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【人】 涼風 梨花― 時雨の部屋で ─ [ひとつグレードが下がる部屋は、それでも 過ごすのに十分な快適さと広さがあるようだった。 部屋に入り、扉が閉まると、やや幼稚な仕草で ハイヒールを放り投げてしまう。 初日ほどの焦燥が無い分、 落ち着いているように見えはするだろう。] はぁい、 [素直に甘えるような返事に肩を揺らし、 蓋を捻りながら、ソファへと素足で歩みよる。 柔らかなクッションに乗り上げ、彼の股座へと 片膝を置いて。 広げた両手がどこへ着地するかは好きにさせ 冷えた水を一口含むと、彼の頬に手を添え 唇を押しあてると、零さぬように流し込む。 一度、二度。 ──…三度目の前に、 ペットボトルはテーブルへ置かれ、注がれるのは 女の舌先と唾液だけになるかも。]* (172) 2020/07/17(Fri) 23:44:49 |
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