人狼物語 三日月国


242 『慰存』

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そう、私は頑張っても誰にも好かれない。


         
―――――でも、諦められないから。


  



[まさか目的の人が隣に住んでいるなんて。
 こんなに都合のいいこと、滅多に起こりませんよね?]


  

***


[隣を伺っていれば、
 不在になるタイミングも自然とわかります。

 月曜日と金曜日の午後、5時間ほど家を空けること
 そして、どうやら家を空けるとき、
 窓は開けっ放しになっていることも。

 カーテンをしていなければ
 部屋の様子くらいは見れると思って
 バルコニー伝いに侵入したときに
 窓が開きっぱなしなことに気づいた時は
 少しびっくりしてしまいました。

 いくらここが中層で角部屋とはいえ
 無警戒にもほどがあると思って。]
 


[確かに困窮、というほど生活に困ってはいませんが
 所詮は大学生ですから。
 
 別に裕福って程でもありませんし
 お隣さんが作家さんだと知っていれば
 侵入される可能性がないとは言えないのに。]

  



[でも、私にとっては好都合。
 電源タップに偽装した盗聴器と
 いくつかの小型カメラを手に、
 好きな人の部屋へ侵入しました。]


 


[換気をしていても、
 煙草の匂いは完全には消せないらしく
 ほんのり煙草の匂いが残る室内。

 執筆に使っているらしきデスクの横には
 私が渡したぬいぐるみが倒れておかれていました。
 きっと、風で倒れてしまったのでしょう。
 なんの躊躇いもなく手をのばして
 ぬいぐるみを起こしてあげると、
 本来の目的を達成するために部屋の物色を始めるのです。

 コンセントに盗聴器を仕掛けて、
 見たい場所……デスク、キッチン、浴室の三か所に
 出来るだけ隠すように小型カメラを仕掛ければ
 今日はおしまい。あとは見つからないことを願いつつ
 葉山さんが帰って来る前に戻るだけ。

 何かを落としたりはしなかったはずです。
 強いて言えば髪の毛は
 落ちた可能性があるかもしれませんが
 葉山さんも私も白い髪ですし
 そこまで目立たないだろうと気にするのはやめて。]

 


[カメラを通して見る葉山さんは
 当たり前ですけれど知らないことばかりでした。

 男性の一人暮らしともなれば
 自炊よりは外食の方が多いのかなと
 勝手な想像をしていましたがそんなことはなく。
 朝ご飯もしっかり摂っているのを見ながら
 私も手作りのたまごサンドを作り、
 葉山さんが飲んでいる紅茶と同じ物を買ってきて
 ミルクティーにして飲むのがルーティンになりました。

 朝ごはんをしっかり食べると
 頭もよく働きますしいいことばかりですね!]
 



[ずっとずっと見ていたいのですが
 残念なことに学生である以上、通学は避けられず
 昼間講義を受けている間は
 あまり葉山さんを見ることは出来なくて。
 先生があまり厳しくない講義では時折スマホから 
 カメラ越しに何をしているのか、見ていました。

 とはいえ、お忙しいのでしょう。
 執筆している姿を見ることが大半でした。

 編集者さんとの打ち合わせ以外の外出では
 何処に出かけているのでしょうか。

 気になってしまえばすることは決まっています。
 後をついていけばいいんです。]

 


[葉山さんの前では着ないようにしている地味なパーカーを
 羽織り、こっそりと後をついていき。

 近くの居酒屋で飲んでいるらしいと知れば
 いいなぁ、私もご一緒できたらいいのに、と
 一瞬思いましたが、それは出来ません。
 お酒にすごく弱い体質で
 チューハイ1缶で酔ってしまうから……なんて
 体質的な理由でそもそもお酒を飲むのは苦手ですが
 理由はそれではありません。]

 


[……少しずつ距離を縮めようと頑張ったとして
 葉山さんがこっちを見てくれることなんてないからです。

 7歳下の異性なんて異性として
 見られる気がしませんし、
 私が誰かに好かれるわけがない。

 幼い頃に植え付けられたものは
 消えることなく、私の中に残っていますし
 忘れようとしても手首にもそれが刻まれていますから。]

 


[……とはいえ、未練がましい行動はやめられないもので
 朝のゴミ捨てで顔を合わせたときに
 軽い世間話を装って、]


  私、大学と家の往復ばかりで
  この辺のお店とかまだ知らなくて。

  葉山さんのおすすめとかいきつけのお店とか
  あったりしますか?


[なんて、聞いてみたりはするのでした。
 答えなんて知ってるのに
 知らないふりをしながら。]*
  


[優等生だろうと劣等生だろうと、心の中には独善という名前の悪魔が潜んでいる。いくら人の為と口では語ろうとも最後には自分の為に動くもので、下手な言い訳を並べ立てるよりも欲望を誤魔化さない方が余程可愛らしいとさえ思う。

自分の中に潜む狂気を誤魔化すことをやめた者の気持ちは、同じ側に立ったものにしか分からない。

良い子には決して分からない世界だ。]



***

[それから少し経ったある日。
その日は担当編集者との打ち合わせを終えて家へと帰ってくると、時刻が20時をすぎていた。
もう遅いからと担当者と食事だけ済ませてきて、あとはもう風呂に入って寝るだけというところ。

しかし葉山はデスクに向かいノートPCで作業に浸る。
このノートPCは打ち合わせにも使うもので、画面には覗き見がされないようなフィルムが貼られていて、その内容は本人以外には見えないようになっている。

