人狼物語 三日月国


184 【R-18G】ヴンダーカンマーの狂馨

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住職 チグサは、メモを貼った。
(a20) 2022/11/06(Sun) 10:22:12

住職 チグサは、メモを貼った。
(a21) 2022/11/06(Sun) 10:22:48

【人】 給仕 シロタエ

―― 仔狐亭 ――
[昼時の喧騒が終わって一息つくと、今度は早番の仕事を終えた人々が「仕事終わりの一杯」を求めてやってくる

「そう言えば例の魔法鍵、修復師が来て直すらしいぞ」
「あぁ、島の職人じゃ手を出せなかったってやつか」
「かなり特殊な奴だったらしいもんなぁ……銀鷹公も一安心か」

様々な品が集まるキュラステルは、当然それに携わる職人も多い
古の技術を学ぶためにと訪れたもの、技術を買われて呼ばれたもの
銀鷹公はその筆頭のような物で、自らできる修復に手は出していたのだけれど
黒鴉公が収集したものの中には「仕組みが解明されていないもの」もいくらかあるらしく
今回壊れた魔法鍵も何とか修復の「あて」を見つけた代物だった]

 自分で直せないって、やっぱり残念だったりしないの?

[職人の意地とか、と興味本位で娘が問うと、職人の一人が笑って言った]

 「職人って言ったって専門外はさっぱりさぁ
 特にああいう魔法具は力の強さや相性もあるから、迂闊に手は出せないしな」

 ふぅん……それじゃ、銀鷹公がわざわざ招くのもわかるわね

[下手に手を出して完全にダメにするよりは、そんなふうに捉えて相槌を打った]
(105) 2022/11/06(Sun) 13:19:29

【人】 給仕 シロタエ

 
「きゃぁ!」


[かっしゃん!
食器の落ちる音と大きな声が聞こえて振り返る
最近入ったばかりの子が「やめてください」と泣きそうに言うのに、まだ手を伸ばそうとする客を見て急いで駆け寄る]

 リーリちゃん、大丈夫?
 「このお客さんが……お尻を……」
 わかった、片付けはするから行っていいわよ

[頭を下げて厨房に駆け込むのを見送って問題の客に向き合う]

 ……またですか、カーヴィさん!
 いつも言ってますよね、うちはそういうお店じゃないって

[向ける言葉はどこかため息交じりだ
というのも、こんなことが今までに何度もあったから]
(106) 2022/11/06(Sun) 13:21:30

【人】 給仕 シロタエ

[件の客は普段はとてもいい人だ、いい人、なのだが酒癖が悪い
飲みすぎてはこうしておとなしそうな新入りの子に悪さをする
だからいつも気を付けて飲ませすぎないようにしていたのだけれど
そのことを知らなかったリーリは普通に酒を売ってしまったのだろう
それに関しては娘の落ち度でもあるから後で謝るとして]

 飲みすぎて困るのはカーヴィさんでしょうに

[そういう娘には手は出さずぶつぶつ文句を言うだけの姿にまたため息
本当に「おとなしい子」だけをねらっているんだからたちが悪い

それでも、店主とは古い仲だからと今までは大目に見てきた、けど]

 「またアンタかい、カーヴィ」

[厨房に行ったリーリから聞いたのか、いつにない険しい顔で店主が出て来た
途端に顔色が変わるんだから、やっぱり娘を甘く見ていたんだろうと思う]
(107) 2022/11/06(Sun) 13:23:46

【人】 給仕 シロタエ

 「聞いてるぞ、アンタとうとうエレのところも出禁になったそうじゃないか」

[それを聞いて「えぇ?」と思ってしまう
三軒隣のエレさんのお店はもっと静かな女性向きのお店だ……飲んで羽目を外すお店じゃないのにそこ「も」なのかぁ、と]

 「女の子と遊びたいならそういう店に行きな、飲むならもううちには入れないからな」

[「そりゃない」とか「勘弁してくれ」とかぶつぶつ言ってたけど、本気だとわかると一気に不機嫌になった
「こんな店二度と来るか」と言い残して乱暴に出て行った後で、店主と一緒に息を吐いた]

 いいんですかあれ
「構わんさ、仏の顔も何度目だと思ってやがる」
 うちまで出禁になったってなると大変でしょうけど、しょうがないですよねぇ

[
自業自得だもの

思いは一つだけうちに飲み込んで、床に落ちた食器の片づけをする**]
(108) 2022/11/06(Sun) 13:25:46
給仕 シロタエは、メモを貼った。
(a22) 2022/11/06(Sun) 13:34:06

