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【人】 二年生 田邊 夕鶴な、なる……ほど……? [得意げに振り返った先生と、黒板に描かれた鶴の絵の間を、 私の視線が行ったり来たり。 正直に言っていいですか? なるほどわからん。 ……のだけれど、 本当に正直に言う度胸など、私にあるはずもなく。 一応先生の教えてくれた手順は頭に入れていたので、 ふむふむ、と頷きながら。] れ、練習してみます。別の鳥にも応用できるんですね。 先生の描いたのは、ちゃんと鶴に見えますけど…… 私が描いたら…… どうかな…… …… 赤は朱墨があるので、何とかなりそうですね。 [自信なさげな声で言いつつ、 小さい頃に遊んだ絵描き歌の事を思い出す。 こういう簡略化された絵こそ、 描くのが難しい気もするけれど…… 私に精緻な絵が描けるわけもないので、 先生のこの選択が、とても正しいのはよくわかった。] (12) 2021/07/23(Fri) 1:10:06 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[なんて考え事をしていたら、 時間を気にする先生に私もはっとして] あ、お時間いただいてしまって、すみません。 ありがとうございました。 [私よりも先生の、次の授業の準備が大変だと、 申し訳なく思って頭を下げた。 最後の一言に対しては、笑顔で応じて。] はい。ありがとうございます、 頑張って練習します。 [と、先ほど言った事をもう一度繰り返す。 先生の声を受けて、今度は少し前向きに。 美術室を出る前にスマホを取り出して、 鶴の写真を撮らせて貰ってから、 黒板消しますね、と買って出た。 立つ鳥跡を濁さず、という事で。(?)]* (13) 2021/07/23(Fri) 1:10:58 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 回想:スイカ割り ― [多分、カットスイカなら買える金額だったと思う。 でも、カット済みじゃ駄目なんだ。 大事なことなんだ、と。 青果店のお姉さんと、おじさんおばさんが、 どうしたの、と尋ねてくれたなら。 私達は兄弟順番に、要領を得ないながらも スイカ割りをしたかったのだと理由を話して。>>295 そうしたら、いつの間にか引っ込んだお姉さんの、 戻ってきた手の上には、貯金箱が。] 「「「え!いいの!?」」」 [見事に三人分の声が重なって。 パァーーーっと顔を輝かせ。 もしかしたら大事な貯金箱だったかもしれないのに、 頭の中が丸ごとスイカで埋め尽くされた私達は、 やったーー!とか、じゃあ最初にやっていいよ!とか、 そんな事を言いながら、浮かれるばかりで。 お会計に置いた所持金全額、 小銭だらけで数えるのに時間が掛かったかもしれない。] (22) 2021/07/23(Fri) 2:06:28 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[小さい弟くんも歓迎して、 じゃあ、どこに行ってやろうか?と、 話しながら、商店街を駆け出した。 スイカはうちの兄が運んだんだったかな。 準備が整ったら、 目隠しをして、棒を持った子をぐるぐる回して……。 こっちこっち!と手を叩いて笑い合い、 ばっちりスイカを割ったのは誰だったか。 私の番では、 スイカに当てた!けど割れなかった……] という感じの結果だった。 でも結果がどうあれ。 みんなで割ったスイカを一緒に食べて、私達は大満足。] (23) 2021/07/23(Fri) 2:07:40 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[スイカを食べながらか、割りながらか、 自己紹介もしたのだけれど。] あの……田邊 夕鶴です…… きょ、今日はありがとう…… [私はと言えば、今更照れて、もじもじしてしまい。 お姉さんにはちょっと弱かったのだ。 そう、お姉さん。 お店の手伝いをしていたし、気前のいい子だったから、 自分よりもっと年上かと思っていた。 一つ上だという事を聞けたなら、 私はびっくりしただろう。 それ以来、青果店の前を通ったら、 用事が無くても挨拶をするようになって。 お姉さんと同じ高校に入学し、校内でばったり会った日には] 後輩になりました。先輩、よろしくお願いします。 [と、もじもじは卒業して、 澄ましたぴかぴかの一年生が、笑顔で挨拶をした。]* (24) 2021/07/23(Fri) 2:09:47 |
