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【人】 部隊長 シュゼット ルーク!!!伏せろ!!!!! [そう叫んだ直後に。 光が、僕の右腕に集まっていく。 絶対にルークだけは傷つけないように。 でも、相手は絶対に、壊して、動けなくするように。 今まで撃ってきた中でも一番の"殺意"を込められた一撃は 膨れ上がり、破裂して。 蛇型の口から、その奥にある砲撃の機械から、コアまでを。 相手の一撃よりも早く、光の線で貫くだろう。] (111) 2020/05/28(Thu) 21:43:15 |
【人】 部隊長 シュゼット[―――後ろに吹き飛び、倒れる途中で思い出すのは、 今日ルークへ渡すタブレットに書こうとして 思いとどまって全て消してしまった、 彼女に話していない夢の話だった。 ] (112) 2020/05/28(Thu) 21:45:07 |
【人】 部隊長 シュゼット[大きく後ろに吹き飛び、べしゃりと床に叩きつけられる。 数度。床に激突しながらも。兎は後ろに吹っ飛んで。 そして。……義手の一撃の反動が収まったころ。 ルークが居た場所から遠く離れた場所に、僕は倒れていただろう。 傍目ではぴくりとも動く様子はない。]* (114) 2020/05/28(Thu) 21:54:02 |
【人】 部隊長 シュゼット[―――とぷん、と。 深くて暗い、水の底へと沈む。 身体は鉛のように動かなくて 頭から真っ逆さまに、落ちてゆく。 ここはどこだろう。 地底湖のどこかだろうか。 (……地底湖?それは……何だろう ) あたりできらきらと、泡立つ輝きがあって その泡たちは、僕とは真逆。上の方へと上がってゆく。 泡はどこから発生してるのかと思ったとき。 ぽこ、と。僕の腕のあたりからまた一つ、泡が出る。 泡の出どころ……右腕を見やって、首を傾げ。 登っていくそれに手を伸ばし―――指先が。触れた。 その瞬間、僕の右腕全体から、吹きあがるように。 幾つもの泡が、現れては上へ、僕の体から離れてゆく。 そんな中――― 泡が立ち上る僕の水中に揺らめき、映ったのは 黒いフードを被った誰かの、顔だった。 ] (159) 2020/05/29(Fri) 2:34:12 |
【人】 部隊長 シュゼット["他の人"とは違って、 この人だけは、僕を僕として見てくれた。 僕の体調をいつも気遣ってくれて、心配してくれて。 誰よりも、僕のことをみていてくれた。 ( 他の人って…………誰だっけ ) ローブを脱いだところに現れた白い耳と、尻尾。 感情が薄そうな表情とは真逆に、 耳を撫でると尻尾が嬉しそうに揺れるのを見るのが "僕"は、とても心地よく、満たされる気持ちになった。 ( 僕は……誰だろう ) >>130この人はとても悲しそうな顔で、 僕を止めようとしてくれた。 ( なんで、そんなに必死になってくれたのだろう ) その時僕は―――辺りが光に埋め尽くされる中で。 何か、思った気がする。 ( 間に合ったことが嬉しかったのか、 ]こんな悲しい顔をさせてしまったのが悲しかったのか 僕には何も……わからない ) (160) 2020/05/29(Fri) 2:35:20 |
【人】 部隊長 シュゼット[浮かんでは消える泡の一つ一つは、 他にも色んな人の顔が浮かんでたりしたのだけれど。 どうしても、黒衣の人の姿を目で追ってしまう。] [あぁ。僕の記憶にこれほど強く残る、 この人は一体―――誰なのだろう。 ] (163) 2020/05/29(Fri) 2:35:59 |
【人】 部隊長 シュゼット[そのまま僕は、暗い水の底まで落ちていった。 柔らかな砂でできた水底は、僕を優しく受け入れる。 あの人の正体が知りたいと思っても、 この何もない真っ暗闇には、僕一人。 身体は冷たく、重く、動けない僕に 何ができるというのだろうか。 瞼が重くなってきて、抗えずにゆっくりと閉じてゆく。 大事なものが、あるはずだった。 手放してはいけないかけがえのない記憶が 両腕で抱えきれないほど多く、僕の中には積もっていた。 けれど。今、ここには何もない。 抱えるも何も……もう、なにも……] (164) 2020/05/29(Fri) 2:36:23 |
