人狼物語 三日月国


33 【恋愛RP】Umbrella×School×Love!【R15】

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視点:


【人】 転校生 矢川 誠壱


[ しとしと、降り続く雨。
この学園の文化祭はいつだって雨だと、
誰かがいっていた。不思議なものだ。
時期的に雨の日が多いと言ったって、
百発百中で雨なんてありえるのだろうか。
…なにか、不思議な力が働いていたりして、
なんてファンタジーなことを考えては
ぼんやりと足を進める。
ふと、またコーヒーのいい香りがした。

風に乗って模擬店の方から漂ってきたのか、
はたまたこの近くでなにか出しているのか。
だが、これだけ香り高いのだ。
インスタントは使わず、
きちんと抽出しているのだろう。

香りの方角へとくん、と鼻を向けて。
その好奇心に誘われるがまま、
そちらへと足を向ける。]

 
(10) 2020/06/17(Wed) 12:51:23

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ たどった先に見つけたのは、一つの看板。>>1:27
他のもののカラフルさとは打って変わって
シンプルに書かれている。
うちのクラスの田中さんに見られたら
「宣伝する気あるの!?」と叱られて
しまいそうなほど───地味。

だが、おそらく、ここからだろう。
このコーヒーの香りは。
なにか確信めいたものをもって、
旧校舎の理科室へと向かった。]





[ 入ったことのない場所だ。
だが、人の声もする。
そして、コーヒーの匂いも。

ふむ、と一度頷いて。
ひかえめにコンコン、と二度ノックをする。
中から返事があったにせよ、なかったにせよ、
その扉をゆっくりと開く。
そして、そっと顔を覗かせてみるのだ。]

 
(11) 2020/06/17(Wed) 12:52:07

【人】 転校生 矢川 誠壱




   喫茶店って、ここですか?


[ そう小さく問いかけて、
中をくるり、と見渡せばそこには二つの人影。
そのうちの一つは見知った顔だった。]



   あれ、雨宮くん


[ タバコの匂いがする。
彼の目の前にいる青年は…ここの生徒だろう。
制服を見る限り間違いない。
スーツに身を包んだままのクラスメイトは、
片手に火のついたタバコを挟んで、
なにやら彼と話しているようだった。

ふ、と困ったように眉尻を下げる。]

 
(12) 2020/06/17(Wed) 12:52:25

【人】 転校生 矢川 誠壱




   ほんとにタバコ吸うんだな



[ 冗談だと思っていたのだが、
どうやら違ったらしい。

ふう、と息を吐いて、一応「入っても?」と
確認をとってから、中へと足を踏み入れる。

そうして、クラスメイトの手にある
タバコをするり、抜き取って。]



   君は吸ったらだめでしょうが。


[ なんて、笑って。
「な?」と青年に同意を求め。
まさか、彼もWふりようWだなんて知らないから。]*

 
(13) 2020/06/17(Wed) 12:52:45
転校生 矢川 誠壱は、メモを貼った。
(a1) 2020/06/17(Wed) 12:56:21

転校生 矢川 誠壱は、メモを貼った。
(a2) 2020/06/17(Wed) 12:59:02

【人】 転校生 矢川 誠壱

 ──理科室・喫茶アトリエ──

[ 存外すらすらとした口調で>>14
歓迎されれば、模擬店ではない、
ほんとうの店みたいだな、なんて
ぼんやりとした印象を抱いた。
まあ、部屋の景観がまるっきり
理科室だからさすがにそれはないが。

クラスメイトの姿にその名前を呼ぶと、
「うわ」なんて感嘆詞を頭につけて、
己の名前を呼ばれるものだから、>>17
下がっていた眉尻は元に戻り、
代わりに口端を意地悪くあげて、
「なにか不都合があった?」と片目を眇めた。

部屋に入り、雨宮の喫煙を
咎めながら笑って取り上げる。
案の定睨まれてしまったが>>20
そんなことは気にしない。]

 
(38) 2020/06/17(Wed) 19:10:31

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 同意を求めた彼から返ってきた
意外な言葉にふは、と噴き出した。>>14
なるほど、どうやらここには
真面目なのは己しかいないらしい。>>20
振られた彼も勢いよく頷くのが見えれば、>>22
眉を上げて困ったように唇を歪めた。]



   そっかあ…

   じゃあ俺もWふりようWになるべきか?