【人】 修復師 ラシード

─ 第七キャビネット深部 ─


[その古い魔術錠───
仕組みの解明>>105が進んでいない、
旧き神秘の品とも言えるそれ。
本来であれば『コレクション側』に分類されるであろう品が
コレクションを守る道具として扱われている、その理由は。
……その錠よりも更に貴重な物品が、扉の向こうにあるからだ。

無理やりこじ開けられようとされたかのように
回路を捻じ曲げられ、傷付けられ、歪んだ錠。
精密な機構から無能な鉄塊へと貶められて、
開くことも閉じることも出来ない。

なんて荒っぽいやり口素晴らしい仕事だろう。
魔導ランプを片手に掲げ、修復師は目を細めた。
後ろではキャビネットの担当者が小さくため息をついている。]

 なんていうか……魔人の仕業じゃないですね、これは。
 知識のないまま、がむしゃらにといった感じだ。
 開かれた形跡は無いのが、まぁ、当然というか。

[ それだから良いのだ。
修理という建前があるからこそ
監視下にて堂々と鍵を分解し、
機能を確かめるという口実で扉を開閉出来る。
……拳ひとつ分の、僅かな隙間で良い。]
(109) 2022/11/06(Sun) 16:02:34

【人】 修復師 ラシード


 パーツの鋳型を取る必要とかは無さそうですね。
 多分だけど、イー時代の様式に近いものだし
 回路の再接合と熱金遡行で行けるかな。

[拡大レンズを目に掛け、
鍵の形ひとつひとつを検めながら
修復師は工具箱を片手で探って
穴の深さや回路の様式などを測っていく。
先ほどとは打って変わって真剣な瞳と声色は
違和感、というよりも職人によくある
“プライベートと仕事の境界線を越える”瞬間を彷彿とさせるものだった。]

 では、作業に入らせて頂きますね。

[言いつつ、革手袋に指を通す。
工具箱に並ぶ道具の数々は、
“人に向ける”という条件下での殺傷力が封じられた証として
白いチョークで印が付けられている。
隙間に丸められ、突っ込まれているのは
それを手入れする為の鹿革の切れ端。

    
先ほど路地で捕まえ、麻酔を打たれた鼠が───その中で死んだように、眠っている。
]*
(110) 2022/11/06(Sun) 16:03:46

【人】 隻影 ヴェレス


 
 ──── 午後;散歩道を記す

 [少年にとって、この島の外の事柄はもれなく
  『記録』であって、『体験』ではない。

  学者達は研究の為に余所の土地を訪れた際、
  何らかの形でその証を残す。
  写真とは最も実用的な手段だった。]
 
(111) 2022/11/06(Sun) 16:39:08

【人】 隻影 ヴェレス


 
 [五つ目の被写体をファインダーに収めようとした時、
  背後からよく知った声がかかった。>>87]

   ごきげんようジュード。
   あれ……もう引き継ぎの時間帯じゃなかったか。

 [彼の足元を伝う靱やかで鮮明な柄の尾>>32
  自然界における“警告色”であるという知識こそあれど
  彼以外の“実例”を知らない。

  学星院の一般学生でしかない少年が、
  実際にガライカの地を訪れた研究者のファイルに
  アクセスする事は叶わない故。

  その機密ファイルは、かつて楽園の地に
  悪意を持って踏み込んだ者の記録かも知れないし、
  フィールドワークとして訪れた探求者の
  実録であるのかも知れない。


  図書館で一般公開されている書物はと言えば、
  極僅かな図面と簡単な生態に関する手記程度のもの。]
 
(112) 2022/11/06(Sun) 16:39:26

【人】 隻影 ヴェレス

 

 [父はこの時代の自然学の立役者と呼ばれたから、
  それを追うように天文学や生態学を履修した。

  発展した島に未だ残る自然とそこに棲う生物達は
  研究対象であれど、尊重すべき先住者には変わりない。]

  うん。今日は目当てがある訳ではないし、
  撮ったものを使うかどうかも未定だが……

 [かつて迷い子と見間違えられた際>>87
  その先入観を解消するのには大変難儀したことだ。
  身分も出自も悩ましいので沈黙を繰り返し、
  大まかながらも「世継ぎでない上流階級の子」の概念を
  上手く説明することが出来ただろうか。

 
二つしか歳の変わらない兄がとっくに成人している
事や
 
自身が既に少年とは呼べない年齢である
事は
  新聞記事を注意深く読んだりなどして、
  繋ぎ合わせた情報からは容易く導き出せること。]
 
