人狼物語 三日月国


98 【身内】狂花監獄BarreNwort【R18G】

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【墓】 新人看守 ダビー

 誰かからの連絡を受け取って、もう一度だけ笑って。
 男は静かに扉を開けた。

 部屋の外に出た彼は、いつも通り機械のような無表情。
(+0) 2021/10/11(Mon) 21:07:49

【墓】 新人看守 ダビー

「……は?」

 処刑室に向かう途中で顔を上げる。警告音を耳にする。

「…………」

 腰に下げた銃と刀を確認する。ニアの処刑を終えてからメンテナンスは行っていないが、すぐ壊れるようなものでもないから動くだろう。

「──」

 男は看守だ。例え中身が腐り歪んで堕ちていたとしても、与えられた役割は最優先で全うする。今はまだこの立場を手放す気はないから。

 殺気が、膨れ上がる。
(+2) 2021/10/11(Mon) 21:15:54
ダビーは、感情を削ぎ落とした顔のままトレーニングルームへ全速力で向かうだろう。
(c1) 2021/10/11(Mon) 21:29:58

ダビーは、トレーニングルームの扉を蹴破った。
(c6) 2021/10/11(Mon) 22:04:04

【墓】 新人看守 ダビー

 とある者に殺された直後であろうとも、全く気にせず強化された力を乗せてトレーニングルームの扉を蹴破った。

 美しい風景にそぐわぬ轟音が響く。

「──《雨よ》」

 同時に、血で満たされた容器を躊躇いなく握り潰す。

 
赤が舞う。


 銃と刀は自分の得物であり、所持する力を高める増幅器でもある。
 二度、周囲に見せた時よりも多く、そして鋭利な針へと形を変えて。

「殺せ」

 躊躇いなく針の飛ぶ先をトレーニングルーム内にいる者たちへ。
 殺意の雨は容赦なく降り注ぐだろうが、迎え撃つ者はこれを経験しているはずだ。直線的に飛んでいくことも、持っている力で容易く焼き焦がせることも。この挨拶代わりの血の雨は、雷を操る者であればエリアジャックを試みた二人を容易に守れるだろう。
(+7) 2021/10/11(Mon) 22:05:55

【墓】 新人看守 ダビー

/*
出会い頭の挨拶から「殺せ」と言うPCに平べったくなっている感度38000倍ドッコイ太郎です。

殺せとか言ってるし殺意満々ですが、ルヴァさんとアマノさんが死ぬのNGが出たら殺さないのでその時は連絡よろしくお願いします。連絡ないと多分殺します。助けてください。
(+8) 2021/10/11(Mon) 22:08:54

【墓】 新人看守 ダビー

>>33 アマノ

「もうその挨拶は要らない。好きに話せ、アマノ」

 番号ではなく名前で呼ぶ。その呼び方は、もうすっかり慣れたものだ。

「……いくら無礼講とはいえ、これは看守として見過ごすことは出来ない。
 これはBarreNwortへ害を与える行為だと判断し、よって──貴様達を殺してでも止めることにする」

 淡々と告げる。そこに表情は無く、役割を全うする看守としての姿があった。自分の愛するものを貪る歪な欠落者としての一面はどこにもない。

 ただ──
(+14) 2021/10/11(Mon) 22:27:02

【墓】 新人看守 ダビー

>>33 アマノ

「……なあ。

 ただ内側にあるものを話しただけで淘汰され、殺されることになった俺と。
 こうして罪になり得るだろう行為を実際にやってのける貴様。

 どちらが悪いんだ?

 貴様のそれは、知性を守る為なのか?知性を守る為なら、何をしてもいいのか?
 ……ああ、守る為に貴様は罪を犯したものな。なら、いいのか。

 俺が悪いことを話す事は駄目で、貴様が実際に傷をつける事はいいことなんだな」

「…………もう、俺にはよく分からないよ」

 胸に湧いた疑問を呟く時だけは違った。
 分からない事だらけで生き続けてきた欠落者の……

 ……初めて浮かんだ、悲しみが浮かんでいた。
(+15) 2021/10/11(Mon) 22:32:27

【墓】 新人看守 ダビー

>>35 ルヴァ

「……俺の思想は悪いものらしい」

 らしいというのは、自分では完全に決められないからだ。

「それでも俺は思想や好みを変えるつもりはないが、それ以前に俺は看守だ。
 看守でいたいのであれば、役割を全うする義務がある。俺はこの船を守る義務がある。
 だから、貴様の話には乗れない。例えその真意、思考が好みのものであったとしてもな」

 庇われた少年に向けて告げた。

「ただ……見たいものを見れなくても。貴様と言う存在については興味が湧いたがな」
(+18) 2021/10/11(Mon) 22:40:33
ダビーは、分からない。どうして胸がこんなにぐちゃぐちゃなのか、分からない。
(c17) 2021/10/11(Mon) 22:42:18

