人狼物語 三日月国


7 【R18】鈴蘭の村:外伝6〜カフェリコリス〜【RP半再演ペア】

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[己の心臓もまた、同じくらいに激しく高鳴っていた。


 件の壁ドンで微破壊された元バイト先の壁だが、
 当時僕にまで疑いの目が向けられていたことを
 恐らく彼は知らない。

 店長視点、容疑者は二名。
 まして片方は素行の甚だ悪かった僕だ。

 どちらがより器物損壊の犯人らしいかと問われたなら、
 誰もが僕を指差しただろう。

 ヴィクのあの細い腕のどこにあんな力があったのか。
 僕自身、この目を疑ったのだから。

 「レーナルト先輩が壊しました。」
 正直に答えても、店長は全く信じてくれなかった。
 ヴィクも事情聴取は受けていたようだったけれど、
 彼の言い訳は恐らく、
 僕を庇う為の証言と思われていたと思う。



あの日の暴魔が、今ではこんなにも愛らしい表情を見せてくれているのだから。
鬼生何が起こるかわからないものだ。]


 
─ 夜明け前 ─



  ふぁあっ……?


[髪に触れた優しい熱と、肌をぬるりと滑ったやわらかな感触に驚いて目が覚めた。
こんな可愛らしい悪戯を仕掛けてくるのは、世界にただ一人しか居ない。]


  んむ……、
  ……ぁ、ヴィク…………?
  おはよう、の……


[愛する人に伸ばしたはずの手が、空を切ってシーツに落ちた。
重い瞼をこじ開けて声のする方に目をやれば、
プールサイドで双眼鏡片手にはしゃぐ姿。
黎明の光を受けて、金の髪が燦然と輝いている。

彼の方が先に起きていたのは予想外だった。
てっきりこちらが起こさねばならぬものと思っていたのに。

朝っぱらから元気だなぁ。
己の身体を確認してみれば、喪った箇所は元に戻り、どこに傷が与えられたかさえよく分からなくなって、むしろ肌つやが良くなってさえいた。……愛の成せる業だろうか。

身体を揺すられゆっくりとベッドから身を起こして、開けたローブを整える。]



  ……随分早起きですね…………、
  被告人ヴィクトル・レーナルト。
  ちゃんと起きられてえらい君には、
  こーしてあげます。

  僕直々に、羽交い締めの刑です。


[半分夢うつつ状態のままよろりと立ち上がると、
正面からぎゅうっと抱きついた。
見上げれば上機嫌な君が居て、頬に優しいキスが降ってくる。]


  …………っ、
  …………

  ……どうせならこっちの方がいいです。


[頬へと手を伸ばし踵を上げて、唇に唇を重ねる。
姫の胸に身を預けながら二度寝しそうになって、眠い目を擦った。

流れでぺたぺたとヴィクの身体を触診する。
昨夜確かに付けた傷痕も、奪い去った指先も、何も無かったかのように元通りになっていた。
むしろ、やはり彼も昨夜以上に血色良く見える。]

[ ── これからは、毎朝こんな風に一緒に居られるのだ。
想像するだけで頬が緩んでしまう。]


  では、
  ――向かいましょうか。


[手早く支度を済ませると、
甘い香りの漂う花畑へと、連れ立った。]*

― ラベンダー畑 ―


[風が吹く度、甘く柔らかい香りが鼻腔をくすぐる。
一面を埋め尽くす青紫は美しく、蝉の鳴き声さえ清々しい。

そして――
眠い。

立ったまま眠ってしまえそうに眠い。
鎮静作用のあるラベンダーといえば、最も有名なのは安眠効果。ただ眺めているだけでは美肌にはなれない。

設えられた散歩道を昨夜のように恋人繋ぎで歩きながら、自然と降りてきそうになる瞼を必死で持ち上げた。
ひんやりとした静謐な空気を肺いっぱいに吸い込み、目を醒まそうと試みる。少し肌寒い。

ヴィクは水を得た魚のように元気いっぱいだったから、多少足元が縺れても助けてくれただろう。

暫く歩くと、休憩所らしき小さな販売所に辿り着いた。]


  ラベンダーソフトクリームに、
  ラベンダーティーですって。
  ……流石にこの時間、まだ開いてないようですけど。

  僕、紅茶は
  ラベンダーミルクティーが一番好きなんです。
  ヴィクは何が好きですか?