(113) 2022/11/06(Sun) 16:39:39

【人】 隻影 ヴェレス

 

 [彼に見せた写真はと言えば、
  現実から逸脱こそしていないが
  絶妙に事実を捻じ曲げた程度の写真ばかり。>>80

  ハチドリは青いだろうが、鳩はそうではない。
  尾の切れた蜥蜴は居ても、それは自切によるものだ。]

   何だか雑念が増えているみたいでね。
   なかなか奇妙なものが仕上がってるよ。

 [それから、快く引き受けてくれた彼に写真機を渡せば
  美術館の庭の、設立者の彫像の前で佇んでみよう。

  シャッターを切れば、世界の一部を切り取る。
  その時あなたは何を思うだろう。
  果たしてそれは現実をそのまま複製しているのか、
  何らかの思念が混ざりこんだ一枚になるのか。
  いずれにせよ────]
 
(114) 2022/11/06(Sun) 16:39:54

【人】 隻影 ヴェレス

 


 [穏やかな微小を浮かべ、写真に映る少年の姿は
  いつも、如何なる時も病的に生白い肌をしていて
  尚且つ、背丈も顔付きでさえ変化を感じられない。]

 
(115) 2022/11/06(Sun) 16:40:15

【人】 隻影 ヴェレス

 

 [再び受け取った写真機から出力されたものを一瞥し、
  その出来栄えを彼にも見せる事としよう。

  カタカタと音を立てながらフィルムが焼き付く機構は
  島外の技術で辿り着くにはあと百年はかかる代物だ。]

          ・・・・・
  ふ、私ってば……最後の機会になるかも知れないのに
  毎度似た服装に、同じポーズで立っている気がする。


 [ちら、と反応を瞳だけで見遣る。
  掻い摘んで話した家庭の事情から、
  全貌を推測するのは途方もないことだというのに。

  一瞬の沈黙に続けて、薄い唇は
打算
を紡ぐ。]

 
(116) 2022/11/06(Sun) 16:40:36

【人】 隻影 ヴェレス

 


  残念だけど……家の規則がもっと厳しくなるだろう。
  外出も赦されなくなるかも知れない。

  だが、息抜きの時間は毎度有意義なものだった。
  こうして『頼み事を出来たのもあなただけだ』。


 [今朝伝えられた訃報>>15が耳に届く事があれば、
  住居内の事故や学星院の黒い噂と結び付けて
  予想を立てることは出来るだろう。……予想だけなら。]

 
(117) 2022/11/06(Sun) 16:41:02

【人】 隻影 ヴェレス

 

 [苦い独白の後にはフォローをすかさず入れる。
  むしろそちらの方が本題なのだから。]

   ……だが、いつでも屋敷に遊びに来てくれ。
  私の客人と聞いて斥けようとする者はいない。

   昔のように通う事は難しくとも、
   友人で居てくれたなら嬉しく思うよ。

 [────そして、先程までの空気を一掃するように
         
それ以上の追及を赦さぬように

          明るい声色で問いかけを。]


      …………ああそうだ、お昼ご飯か。
      いつものあの食堂でどうだい? 奢るよ。


  [見目と発言内容がミスマッチなのが、玉に瑕。*]

 
(118) 2022/11/06(Sun) 16:41:17
住職 チグサ(匿名)は、メモを貼った。
2022/11/06(Sun) 16:44:56

天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
2022/11/06(Sun) 17:40:30

天のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。
2022/11/06(Sun) 17:41:57

【人】 修復師 ラシード


[ 陶器の割れる音>>106
  言い争う声、嗜めの声が漏れ聞こえたかと思えば、
  今度は乱暴に扉が鳴り>>108
  不機嫌な影帽子がひとつ離れていく。

 それにぴくりとも反応せず。
  仔狐亭の近くの薄暗い路地で、
  1人の、飲んだくれ風の獣人が腰を下ろして眠りこけている。
  小さな体躯に細い尾。帽子の中の耳を見るまでもなく
  彼は齧歯の獣人だと見てとれるだろう。
  火のついていない煙草>>4が、力の抜けた手の中から
  ぽろり、とこぼれ落ちた。 ]
 
(119) 2022/11/06(Sun) 19:28:33

【人】 修復師 ラシード


[ 彼の精神は今、修復師の膝元から
  半開きになったキャビネットの扉>>109を擦り抜けて、
  この島の隠された深部へと疾駆している。
  コーヒーカップひとつに収まるほどの矮小な体躯。
  早鐘を遥かに越えた速度の鼓動。地を這うように低い視線。
  鼠の身体>>110だ。此の島で生まれ、この島で育った
  何処にも居るような、取るにたらない鼠。
  それが今、男の精神を乗せて───
  地の底の驚異の部屋ヴンダーカンマーに向けて。