二年生 田邊 夕鶴は、メモを貼った。 (a8) 2021/07/23(Fri) 2:32:57 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― お祭り前日・提灯の飾り付け ― [篠田さんとの作業中。 彼女の身長では辛そうな箇所を、 す、と横から引き取って。>>0:309 お礼を言われれば、私は冗談っぽく笑いながら] いいえ、どういたしまして。 こんな時くらいしか役に立たないから。 [と、自分の図体を指して言ったのだった。 そんなこんなで、楽しく雑談も交わし。>>0:315 書道部で注文した上着については、 請け負って貰えて感謝しかない。 私も一部員として、篠田さんにもしっかり お礼と、よろしくお願いします。を伝えておいた。 秋のパフォーマンスの際は、是非特等席にご招待したいと、 お願いされなくても、時期になったら言うだろう。] (68) 2021/07/23(Fri) 15:24:14 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴あ、ううん。私の浴衣は全然。いいんだ。 ほら、靴のサイズと同じでしょう? 大きいのって、なかなか無いよね。 [私の話で篠田さんがしょぼんとしてしまったら、 慌ててフォローしたつもりだったけれど、 フォローになっていたかどうかわからなくて、 えーと、と話を挿げ替えた。] 実は私、明日一人で行く予定だったから、 ちょっと寂しいなと思ってたんだけど。 篠田さんも一人で行くなら、どこかで会えたら嬉しいな。 その時は浴衣姿、見せてね? あ、一人で来るなら、夜道は十分気を付けて! [人出も多いし、確か見回りもあったと思うけれど、 やっぱり注意は必要だから、ここは先輩として一言。 ……篠田さんはちゃんとわかっていそうだから、いらない一言だったかもしれない。 ] (70) 2021/07/23(Fri) 15:27:33 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[お疲れ様ですを言い合ったら、>>0:317 私も篠田さんも、気付けば汗をかいていて。>>0:311 差し出された塩飴は、ありがたく受け取った。] わ、ありがとう。いただくね。 ……うん、やっぱり、篠田さんしっかりしてると思う。 というより、気配り上手なのかな。 手伝いの声掛けもありがとう、助かったよ。 [先輩も、と言うのだから、他にも配り歩いていたのだろう。 こんな風に色々気が付く子は、そんなにいないと思う。 私は素直に褒めたつもりだったのだけれど、 今度もきょとんとされてしまったかな。 そうして、水分補給に行った篠田さんを見送ったら、 私は塩飴を、口の中にころり。]* (71) 2021/07/23(Fri) 15:28:32 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 回想:ちっちゃな頃の、花巻さんと ― [初めての、一人きりのお使い。 できると言った手前、帰る事もできなくて。 そこが見知った場所でも、 幼かった私は心細くて、緊張しきりだった。 だから、屈託なくニコニコと笑って 水羊羹を勧めてくれたその子に、>>0:326 私は救われた気分になって、 詰めていた息をほっと吐き出したのを覚えている。] う、うん。あのね。 水羊羹、うちのおばあちゃんも好きなんだって。 ここがいちばん、って言ってたよ。 それに、入れ物がかっこいい! [最後のは、私の感想。 祖母は何度も食べた事があるのだろうけれど、 私が花巻庵さんの水羊羹と出会ったのは、この時が初めてで。 パック入りの水羊羹しか見た事のなかった私にとって、 竹の容器は何とも言えない特別感を放っており、 まずはそこに大注目してしまったのだ。なんせ子供だから。] (72) 2021/07/23(Fri) 15:31:56 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[食べた後は、どうなったかというと。 「ねえ、お使い行こうか?」 「お使い行くよ」 「今日はお使いないの?」 と、祖母の周りをうろちょろしては、 お使いの権利をもぎ取って、 花巻庵さんの夏の常連と化していた。 二度目のお使いで、水羊羹の感想を聞かれた時は、 その子のわくわくしたような顔に思わずつられて、 私にしては随分勢いの良い声が出た。] うん、すっごくおいしかった!! ……あの、今日はね、 この前見た、透明なのが気になるんだけど……おいしい? [と、後半は人見知りが顔を出し、少し大人しくなったけれど。 前と同じようにお勧めしてくれないかなって、 寒天を使ったお菓子の方を指差して。 お店に行けば会える、髪の長い女の子。 一緒に遊んだ事は無かったけれど、 私はお使いの度に、その子のお勧めを聞くのが楽しみだった。] (73) 2021/07/23(Fri) 15:33:51 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[そんなある日の事。やっぱりお使いに行く道中で。 前日はお祭りだったので、 そういえばいつも可愛い服を着ているあの子は、 お祭りに行ったら、どんな恰好をするのかなって、 会ったら聞いてみようと思っていた。 