[こんな他愛ない会話も、今後は気軽に直に交わせるのだろう。]

[大切なことも、くだらないことも。
共通する話題も、相対する話題も。
嬉しいことも楽しいことも、悩めることも辛いことも。

沢山話をしよう。
時には喧嘩したっていい。
君となら、嵐の夜も超えてゆける。


夢見心地で花畑を後にして、ホテルへと戻ろう。
朝食バイキングを目と舌で楽しんで、さて、お待ちかねの海へ行こうか。

小さいけれど憧れていたクルージング船に乗って、
シャチやイルカの尾を見て二人ではしゃいで。
岸へ戻り海水浴場に着けば、サマーハウスで海の幸を堪能して、日が落ちるまで浜辺で遊んで。

そうしてくたくたになって戻ってきた真珠貝ソファの上、
蒼の光揺らめくシャンデリアの元。
きっとまだ大海原へと想いを馳せている君に、声を掛ける。]


  ヴィク。
  左手、出して貰えませんか。

  ……失くしたら泣きますからね。


[この旅行中に渡そうと思って選んでおいた指輪。
インサイドストーンにアイスブルーのダイヤモンドがあしらわれたそれを、薬指に嵌めて、唇に永久の愛を誓った。]**

[待ち合わせ場所 集合時間30分前]

……どうするかな。本当のことを言うか、ごまかして消えるか。


[答えは、今日まで出ない。ただ、ある一人を除いて他のメンバーには真実を隠してある。一応他言無用とは言ってあるが、どこまで守られるだろうか]


……迷ってても、しょうがねえやな。表で真実を話す!


[運命のコインが掌へ。開けば、coinの面が]

[ぼくだって
ぼくの望みになんて気づいてやしなかった。


       
気づかないように蓋をしていた。


  一緒に
”生きたい”

         
”殺させたくない”


人間であろうとしたのは
  
ぼくがぼくでありたかっただけ。


悪魔がフリーレを殺す決意して
( 嗚呼その後、無茶なことをしようとして )

 ────少女はようやくそのことに気づいた。


願いを叶えて貰いたいなんて
出会った時から一度も思わなかったけど。]


   
ふーん、あっそ。



[言わないなら、いいや。
何だか色々吹っ切れて
普段よりも幾分穏やかな笑みを浮かべる。

───…それでも、まぁ
この先苦労をしないかどうかで言えば
自分で買った苦労だろう。


   
  
 ほら、

            
        いま
             も
  ]


  
 そう……。



[ この世界を守るだけに存在するものは
             容易に諦めて

新たな勇者《いけにえ》を求めるのみ

  転移が行使される刹那に
  精霊の王はフリーレの内から、離れた。]



( おまえの方から”行くぞ”なんて
        はじめて聞いた気がする )



[たったそれだけで少しはしゃいだ気持ちに、なった。]

[ 渡った世界でも少女は少女のままで。
  悪魔は悪魔のままで

  勿論この世界でも名前は違ったけれど
  青白き炎のごとく星があった。


   時折夜空を見上げては、指を差す。 ]


   あ、なあなあ!シリウス〜

         シリウス見つけた!

[よしこれで方向がわかると言えば
何に対してか呆れたような顔をされて

  むかつく顔するな!って
  いつものように理不尽に

        ぶつけたのは特大の火玉 ]


あはは! 
ざまーみろ!馬鹿ロキ!!



[ 少女が、従属のために真名を呼ぶことも
       
あれ
以来、生涯なかった。 ]**

……来たか。済まんな、急に呼び出してしまって。それじゃあ始めようか、個人面談を……


[待ち合わせ場所の河原にラッセルが現れたのを見て、微笑む。そして、2人が話す最後の時間が訪れた]


……皆には言ってあるが、俺は明日からチームを離れなければいけない。海外への、急な出張でな。


[他のメンバーに話した、偽りの理由を語る。嘘をついたセスは、ラッセルから顔をそらした。深緑色の髪を、秋めく風が揺らす]

……ってのは、嘘でな。実は俺、なんと言ったらいいのか……


[嘘を押し通そうとしたが、色々な意味で良心が傷み、本当のことを話し始める。そして、再びラッセルの方を向いた]


……なあラッセル。もし、俺がこの世界の人間ではないとしたら。俺が元の世界に戻らなくちゃならないとしたら……


[押し殺すように、あるいは絞り出すように語りだす。それでも、今度はラッセルから視線を逸らさない]

ほら、これが証拠さ。……って、こんなのが証拠にはならないと思うけどな。


[あの日、ドアに差し込まれていた手紙を見せた。ラッセルがそれを読んでいる間、足元の石を川に向かって放り投げる]


……これから俺は、元の世界に帰る。もう、カットバースの一員ではいられないんだ。


[足元の石が、水面に波紋をたてたのを眺めながら、少しだけ悲しそうに、そう呟く]

