人狼物語 三日月国


81 【身内】三途病院連続殺人事件【R18G】

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【人】 焦爛 フジノ

>>8 ロク
そう、と短く答えた。
……姿が見えない人々が、どうなっているのか。
薄々想像がついているのかもしれない。

「うん。探しに……あっ」

ふと思い出したように顔を上げ、ちょっと待っていてほしいと一旦離れる。
戻ってきた時、手の中には貴方が先日フジノにかけた上着があった。

「上着、ありがとう、ございました。
……あの時は、何もできなくて、ごめんなさい」

貴方の気後れするような雰囲気も気にせず、
気を遣ってくれてありがとうと告げ、上着を返しただろう。
(9) 2021/07/09(Fri) 23:39:38

【人】 遊惰 ロク

>>9 フジノ
 言われた儘、少女のことを待って。
 返ってきた上着を受け取り、袖に腕を通す。

「おれこそこんくらいしか役に立てねェで。
 ……なにかしようなンざ、思わねェでいいンだよ」

 それに、と付け加え乍ら、
 自然な仕草で少女の頭にポンと手を置く。

「お前サン、なんにもしてねェこたねェよ。
 ホラ、はじめにあのひと見つけてやっただろ」
(10) 2021/07/10(Sat) 10:41:08

【人】 焦爛 フジノ

>>10 ロク
「ううん……あのままだと、ずっと、ただ見てるだけで何も、動くこともできなかった、だろうから。
ロクさんのおかげで、落ち着けたし、助かった、よ」

ぴくりと肩が一度跳ねたが、それだけだ。
反射的に身構えてしまうのはどうしようもないけれど、貴方がフジノに向かって挙げた手をそのまま振り下ろす人ではない事を、わかっているつもりだ。

「そう、かな。そうだと、いいな。
……ひとりだと、寂しい、ものね」

腹をそっと撫でながら呟くように言う。

会話している内に、調理室から先日と同じ匂いが漂い始めただろうか。 >>5
(11) 2021/07/10(Sat) 11:22:15

【人】 遊惰 ロク

>>11 フジノ
 つい置いてしまった手と、跳ねる少女の薄い肩。
 その反応が反射的なものだと察すれば、
 浮かしかけた手でそっと一度、緩く撫でた。

 それから手を離し、上着のポケットに突っ込み。
 漂う匂いの方向へ顔を向ける。

「……お医者サンかねェ。
 ゴショウバンにあずかろォか、お嬢サン」

 そう言ってフラリと歩き出す。
 
――そんなことを言い乍ら、
この男はここに来てから殆どものを食べていない。
(12) 2021/07/10(Sat) 11:55:30

【人】 焦爛 フジノ

>>12 ロク
おとなしく撫でられる。
またこの感覚には、慣れない。いつか慣れるだろうか?