私は、その子を可愛くないと思った事は一度もなかった。 ]可愛らしいレースやリボンを、似合わないと思った事も。 それは、子供らしい丸みがあったからとか、 男女の言う「可愛い」の尺度の違いとか、 色々理由を付ける事もできたかもしれないけれど。 あの頃、きりりとした顔立ちの中心で、 いつも生き生き、きらきらと輝いていたその目が、 私は好きで。とても魅力的だと思っていたから。 どんな服だって着こなしているように思えたのに。 だからね。髪の長さより、着ているものより、 その表情が翳ってしまう、それが一番―― (76) 2021/07/23(Fri) 15:39:08 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴えっと。 髪の毛、お揃いだね……? [他に、何が言えただろう? 髪を切ったら、いいねとか、似合ってるねとか、 普通ならそんな事を言えただろうに。 その時の顔を見ていたら、私にはとても。 だけど、自分の短い髪を指して、何とか捻り出した一言も。 男の子のような恰好を平気でしていた私の口から出れば、 何の意味も持たず、慰めにもなりはしなかっただろうか。 私は俯いて。 その日から、お使いには行けなくなってしまい、 夏の常連の子供はいなくなった。] (77) 2021/07/23(Fri) 15:40:46 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― バレーのこと ― [ところで。私が、バレーをやめた理由。 なんて事はない、 単純に向いていないと思ったから。 そう言うと、誰かには首を傾げられる事もあったけれど。 恵まれた体格に、運動神経も悪くない。 練習だって真面目に参加していたし。 でも一つ、弱点があった。 簡単に言うと、私は気迫負けするタイプで。 ネット際の攻防。前に出るポジションだった私は、 相手チームの強い視線を浴びる事も多く。 だけど、どうしても、それに慣れなくて。 やめるまでには、それなりに色々あったのだけれど。 結局の所、原因はそれ。 能力じゃなく、性格的に、向いていなかった。] (78) 2021/07/23(Fri) 15:42:24 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[色々と、重ね合わせて見れば。 私達の対比は、なんて皮肉なのだろう。 髪を切ったあなたと、伸ばした私。 視線の中に紛れ込んだあなたと>>0:271、逃げ出した私。 無理をしても続けるあなたと、>>0:273 すっぱりやめて、別のものを見つけた私。 あなたが、今の私と幼い私の面影を 重ねる事ができなかったように。 私も、懐かしい女の子の面影は見出せなかった。 このまま知らない方が、平穏なのかもしれない。 知ったところで、私はまた、ろくな言葉を紡げないのだろう。 それでも。 いつか楽しかった私達の思い出を、 もう一度、重ね合わせる事はできるのかな。]* (79) 2021/07/23(Fri) 15:44:58 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴きつねって、そんなにこわいかな? 可愛いんじゃなくて? [神社の噂話を聞いても、 いまいちピンと来なかったけれど。 例えば、狐は鳥を食べるなんて話をされたら、 自分達の名前に重ねて、震え上がってしまったかも?] じゃあ、早く帰らないといけないね…… [そう言った私は、ちょっとだけ口を尖らせて。 だって、日が暮れかけているのはわかっていたけれど。 あと少し、もう少しだけって、 私はまだ遊んでいたかったのに。そんな話するから。] (82) 2021/07/23(Fri) 15:51:11 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[でも、その一言。>>0:349] えっ。 きつねさんに? こわいのに、攫われに行くの? [そう尋ね返したけれど。 すぐに冗談と笑った朱鷺也の顔を眺めて、 私は、ぱちぱちと瞬きを繰り返したあと、 うーん……と考え込み。] うん。朱鷺也と一緒ならいいよ。 だって、朱鷺と鶴だったら、 飛んで逃げられるでしょ。 一緒だったら、どこに攫われても大丈夫! [その問いにどんな意味があって、どう受け取られたのか。 私はよくわかっていなかったけれど。 わからないなりに、子供の不思議な理論で返して。 でも、例えば、その夜大冒険に出掛けて、 後で大目玉を食らったとしたって。 私は大丈夫だったはず。二人一緒なら。] (83) 2021/07/23(Fri) 15:52:30 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[でもね、わかっていた。そういうの。