まさか監視されているなんて知りもしないから、人目を気にするようなことはせずだらしのない欠伸をしながら。


調べていたのは、人の過去と歴史だ。

今の時代デジタルタトゥーなんて言葉があるくらいには情報が全てを支配する社会だ。それは誰かのことを調べようと思った時にはパソコン一つで略歴すら作れるほどに便利であり、深刻でもある。]




         (ふーん。)




[これまでの出来事を振り返る。こんなにも偶然が重なって、今となっては七海という人は葉山の隣人として自分の生活に深く食い込んでくる。

とはいえ距離は最低限取り、それ以上こちらには立ち入ってこない。

いつも、いつも、ただ自分の世界の端に席を予約されているような感覚がする。

それも全て偶然なのだろうか。]




   [違う。いつからだ。

      いつからそれは、偶然じゃなくなったのだ。]





[パソコンに打ち込んでいるのは七海聖奈のプロフィールだ。どこの大学に通っているのか、生まれてから大学に入学するまでのヒストリーは?身長と体重は?スリーサイズは?

欄を設ければキリがない。
それも今は空白だらけだ。

しかし、これから徐々に埋めていこう。
葉山にとって七海とはそういう相手なのだ。]



[自分の中に在る敵意という名の狂気
それとは真逆に位置する好意という名の狂気

彼女はどちら側の人間なのだろうか。
知りたいと願う葉山が、その日から七海に抱く感情は決して清純ではない好意的な感情だった。

彼女がどんな想いでここまで来たのか、知りたくて、仕方がない。]



[世の中の変質者には偽物と“本物“がいる。
“本物“の葉山にとっては彼女が“本物“かどうかはこの上なく重要なことで、そのためだけに、わざわざ前の住人の精神を壊して追い出したのだ。

部屋の窓もご丁寧に解放して、打ち合わせの時間も固定して、全て彼女が自分と同じ“本物“なのか知るため。

その為に、ここまでしたのだ。

何としても、知らなければ、抑えきれない。]**





[このマンションに都合よく空き部屋が出来たのは
 ただの偶然なんだと、信じ込んでいました。]


 


あなたがこのマンションに居るのは知っていました、

 とは言えないので思ったほど驚いてないと思われたら
 どうしよう、と不安は少しだけあったものの。
 疑われていないならこの話を掘り下げることはせず。]
 


***

[朝、いつも通り葉山さんが出る時間に合わせて
 ゴミ捨てに向かっていたある日の事。

 鍵を忘れてしまったのか
 入れずに困っている葉山さんを見かけました。
 ゴミ捨てに行く程度なら鍵をかけ忘れたかどうか
 確認を忘れることもあるでしょうし
 鍵を持っていないのに気づかなくても無理はありません。

 生活を覗き見ている私は
 しっかり者の葉山さんでも忘れることあるんだな、
 なんて微笑ましい気持ちになったりもしたのですが。]
 


[本当に鍵を忘れて、締め出されて
 オートロックを開けたいだけなら
 別にわざわざ鍵を渡さずとも私が開けるだけでいい。
 貸して、ではなく開けて欲しい、でいいはず。


 貸した後、あれ?とは思いましたが
 別に貸すのなんて一瞬の事ですし。
 深く考えるのはやめてしまいました。


 話しながらだったから意識は其方にそれてしまって。]
  


[ある日の夜、私は葉山さんの生活を盗聴しながら、
 私は葉山祐太郎のミステリー小説と
 血腹妖の官能小説を見比べていました。
 今日は葉山さん、帰りが遅かったな、
 打ち合わせ長引いちゃったのかな。

 時々思考が別方向に行くものの
 何度も読んだ小説ですし、多少集中できていなくとも
 中身は頭に入ってくるもので。

 ……セリフ回し、文章の区切り方、言葉の選び方。
 
 改めて見比べると似ている気がします。]
 


[かの有名なミステリー作家、アガサ・クリスティは
 ミステリー以外のジャンルを書くとき
 別の名義を使っていましたし、
 彼女は同一人物だという事を隠していました。

 ……もしかして。

 引っかかる程度だったものが疑念へと変わり、
 どうやったら確かめられるかなと暫し考えて。]
 


[SNSのDMにそんなメッセージを送りつけるのです。
 無視される可能性が高い?

 そんなことは分かっています。
 別に返信が来なくたっていいんです。

 私はメッセージを読んだ時のリアクションを
 この目で見ることが出来るんですから。]

 


[リアクションを見ようと思って
 ノートパソコンの画面を見ていても
 葉山さんが何をしているのかはわかりません。
 いえ、正確にいうと
 パソコンで作業していることしかわからなくて。

 のぞき見防止のフィルムさえなければ見られるのに。
 でも、キーボードで入力しているように見えますし、
 新作の執筆作業なのでしょうか。]
 


[いつもならそろそろ入浴の時間……だと思ったのですが。
 作業に没頭しているのか
 席を立つ様子がないのを確認すると
 少々眠くなってきてしまった私は
 欠伸をして、パソコンの画面はつけっぱなしにしたまま
 ベッドに横になるのでした。]
 


[今日は眠気に負けてしまったけれど。
 あなたが入浴するときも、
 私、いつも想いながら見てるんですから。

 あなたがどんな体つきをしているのかだって
 私は、私だけは知っているんですよ。

 他のミーハーなファンは絶対に知らない、知り得ない。
 誰よりも知っているのは私ですし
 誰より近いのも私。

 私が一番。私が特別……そうですよね?]

  

 




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