「そう、だね。
 ……お腹が空いたままだと、生きられないもの」

腹を軽く擦り、貴方と共に調理室へ向かっただろう。
(13) 2021/07/10(Sat) 12:32:42

【人】 焦爛 フジノ

>>5 >>13 【調理室】
そうして、二人は調理室へやってきた。
先日と同じ匂い。焼かれている肉は余っていたものだろうか?
焼いている人間は、先日と違う。

「……今日は、メイジが焼いてるんだ、ね」

先生はどこへ行ったのだろう。
室内を見回した。姿は、見えないように思う。
(14) 2021/07/10(Sat) 12:40:25

【人】 被虐 メイジ

>>14 【調理室】

メイジは、ぼんやりと火を見つめていた。
また肉を焦がしそうになったところで、
やってきたロクとフジノの二人に顔を上げた。

「他にやるひと、もういないだろうから」

小さく呟いて、首を傾げる。どこか無機質な動き。
皿に焼かれた肉を置いた。

「たべにきたの?」
(15) 2021/07/10(Sat) 14:01:04

【人】 遊惰 ロク

>>15 【調理室】
 少年の口振りに疑問を覚え、
 何とはなしに出入り口の辺りを見る。

「……お医者サンはいねェのか」

 それから、皿に置かれた肉、少年の仕草を見て。
 ニカリと笑みを浮かべてこたえた。

「そうだなァ、腹ァへっちまった。
 おれもひと切れ、もらっていいか?」

 
……それが“何”の肉であるか、少年がした事。知っている。
全てでは無く、憶測も多分に含むけれども。
(16) 2021/07/10(Sat) 15:55:16

【見】 流転 タマオ

「あ」

 間の抜けた声がこぼれた。手術台の上のもの、置いたままでいいのかなこれ。

「本人は忙しいだろうしな」

 先に見た彼らは、ずいぶんと話に花が咲いていたように思う。水を差す程の用でもないが……。

「とは言え、流石に把握しているか」

 危惧をしているのは事情を知らない者に見つかることだが、その可能性を考慮していないわけがない。セナハラは抜かりない方の部類だ。当然、教えているはずだ。

 その上でこの状態で置かれているのだから、彼をこの状態にした者には問題ないと判断されたのだろう。
(@2) 2021/07/10(Sat) 16:08:39
タマオは、手術室を去った。杞憂だったなー。
(t10) 2021/07/10(Sat) 16:09:11

これは、誰かが遺体を見る少し前の手術室──

メイジは壁際に座り込んだまま動かない男と
結構な時間、寄り添っていた。
悲しみに暮れていたのか、動く気力がなかったからか。

「やっぱ起きないや」

当然だ。己の手で殺したのだから。
やがてそれにも飽きたのか、気だるそうに立ち上がり
ずるずると遺体を手術室の中央まで引きずっていた。

「………重い」


持ち上げて、仰向けに手術台に寝かせた。
だらりと投げ出された手を胸の前で合わせる。

「………………重たいよ」


消え入りそうな、忌々しげな声が
腐敗臭のただよう手術室にむなしく響いた。

【人】 被虐 メイジ

>>16 【調理室】

「そう"ここには"いないよ。
 もし会いたいなら、オレ"どこにあるかは知ってる"よ」

その意味をこの場にいる人間なら、察せるはずだ。
ロクがどれだけの事情を把握しているかは知らない。
ただメイジは、隠すことも、嘘をつくこともしないつもりだ。

薄く切られた肉が乗った皿を差し出す。

「どうぞ」

メイジは淡々と自分のぶんの肉を口にし始めた。
……少し、焦げ臭かった。
(17) 2021/07/10(Sat) 17:14:13

【人】 焦爛 フジノ

>>16 【調理室】
昨日焼いていた先生は、どこへ行ったのだろう。
……いいや。どこ、だなんて。聞かなくても、答えてもらわなくとも、どうなっているかはなんとなく、わかってしまう。
なら、この病院で生きているのはきっとこの三人だけなのだろうと、わかってしまった。

「……そう、だね。それもある、かな」

膨れたお腹を擦り、頷く。
食べられるものは食べておかないと、いけない。

それが何の肉であるか、まだ確証を得てはいないけれど。
(18) 2021/07/10(Sat) 18:00:54

【人】 焦爛 フジノ

>>17 【調理室】
どこにあるか知っていると、聞いて少しだけ顔を曇らせた。
……後で、探しに行かないと。

『見つけて』あげなければと、思った。
きっと昨日見たような惨状を目にするだろう。

それでも、そのまま放っているのは気が引けた。
その惨状をメイジが抱えている状況も、嫌だと思った。
(19) 2021/07/10(Sat) 18:05:53

【人】 遊惰 ロク

>>17 >>18 >>19 【調理室】
 少年の言葉に、僅かに笑みを濁らせる。
 この状況だ。言っている意味は直ぐに分かった。

「そうかい。せっかく焼いてくれたんだ、
 “会いに”いくのはこれ食ってからにしようかねェ」

 イタダキマス、と皿の上に手を合わせてから。
 薄い肉を一切れ、口に放り込んで咀嚼する。

 
――嚥下しづらいのは、込み上げる嘔吐感は。
久しぶりの食事に体が驚いたからかもしれないし、
肉の正体を思って心が拒絶していたからかもしれない。
……どちらでも良いと思った。


 この場で男が口にしたのはきっと、その一切れだけだ。
 空腹を満たすための食事では無いから。
(20) 2021/07/10(Sat) 19:38:48

【人】 被虐 メイジ

>>19 >>20【調理室】

二人の表情を見て、メイジは一瞬だけ目を伏せた。
それから眉を下げたまま、笑う。

「フジノも、食べるよね。
 ごめん……ちょっと焼き加減下手だけど」

彼女にも肉を乗せた皿を差し出した。
先日食べたものとほとんど、同じ形だ。……きっと、味も。

「オレ、案内するよ。みんなで一緒に行こうか」

メイジは、ひたすら肉を噛み、飲み込む。
全部食べるつもりだった。
そうしなければいけないと思っていたからだ。
だってこれは、自分が騙した少年のものだから。
(21) 2021/07/10(Sat) 20:41:17
被虐 メイジは、メモを貼った。
(a4) 2021/07/10(Sat) 21:40:37