  人間に同調し、その深部を探る魔人>>43
  島に於いても信頼を預けられる医者として知られている。
  だがこれは、獣に近い遺伝子を持つアニミアだからこそ為せた技だ。
  魂の形に共通の枝を持つ根源の獣とであれば、
  魔道具の補助を得て、一時的な同調───
  それを越えた『精神交換』すらも、最先端の研究では叶えられた。]
(120) 2022/11/06(Sun) 19:30:49

【人】 修復師 ラシード


[ ……そう、最新の研究だ。
  まだ警備マニュアルには記載されちゃいない。
  そもそもキャビネットは保存上の観点から
  防虫剤、殺鼠剤の類は周囲に丹念に施されているし。
  獣を使った盗みだなんて、餌と遊び、そして躾を交えた
  『取ってこい』の半径程度のことしか出来ない、
  それが当たり前だから──

 曲がった方向、数、踏んだタイルの色と意匠を元に
  駆けた長さと目的地への距離を正確に勘定しながら
  文字通りに紛れ込んだ鼠は灯の無い、
  埃っぽく狭い廊下を駆け抜ける。

  やがて辿り着いたのは
  壁一面に小さな引き出しやガラスケースが並ぶ、
  円形の小部屋だ。
  ガラスケースの中にはねじくれた形の木片や、
  束ねられた根、樹脂のような淡色の塊が収められており
  部屋全体に漂う芳しい匂いから
  ───”香”を収めた部屋であることが理解できる。
  ……只の香であれば、このような深部に保存する必要は無いことも。]

 
(121) 2022/11/06(Sun) 19:32:12

【人】 修復師 ラシード


[ 下から8段目、左面の柱から数えて4番目。
  僅かな凹凸を足場に駆け上がった鼠は、
  その引き出しをふうじていた紙を噛み破った。
  人間であれば最後の警告めいて、
  火花のひとつで抵抗も見せただろうか。
  けれども────獣相手であれば、それは只の紙だ。
  取手を抱え込み、踏ん張るように力を込めれば
  ざりり、と小さな引き出しは音を立てて、開いた。

 収められていたのは、
三角形の練り香

  乾いた血の塊のように、赤黒いそれは
  光の届かぬ闇の中、生臭くも甘い匂いを微かに放っていた。 ]*
(122) 2022/11/06(Sun) 19:33:07
到着:娼婦 セツナ

【人】 娼婦 セツナ

 
私にはどうしてもほしいものがある。
そのためにはこの肉体を差し出しても構わない。
この魂を捧げても構わない。
どうしても。どうしても。それが欲しい。
 
 
愛しい愛しいあの人のためならば。**
 
(123) 2022/11/06(Sun) 20:22:23
娼婦 セツナは、メモを貼った。
(a23) 2022/11/06(Sun) 20:33:08

【人】 娼婦 セツナ

 
人の多く集まる島。
物が多く集まる島。
それがこの島キュラステルだ。
>>5さまざまな店が並ぶ中に仔狐亭がある一方で、人の往来が多いその辺りから程近い裏道には娼館や賭博などの欲望を吐き出す店もまた存在している。
人が多く集まれば金が動き、金が動けばさまざまな形の欲が動く。
それでも、ここで普段見る欲望は人としての理性を保っている物だ。
美味しい物が食べたい。
美しい物が観たい。
より多くの富を得たい。
良い女を抱きたい。
そんな、可愛らしいありきたりのものばかりだ。
そんな中で私も働いていた。
娼婦として。娼館の"サロン・キトゥン"の一室で、男に、時には女やその二つの性別に当てはまらないような相手にも体を売ることが私の仕事だ。
どうしてここで、こんなことを生業にしているのか。
金子が欲しい。それも確かにある。
別の仕事が適当に見つからなかったのも正直なところ。
でもそれ以上に、ここは情報の宝庫でもあった。
私が欲しいもの。
あの人の為に欲しいもの。
それがどこにあるか、だれなら持っていそうなのか、それを知りたくてここで働き糧を得て機を伺っている。
 
