―― たけるの家 ――
[私の家は、御殿にはほど遠いささやかな民家だった。
藁葺屋根に土の壁、昔の農家と変わらぬ佇まい。
救いは九頭龍大神様から賜った便利な家具や品々がある事と、
人間界で長く暮らして家を留守にしていても、先程道で出会った神子達のような座敷童達が甲斐甲斐しく家の手入れや掃除をしてくれるのでいつも綺麗な事くらいだろうか。
だが、全盛期の屋敷と比べるとやはり慎ましすぎるとも思う。
嫁を迎えるのに、この程度の家でいいものか、と。
少し不安に思いつつ]
ここが私の家だよ。 ……少し小さすぎる、かな?
……まあお入りなさい。
[エリサを家の中に招き入れれば、
普段は居間として使う畳の部屋にエリサを通す]