人狼物語 三日月国


57 在りし日の記憶、邂逅に微睡み

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【見】 経営企画室長 ミロク

>>3:@30
リクの手を引き廊下を駆ける。


[目指す場所は地学室。
または、校長室、プールでもいい。
生徒会室で会長席に『皇帝』があった様に、他のタロットも縁のある場所にあるとしたら?]

[地学室ならタロットに縁のある色々なものが揃っているはず。太陽、月、世界(地球)…どれか1枚はある。そう願う。アテの第一候補だ。]

「地学室…地学室は…!?」

息を荒くして探す。
(@0) 2021/02/08(Mon) 1:44:03

【見】 経営企画室長 ミロク

[その時……、廊下に響く音声。
その声の響きは一度だけ聴いたことがある。
あのユウナとかいう女性の声だ。>>3:159
放送室からの呼びかけだろう。]

リクの手を引き、必死になって地学室を探しながら聞き流すミロク。

[謝罪の言葉か。わかればいい。
今はそれどころではない。]

焦りを滲ませ、息も乱れていく。
(@1) 2021/02/08(Mon) 1:44:41

【見】 経営企画室長 ミロク

『お詫びに私が見つけたタロットカードを1枚、放送室においていきます。
塔のカードでいい効果じゃないけれど、もしご入用であれば使ってください。』


ピタリ、と、ミロクは動きを止めた。

[今の情報が正しければ、ある……放送室に、隠されてもいない、タロットの1枚が…!]

瞬時に次の行動を計算する。
実際には考えるまでも無いというものだ。
"まだ見つかっておらず、タロットがある確証も無い地学室"と、"場所がわかり、確定で1枚置いていてくれる放送室"。

[取るなら後者しかないだろう!]
(@2) 2021/02/08(Mon) 1:45:59

【見】 経営企画室長 ミロク

一瞬、安堵する。しかし束の間。

『あ、チェーンソーさんじゃくても欲しい人がいたら放送室に取りに来てくださいね。』


「それでは"お詫び"になりませんねぇ…!」

ついに持っていたチェーンソーを放り出すミロク。空いた両の手にリクを引き寄せる。

「急ぎます!
失礼!


ひょいとリクを持ち上げると背中に回し、おんぶの姿勢になった。そして、リクの身体を最低限の感覚で支えながらミロクは走る。

放送室へ
(@3) 2021/02/08(Mon) 1:46:46

【見】 経営企画室長 ミロク

走る。疾る。もっと速く…!


[リクには申し訳ないですね、こんな計画性の無い土壇場勝負なんてして。いつものクールで全てが計算付くかつ合理的な私は何処へ。]

「……っ!……っ!」

息を切らしながらリクを支え走る。

[……今の、こんな私を見たら、あの時"生徒会長"だった貴女は笑うだろうか。]

[貴女は卒業式の後、私と付き合った理由を『いつもは冷静に振る舞ってても、肝心な時には私とソックリなんだから。』と言った。間抜けで低レベルな割には全てを見透かす様な目をして私を見ていた。]

[そんな一瞬の時間だけの為に付き合うなんて合理的じゃない。だから、結婚しても上手くいかなかったのは必然なのだろう。]
(@4) 2021/02/08(Mon) 1:48:23

【見】 経営企画室長 ミロク

[ただ、これだけは今この場で思うよ。]

"この大空に翼を広げ
飛んで行きたいよ
悲しみの無い自由な空へ
翼はためかせ、行きたい"


[高校3年生の時に私たちが企画した最後の行事『音楽祭』のテーマソングだ。]

[貴女が子どもを連れて家から出て行く時最後に願った事と、私が今…この世界で最後に願う事はそんな同じ事だった。]

[まぁ、今背負っているこの子は娘より10歳は歳上だろうが。貴女が、子どもを守ろうと願い続けた事が痛いくらいわかるよ。
私もそう思う、同じだ。]

[この子だけは守らないと。]
(@5) 2021/02/08(Mon) 1:50:51

【見】 経営企画室長 ミロク

至・放送室


放送室の中には誰もいない。
相変わらず柱時計が独特な存在感を醸している。

そして……、機材の上には、
XY、『塔』のタロットカード。


[あった…!]