俺がやっていた監督と代表者業務は、マナに引き継ぐことにした。あぁ、本人の了解は得ているよ。……で、キャプテンなんだが……


[持っていたカバンから、何かを取り出す。それはいつもセスがつけていた、キャプテンマーク付きの背番号「10」のユニフォーム]


……お前が、引き継いでくれ。今のお前なら、周りのみんなも認めてくれると思う。だから、お願いだ。


[ユニフォームをラッセルに押し付けて、深々と頭を下げる。果たして、彼女はこの提案を受けてくれるだろうか]

……それじゃあ、これでサヨナラだ。元気でな。お前なら、きっと……


[何かを言いかけて、やめる。ここから先の言葉は、言う必要がない気がした]


じゃあな!カットバースを頼むぞ!……あっ、そうだ!もし、俺のそっくりさんがチームを見に来たら、是非歓迎してやってくれ!


[別れに涙は要らない。そう信じるセスは、ラッセルに背中を向け涙を流すことなく、その場を去った*]



 (  背に庇われるのはめっぽう苦手で、
    目くらましの術でもかけられたみたいに
    背筋が冷える心地さえしたけれど。
 
      …… 大丈夫、あの時とは違うから  )


 



[ ──────
ぱッ、ちん!


  独特の音を立てて、その姿は掻き消える。
  カラマツの杖が二人をどこへ導いたか、
  それは僕の知るところじゃあない
 
  記憶についてちょっとした融通がきいても、
  これ以上のデバガメめいた真似も、野暮だから。 ]*

 

【人】 萩原 悠人

─ むかしのはなし・完 ─

[話の顛末はこうだった。

ヤクザの下っ端の男が入れ込む女は自分の上客で。
もっと言えば、店のケツ持ちをしている組の構成員だった。
そうとは知らず、俺は女に甘い言葉を囁き
思う存分貢がせていたというわけで。
そのヤクザからして見れば面目丸潰れ。
仲間内からもからかわれていたらしい。

元々激昂しやすかった男は、
俺の事を調べ上げて施設のことを知った。
そうして────火をつけるなんて、
アホな所業に至ったわけだ。

火をつけたところで何にもなりはしないのに。
俺が働く目的がそこに金を入れることだったから
入れる先が無くなればいいとでも思ったのか。
その後見かけることのなくなった男のことなど
知る由もなかったし、復讐する気にもならなかった。
残ったのは、ただただ虚無だったから。]
(260) 2019/04/26(Fri) 22:15:27

【人】 萩原 悠人


[妹がその現場を目撃していたことは知らなかった。
そうして今も、その行為を止められなかった事実に
後悔を抱いているということも。

……そんなことにさえ、気付くことができなかった。
妹のことはなんでも知っていると思った。
それなのに、何も分かっていなかった。


あの事件以来、彼女に近付くことも
生き残った施設の子達に近付くこともしなかった。
自分の傍に特別な人を置くこともしなかった。
関係を深めたいと近付く人はいたけれど
全て断って拒絶した。

……守りきれる自信がなかったから。]
 
(261) 2019/04/26(Fri) 22:15:51

【人】 萩原 悠人

[────そして、現在。

今、守りきれる自信があるとは言えない。
けれど付き合う人間の裏は調べるようにしたし、
周りに危害を加える人間には関わらないようにした。

その証拠に、仕事を辞めてから
しつこく連絡を取りたいと言う客もいない。
泣いた子もいたけれど別れはあっさりだった。


……でも、彼を恋人にすると決めたのは
それだけが理由ではなかった。

ずっと持ち続けた、妹に対する
諦めとともに燻っていた恋慕。
ただ見守り続け、彼女のために生きようと
決めた日から全く動くことのなかった心が
彼によって動かされた。

それは自分にとって衝撃的で、衝動的な恋だった。

もう二度と、大切な人を傍に置かない。
そう、あの日自分に誓ったことさえ
容易に覆してしまうほどに。]
(262) 2019/04/26(Fri) 22:16:28

【人】 萩原 悠人



 ……さてと。
 合鍵とペアリング、どっちから
 あげた方が喜ぶかね。


[歩きながら、そんなことを口にする。
片耳に付けたピアスは妹との揃い。
白夜に言ってたっけなぁ……なんて
今更のように考える。

彼には言えないことも、言ってないことも多い。
少しずつでも開示していかなければいけないと
思いながらも、今まで言うことは出来なかった。

まずはそれを話してから、だろうか。
彼ならきっと水臭いと笑うかもしれない。
はたまた、片方ずつのピアスを怒るかもしれない。
どんな反応かは分からないけれど、
きっと幻滅することはないだろう。

