【人】 曳山 雄吾――過去の話・時雨のバーで――>>4>>5>>7>>8 [ちょっと意外、と口にした時雨の感想>>4に 雄吾はいくらか視線を伏せたのみ。 しばらくの後、涼やかな目元を見開いた青年の声にもまた、 じっと黙して聞き止めるだけだった。 独白めいて語られる声>>5へは 視線を向けることこそ無かったが、 時雨が想う相手へ明かせなかった「もしかしたら」を 聞き取ると、苦い笑みで頷いた。] 欲しい気持ちばかり大きくなって、 ……きみの場合は、吐き出せなかったんだな。 [ たしか雄吾が子供の頃に街で流れていた歌だったか、 そんなフレーズが歌詞の一節にあったように思う。 小さく首を振り、それから時雨の方を見た。] (48) 2020/07/16(Thu) 2:29:57 |
【人】 曳山 雄吾[ 上げられた青年の視線と雄吾のそれとがしばし交わる。 やや左下に目を逸らし、白いカクテルを口にした。] ……おれの場合は、伝えて、振られたからな。 [ だから、時雨が恋人にその願いを言えたと仮定して、 現在が変わっていたかどうか。 雄吾にとって確信できる言葉を見つける術はなかった。] ……白が似合う女性だったよ。おれより年上で。 [追憶の姿を見るように、半分ほどになったホワイトレディの グラスに視線を移して。] 頭が良くて、気が利いて、行動力のあるひとだった。 尊敬してたし、色々と教えて貰ったな。 本当に特別なひとだ、と思ったんだ。 他の誰とも違う。他の誰よりも魅力的で、綺麗だった。 だからこそ、おれの傍にずっと居てほしい。 貴女をおれに、全部、くれ。そう伝えたよ。 [ 幾つかの感情が混ざりあった笑みが雄吾の頬に浮かぶ。 その相手の姿を思い返すようでもあり、 そう思いつめていた頃の熱情を懐かしむようでもあった。] (49) 2020/07/16(Thu) 2:30:35 |
【人】 曳山 雄吾でも、「私は特別な人間じゃない」、そう言われた。 ごく普通の、どこにでもいる人の一人。 おれが見てるのはただの幻想だ、って。 理想を被せられ続けたら、重みできっと潰れてしまう、と。 [ は、とため息を吐いた。長く話しすぎた気がしていた。 酒量のせいもあるのだろう。 杯数を数えるのは多少怪しかった。たしか、8,9杯。 カウンターの向こう、青年の様子を見れば、 雄吾の声はおおよそ届いているようだったが、 しだいにぼんやりしつつあるようにも見えた。] [ グラスを空けて、チェイサーを、と頼む。 それまでよりもゆっくりとした、覚束なさげな手付きで 冷たい水が供される。 それからも幾らか会話は続いていたが、 その詳細まではあまり記憶にない。 ただ、無邪気な表情で笑いかける青年の笑顔は>>7 翌朝になっても、次に此処を訪れたときも、憶えていた。] (50) 2020/07/16(Thu) 2:32:25 |
曳山 雄吾は、メモを貼った。 (a29) 2020/07/16(Thu) 2:47:44 |
【人】 曳山 雄吾[ 徐々に暗さへ順応した夜目が、その何者かを判別する。 表情がいくらか窺えた。 もの思うような雰囲気。 一足の距離を開け、声を掛ける。] どうした、雪菜。 一人か。 [ その格好であれば、おそらく情事のあとということなのか。 彼女の姉の姿がないのは納得がいくも、 ではその吹雪はどうしているのだろうか。 手摺に手を起き、夜の海をを一瞥する。 返事を待つように雪菜の方へ首を向けた。]* (68) 2020/07/16(Thu) 20:27:09 |
曳山 雄吾は、メモを貼った。 (a35) 2020/07/16(Thu) 20:29:59 |
曳山 雄吾は、メモを貼った。 (a36) 2020/07/16(Thu) 22:12:28 |
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