ランダム機能


ユーザ登録




人狼物語 三日月国


215 灰色うさぎと紫うさぎの雨宿り

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


[握りしめた拳を胸の前で気合代わりに立てれば、
 不意の告白に狼狽えてしまう。]

 
  ……ぁ、う……これは、癖で……、
 
  改めて言われると恥ずかしいんですけど、
  えっと、……


[付き合って暫く経つのに、可愛いも、好きも。
 一つずつ贈られるたびにどきどきしてしまうから。
 ふ、と崩れた拳が解けて、両の掌を口元に添える。]


  
たくさん、好きになって欲しいから。
      ……必死、なんですよ?



[上目に誘惑するみたいにアピールして見せる。

 好きになって欲しい気持ちよりも、
 好きになっていくほうが、断然数は多いけれど。]


[たくさん好きになって欲しくて必死なのは
卯田も同じ。

グレーと紫の食材に自分達を投影して
紫亜の関心が常に自分に向くように仕向けている
自覚はある。

気合を入れてアピールする紫亜は可愛い。

 ――本当に。
 ――誰よりも。
 ――いちばん。]

[話したいことはたくさんあったけれど、
 密着している下肢は熱を孕んでいたままだったし、
 喋る度に声が肌を擽るから。
 引き寄せられるように唇を触れ合わせていた。
 
 跳ね返していた会話に呼気と喘ぎが混ざり始め、
 いつしか言葉は語らなくなって。]


  ……っふ、……ぅ、ンっ、んん……、


[言葉よりも明確に、訴える視線が物を言う。
 熱の籠もった視線で、グレーと紫の食材たちに
 作り変えられた貴方好みの身体になって。

         

――食べられたい。


 


[こんなにも求めておきながら、
 彼がまだ欲しいなんて。



            どこまで恋は貪欲なんだろう。*]

 

[間断ないシャワーの音は
外の雨の音に似て。]

[シャワーの音に混じって、
 肌のぶつかり合う音と、嬌声がこだまする。

 淫靡な夜は、更けて。
 恋人たちは、愛を何度も呟いて、交わして。
*]

[2回目の(紫亜にとっては3回目の)バスルームから出た時には、映画はとっくに終わっていた。*]



   
……とろけ、そう……っ、



[灰色うさぎから狼に成り代わった彼に、美味しく食べられる。]



 
……俺も。



うさぎの巣穴を出て狼となった灰色は、
その日最も長い時間、紫のうさぎのナカに居座った。*]