考えていたら、彼に会いたくなってきた。
今から会いに行ったらどんな顔をするだろう。
嬉しいと笑ってくれるだろうか。]
(263) 2019/04/26(Fri) 22:16:46

【人】 萩原 悠人



[最近は妹のことを考える時間が減って、
白夜のことを考える時間が増えた。
──きっとこれは、いい事なんだろう。

買い物に行くか、彼の元に行くか。
少し悩んで彼の元へと歩みを進める。

彼の笑顔を思い浮かべると、心が暖かくなる。
幸せだと感じる。
何も感じなかった頃の自分とは違った。


……なんだか今日は妙に早く会いに行きたかった]*

 
(264) 2019/04/26(Fri) 22:17:06

 
─ ラベンダー畑 ─


[ 準備を済ませ花畑へと。
 男二人で見に行く場所としてはやや浮いてはいるが、
 早朝で人影もまばらな故、それ程は気にならなかった。
 逆に、女性観光客達からは何やら噂されているのが聞こえる。
 その内容は、かつてのカフェでよく耳にしたような内容で、
 当時を思い出し笑みが漏れた。

 手を繋ぎ青紫の世界へと辿り着く。
 早朝の風は一際快適であり、ラベンダーの香りも手伝い
 一層心地良い。]


  ……おい、大丈夫か? 寒いのか?


[ 時折がたり、とふらつきを見せる様子に立ち止まり、
 バランスを崩しそうになれば腕を握り掬い上げて。
 大丈夫か、と目線を合わせ顔を覗き込む。

 昨夜の影響だろうか。互いに本日の睡眠時間は長く無い。
 既に傷、損傷箇所はほぼ見当たらなくなったとはいえ、
 久々の反動は大きかった。
 更に夜を共に過ごしたとあらば、多少のふらつきも致し方ない。

 寒そうならば、ベージュの薄手のジャケットを肩に掛けて。
 サイズ的に合わずぶかぶかに見えるが、俺から見れば
 その姿すらも愛らしい。]

 
 開いてないのか、残念。だが折角だから休憩するか。

[ 丁度小さな販売所が見えたので、営業前だから丁度良いと
 椅子に座れと促して。
 座ったことを確認すれば、隣に座り、手を重ね暖めた。]

   
  ラベンダーミルクティーか。何だか美味そうだな。
  俺? 俺の推しは
エクストラバニラホイップアップルアプリコットダージリン



[ カフェバイト時代、ダブルryが原材料品切れにつき
 飲めなくなってしまった俺が嘆き、代わりに考案した品の名を出す。

 同時に、当時の記憶がふわりと蘇える。 

 「二人は仲が良い」と客に嬉しそうに言われ、
 苛立ちを覚えていた時のこと。

 距離が縮まってから、ダブルry勧めたら酷い顔になったこと。

 何時の間にか店の看板コンビになっていたた俺達の
 撮影用はめ込みボードが出来たという、前代未聞の出来事に
 遭遇したこと。

 ──全てが懐かしい。罵倒し合ったことも。
 早く辞めてくれないかと内心思っていたことも。
 当時の俺が、数年後こんな風になると聞いたら
 絶対に信じないだろう。]

 
[ その後体力は順調に回復し、今日も二人で楽しい時を過ごした。
 かつて乗ろうと約束した、クルージング船の乗船が叶った時。
 出発前から見たいと言っていた、イルカを発見した時の
 リーのはしゃぐ姿を見ると、思わず俺が保護者のような気分になり
 「あまり乗り出すなよ」と頭を掴んで引き戻したり。


 
──ああ、ここに来れて良かったな、と。
   俺が見たかったもの。欲しかったものは
   リーの嬉しそうな、幸せそうな姿なのだから。
   ずっと、見ていられる。

   そして、その隣に俺が居るのだから。



 今日も楽しい一日は、あっという間に過ぎ去っていく。
 旅程の残数が少なくなればなるほど、寂しさを感じてしまうのだが。
 ──同時に、引越しの日は着実に近付いている。]
 

 
[ 再び部屋に戻り、先程の興奮覚めやらぬまま
 外の景色をぼうっと眺めていた時。]

 
  ああ、構わないが。

  …… ……これは。

[ 声を掛けられ、言葉のまま左手を差し出す。
 昨夜糧となった二本の指は、既に以前と変わらぬ状態に戻り、
 色艶を取り戻していた。
 

  
  左手を出して欲しい。
  失くしたら泣く。

  この二つの言葉、昨日の誓い。欲した二本の指。


  
──── 結論に辿り着くのは、容易だった。]