>>0:352 そうなるんだろうなって思っていたし、 そんなものだよねって理解して。 だってほら、うちには年上の兄がいて、 私は兄を観察しながら育ったわけだから。 思春期男子の生態には詳しいんだ。 上辺だけかもしれないけれど。 私は私で、新生活が忙しかったし。 でも、背が伸びたなあとは思っていた。 私だって、女子の友達もできたし。 いや、まだ私の方が背が高いと思う。 朱鷺也と遊ぶ事がなくなっても、別に。 手を挙げてくれるだけ、まだ良いよね。 ――わかっていたけれど、 自分の事は、意外とわかっていなかったかも。 ] (84) 2021/07/23(Fri) 15:54:48 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[離れていた間に、きっと距離感が変わってしまったから。 みんなと同じところから、測り直そうとしただけなのに。 どうして余計遠くへ行ってしまうのか、 全然わからない。 わからないから、 そっちがそうなら、とそんな気持ちで。 私はあれから、蓮見くんにはそっけない態度を取っている。] (88) 2021/07/23(Fri) 15:59:00 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴[お祭りの準備に参加するのも知っていて、 名簿の名前だって確かめたけれど。 見掛けても知らないふりして、手を振ったりはしなかった。 ……高二にもなって。 ちょっと、情けないなとは思う。 素直に聞いてみる事ができたらよかったのに。 私は本当に、図体ばかり大きくて、 中身が伴っていないみたい。 この身長の5cmくらい、 器の大きさに回せればよかったのにな。]** (89) 2021/07/23(Fri) 16:00:12 |
二年生 田邊 夕鶴は、メモを貼った。 (a15) 2021/07/23(Fri) 16:09:31 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 当日 ― わあ。可愛いね。 うんうん、昨日よりもお姉さんに見えるよ。 とても似合ってる。 [お祭り会場にて。 昨日社務所で出会った女の子と行き合えば、 くるりと回るその姿>>3に微笑んで、そう言った。 ちなみに私の方の服装は、至って普通の、ただの私服。 篠田屋さんで購入した白いTシャツに、下はショートパンツ。 浴衣の皆さんが結構な暑さの中にいるとはつゆ知らず、>>47 こちらは涼しさに全振りした感じの服装である。] 小雪ちゃんも、よき一日を。 [背伸びをした挨拶にはそう返し。 隣にいた小雪ちゃんの母親にも会釈をして、 二人と別れ、お祭りの喧騒の中へ。] (189) 2021/07/23(Fri) 23:54:36 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴…… はなひらきますように 、かぁ。[小雪ちゃんの言葉で思い浮かんだのは、 昨日の帰り、私がお参りした時の願い事。それは、 思春期真っ盛りで色々と複雑な弟が、 私に冷たくするのを、早くやめてくれますように! ……である。はなひらくのかな、これは。 どこかで聞いたような話?似た者姉弟? ]これには深ーい事情があるので、 そんな事はないと思うのだけれど。 仲直りのお願い事の最中に、 ちらりと別の顔が脳裏をよぎったのは、まあ、確かにそう。 (190) 2021/07/23(Fri) 23:57:46 |
【人】 二年生 田邊 夕鶴― 青果店の屋台 ― [一人ぶらぶらと、あちこちの屋台を覗きながら。 辿り着いたのは、青果店の屋台前。 その時、堂本先輩は顔を出していただろうか? ……混雑しているようなら、また後で。と出直そうか。 高校で先輩と再会したあの時。 気付くかな、という少しの悪戯心と、 気付かないかも、という少しの不安の中。 名乗りもしなかった私にくれた先輩の笑顔を見て、>>94 はにかむように、私も笑った。 それからは、また青果店の前を通れば挨拶をして。 おばさんの姿がもう見られないのを、悲しく思って。 おじさんとの勝負の話だって聞いていたはず。 私は勿論、先輩の売り上げに貢献しようと思うわけで。 もし持ち帰り可能なのだったら、 キュウリは四本、家族の分まで買って行くつもりだけれど。 ……その代わり、トウモロコシも一本買うのを許してほしい。 持ち帰り不可なら、キュウリを一本だけ買って食べながら、 私はお祭り会場をまた、ぶらぶら歩くつもり。]* (191) 2021/07/24(Sat) 0:00:27 |
二年生 田邊 夕鶴は、メモを貼った。 (a38) 2021/07/24(Sat) 0:07:23 |
二年生 田邊 夕鶴は、メモを貼った。 (a39) 2021/07/24(Sat) 0:17:05 |
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