サルガスは、涙を流しました。 (a2) 2021/05/28(Fri) 20:21:13 |
【人】 小さな心 サルガス>>3 ルヴァ 「ルヴァ……」 そばで、折れてしまった彼を見た。耐えきれなかったのかもしれない。 でも、なら、ああ。まだ、自分は大丈夫なのではないか。耐えられるのではないか。 耐えられるのならば、自分にはすべきことがあるのではないか? ぐ、と唇を噛み締めた。その拍子に瞼からはぼろぼろと涙は落ちたけれど。 だめだ。ルヴァの周りに居たみんなが、シェルタンが、ルヘナが、イクリールが。 いないのなら、彼を一人にしたくないのなら。 「ルヴァ、ごめん、ごめん、ごめんね。 泣いていいよ、いいんだ。ねえ、いいんだよ。かなしいよ、くるしいよ。 いいんだ、ぼくらは、彼らを覚えていて、いいの、それで、いいんだよ」 そばに膝をついてしゃがみこんで、まだ年の近い彼からしても小さな腕を伸ばす。 (4) 2021/05/28(Fri) 20:25:59 |
サルガスは、ルヴァを抱きしめようとしました。 (a4) 2021/05/28(Fri) 20:27:21 |
サルガスは、ヌガーにりんご、牛乳ポット、とにかくなんでも、ひっつかみました。 (a7) 2021/05/28(Fri) 20:43:30 |
サルガスは、一目散に食堂を飛び出しました。 (a8) 2021/05/28(Fri) 20:46:53 |
【人】 小さな心 サルガス>>3:9 ルヴァ 「……よわむしなぼくで、ごめんね。きのう、きっときみと、もっと話していればよかった」 人に囲まれているということは、満たされているということで。 人がいなくなるということは、それが欠けてしまうこと。 いつだってひとりぼっちの自分とは、きっと落ちる崖の高さも違うのだ。 「シトゥラの言うとおり、きっと、ここは、つらいでしょう。 ぼく、おべんとうみたいに食事をもっていくよ。どこが、いいかな。 高等部の子のへやがいい? それとも、ぼくのへや、なかにわ、なんでも、いいんだけど……」 見ないふり、触れないふりを出来るものたちに囲まれて食事をするのはつらいことだろう。 そして何より、彼を守らないといけない。そのために、何ができて、どこへ。 自分よりも背の高いきみを、かばうように両腕をのばしたまま立ち上がる。 (10) 2021/05/28(Fri) 20:59:15 |
サルガスは、自分の部屋にいっぱいの食料を詰め込みました。 (a12) 2021/05/28(Fri) 21:33:59 |
サルガスは、食堂に駆け戻ってきました。 (a13) 2021/05/28(Fri) 21:35:19 |
【人】 小さな心 サルガス>>3:7 >>3:10 再び、食堂 「ルヴァ、ぼくのへやに、食料いっぱい置いてきたから。 なんでも、していいからね。ずっと、そこにいなくちゃいけないわけじゃないし。 ほしいものがあるなら、もっていくから。お話したかったら、こえ、かけてね」 ケープいっぱいにくるんだ食べ物を自分の部屋に詰め込んで、 おもいきり振る舞える場所を用意した。 いちおう、なるべく小声で彼にだけ囁いた。耳の良いものは聞いてしまうかもしれないが。 小さな体をなんども、あちこち、ぱたぱたと急くように動かして。 息を切らして、ともだちに寄り添おうとする。 (12) 2021/05/28(Fri) 21:41:21 |
【人】 小さな心 サルガス>>3:14 ルヴァ 「いつもどおりに過ごすのって、むずかしいことだよ。 ありのまま。きみのままでいいんだ。だって、ルヴァは、ルヴァだから。 ……いつだって。ぼくは、話を訊くから。ひつようなときに、そばにいられるようにするから。 きみのともだちで、いさせてね」 柔らかく、包み込むように。そうあれるように、心がけて。 最後にぎゅうと抱きしめて、少しだけ、弱りを振り払うようにすする声が聞こえたかも。 まだ満面の笑みにはなれない。それでも、口元に笑みをつくって。 じっと、瞳はシトゥラとカストルを見た。この場でどんな振る舞いをするのか見るように。 「また、あとでね」 (15) 2021/05/28(Fri) 22:15:39 |
