人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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視点:




 正しい物語かなんてわからない、
 定まらない未来の中で、

    薔薇が 蝶を選ぶ理由だなんて、────

 




          死なない?



 

[ この日記の夢は、記している者の記憶だ。
 自分は以前から、そのように感じていたと思う。
 
 大穴の向こう、もう一つの世界の景色だ。
 失われた技術、
 自分たちが“最初から”手にしていたもの。
 その意味するところは、まだよく分からないけれど、
 彼が旅しているのがそのような場所であることは、
 記述を繋ぎ合わせれば、
 気づかずにいることは、もうできなかった。]


 あなたへ

 ほんとうは、いつものように、
 夢の話を詳しく考えて、
 気付いたことを記していけたらと思うのだけれど、
 どうしても、うまく書けそうにありません。

 もう少ししたら、あなたの抱えている残りのことを、
 話せるときがくるかもしれないと、
 そのように思ってくれて、
 ほんとうに、ありがとうございます。
 あなたが自分の夢に向きあえるように、
 何かの手助けになれていたなら、それ以上嬉しいことはない。

 ――それは本当だけれど、きっと、本当じゃない。
 わたしが望んでいることは、それだけじゃない。


 あなたがいなくなることが、怖い。
 怖くてたまらない。

 “あまり時間がないのかもしれない”と、あなたは言う。
 最初にこの日記を読んだ時から、
 薄々と、感じていたことがあります。
 感じていながら、認めたくなくて、
 深く考えることから逃げていた。
 あなたは、あとでゆっくりと読み返す記録にするために、
 この日記をつけているのではなくて、
 まるで、のこしておくために、書いているようだと。

 このノートのやり取りで、
 昔のように感情が分かるようだと思っていた理由が、
 今なら、わたしには分かる。
 
 “心配”でたまらないと、
 そう思っているひとがいます。
 いつも周りの事ばかり心配して、
 自分だってずっと辛い目に遭っているくせに、
 誰かのために戦って、笑っていられるような。

 いつからかは、分からないけれど。
 そのひとと話をしていると、その目を見ていると、
 わたしのなかの残骸が、音を立てる。

  
 あなたの日記を読んで、
 手を伸ばしたくなる。
 どこか遠くを歩いているような、夢の話。
 いつか、この現実に早足の夢が追いついて、
 手が届かないほど遠くに行ってしまいそうで、怖くて。

 いつからだろう。
 わたしの中で、どこまでも続く冷たい白い景色や、
 朽ち果てた建物の中を歩くあなたの姿は、
 暗い暗い穴の外へと身を躍らせて、
 宝物の写真へと手を伸ばそうとする、その姿は、
 君だった。

 本当に怖いのは、立ち向かっているのは君なのに、
 わたしのことばかり話してしまって、ごめんなさい。

 けれど、
 天の穴の向こうの世界が、
 いまはもう、人が住めない死に覆われた場所だとしても。
 いつか、君がそこにもう一度、
 足を踏み入れることがあるのだとしたら、
 ひとりでなんて、行かせたくない。

 『感情』がなかったという昔の君が、
 得たものが、気づいたものが、
 今の君を形作っているというのなら、
 離さないように、離れないように、
 その手を掴んでいたいと、そう思う。

 わたしは、



    [ 月は 随分欠けていた。]

 



      かいぶつ だよ。

 



        [ 見覚えのある字には、
          添書くように文字を崩し、
          …それでもMの癖は消えない。]
 

 
   Jさんですね、わかりました
 
   受験勉強は正直、あまり身が入らないです
   もう志望校決まったんですね!
   私は成績と相談して、一番無難なところになりそうです
 

 
   それ、すごくよくわかります
 
   私も昔から仲のいい子で
   近すぎて、好きだって気付いたのが遅かったっていうか
 
   他に好きな人がいるのか聞いてみるのは
    …… 怖いですよね
 
   でも、卒業したら会えなくなるかもしれないですから
   勉強も手につかない様なら、
   告白もアリだと思います
 
   そっと胸にしまいこんでおくのなら
   代わりに私が お話を聞きますね
 
 





         ひと に 刺されたおんなは、
         みずほらしい少女のかたちをしていた。




 


  先日のこと。
  “おひめさま”との 一件。
  
  大体の問題は、確かに解決していたのだけれど、
  ──石の狙いは正確だった。 
  男ではなく、“小間使い”を狙った、“指示どおり”の。
  部屋に転がり込んだ小石だって、
  “その辺で拾う”ような、そんなものじゃあない。

  別段、準備していたわけじゃあ無かったろう。
  おひめさまは衝動的だった。
  唯、“傭われの男”は ────……
 



      “所有物”を壊す感覚だ。そうだろ?

 


  僕には見えていた筈だ。
  彼女が怪我をする未来が、 あの時。

  ──先延ばしにして、したり顔だなんて
    出来損ないにも程がある。
 

 



   [ 中途で途切れた記述に、続きが記されてゆく。]



  わたしは、君の傍にいて、
  立ち向かわなければいけないものがあるなら、
  苦しみがあるなら、痛むなら、
  分けてほしいと、一緒に立ち向かわせてほしいと、
  そう願ってる。

  この手の届かないところで、苦しまないでほしい。
  遠くに行かないで。

 


  君が向けてくれる、笑顔だとか、
  怖がったり、驚いたり、怒ったり、
  そんなひとつひとつの表情が、
  止まってしまったはずの、わたしの胸の中にあって、
  いつの間にか、こんなにも、
  わたしのことを動かしていた。

  これに、なんていう名前を付けたらいいか、
  わたしには、わからないけれど。
  ううん、名前なんて、付けられない。