:59:31 公開: 2022/07/10(Sun) 21:00:00 |
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