ギュッと、リクを支える腕に力を入れる。

「捕まっていますか?行くぞ、リク!」

唸る様な、雄叫びの様な、運動部の気合いの様な熱苦しい声が出た。本来なら驚くべきところだが、そんな時間すらもう無い。

柱時計は11時59分55秒を指す。
(@6) 2021/02/08(Mon) 1:52:01

【見】 経営企画室長 ミロク

5



ミロクは放送室の奥へ駆け出す。


4



走りながらリクの腕をギュッと掴む。


3


風を切って柱時計の前を通り過ぎる。

2


右手を『塔』のタロットカードに伸ばす。

1

右手の人差し指が、タロットカードに……。

0 0:00:00
(@7) 2021/02/08(Mon) 1:52:51

【見】 事務部長 ミロク

epilogue




……

XY『塔』のタロットカード

絶望、破滅、破壊、困難、終局。
積み上げてきたものの崩壊を意味する。
全ての中で最凶のタロット。



………
(@8) 2021/02/11(Thu) 16:58:47

【見】 事務部長 ミロク

[あの時の妙な体験は今でも偶に思い出す。]

[何故かって、それには2つの理由がある。]

[まず1つ目は、
あれから早"10年"は経つのに言う程驚く様な不幸が無いからだ。


[仕事や私生活でのストレスは度々あるが、タロットのせいにする程極端に不幸だと感じたことは一度も無い。]

[あの世界から戻ってすぐにタロットカードの効果は調べた。それこそ、特に『塔』の効果はインターネットの端から端まで……。]

[だが…、私の仕事、そしてプライベートまでもが、至って順調。順調過ぎるくらいに。]
(@9) 2021/02/11(Thu) 16:59:35

【見】 事務部長 ミロク

[そして2つ目…、
あの世界で見た『デスゲーム』の映像が未来の自分であると疑えなかった。
>>3:@12>>3:@13

[奇しくも今の私は"事務部長"の役職を務めている。そして、忘れもしない、あの映像の登場人物達…、現在勤務先の病院内に"全員が揃っている。"]

[だから、"今"改めて思い出すのだ。]
(@10) 2021/02/11(Thu) 17:00:42

【見】 事務部長 ミロク

勤務地病院・会議室


「おっ!きたきた!
忙しい中悪いね、菊池くん。
今日は地域の皆様との親交を図るレクリエーションデー。実は当院でもトークの上手い職員を選んで参加して貰ったんだよ。
さぁ、かけてかけて!」

院長がミロクを席へと誘導する。
会議室の席には…、脳裏にこびり付いた"あの記憶"と全く同じ参加者、光景。

肉片と血の混じる水溜り。
力無く揺れる空中の足。
牙の生えた怪物。


それらがフラッシュバックする。
目眩がし、冷や汗が身体中から吹き出した。

「何緊張してるんです?
早く始めましょうよ〜。」

隣にいた医師にも急かされ、ミロクは震える手付きで恐る恐る席についた。手首から垂れた汗がテーブルに、ぽたり、と落ちる。
(@11) 2021/02/11(Thu) 17:01:26

【見】 事務部長 ミロク

全員揃ったのを確認し、院長が話し出す。

「えー皆様、お集まりいただき誠に有難う御座います!では、ただ今から『恋役職入り人狼ゲーム』大会を始めま〜す!」

わぁぁ!っと会議室が沸き、拍手喝采。
ミロクも顔を青くしながらも表情を整え手を叩いた。楽しそうな表情の参加者。医師、看護師、警備員、少女。その中、唯一一人、震える手で拍手する。

続けて、そのまま院長が進行を取り仕切る。

「ルールやレギュはしおりの通りです。
では、今回私はGM兼
初日犠牲者
になりますので、わからない事などあればいつでも聞いて下さいね〜。
ハイ!今から役を決めますよー!」


「…???????」
(@12) 2021/02/11(Thu) 17:02:14

【見】 事務部長 ミロク

…………



決着:恋人の勝利


「皆さんお疲れ様でしたー!」


院長から入室を許可され、退出していた参加者たちは別室から一斉に会議室へ戻ってきた。ミロクも他の参加者と和気藹々と話しながら自分の席に戻ってくる。

「いやぁ、騙されましたよ先生。
お見事です。参りました。」

今では院長に呼ばれ会議室に招かれたあの時の怯えが嘘の様に無くなっていた。

「え、事務部長は最初から狼も恋人も誰が何か最初からわかっていたんです?流石にそれは嘘でしょ〜。」

隣に座っていた研修医の医師と談笑する。
しかし、ミロクには本当にわかっていたのだ。シナリオを一度見ているのだから。
(@13) 2021/02/11(Thu) 17:03:21

【見】 事務部長 ミロク

[あの時見た映像と今回の"ゲーム"は内容が全く一緒だった。違う点は"人が実際に死ぬかどうか"という一点のみ。]

[では…あの映像は何だったのだろうか?]


