[自分は何を裏切ったのだろう。
こんなに怖くて堪らないのに
彼への想いは砕けるどころか増している。
心は裏切っていない。
宝石を取ろうとしたこと?
自分は、それを得たいだけでなく
彼の見つめる先が自分でなくてそれだったことに
全身の血が湧くくらい妬ましかった。
私は忘れられるのに手のひらに大切そうに乗る宝石に。
それだっていつまで彼の手元にあるかわからないものだが]
…………ごめん、なさい……っ
[もう、宝石を取る気はないし取れる気もしない。
そしてもう、手遅れなのだろうけれど、謝罪した。
他にどうしたら良いかわからなかった。]