【人】 部隊長 シュゼット[そのまま、僕は深い眠りに着こうとしていた。 このまま寝てしまったら、"僕"は、 二度と冷めない眠りの中へと沈んでいくだろうと そう思いながらも抗えず、眠りの底へ落ちるところだった。 …………意識を完全に手放す、その時に。 寒く冷たい、温度などないはずのこの世界に。 >>140一つの温度が、確かに灯った。] ……、……? [目だけを動かして、左手の方を見た。 さっきまでここは本当に真っ暗で、 僕の体の輪郭すらはっきり見えなかったのが。 今は、僕の左手の周りだけ、ぼんやりと明るく輝いていた。 左手を包むのは、とても暖かいとは言えないけれど。 懐かしい温度だった。 ―――もう、何も覚えていないはずだったのに >>3:69"約束を守ってくれた"と……強く、思った。] (165) 2020/05/29(Fri) 2:36:46 |
【人】 部隊長 シュゼット[その時だった。] 『忘れちゃ、駄目だ。』 [水面の方へ上がっていったはずの泡が、戻ってくる。 僕の目の前に集まり、泡立つと。 その泡は、誰かの姿を形どった。 僕を上から見下ろすのは、 赤くて長い耳を垂らした、 耳より長い髪を持つ、男の人だ。] (166) 2020/05/29(Fri) 2:37:37 |
【人】 部隊長 シュゼット 『大丈夫。僕は、覚えていられる。 僕が前に義手砲を使って記憶喪失になった原因は、 ただ単に、代償が大きすぎた―――だけじゃ、ない。 単純な話だ。 ひとつだけ、覚えていられたものがあっただろう。 僕の大事な、憧れの名前。目指す姿。 あの時は、大事なものはそれしかなかった。 逆に、他の記憶は全て、忘れてしまいたかったんだ。 もっと早く、命令に疑問を持つことが出来たなら。 指示された場所以外も、人が居そうだと思った場所を 自由に、旅することができたなら。 ……そう。名前以外の記憶は思い出したくもなかった。 だから。忘れてしまったんだ。 今は、あの時よりももっと、ずっと。 僕には大事な記憶が増えた。 ほら、ルークも言ってたでしょ。 「最初の記憶が戻ったからといって、 今の記憶が泡のように消えてなくなってしまうなんて 絶対に、思うものか。」>>3:68 』 (167) 2020/05/29(Fri) 2:39:50 |
【人】 部隊長 シュゼット[その人は静かに、僕に言い聞かせるように語る。 ……目の前の僕は、かつての僕だ。 僕が思い出した、僕の、義手砲を撃った直後の 記憶を無くす、本当にその瞬間に思ったこと。 それを思い出して。ぐ、と、熱い物が込み上げる。 僕は水の中に居る筈なのに、 じわりと涙が目の端に滲んで、流れていく気がした。 動かなかったはずの左手が、 与えられた温度を纏って、上へと延びる。 左手が、目の前の姿に触れたなら。 "僕の姿をした彼"は、一瞬で大量の泡へと姿を変えて。 その泡は全て、僕の体に纏わりつく。] (168) 2020/05/29(Fri) 2:41:20 |
【人】 部隊長 シュゼット[瞼が、震える。] ………… [ルークが唇を離した直後に。 目と鼻の先の距離で、僕の瞼は開くだろう。 瞳と瞳が合ったなら。 左手は、彼女の手を弱く握り返し。 耳は震え、顔は頬に添えられた手の温度に擦り寄った。 そうして。おはようでもなく。 心配かけてごめんでもない。 僕は僕の言葉で、ルークに言うんだ。] (172) 2020/05/29(Fri) 2:45:44 |
シュゼットは、/*(。・x・)見られてた! (a0) 2020/05/29(Fri) 3:06:19 |
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