[ なんていって、試しにすこし吸ってみたら、
煙たくて軽く咽せてしまった。
当たり前だが灰皿も見当たらないから、
返す、とそのまままた雨宮の前へと
突き出すだろう。
「俺には無理らしい」と続けて。]

 
(39) 2020/06/17(Wed) 19:10:49

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ そういえば、注文を尋ねられていたのだったか。

ちら、と雨宮の方を見れば、
そこにあるのはコーヒーが入っていたで
あろうグラスだった。]



   あ、Wふりよう仲間Wくん
   俺もアイスコーヒーもらえる?
   それと、名前教えてほしいな。

   俺は矢川。君の仲間と同じクラス。



[ そう注文に自己紹介も軽く付け足して、
背負ったままだったベースを下ろす。]

 
(40) 2020/06/17(Wed) 19:11:07

【人】 転校生 矢川 誠壱





   そうだ雨宮くん、ライブの出番、
   後ろから3番目らしいから。



[ と伝えておこう。
まさかWふりよう仲間くんWが、
己と彼の演奏を聴いていたなんてことも、
ライブに興味があっても、人混みが苦手で
くることを躊躇っているだなんてことも、
知る由もないのだけれど。]*

 
(41) 2020/06/17(Wed) 19:11:22
転校生 矢川 誠壱は、メモを貼った。
(a6) 2020/06/17(Wed) 19:15:29

【人】 転校生 矢川 誠壱

 ──理科室・喫茶アトリエ──


   背はもういらないけど
   健康でいたいからやめとくわ。



[ なんて、ゲラゲラ笑うクラスメイトに
首を竦めて見せた。>>51
ちなみに己以外のバンドメンバーも
生粋のバンドマンではあるが、
誰一人タバコは嗜まない。
特にボーカルは身長が欲しいと
己を見てはぼやいていたから余計だろう。]

 
(58) 2020/06/17(Wed) 22:25:48

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 注文ついでにした自己紹介に対して
「スドウカナメ」と名乗った二年生には>>47
頷いて、微笑みかけ。]



   須藤くんね、こちらこそよろしく。

   んじゃ、須藤くん、
   アイスコーヒー、お願いします。



[ そう再度名を呼んで、注文を繰り返した。

マッチなんて見たの久々だなあ、
なんて考えながらその手元を見やる。
こぽこぽと水が注がれる音。
きゅ、と水道が締まった。
かこん、とバーナースタンドの上に
置かれたヤカン。少し経てば、
かすかにシューと水面から蒸気に変わる
音がし始めるだろうか。

そっと下ろしたケースを、机にたてかける。]

 
(59) 2020/06/17(Wed) 22:26:22

【人】 転校生 矢川 誠壱





   そう。なんか、ジャンケンに
   負けたんだと。悔しがってた。



[ トリじゃないのか、という
コメントにはそう笑う。>>52
宣伝には「お、ありがとう」と続け。
近くにあった椅子に座って、
ポケットに入ったスマホを取り出した。

画面に目を向けたそのとき、ちょうど
須藤から質問が飛んでくるものだから>>48
ふ、と顔を上げて、目を瞬かせ。]



   え? うん、出るよ、ライブ。
   で、ベースも弾いてた。


[ そうあっけらかんと答える。]

 
(60) 2020/06/17(Wed) 22:26:50

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 演奏をした、という話を雨宮がしたのか。
はたまた、ここまで聞こえてきていたのか。
詳しくはわからないが
ひとまず、そう返事をして。]



   須藤くんも見にきてよ。
   人、多いほうが盛り上がると思うし。


[ と、雨宮の宣伝にさらに乗せた。
須藤が渋るようなら、理由を聞いてみるつもり。
質問の仕方からして、きっと、
音楽が嫌いなわけではないと思うから。]*

 
(61) 2020/06/17(Wed) 22:27:15

【人】 転校生 矢川 誠壱

 ──理科室・喫茶アトリエ──

[ 突然、子供がはしゃぐみたいに>>63
「すげー!」なんて声を上げるものだから、
思わず驚いて瞬かせていた目を開く。
だが、それも、ふ、と緩んで、眉尻が下がり。]



   ふは、っ  そんなふうに
   興奮して褒められたの初めてだな。

   …ありがとう、嬉しいよ。


[ そう素直に礼を言ってから、
湯を注いでいる彼の手元を見ながら
何気なく誘いをかけた。

だが、瞬間、小さく母音が聞こえて。
沸騰した湯が溢れるのが見えた。]

 
(72) 2020/06/17(Wed) 23:42:41

【人】 転校生 矢川 誠壱




   わ、 え、大丈夫っ!?


[ そう、いって立ち上がる。
少しばかり彼の方へと歩みを進め、
手元と、その顔を交互に確認した。]


   火傷とかしてない?