会議室での人狼ゲームが終わり、参加者が退席していく。院長は地域の人々とのレクリエーションが好評に終わり満足気な様子。

ミロクが簡単に会議室の片付けをしていると、参加者の一人の少女とすれ違う。
名前は、リク。

すれ違い様にお互い会釈した。

[思い出した。
私は彼女と一緒にあの世界から帰ってきた。でも、彼女はあの世界の事を覚えていないようだ。もしかしたら…あの時の彼女は、これから先の未来の……?]

もう会議室に彼女はいなかった。
だが、何か話があったという訳ではない。

[私が無事に帰れているなら彼女も無事だ。
今日で杞憂も晴れた。やっと。
ならば…、今更語る事もないだろう。]

そうしてミロクも、会議室から退出した。*
(@14) 2021/02/11(Thu) 17:04:40

【見】 事務部長 ミロク

「あ!菊池さ〜ん!
今から参加者の何人かと食事会するって話になって。来ませんか?」

先程の研修医がミロクを呼び止める。

「あー、申し訳ありません。
実は今月中に仕上げなきゃいけない案件が山積みで。念の為やっておきたいんですよ。
来月には大きな予定もありまして。」

「来月!?別に今日くらい大丈夫では…。」

少し考える、が、苦笑いして頭を下げる。

「いやぁ本当に申し訳ない!
嫁と娘と約束していまして…申し訳ない!」

ミロクは頭をへこへこと下げながら、そそくさと事務部長室へ戻っていった。
(@15) 2021/02/11(Thu) 18:54:13

【見】 事務部長 ミロク

[10年前のあの一件の後、私は少し考え方を改めてみた。]

[合理的に、効率良く、それも確かに大切ではあるが、本当に人を動かすのは"人から人への想い"なのではないか、と…。]

[そう思うと、また妻に、娘に、会いたくなったのだ。]

[数年間はまだ機械的な脳が抵抗していたが、ついに電話することができた。会って、娘にも会って、話して、食事して、出掛けて、半年に一度、3ヶ月に一度、ひと月に一度、週に一度、今では…。]

[別れる以前より幸せに感じた。
そこには、私の中には、そんな感情しかなかった。今、幸せであると。]

[いずれ来る恐怖を包み込む様に、幸せだった。]
(@16) 2021/02/11(Thu) 18:55:05

【見】 事務部長 ミロク

……………

[あの『人狼ゲーム』から数週間後。
変わらぬ日々が続いていた。
いや、一旦区切りを迎えようとしていた。]

[明日から有給とリフレッシュ休暇を組み合わせ人生初の2週間休みを迎える。私が再婚のマニュフェストとして掲げた『海外旅行』を鵜呑みにした妻と娘が強引に計画したのだ。その計画通りに……。]


帰路・自家用車運転中


自宅へ向かい暗い山道を走る。
地元民くらいしか通らない道であまり公共の整備はされていないが山を越えるには十分。
今住んでいる家は勤務地の隣町にある。
転勤族の住まいならまだマシな方だ。

最終日は何とか3時間程度の残業で終わり、妻と電話しながら運転するミロク。
(@17) 2021/02/11(Thu) 18:56:23

【見】 事務部長 ミロク

「ああ、何とか折り畳み傘は3つ買えたよ。…あー、というかもう降ってる?これ通り雨?なら明日からは問題ないか。」

[フロントガラスに当たる雨粒を見ながらスピーカーの声と話す。視界が悪い。バラバラと当たる音もスピーカーの声を掻き消す程大きくなってきている。そんな、大袈裟に。続いて天に浮かぶ灰色の厚い雲が鈍く光る。]

注意しながら山道を進む。


しかし、


パァッ



雷か。視界が一瞬真っ白になる。


………………
(@18) 2021/02/11(Thu) 18:57:11

【見】 事務部長 ミロク

XY『塔』のタロットカード

絶望、破滅、破壊、困難、終局。
積み上げてきたものの崩壊を意味する。
全ての中で最凶のタロット。




ミロクの視界がクリアになった時には、
もう手遅れな程近くに対向車は迫っていた。

ブレーキに足を置くより早く、
そんな考えより早く、

落雷より重い音と衝撃が襲う。

ガガガガガァァァ!!!
ダァァァン!!!!!!!