【人】 焦爛 フジノ

>>20 >>21 【調理室】
「うん。大丈夫。いただく、よ」

受け取り、いただきますと呟いて口に運ぶ。
すべては食べきれないけれど、乗せられた分はしっかりと食べていく。
これが何の肉であろうと……この後、その見当がついてしまっても。
食べて生にしがみつかねばならない。
フジノが抱えるいのちは、フジノひとりのものではない。
(22) 2021/07/10(Sat) 22:16:03

【人】 遊惰 ロク

>>21 >>22 【調理室】
「――ゴチソウサマ」

 机に頬杖をつき、二人が食べ終わるのを待ってから。
 
もし、全て食べ切ろうとする少年が苦しげであれば、
食べる量を減らすため多少手伝っただろう。


 使える水も限られている。
 軽く濡らした布で皿を拭い、重ねて。
 クルリと振り返り、明るい調子で声を掛ける。

「そンじゃ、お医者サンのとこいくかァ」

 そうして少年に案内を任せ、その少し後ろを、
 ポケットに手を突っ込んでフラフラと着いていくだろう。
(23) 2021/07/11(Sun) 0:22:05
メイジは、用事がある時以外は、ずっと手術室にいる。
手術台の上でずっと、突っ伏して
返事も帰ってこない抜け殻に話し続けていた。
少年は死後の世界があるなんて知るはずもない。

……だからこそ、友達にも嘘を吐き続けた。
なにも知らないままでいてほしかった。


「セナさん、雨と風弱まってきたんだ
 ……もうすぐ帰れるかな。助けなんてくるのかな」

【人】 被虐 メイジ

>>23 【手術室】

メイジが案内する足取りは、大変重かった。

向かった先は手術室。入った瞬間──部屋に近づくにつれて妙な臭いはしたかもしれないが──腐敗臭が鼻をつく。

食後に──ましてや"肉"を食べた後に
来るものではなかったのかもしれない。

けれどメイジは臭いにはまるで気にせず、奥へ歩む。

手術台の上にその探し人は寝かせられていた。
──腐敗臭の発生源はこれではないようだ。

ここにたどり着くまで、メイジはずっと押し黙っていた。
そして今も、ただ寂し気に彼を眺めている。
(24) 2021/07/11(Sun) 1:49:25

【人】 焦爛 フジノ

>>23 >>24 【調理室】→【手術室】 
「ごちそう、さまでした」

食べ終えればそう言って手を合わせた。
ロクの片付けを手伝い、メイジの後に続いて歩き出す。

進むにつれ、異質な匂いが鼻をつき始めた。
それは手術室へ入ると一層強くなり……視線を奥に向ければ、変わり果てた医師を見つけた。

今日は、叫ばなかった。
ただ悲しげにその場の人々を見つめた。
(25) 2021/07/11(Sun) 2:17:27

【人】 遊惰 ロク

>>24 >>25 【手術室】
 静寂の中、手術台に横たえられた骸へと歩み寄る。
 その首に残る痕を眺め、争いの跡が無い事を見てとって。

「“手伝った”のは、お前サンかい」

 寂しげに佇む少年の方へ半身で向き直り。
 暗い色した瞳に少しの怒りと哀しみを混ぜ込んで、
 その癖いつもの笑い顔、軽い口調でそう問うた。
(26) 2021/07/11(Sun) 10:31:45

【人】 被虐 メイジ

>>26 【手術室】

「……ふっ」

「……ふふ……あはは、ははははは……」

メイジは、突然笑い出す。
本当は泣いていた。

なぜかこみ上げてきた笑いを押さえきれなかった。

「そうだよ。オレがそうしたいと思ってやったんだ。
 死にたくなかったんだよ、ただそれだけ」

傍らの遺体に歩み寄る、目を伏せて、見下ろす。

「他のヤツらを殺してまで、オレは生きたかった」
(27) 2021/07/11(Sun) 12:25:17

【人】 被虐 メイジ

>>27 【手術室】

それだけ、断言すると、顔だけをロクへと向ける。
僅かに揺れる大きな瞳が見据える。

「でも知ってたんだ。誰から聞いたの?
 まさかセナさんが話すとも思えないけど」

メイジは、ロクにだけはなにも話していない。
ここに来る前にやったこと、ここに来てからやったこと。
あなたが手当をしてくれた、この腕の怪我の原因すら。
(28) 2021/07/11(Sun) 12:27:28