   …ごめん、話しかけたからだな。


[ と、続けて頭を下げ、短く息を吐いて、
大人しくまた椅子へ腰掛ける。
淹れなおしてくれている様子の彼には
もう話しかけないでおこう、と
またその様子をじっと見つめ。

淹れ終わると同じころ、小さな声で
聞こえた言葉に、目をまた瞬かせる。]

 
(73) 2020/06/17(Wed) 23:43:03

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 言ってはなんだが、そう忙しい喫茶店にも
見えないし、先程の興奮具合からして、
きっと音楽は好きなのだろう。
だが、なぜそこは濁すのだろうか。
ライブ、なんて生の音に触れる
絶好の機会だというのに。

グラスに注がれたコーヒーに氷が入れられる。
カランカランっと小気味良い音のあと、
ぱききっと氷にヒビが入ったのがわかった。
ことん、と目の前に置かれる。
まだ軽く湯気の立つそれは、深みのある、
とてもいい香りがした。]



   ありがとう



[ そう、一言礼を言って。]
 
(74) 2020/06/17(Wed) 23:43:24

【人】 転校生 矢川 誠壱




   今回はオルタナティブロックらしい
   ラウドもちょっと入ってるけど


[ バンドのジャンルについて問われれば
そう簡単に答える。>>68
ちなみにロックのジャンルはかなり
曖昧な部分もあるとおもっているし、
よくわかっていない部分も大きい。
だから、それってどんなの?と
聞かれたところでうまく答えられる
わけもないから「よく知らないけど、
たぶん聞いたらわかるんじゃない?」と
曖昧に濁してしまうだろうけれど。

一口、コーヒーを含む。
すう、と通っていく苦味。
喉を通る箇所が冷えていくのがわかる。
鼻から抜ける香ばしさと、コクと、
かすかに舌の上に残る酸味がいいバランスだ。

は、と息を吐いて「…うまいな」と落とした。]

 
(75) 2020/06/17(Wed) 23:43:47

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ ふと、なにかを思い出したように
黒板の方を指す雨宮の方を見て。>>69
それから、指された方を見る。
そこにあったのは、色鮮やかに散る、
刹那を切り取ったような絵。
跳ねる、とぶ、キラキラ、する。
うねる波が、それを包み込み───]



   へえ…



[ それからそっと、彼の方を見て。]



   音を、絵に描けるなんてすごいな。
   しかも、俺が感じてたものに似てる。


[ 「うれしいな、すごい」と微笑んだ。
そして、やはり、よぎる。
どうしたって、気になってしまうから。
先程の、彼の反応が。]
 
(76) 2020/06/17(Wed) 23:44:35

【人】 転校生 矢川 誠壱




   ───ひとつ、聞いてもいい?



[ と一言前置きをしてから ]



   ライブ、苦手だったりする?


[ と単刀直入に聞いてみよう。
「ちなみにこの話って終わってたりする?」と
ライブの宣伝をすでにしてくれていたらしい
雨宮には確認をとって。]*

 
(77) 2020/06/17(Wed) 23:44:52

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ じっと絵画を見ていると、
なにやら取り繕うように、言い訳するように
作者本人がわたわたと早口をはじめるが、>>85
それよりも早く、重ねるようにして
素直に褒めると、それも止まる。
ふ、と目線をそちらに目を向けると、
少しばかりその瞳が潤んでいるようにも見えて。

ああ、だけど。
───きっと、あまり見られたくないだろうから。
そっと視線を戻して、伏せた。

それから、ゆっくりと口を開く。

少しの、沈黙。

小さくかたん、となにかが動く音。>>87
目線を彼の方へとまた、上げた。

途切れ途切れに紡がれたことの葉に、
一度、頷いて。]



   ───理由を、聞いても?
   嫌なら話さなくていいよ。


[ と続けた。]*
(89) 2020/06/18(Thu) 12:49:26

【人】 転校生 矢川 誠壱

 ──理科室・喫茶アトリエ──

[ 「意外」という言葉に「そう?」と
首を軽く傾げて見せる。>>91
だが言われてみればそうか。
彼と演奏したのはジャズだったしなあ、と
思い返しながら頷いて首を真っ直ぐに戻した。
気分を害したりはしない。
「ロックも好きだよ。ジャズも好きだけど」と
付け足して、目を細めた。

そうして尋ねた言葉。
ついでに、この話はもしかしてすでに
終わっているのかと確認したら、
否定の言葉が返ってくる。>>93

辿々しく伝えてくれた目の前の後輩に、
理由を問うと、また少し躊躇いを見せてから、
静かにその唇が開かれる。
すう、と息を吸ったのがわかった。

語られる、理由は黙って聞いていた。]

 
(105) 2020/06/18(Thu) 19:28:17

【人】 転校生 矢川 誠壱

[ ソウボウシツニンというものを
全く知らないわけではない。
昔は見えていたというのだから、
つまりは後天的なものなのだろう。
たとえば事故にあっただとか、
なにか脳の病に侵されただとか、
そういう過去が彼にはあるのだろうか。

それを乗り越えて、今ここにいるのに、
目の前の人間の顔すらも認識できないなんて
彼の目に今世界はどう映っているのだろう。

そして、隣にいる彼も───>>1:130

己にはそんな過去はない。
普通に、平和に、なんの苦労もなく、
生きてきた。たぶん。

だから、彼らの思いなどなにひとつ
理解することはできないし、
きっとこれからもわからない。
かける言葉など己には持ち合わせて
いないのだろうとはっきり言える。

なにも浮かばなくて、ただひとつ、
ぼんやりとした形のものがひとつ、
頭の中にあって。
それを形にすべきかどうか、迷って。
すると、己よりも先に隣の彼が
口を開いた。>>100]
(106) 2020/06/18(Thu) 19:28:54

