【人】 XIX『太陽』 ヒナギク―― 回想:せんせい ―― [『せんせい』は四つ上のお兄さん。 マドカがチェレスタと話している姿を見たことも>>0:605、 あったせいか、比較的声を掛けやすかった。 裾を引いて教えを乞えば、 涼やかな翠が僅かに細まった。 その時から、マドカは私にとっての『せんせい』になった。 いつもは大体図書室で。 時にはカフェテリアでお茶を飲みながら。 案内されたなら、彼の部屋でも。 文字の読めない私の隣で。 マドカが一文字ずつ指で文字を辿ってくれながら、 凛とした声を響かせて本を読み聞かせてくれた。] (389) 2022/12/15(Thu) 21:49:51 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[どんな話がいいか?と、尋ねられた時は。 最初はなんとも答えられなかった。 どんな種類の本があるのか知らなかったから。 だから、考えて、考えて。] せんせいの生まれたところのはなし。 [それは『せんせい』の生まれた地域のことを 指したつもりだったけど、言葉が足りずに 彼自身を指しているようにも聞こえたかもしれない。 如何せん悩みながらも、彼は色んな本を選んでくれた。 彼の部屋に訪れることがあったなら、 『せんせい』が目を離した隙きに 枕の赤いシミを見つけたこともあったかもしれない。>>157] (390) 2022/12/15(Thu) 21:50:32 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[チェレスタの話とマドカの読み聞かせの効果もあって、 1年もすれば、たどたどしいながらも、 詰まらずに言葉を話せるようにはなっただろう。 文字はまだバランスも悪いし、歪つだけれど。 ある日、先生から贈られたノートは>>240、 女の子らしい可愛らしいものだった。 表紙に色とりどりの沢山の花が咲いていた。 チェレスタがよく着ている 桃色 プロセラの瞳の色の 赤 先生の色の、艶やかな 翠 他にも、沢山。 洋館には何も持ってこなかったから。 『私だけのもの』というのは珍しく。 与えられたノートと鉛筆をぎゅっと抱き込んだ。] (391) 2022/12/15(Thu) 21:51:50 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギクありがとう、先生。 ……大事につかうね。 [人と親しむことで、少しずつ表情が生まれていく。 このとき、初めて先生の前でも、 少女は、ほわりと温かな笑顔を見せた。] (392) 2022/12/15(Thu) 21:52:39 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[手を握られる時は、導かれる合図。 小さな手できゅっと握り返して、 高い位置にある先生の顔を見上げる。] うんっ。 チェレスタが来たら、 先生も一緒におうた歌おうね。 [洋館の人たちは、 優しい。 此処なら、虐められることもない。 私の知らないところで、 そんな先生にも苦手なものがあるなどと>>0:340、 小さな子供はまだ知る由もなかった。*] (393) 2022/12/15(Thu) 21:53:31 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク―― 現在:ホール ―― [『世界』の言葉に対しての皆の反応は様々で、 喜びを顕にする人もいれば、躊躇う人もいた。 その中でも、彼の言葉を あまりにもすんなりと受け入れたユグには>>204、 驚きを隠せなかったかもしれない。 チェレスタは彼の言葉に憤りを見せていた。>>329 彼と、彼女は、正反対。 私は、何と言っていいのか分からないまま。 ぶつかってきたアリスの肩を支えながら、 二人の間でおろおろとしていた。] あ、うん。 ちょっと、……怖かった、のかな? びっくりしたのかも。 [話しかけてくれたユグに曖昧に笑う。>>265 こんな小さな子供に、 いきなり世界の明日を決めろだなんて無理な話だ。] (399) 2022/12/15(Thu) 22:31:16 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[震えを抑えようと小さな背を撫でる。 すぐに気づいたチェレスタも様子を見に来てくれた。>>331] ……そうだね。 急になんて、決められないよね。 アリス、お部屋行こっか? 送ってあげる。 [チェレスタの助言に頷きつつ、アリスを送るつもりで。 ただ、そうしている間にも、刻一刻と、 『選択』は迫られていくのだけれど。] (400) 2022/12/15(Thu) 22:31:47 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[『望むべき時が来た。』>>337 それは、一体どういうことだろう。 ユグが望んでいた? 全員が集まることを望んでいたのは知っている。 彼が不和を望まないことも。>>0:176 だからみんな集まったら仲良く暮らすんだって、 そう思ってた。 「またいつかの刻、皆で集まり幸せな世界を作ろう」 箱庭から姿を消した神が残したという言葉を思い出す。 彼は、信じているのだ。 ――――その言葉を。>>351 だから、 世界はどうなってもいい? ] (401) 2022/12/15(Thu) 22:33:24 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギクえっと……、 みんなが集まったのは、私も嬉しいよ。 でも、だからって……、 世界を壊そうなんて言われたら、素直に頷けないよ。 ……壊さないで、って。 お願いしたら、壊すのは止めてくれるんでしょう? なら、その方がいいんじゃないかな! [壊してしまおうとも言ったけれど>>9、 止めてくれるとも言ってくれている>>10。 なら、壊すことなんて必要ない。そうでしょう? 努めて明るい声を張りながら、それだけは主張して。] (402) 2022/12/15(Thu) 22:34:11 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク……行こう、アリス! [二人からの返事が返ってくるよりも先に。 小さな手を取って、アリスの部屋へと向かう。 表立っては、小さな震える子に聞かせなくない為に。 もう一つは。 返事を、聞くのが少し怖いと思ったから。*] (403) 2022/12/15(Thu) 22:34:43 |
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。 (a64) 2022/12/15(Thu) 22:39:20 |
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。 (a65) 2022/12/15(Thu) 22:39:22 |
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