【人】 遊惰 ロク

>>27 >>28 【手術室】
 揺れる瞳を見下ろす。
 少年の傷口に触れあぐね、深くを問えなかった。
 只、己と幾らか近しいのだろうと、そう思うだけで。
 知ったのは、事が起こり終わってから。

「――お前サンのトモダチから」

 何とも言えない顔で、それだけを口にした。
 “骸に聞いた”、そんな荒唐無稽を。
(29) 2021/07/11(Sun) 12:50:43
「セナさんがいなかったら
 ……誰がオレを助けてくれるの……?」


そうして呟く背中は、ただの小さな子供のようだった。

「……あはは……もうそんな子供みたいなこと
 言ってられないよな……。
 もうひとりだ、オレ。家族はみんな死んじゃったり
 出ていったり、いなくなっちゃったから」

「自分でやったんだ」

実の父親も、──優しい父親がいたらと夢見た人のことも。

「最後、なんて言おうとしたのかな」

ふいに思い出す。考えてもわかるはずもない。
メイジには何も見えない、聞こえない。
だから、ずっと目の前の遺体だけを見つめている。

「死んだら、どこにいくのかな」

「やっぱ地獄かな? 悪いことしたもんね」
「楽になれないかもね」

「オレのこと、実はどっかで見てんのかな
 ……それはそれで、いやだな」

「オレも死んだらおなじとこ行けるかな
 悪いことしたからさ」

思い浮かんだ言葉を脈絡もなくぽつぽつ。

【人】 焦爛 フジノ

>>28 >>29 【手術室】

貴方達をじっと、黙って見つめている。
メイジが“悪いこと”をしていた事は、本人から聞いた。
……ロクは『誰の骸』から聞いたのだろう?

フジノに人外の声は聞こえない。
姿も見えない。
そこには物言わぬ肉の塊があるだけだ。

―――あぁ。
あの『肉』達は、そういう事だったのかも。

やっと思い至って。
そっと、腹を撫でた。
(30) 2021/07/11(Sun) 13:54:46

【人】 被虐 メイジ

>>29 【手術室】

「……え」

瞳が瞬いた。驚きと、少しの恐怖を湛えて。
以前に気配、幻覚を見たことを思い出していた。
……あれは気のせいだと思うことにしたのに。

「死んだ人間と、話をしたってこと?
 ……そんなこと、あるわけ……」

なら、自分が最後まで嘘を吐き続けた意味がないじゃないか。
そうであってほしくないという理由だけで
否定の言葉が出かかって、逡巡する。メイジは頭を抱えた。

「……じゃあ、オレたちのこと
 恨んでたかな? オレの"友達"はさ」

半信半疑で、尋ねた。
(31) 2021/07/11(Sun) 14:01:05
ロクは、とある日の事。ヒラヒラ手を振り見送った。サヨウナラ、お兄サン。
(a5) 2021/07/11(Sun) 16:03:18

タマオは、工具箱を片手に点検をして回っている。修理はもう要らないかもしれない。
(t11) 2021/07/11(Sun) 16:26:16

【人】 遊惰 ロク

>>30 >>31 【手術室】
「まァ、そうそう信じられるモンでもないわなァ。
 おれも正直、自分のアタマは信用ならねェ」

 だから気の違えた男の戯言と思ってくれても構わない、
 そんな風に前置いて。

「“友達”だってよ。責めないでやってくれ、だと」

 少年に向かって語る合間、少女の方をチラリと見る。
 知らせぬ儘、聞かせぬ儘でいた方がいいのかもしれない。
 けれどもきっと、遅かれ早かれだ。
 その時に、只の罪として背負うくらいならば――

「……病気で先が長くねェこた分かってて、
 どうせ死ぬならお前サンらが助かる方がいいってさ。
 食ってやらねェ方が恨まれちまう勢いだったなァ」▼
(32) 2021/07/11(Sun) 16:29:13

【人】 遊惰 ロク

>>32 【手術室】
 そうしてもう一つ。己への言葉を彼らへ転嫁する。
 それが、祝福にも呪いにも。如何様にもなると知り乍ら。

「“頑張って生きてね”とも言ってたかなァ。
 ――あの子、恨んじゃいねェよ。
 トモダチのことも、センセイのことも」
(33) 2021/07/11(Sun) 16:29:56