(124) 2022/11/06(Sun) 21:18:38

【人】 娼婦 セツナ

 
それは確かにこの島に在るようだった。
それをいつ、どのように手に入れるものか。
夜の仕事が終わり、身を清めて。
>>n5この島だからこそこんな仕事も心置きなくできるものだと、脚の合間から溢れる白を指で掻き出しながら思う。
避妊の魔具があるこの店でなければ、こんな行為を生業にするのは恐ろしい。
 
 
「はぁ〜あ…。」
 
 
明るいうちは、店は閉まる。
時折そんな時間に客を引く娘もいるようだけれど。
窓を開けて外の空気を入れる。
ラフな格好で外を眺めるのが、仕事後の気晴らしの一つだった。*
 
(125) 2022/11/06(Sun) 21:18:56

【人】 隻影 ヴェレス

 

 ──── 夕刻;終わりの始まりの、その前に

 [夕暮れの鐘が鳴る前、大通りの夕刊は
  どこの新聞社も似たような見出し記事を出している。

  写真がまだ一般的ではないこの時代において
  目を引くのは画風の異なる、同じ場面を描いた挿絵。

  添えられた文には『深窓の令息、独り遺され』等……
  即ち、今朝の葬儀を広く報じるものだった────]

 
(126) 2022/11/06(Sun) 21:34:18

【人】 隻影 ヴェレス

 

 [夕暮れ以降、街中のスタンド等を通りかかった際には
  どこの記事を手に取っても、巻頭記事は同じであり。

  同時に、ある女性の死を否応なしに知る事になる。
  無作法にも画かれた、俯く少年のイラストと共に。]


    [────そして暗躍する者達がベールを纏う。
        全てに対する傍観を決め込む為の、
        壮大な脚本の冒頭を演じ始める。]


 
(127) 2022/11/06(Sun) 21:34:30

【人】 隻影 ヴェレス




  「さあ、院内伝達で全人員に伝えよ。
   これより一歩たりとも外に出てはならんとな。
   離反した者は捨て置いて構わん。」


 
(128) 2022/11/06(Sun) 21:34:41

【人】 隻影 ヴェレス



 [学星院、第三の塔。
  ラング機関に関する技術の全てを司る学派。
  その頂点に設けられた、臨時実験観測室。

  第二の塔の自然学派の協力もあり、
  技術を結集して作られた特殊な望遠鏡が
  この塔を取り囲む様にして設置されている。
  ここから街の様子が遥か遠くまで見渡せる仕組みだ。]


   
  「しかし…奥方の事は残念でした
   心よりお悔やみ申し上げる次第です」


    「あれは“想定外”の事態だったが、
     我々の悲願を諦める訳にはいかないのだよ。

     それにあの屋敷は
私の住居でなくとも

     既に守呪結界を施してある。」


(129) 2022/11/06(Sun) 21:34:54

【人】 隻影 ヴェレス



 [観測手は、我が身と所有物を礎にはしない。
  例えそれが別居しており疎遠気味の家族であれど
  体裁の為にそれらを守るのだ。

  ……何より、不慮の事故で夫人を失くした直後に
  子息の身に何か起きようものなら、
  学星院への疑惑は沸点を超えてもおかしくはない。

  巨大な記録ボードを見据え思考するブランドンの傍らに
  長子にして次期当主のジェイクが凛と立つ。

  このプロジェクトをアスター家の二人が
 
同家の次男坊に教えたことはただの一度もない。


 彼等にとっては利用価値がないのだ。]


 
(130) 2022/11/06(Sun) 21:35:06

【人】 隻影 ヴェレス



 [この日の為、準備段階から手段は問わなかった。
  管轄外の保存施設の管理状況の抜き取りから
  偽造された通行証及び営業許可証の作成、
  果ては外部からの援助と船を取り付けるまで。>>76

  近頃ずっと
船着場は貿易船で一杯だった
が、
  どれも学星院の印が付いていたのもその為である。]


  「時は近いぞ。“こと”が始まったら
   保存施設の異常を報せる警報が真っ先に届く。
   そこから先は……データの収集に専念しろ。」

 
(131) 2022/11/06(Sun) 21:35:31

【人】 隻影 ヴェレス

 


  ──── 同刻;卵にして世界、籠であり砦

“Der Vogel fliegt zu Gott. Der Gott heißt Abraxas.”

 
(132) 2022/11/06(Sun) 21:36:01

【人】 隻影 ヴェレス




           …………

        今日この日まで、私は。
   己のルーツも、神も、故郷もないままに、
    最大の犠牲を払ってまで、此処に居る。

     一体何を原動力にしてきたかさえ
         最早思いつかない。


 
(133) 2022/11/06(Sun) 21:36:23