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 小さな謝罪の言葉に、須藤が
ぶんぶんと左右に手を振る。>>103
続けられる言葉のあとに響いた
笑い声に含まれた意図を悟ることは
上手くできなくて。

それが無理をして明るく振る舞ったのか、
はたまた本当にそう思っているのか。

ちら、と黒板の方に置かれた絵を見る。
聞こえてきたセッションをイメージして
描いたというその絵は、楽しそうで、
その色合いはカラフルなのに、
どこかに寂しさもある気がして。

───だけど、想像してみる。

己が人の顔が認識できなかったとして。
おそらく人間であろう何かわからないものの
有象無象が蠕く体育館。光の先にある、
なにかもが認識できない。それはきっと、
たまらなく恐ろしい気がして。

きゅ、と上下の唇を合わせて結ぶ。
軽く、噛んだ。]

 
(107) 2020/06/18(Thu) 19:29:15

【人】 転校生 矢川 誠壱




   ───あの、さ、


[ 少しの沈黙の後、小さく唇を開く。

さっき浮かんだ、考え。
それは彼にとっていいことなのか、
はたまた余計なことなのかはわからない。
ただ、もし。あの興奮が>>63
あの、輝いた目が、本当なら。

ポケットに入れていたスマホを
握り締めて、取り出す。
手早く開いたメッセージアプリで、
一瞬迷った後、電話をかけた。

呼び出し音が鳴る。
しばし待てば、電話口に聞き慣れた
声が「イチ?どうした?」と聞こえた。]

 
(108) 2020/06/18(Thu) 19:29:37

【人】 転校生 矢川 誠壱




   あ、ごめん、ライブのことなんだけどさ

   …後ろの方って、席どんなかんじなの?
   ステージにいる奴らの顔って見れる?


  「後ろぉ?…あーまあ見えると思うけど」


   ちなみに、見えないとこってある?
   見えないけどライブ見てんなーって
   こう、思えるとこ。


  「んーどうだろ…」


[ 電話口の相手である我がバンドの
ギター担当が困ったように唸る。
すると、後ろから「どしたの?」と
彼の双子の声が聞こえた。
電話口で説明がされる。]

 
(109) 2020/06/18(Thu) 19:29:58

【人】 転校生 矢川 誠壱




   「もしもしイチ!?それならさぁ!
    体育館の二階に、照明担当が
    何人かいるからそのあたりはー?
    で、なんで?」


   …そうか。いや、───友達がさ、
   人混みが苦手らしくて。
   でも音楽好きだから、ライブに
   誘おっかなって。



[ ちら、と目配せをして。
こてり、首を倒す。電話口では相変わらず
やかましく「いーじゃんきてきて!!」と
ボーカルの声が響いた。
それに同じ声が続く。
「先生に聞いてみるよ、また連絡する」と
言われて、お礼を言う前に電話は切れた。
無音になったスマートフォンに
面食らったように目を開いて、
ゆっくり耳から離す。瞬間、メッセージの
通知に震えて、思わず肩が跳ねた。]

 
(110) 2020/06/18(Thu) 19:30:17

【人】 転校生 矢川 誠壱



  「おっけーだって」


[ そうシンプルに一言書かれたそれ。]


   いや、早いな


[ と思わず眉を下げて笑う。
そのままゆっくりスマートフォンから
顔を上げて、W友達Wの方を見た。]

  
(111) 2020/06/18(Thu) 19:31:15

【人】 転校生 矢川 誠壱



   …照明担当が体育館の
   二階にいるらしくてさ。

   ───そこなら、人の顔もほとんど
   見えないし、そこまでの
   圧迫感はないんじゃねえかなって
   思うんだけどさ。


[ ……とそこまで、伝えて。
とぼけるように片目を眇めて、
唇を歪める。
目の前にあるアイスコーヒーのグラスを
とって、ぐい、と喉を通した。

最適解なんてきっとわからない。
余計なお世話かもしれないとはわかってる。
ただ、とりあえずできることだけしてみたが、
それが吉と出るか凶と出るか
それは彼次第だから。]

 
(112) 2020/06/18(Thu) 19:31:24

【人】 転校生 矢川 誠壱




    ──まあ、考えてみて。

    ちなみにうちのバンド、
    結構かっこいいよ?


[ と目を細めて笑った。]*

 
(113) 2020/06/18(Thu) 19:31:42

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 先ほど興奮をしていたときよりも
遥かに大きな声が響く。>>118
思わず肩を跳ねさせて、目を開き
少しばかり仰反るけれど。]


  ふは、っ あっははは!

