人狼物語 三日月国


87 【身内】時数えの田舎村【R18G】

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視点:


清和! 今日がお前の命日だ!

陽は落ちぬ 夕凪は、メモを貼った。
(a9) 2021/08/17(Tue) 12:40:21

「……おー………
多分俺今いい感じにエンドロール流れてたんだけど
もう出番な感じ?…しょうがねぇなぁ…」

響いた声の方向を見ながら愉快そうに笑う。
軽口の返事はないけれど、それでも心は満たされていた。

「田舎のいいとこその1、人が優しい。
その2、人も優しい。
その3、人たちが優しい。
っつーことで手伝ってやりますか。」

昔から、目立つのだけは得意だ。
だから、俺が目印になるから
―全速力で、走ってこい。

祭囃子の比なんかじゃない、
でっかい声でここだと叫びながら
皆をみつけて、お前も、見つけてやる。

「あ、でも見つけたら俺が満足するまで冷やかしの刑だな。」

笑って、
村を、山を、海を、
4人で駆け回ったあの日みたいに
俺もまた走り出した。

 
「本当に、仕方ない人ばっかりなんだから」

ざあっと木立が戦いで、その向こうに誰かの声を聞く。
その声を代弁するように一人呟いた。

「人が何かを抱えられるのは両腕の数まで。一遍にはね」

「でも一つずつ順番に手に取れば、ほんとはもっと持てるはず」

「もう手放さないようにしなね、どっかの誰かさん」

形を保ったままの石畳を踏んで、背を向けた。
夢はもう手放した後、でも今から拾い集める事はできるから。

「──さ、行こう    。」
 

「ねえ、待ってモモ」

 一人分の足音に、もう一つだけ加えられる。


 私は貴方を一人にした。
 貴方が心の内に何を秘めているかも知らないまま、招かれた者としての立場で夢を見てははしゃいでいた。

 だから、貴方を追いかけて傍に行こうとするのは今更遅すぎることなのかもしれないけれど。

「ねえ、モモ。これから君はどうするの?」


「……編笠くん」

 小さな影を追う前に、聞こえてきた声の方へと振り返る。
 何もかもが遅いと言われても仕方がない。それでも、声をかけたくて。

「君は遠くから眺めていたことの方が多かったけれど。それでももし、許されるのならば。

 ……どうか私に、君を応援させてほしいな」

 勿論ここを出てからも君のことを手伝うつもりだ。
 伝えることの大切さは、もう痛いほど理解したから。
 貴方にも、後悔なんてして欲しくなくて。

 だから、そっと声を風にのせる。
 涼やかな風が、ふわりと流れていく。

「……頑張ってね」
 

【人】 陽は落ちぬ 夕凪

>>25 編笠

「……大げさ。
 それでも、夕凪は楽しみにしてる。
 怪我してこないでよ、…急ぎすぎないで。
 夕凪は、ただ。
 こんな約束ができただけで、十分なんだよ」

小指を絡めただけの意味のない約束。
少年はなにに固執していたのか、今になってわかったような気がした。

編笠の"夕凪たち"に対する気持ちが聞きたかったのだ。

夕凪として聞きたかったのか。
夜凪として聞きたかったのか。
今となっては混ざってしまって明確にするのは意味をなさないだろう。

一度でも任せてしまいたくなったこの気持ちも。
一度でも隣を夢見た形にならないこの気持ちも。

あなたへの気持ちが泡沫のように消えてしまうのかは、この約束さえあれば不安じゃない。

"なれなかったこの気持ち"は、成熟する前に夢が覚めていく。
(26) 2021/08/20(Fri) 20:50:23

【人】 陽は落ちぬ 夕凪

>>26 編笠へ

だから今この祭りの間だけは、
夕凪としてこの夏、ここにいる。

「お願いって、何?
 わざわざ改まって」

あなたの言葉を聞くために、ここにいる。


――ねぇ、淡い初恋を話してくれるのが楽しみよ。
大切な思い出が存在したことが嬉しくて仕方ない。
今も思ってくれていたことに胸がいっぱいで。
本当に来ていたら、その手を掴んで、水に飛び込んでいたでしょうね。
お魚さんは、逃げちゃうのかしら、捕まっちゃったのかしら。
夜凪なら、きっとそうしたわ。あなたのことが好きだから。
だから私も、言葉があふれる前に体が先に動いてしまいそうね。
(27) 2021/08/20(Fri) 21:05:45

【人】 陽は落ちぬ 夕凪

>>31 編笠

なれるに、決まってる。
最初から、許していた。
だから今、聞いたんだ。

こたえが、欲しくて。
聞いたんだ。

お前ならそばにいてくれるのかって。


「一人じゃ何もできないから。
 ――たくさんの仲間を連れて?」

思わず繰り返した。
僕がそこにいたからだ。

一人で進もうとすることは否定されてない。
一人になろうとすることを心配されたのだ。
ついてきてくれる友人がいること、片割れの言葉を思い出して。

再会の約束に、ああよかったって。
編笠のまわりに、みんなが見えた気がして、笑った。


夕凪たちはそこにいたんだ。
(32) 2021/08/20(Fri) 23:10:39

【人】 陽は落ちぬ 夕凪

>>32 編笠
たち


「『なんだか楽しみ、賑やかそうで。
  もちろん伝えてあげるわ。
  今の言葉、夕凪にはさっぱりわからないのに。
  夜凪がずっと聞きたかった言葉だってすごく思うの。
  男の子同士で伝わるものなんて、なんだか妬けちゃうな』」

伝わらないかもしれないけど。
全部勘違いかもしれないけど。


「『夢から覚めたら、―――』
 夕凪たちの物語も、これから紡がれていくんだから。
 私から夜凪たちに伝えることは、
 一生があれば、大抵のことは大丈夫ってこと


ここには凪いだ波しかなくて。
何一つ紡がれていなかったとしたら。
未来に繋がる"それ"さえ、あれば。
夕凪たちは二人でいくらでも待てるよ、だから。


「「待ってるね、編笠。
  夕凪たちはきっと、そう言うよ。双子だからわかるんだ」」

青い空に、朱い灯火に、黄色の太陽に、緑の山に。
忘れ物はもうしなくてすむように。
もし、なくしたものがあったなら。

一緒に探して、また、魚でも捕まえて帰りましょう。
思い出はいつだって、みんなが来るのを待っている。
(33) 2021/08/20(Fri) 23:20:57