お互いの車は加速したまま正面衝突した。
(@19) 2021/02/11(Thu) 18:58:44

【見】 事務部長 ミロク

2つの車は前席が殆どペシャンコになった。
完全な正面衝突で、お互いにその場から吹き飛ばされてもいない状態。雨の降る山道の真ん中で停止していた。




何とか力を振り絞り運転席のドアを開け、雨の当たる道路へと倒れ込むミロク。
既に口から血やら固形物やらが噴き出した後の状態でかつ顔も半分潰れ首から上は真っ赤に染まっている。左足も左手の指のいくつかも、正しい方向に曲がっていない。腹部、その辺りのシャツは、今もじわじわと赤い面積を広げていた。
右手に握られたスマートフォンからはまだ何か聴こえるが、全て雨音が無かったことにした。

それでも起き上がり、水溜りか、血溜まりかの上を歩き、対向車へ向かう。

……前席の男女は既に事切れていた。
(@20) 2021/02/11(Thu) 19:00:20

【見】 事務部長 ミロク

後ろ座席の割れた窓から、1人の少女がぐったりとして気絶しているのが見られた。息があるか確認しようと無理矢理ドアを引き剥がす。そうしている間にも、最早ミロクのシャツは"白いカッターシャツ"ではなくなっていた。

シートベルトを外し、少女を雨除けになる木陰へと運ぶ。どうやらまだ、彼女は生きている様子だ。目立った外傷もない。


木に凭れ掛からせた少女を見て、ミロクは思い出す。


あの時。>>3:@8


『世界の姉 リク』……?



意識が限界に達したミロクは受け身も取れないまま少女の横にうつ伏せで倒れた。
(@21) 2021/02/11(Thu) 19:01:52

【見】 事務部長 ミロク

雨はそれでも彼の頬を、身体中を強く叩く。

画面がぐしゃりと潰れたスマートフォンから妻の声が聞こえる。もう何か最後の言葉を言う力すら残っていない。割れた画面に映る妻と娘の自分に笑いかける写真を見るくらいしか、残されていない。


涙を浮かばせ…誰にも聴こえない様な声で、彼は最後に"歌う"……。


今…わた、しの…願、い…ごとが…
……………、……



次の世界では、空くらい飛べるだろうか?
あの塔を天から見下ろすくらい高く。



〜 Dead End 〜
(@22) 2021/02/11(Thu) 19:04:15
/*
少女ちゃんサイドは時間が許せず書けませんでしたね。

設定としては、少女は100年ほど前に死んだ良いとこの娘(小春、という名前を付けていた)の地縛霊です。放送室に居ついているのは、その場所が丁度少女が住んでいた屋敷の中の自室にあたる場所、かつ死亡した場所だったから。
隣に置かれた柱時計は生前の少女の宝物です。(「空間内でこれだけ違和感」はそのせい)

生前は文学少女かつ空想好きで、よく架空の登場人物を架空の城に招いて、もてなすという遊びをしていました。

想像力と空間認識力が人一倍あり、それと+死亡した要因(お家騒動のようなゴタツキがあり、結果死に至らしめられたというような想定だった。でも言ってますがの推理は遠からずです。)への恨み、家庭事情から来る孤独感という相乗効果で、地縛霊としてその場所に残り、
構築した夢世界に、生きた人間を招くようになります。


/*
当初、"客人へのもてなし"は豪華な城みたいな場所で、客人達もそれなりに楽しんでいました。がタロットを使わずに場に残りたいと言う者は1人もおらず、結局現世に帰る人々を見送りまた1人になる、の繰り返し。
(良い子だからタロットを用意ないで無理矢理夢世界に引き止める、ということはしないです。最低限のエサを与えつつ、本心では夢世界に残って欲しいという遠回しな構ってちゃん)


次第に少女は生きた人間だった頃の感覚を失ってきて、
夢空間にも段々とガタが生じます。壁が一部崩れたり、街ゆくNPCが生気のない動きになったり、文字がこの世のものではない形態になったり。

"廃校舎"は実は実在の高校で、今回の舞台から30年ほど前に閉校した学校です。
全て自分の力だけで空間を創造できなくなったため、現実にあるイメージを借用するしかなくなったという訳です。コンビニや街並みは現代のイメージを借用してます。
そのイメージも、空が灰色だったりとボロさが出てしまってるんですが。

/*
結局、少女の能力のガタは今回の客人招聘で限界に達しました。客人が去った後自分の足で空間内を走り回ってますが()空間全体を把握する能力が消えかかってたって訳です。

客人が全て去れば、少女も空間もろとも消滅する予定でした。