  いいね、 うん。


[ そういって、くしゃくしゃの
顔で笑ってしまう。
うんうん、と数度頷いて、
その合間もつい、ふくく、と笑って。]



    ───待ってるよ。


[ そう伝えて。]

 
(125) 2020/06/18(Thu) 21:10:06

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ それからしばし、歓談を楽しんだか。
テーブルに額をつけたままの
クラスメイトがぼやいたら、>>54
須藤が「これも青春だ」と笑う。>>64
数度頷いて。]



   あ、俺が女の子役やろうか?


[ などと軽口を叩いてみる。
両手をグーに握って顎の下に添えて
ぶりっこポーズの一つでも決めて。

そうして、美味かった、と立ち上がる
雨宮を座ったまま見上げた。
ひらひらと手を振ってみる。
念押しするのが聞こえて、また笑って。

それから小さく「あ」とこぼす。]

 
(126) 2020/06/18(Thu) 21:10:32

【人】 転校生 矢川 誠壱




   俺もそろそろ行くね


[ と立ち上がって、おなじく代金を渡し、
置いたままだったベースケースを背負う。]



   じゃあ、またWあとでW



[ そう微笑んで、喫茶店を出た。]*

 
(127) 2020/06/18(Thu) 21:10:53
転校生 矢川 誠壱は、メモを貼った。
(a20) 2020/06/18(Thu) 21:18:30

【人】 転校生 矢川 誠壱

 ──ライブ──


[ 会場が、ざわついている。
照明の落とされたステージの上には、
生ピアノ、ドラム、キーボード、それから
アンプと配線。スタンドマイクが数本。

体育館の袖で、息を吐いた。]


  「とにかく!!!楽しもう!!!」


[ そうボーカルの祐樹が叫んだ。
全員が「おう!!!」と答える。
ほどよい緊張感が体を走る。
一度ぎゅ、と握った掌は湿っていた。
目の前にいた祐樹のてのひらが額につく。
そのままぐい、と前髪ごと顔を上げられた。

それでやっと、いつのまにか、
下を向いていたのがわかった。]

 
(165) 2020/06/19(Fri) 7:52:20

【人】 転校生 矢川 誠壱



  「イチ、ありがと。イチが入ってくれたから、
   俺らは今ここに立ててる。
   ────イチで、よかった。」


[ そういって、にかっと笑うから。
泣きそうに眉根を寄せて、微笑んだ。]



    俺の方こそ。ありがとな、みんな。


[ たった、1ヶ月だ。彼らと共に過ごしたのは。
己の人生において音楽は必要不可欠だし、
いつだって共にあったものだけれど。

ひとりで、弾くことも多かった。
もちろん、バンドを組んでいた頃も
あったにはあったけれど。

それでも、こんなにも短い期間で、
こんなにも濃厚な時間を、
こんなにも楽しく共有できたのは
きっと後にも先にも今回だけだろう。
ただ、ひたすら、走った日々。

これからの話は、まだなにもしてない。]
(166) 2020/06/19(Fri) 7:52:59

【人】 転校生 矢川 誠壱




 (───今日が、最初で最後かもしれないな)



[ ならば、感傷的にはならず。
とにかく、この熱を全て吐き出す勢いで
全力で、捧げようじゃあないか。
揃えのTシャツに身を包んだ、
急揃えの4人で。]



  「おっしゃいくぞーッ!!!」



[ その声にダァンッと足を鳴らして。
右手でベースのネックを掴んで、
ステージへと足を進める。]

 
(167) 2020/06/19(Fri) 7:53:52

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ まだ暗い。
照明のない闇の中。
ジジッと電子音が聞こえる。
己もジャックにシールドを挿した。
響いた小さなリズム音に、ドラムの智が
ハイハットとバスドラムのペダルに
足を置いたのだとわかる。

すう、と息を吸って。
吐きながら、Eを鳴らした。
ギターの音も、重なる。
そのままチューニングに問題がないか
もう一度確かめて。
ゴンゴンゴンっとマイクを叩く音。
キィーーーンッと歪んだ。

ざわつく会場は、体育館の半分から後ろが
パイプ椅子の座席、前半分はライブハウス
よろしくアリーナ席のように立ち見状態。
ステージ近くまで押し寄せる人の波は、
各々好き勝手にメンバーの名前を呼ぶ。

もちろん、己の名前を呼ぶ人はいない。

───それで、いい。]

 
(168) 2020/06/19(Fri) 7:54:50

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ ふーーと深く息を吐く音が、
マイクにひろわれている。
音が止まる。
ざわついていた人の声が止んだ。

一瞬の、確かな静寂。

スタンドマイクを祐樹の掌が包む。
すう、と息を吸ったのがわかる。



  ああ ───はじまる。


一曲目。
アカペラからはじまった。
繰り返した二度目のフレーズから、声が重なる。
大きくなって、大きくなって。

ドラムと、ギターが響く。
じりじりとなにかが燻るような、
焼けるようなひずんだ音。]