【人】 小さな心 サルガス>>3:a6 >>3:8 ブラキウム 喧騒を終え、激励を終え。貴方の元に来たのは、時間が経ってからだった。 朝にしては少し汗っぽくて、疲労の色が見えて。そんなことは、見えていないかもしれないが。 「ごめんね、ブラキウム。ばたばたしてて……。 なにがすきかとか、わからなかったから。いっしょに食べれるものにしたの」 いつもどおり、同年代の子供に比べるとすこしばかり足りない食事。 そこに、白いマスカットを添えたトレーを抱えて、席の近くまでやってきた。 ……返事があるまで、認識してもらえるかわからないから。座るまでは、いかないけれど。 (18) 2021/05/28(Fri) 22:28:19 |
【人】 小さな心 サルガス>>3:21 ブラキウム 「……うん。おはよう。いっしょに食べよう」 咎めは多くなく、覚えられていないわけでもなく。少しだけほっとしたようだった。 昨日のように隣の席にのぼって、自分の食事を並べた。 量には多少の差があるけれど、同じもの、それと、"お願い"の対象。 張り詰めた空気の中で、いっときくらいは緊張を忘れるように。そろそろと、息を吐いた。 「いまはブラキウムといっしょだよ……。 きのうはちょっと遅くまで起きてたから、おきてくるのもちょっと大変だったの。 きょうも、じゅぎょうもあるし、医務室にもよらなきゃだから、うとうとしちゃだめなのに」 まるで日常に帰ってきたような言葉。いいえ、今も、日常のはずではあるのだけど。 これほどまでに、肌のすぐ近くで表面化しなかっただけ。 それでもすこし表情には疲れが見え、貴方の顔を見て、落ち着いたようだった。 (22) 2021/05/28(Fri) 23:01:52 |
【人】 小さな心 サルガス>>3:25 ブラキウム 「にんきものなんかじゃないよ。ぼくが、みんなと……なかよくしたいだけ。 ほんとは、ちょっと気が引けていたけれど。みんながぼくと同じにされるの、いやだから……」 誰彼と構わず降りかかる頼み事。からかい、転ばせ、背中の張り紙。 それらは、けれど、大人など関係ない。根拠のない。いたずら心。 それは、貴方と話す朝食の時間からは廃絶されたものだから。今は、少し気が楽だった。 「そうなんだ? やっぱり、あまいものいつも食べられると、いろいろ知ってるね。 ぼくはこっちに来てから食べるものばかりだから……。 実は、ここに来てはじめて出てきたくだものが、このしろぶどうだったんだよ」 干してもいない、絞ってもいない。まるのままの新鮮な果物! これがどれだけ珍しいものか、もともと育った土壌が違えば感覚も違うかもしれない。 さりげない心遣いで食べやすくされたマスカットと、いつもの糖蜜パンを見比べて。 遠慮とか行儀とか、色んなものと葛藤して。 皿にころりと並んだマスカットを一粒大事そうに掴んで、口の中に入れた。 皮だけつまんで、透き通った実を噛み潰して。わっと広がる甘みに目を輝かせる。 「おいしい!」 (26) 2021/05/28(Fri) 23:43:17 |
サルガスは、お昼休みは教員棟の構造を調べるらしいです。 (a23) 2021/05/29(Sat) 1:01:32 |
【人】 小さな心 サルガス>>3:27 ブラキウム 「うん。……明日も、ブラキウムといっしょに朝ごはん食べられたらいいね。 くすりになるようなもののことはわかるけど、こういうのって、わからなくて。 ぼく、すっぱいのより、とろとろ甘いやつのほうがいいなあ」 マスカットを食べて、時折思い出したように元の食事に手を伸ばして。 味の違いで新鮮に感じる果物を味わったり、いつもより甘く感じない牛乳にむうと唸ったり。 こんな朝でなければ、いつもの風景。努めて、いつもどおりであることを確かめるようだ。 聞こえた声に顔を上げて、けれど、その意図をうまく捉えきれなくて。 悩みはてながらもちらりと目をうつした、つやつやの青りんごに目がいった。 マスカットの皿を相手の方に少し返して、二人で手の届く位置に置いてみて。 「ブラキウムも、おいしい?」 (28) 2021/05/29(Sat) 1:21:00 |
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