 
(170) 2020/06/19(Fri) 7:59:59

【人】 転校生 矢川 誠壱




 「叫べーーッッ!!!」




[ 祐樹が煽ると、息を吸い込む
瞬間のような休符の直後、
バンド全体が大きく鳴りはじめる。
会場が大きく沸く。一体になる。

体が揺れる。その重いリズムに合わせ。

がなる、響く、揺れる。
ひずむ、鳴る、激しく。

先ほど、教室で演奏したしっとりと
柔らかな音とは全く違うけれど。
これも、楽しくて仕方がない。

観客の方を見ると、みんな、笑っている。
楽しそうに手を上げ、声を上げて、
飛ぶ、リズムに乗る。]

 
(171) 2020/06/19(Fri) 8:03:50

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ そのまま、休みなく二曲目に入った。

静かなソリからはじまり、爽やかな
ギターのカッティングが続く。]
  
(172) 2020/06/19(Fri) 8:04:16

【人】 転校生 矢川 誠壱



  「この町を、歩き回る君。
   消え去ったりしないよ。
   本当に、見ているだけか?
   ならどうして、そんなに急いでるのさ。

   ───ここから、踏み出す時、
   一歩、一歩忘れないよう、息を吸って。

   生きるって、きっと傷つけるし
   生きるって、きっと失うことだ。
   それでも、君が自分のW街Wで
   迷子になっているのなら。
   生きることって、笑うこと。
   生きることって、泣くこと。

   自分を見つける意味を失ってしまったのかい?
  
   生きるってきっと、愛することだよ。」

 
(173) 2020/06/19(Fri) 8:05:46

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ これは、メッセージソングだ。
全英詞だから、己には理解できないが、
ライブでやる曲を話した時、
祐樹がまず初めに挙げたのはこれだった。
絶対やりたい、と。

 そのあと、自分で歌詞を見て訳したっけ。]
  
(174) 2020/06/19(Fri) 8:09:50

【人】 転校生 矢川 誠壱



  「失うものがなにもないなんて、
   本当にそうならどこへ行く?
   もしそれがわかるのなら、
   君はなにを信じてるんだ?

   忘れないで、今までの道のりに、
   自分の足跡があるんだから。
   
   自分のこれからを見つけるとき
   どうかまた息を吸って、
   君の人生は君が作るんだから。

   一歩踏み出すことに意味がないなんて、
   誰が言った?そんなわけないだろ。

   生きることは、愛することなんだから。」

(175) 2020/06/19(Fri) 8:16:13

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 爽やかで、綺麗なメロディに
乗せられたのは、たしかな応援。
直接的な励ましの言葉じゃない。
ただ、遠くから見守っていて、
時折優しくエールを送るような曲。

届け。

だれかに。

その先を、望む人たちのもとに。

そう願いながら、歌ったのがわかる。

汗が、首筋を伝った。

音が止む。

ボーカルの微かな呼吸音のあと、
わあ、と大きな拍手と声が沸いた。

にい、と笑った祐樹がこちらを見る。
己も柔く微笑み返した。
手首で顎の下を拭って、息を吐いた。]

  
(176) 2020/06/19(Fri) 8:16:32

【人】 転校生 矢川 誠壱




  「どーも、Two wins でっす!!!」


[ そういってピースを二つ揃えて
Wの形を作るポーズは、このバンドの
シンボルマークらしく。
祐樹がそのポーズをしたときは、
全員がしなければ怒られてしまう。
だから己も大きな掌でピースを
2つつくり、重ねて。
気恥ずかしさに首をこてりと倒して、
そのまま俯くようにして笑った。

さあ、MCがはじまった。
あと三曲。 走りきる。
この瞬間は、今しかない。]*

 
(177) 2020/06/19(Fri) 8:16:47

【人】 転校生 矢川 誠壱


 
[ 矢川誠壱という男に、W自分Wはいらない。

人に弱いところを見せるのは苦手だった。
個人として認識されてしまいそうで。

幼い頃から引っ越しの多い環境だった。
昔は自己主張もしっかりする子だった
らしいのだけれど、それも今は形を変え。

複数人対複数人なら平気だった。
己がメインにならなければ、いいから。

接客は違う。個人対個人だ。
だから、絶対に無理だと思った。

雨宮と2人でした演奏は良かった。
己がすぐに下がって仕舞えば、メインは
ピアノになる。きっと、客の印象に
強く残るのはキラキラしたピアノ。
己は枠外で広げた布でいい。

バンドも同じだ。
このバンドのメインは双子。
それを支える柱になれればいい。]

 
(205) 2020/06/19(Fri) 13:25:48

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 誰かにとって強く印象に残る存在に
なることが、それを自身で認識することが
とても、怖かった。

誰かにとっての特別になることが
誰かを、特別に思うことが、怖い。

だからいつだって飄々と。
温厚で、ノリよく、「普通」で。

いつか、この日々を誰かが思い出して
そのとき己がもうそこにいなかったら
そのとき名前が挙がることもなくていい。
挙がったとしても、ただ「元気かな」で
話が終わるくらいの存在でいたい。

思い出は自分の中には閉じ込めるから。


「ぜったいわすれないからね」
「ずっとともだちだよ」
そう言った子たちから
徐々に届かなくなる手紙。
途切れていく連絡。



少しずつ忘れられていく
それがわかるのはもう、嫌だった。
]
 
(206) 2020/06/19(Fri) 13:26:37

【人】 転校生 矢川 誠壱



それなら、だれとも関わらなければ
それが一番いいんじゃないのか?



 
(207) 2020/06/19(Fri) 13:26:51

【人】 転校生 矢川 誠壱



        ───うるせえな


(208) 2020/06/19(Fri) 13:27:27

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 名前を呼ばれることなんて、
なくてよかったんだ。

それなのに、呼ばれるから。>>201
眉根が寄る。俯いた顔を上げて、
困ったように笑って。
声が聞こえた方へと目を向けると、
見知らぬ女子がぶんぶんと手を振るのが、
その先にいるW盛り上げ要員Wとして
頼んだ教育実習生の姿が見えた。

人差し指を唇に当てて、しー、とブレス音。
呼ばないで、と暗に示せば。
首を横に軽く振ってから
足元に置いたペットボトルを拾って、開け、
こくり、一口呷った。息を吐く。]*

 
(209) 2020/06/19(Fri) 13:28:01

【人】 転校生 矢川 誠壱

 ──ライブ──

[ 3曲目。
観客からのコールのあるこの曲。
簡単に呼びかけて練習する。
声を出して一緒に楽しんでほしい、と
言い出したのもボーカルの祐樹だった。

突拍子もないことを言い出すのはいつだって
メインボーカルだった。それを理性的に
とめつつも叶えるのがギター。
穏やかに見守るのがドラム。
バランスの良いチームだと思う。

祐樹が言い出した提案に、
ならこの曲はと挙げられたそれは、
満場一致で決まった。

ボーカルの右手が挙がる。
それを合図にコールが始まる。
はじめは小さなそれも、煽ると
だんだんと大きくなっていく。
最高潮で二度、三度、繰り返したらば、
そこにドラムが、ギターが加わり、
重なる音に、ボーカルの声が足されて、
がなった。 そして、吠える。]

 
(232) 2020/06/19(Fri) 19:27:03

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 白旗だと呼ばれても掲げたその旗を、
揺れる船の上からでも切り開く。
負け犬と呼ばれたって、
この曲の主人公はきっと、
挫けることなどないのだろう。

確かな強さを感じる。

ステージの上からでもわかる。
やはり、このバンドはかっこいい。
クールで、熱くて、強い。
今この場所に立てていることが、
本当に誇りだとおもった。]

 
(233) 2020/06/19(Fri) 19:27:24

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ そして、4曲目。

はっきりとしたメッセージの響く、
この曲もまたきっと、誰かへの応援歌。

ありのままの己を認める、
それがどれだけ難しいことか
そんなことわかり切っているけど。
指の間をすり抜けていくように、
人生がうまく掴めないときだって。
間違いごと誇りに思って、
自分自身を愛してあげることが。


   ───俺も、出来てるとは思えないな。


わかってたって、怖いじゃないか。]

 
(234) 2020/06/19(Fri) 19:27:54

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ それでもいつか、いつの日か。
全てを持って己を愛せる日が来たら、
───誰かを特別に思えるのだろうか。

きゅ、と唇を結ぶ。

コーラスが響いた。
ドラムが鳴り、余韻のように
残ったエコーが体育館を駆けて、抜ける。

歓声と、拍手が聞こえた。
息を吐く。暑くてたまらない。
またペットボトルをひねって開け、
口に含んで、流し込んだ。
ぐい、と手のひらで前髪をあげる。
深く息を吐いた。]
  
(235) 2020/06/19(Fri) 19:28:16

【人】 転校生 矢川 誠壱




  「以上、Two winsでしたー!って、
   ほんとはなるはずだったんだけど、
   実は!もう一曲演らせてもらえる
   ことになりました!」


[ そういって祐樹がにかっと笑うと、
観客が沸いた。裕也の方を見ると、
困ったように眉尻を下げて笑っていた。]



  「ほんとに急に決まったから、
   あんまり練習できてなくてさ、
   まだまだ、荒削りだし、
   間違えたりとかもするかもだけど
   それ含めて、聞いてくれたら嬉しい。

   これが今のWTwo winsWだからさ。」


[ 「な?」と振り向いてこちらを見る。
ぱちり、目を瞬かせてから、数度うなずいた。
メンバー紹介はしないでくれと頼んだのは己だ。
祐樹にどんな意図があったのかはわからない。
だが、否定もしなかった。]
(236) 2020/06/19(Fri) 19:28:33

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ そうだな、今の─── 

    俺ら、と くくらなかった。

            その意味は? 



   俺は?]
 
(237) 2020/06/19(Fri) 19:28:53

【人】 転校生 矢川 誠壱




   
「イチで、ほんとによかった」



[ 切ったマイクが拾わない声。
だがそれは確かに届く。

ああ、 やめてくれ。

だっておれは───]

 
(238) 2020/06/19(Fri) 19:29:15

【人】 転校生 矢川 誠壱




   「じゃー!聞いてください!
    WNAMEW!」


*
(239) 2020/06/19(Fri) 19:29:26

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ この曲を初めてきいたとき、
なんてかっこいいんだろうと思った。

その歌詞を訳してみたとき、
人生の岐路に立ったときに
きっともう一度聞こうとおもった。

聞いてほしいとおもった。
伝えたいと、思ったから
演りたいと言ったのだ。

それが、どうしてだろう。

今響くこの曲が自分に問いかけてくるのだ。]

 
(266) 2020/06/19(Fri) 23:10:01

【人】 転校生 矢川 誠壱




  W自分をごまかしては
   曲がっていくんだ。

   もう限界なのかな。W


  W強いフリをして自分を誤魔化して

   そうやって作り上げたものは
   心を空っぽにしていくだろ。W


[ ごまかして いたのか?
強いフリばかりして?]

 
(268) 2020/06/19(Fri) 23:10:25

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ どうして、あのとき]



   「比べた 数が 痛みだす
    消えない弱さや傷さえも」


[ おれは ]



   「全ては僕を作り出す」


[ おれは? ]


    Wおれの名前はW


 
(269) 2020/06/19(Fri) 23:10:53

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ ─── ────────…]

 
(270) 2020/06/19(Fri) 23:11:08

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 客席を見た。さっき歓声をとめた
女の子たちと目があった。

この子たちにとって、おれはきっと個人で。

それは、怖いこと、なんだけど。

ふ、と柔く微笑んでみる。
ひとりの女の子の顔が綻んだ。

自分を守るために個人であることを
拒絶するのは、それを見てくれている
人たちのことも、否定することに
なるのかもしれないな、と思った。

顔を上げる。
照明の向こう側は、光が強くて見えない。
ただ、きっとそこにいるんだろう。

否定して、ごめん。

ほんとは、おれが一番逃げてるのかも
しれないのにさ、偉そうに言ってごめん。]

 
(274) 2020/06/19(Fri) 23:14:03

【人】 転校生 矢川 誠壱




[ ───記憶に、残りたいよ。


もう誤魔化さないでさ。]



   っ ───



[ ボーカルのがなりが響く。
勢いだけで切り開いていく。
コーラスを、重ねる。]

 
(279) 2020/06/19(Fri) 23:20:48

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ ああ 気づくのが遅いんだよな。



   だってもう、終わってしまうじゃないか。



まだ  もうすこしここにいたい。

まだ、おわってほしくない。


おれは まだ、]



     WMy Name isW



[ 息遣いが、無音に響く。]

 
(280) 2020/06/19(Fri) 23:21:11

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ そして、静寂を挟んで、沸いた。
満面の笑みのボーカルがこちらを向く。]



   「やっぱメンバーだけ紹介しとく!

    ギターの裕也!ドラムの智!
    ベースのイチ!んで、祐樹でした!
    Two winsはまだ終わらねーからな!
    ありがとうございました!!」


[ 半ば雑な紹介を最後に持ってきて、
そうして、WTwo winsWの
文化祭のステージは幕を閉じた。

袖に引っ込んで。瞬間、深いため息が
そして、目頭が熱くなった。]

 
(281) 2020/06/19(Fri) 23:21:34

【人】 転校生 矢川 誠壱




  「ごめん、やっぱさ、紹介してえよ
   だって新しいメンバー入ったのにさ
   なんも言わないままなんて寂しいよ」


[ と、祐樹が眉尻を下げた。]



   ──────大丈夫、

   …ありがと、みんな


[ そう小さくお礼を言って。
一度顔を洗おうと袖を出ようと。

そのとき、ステージを挟んで向こう側。
これから出番となる人が立つはずのそこに、
見知った顔があるものだから。]]

 
(282) 2020/06/19(Fri) 23:21:53

【人】 転校生 矢川 誠壱




  え、


[ 小さく溢れる。
そのまま、ステージ近くまで足を進め。
暗い。暗いけれど、見える。

なにか、言ったのはわかったが、
その言葉までは分からなくて。

ただ、その左手が上がって、
こちらに示すのは、希望だから。

───淡い期待。


深く頷いて、こちらもサムズアップした。

───届いたのだろうか。彼に。
もしそうならいいのに、と淡い期待を抱いて。]*

 
(283) 2020/06/19(Fri) 23:22:12
 




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