ダビーは、分からないから……ただ役割を果たすことだけを、考えた。感情を、殺し直した。
(c22) 2021/10/11(Mon) 22:43:06

【墓】 新人看守 ダビー

>>45 アマノ

「…………そうだな。そうだった。裏で行われる工作でどんな人間も転げ落ちる。ああ、ただ指示に従い続けていた俺では気付けないはずだ」

 男は最早眉一つ動かさない。その顔からは何も伺えない。
生まれて初めて、泣いて叫びたい"何か"が渦を巻くことすらも無視をした。


「見たいと言うのなら見せよう。
 ただし、対価は貰っていく。その血、その命で払ってもらおうか」

 男は武器の柄に手をかける。
 その刀に刃は無かった。ただ、この期間中何度か見せた容器がくっ付いていることが分かるだろう。

「《刃》よ」

 告げる。
 男の声に呼応して、その容器に満たされた血は変化する。

 根本から切先まで全てが
に染まる刃。
 男の最後の得物が、姿を現す。

(+20) 2021/10/11(Mon) 23:09:23

【墓】 決闘者 ダビー

「貴様からは色んなことを学んだ。その点は感謝しよう。
だが、共益関係はとうに崩れている。

 アマノ、──この手で決着をつけよう」



1日目の夜、あなたはアマノと運命を分かち合いました。
あなたはアマノと運命の絆を結んでいます。
つまり、あなたは殺意満々なのです。
(+21) 2021/10/11(Mon) 23:10:20

【墓】 新人看守 ダビー

>>チャンドラ

 戦闘態勢に移りながら、男は先輩看守を一瞥した。

「……チャンドラ様。俺は貴方の怒りを買ったと思いますが。
 今は看守として、この企てを止める事にお力添えさせていただいてもよろしいですか?」

 淡々と貴方に問いを投げるだろう。
(+22) 2021/10/11(Mon) 23:16:21

【墓】 新人看守 ダビー

>>53 ルヴァ

「思想はあるが……。…………。
……もう、いいよ


最後の言葉は、消え入るような声でこぼれ落ちた。庇われるほどに距離がある貴方に聞こえただろうか。

「単純に、貴様が何を考えているのか、何故この犯行に及んだのか。それくらいだ。ただの知的好奇心。好みのものが見れないのなら、その程度だ」
(+23) 2021/10/11(Mon) 23:26:40

【墓】 新人看守 ダビー

「仰せのままに」

 星屑が集うのを確認し、 >>66
 男は柄を握り直す。

 けれど……すぐには、その恩恵に乗らず。

「《霧よ》」

 男は再度、力を行使する。
 増幅器を兼ねた得物がなければ使えない、制御の難しい変化の一つ。

 唇を震わせたその瞬間、刀身は──その身を崩した。

(+25) 2021/10/11(Mon) 23:52:17

【墓】 新人看守 ダビー

  赤。 

赤。

  赤。  


 晴れ渡る青空は、澄んだ草原は、血の霧によって穢された。
 空間を侵す霧は濃く、たちまち男の姿は掻き消えることだろう。霧は維持できても7秒ほど。すぐに元の光景に戻る。けれど、それくらいの時間があれば十分だった。

 兎の魔法で決闘者は、霧に包まれた宙へ。

「──っ」

 続いて、ガラスの割れる音。
 その数五発。
 霧の中を赤い銃弾が突き進む。狙うは対峙する相手の肩、胸、腹、両足。

 ただ突っ立っているだけなら噛み付かれるだろうが、警戒して動くのならば避ける事は容易い筈だ。
(+26) 2021/10/11(Mon) 23:53:44
ダビーは、先程の射線は……致命傷になるように
(c51) 2021/10/12(Tue) 0:29:29

【墓】 新人看守 ダビー

>>73 >>74 アマノ

 男はその胸に何を沈めていようとも、切り離した人を殺す術を振るい続けた。
 放った弾丸の一つは、ルヴァに当たるように仕向けられていた。だから、首謀者を庇った貴方の腹を赤い花が食い破るだろう。

 同時に放たれた神の裁きを思わせる雷撃。
 模擬戦闘と同じ状況であれば、なす術なく空へ駆ける雷に焼かれ戦闘不能に追い込まれていた筈だ。放たれるまでの動作を見ただけで、男はそう確信した。ああ……やはり厄介な相手だ。

 兎の魔法に願いを託す。雷撃を避けるように、物理法則を踏み躙りながら空を滑走する。

 銃をホルスターへ。刀にカートリッジを再装填。もう一度刃を顕現させて、そのまま──

「チャンドラ様。援護を願えますか」

 月に乞い願う。自分が相手の懐に飛び込めるよう援護を求める。
 それだけを口にして、柄を握り直した。構える。間合いに入った瞬間振り抜けるように。

 ──赤の流星は、月を信じて真っ直ぐ神へと堕ちていく。
(+27) 2021/10/12(Tue) 0:46:47

【墓】 新人看守 ダビー

>>86 >>87 チャンドラ アマノ

「……」

 男は何も語らない。男は何も感じない。溢れ出るのは必要最低限の呼吸音のみ。
少し前まで、戦ってる最中であっても伝えたい事はあったけれど。それは胸の底に沈んでしまった。

 ただ敵を沈黙させるための殺戮兵器にでもなったかのよう。口を引き結んで役割を全うする。

 援護を受けて、更に加速。
 踏み込んで、横薙ぎに。
(+29) 2021/10/12(Tue) 1:12:09

【墓】 新人看守 ダビー

>>93 アマノ

 低い姿勢からの攻撃。ああ、これは……数日前に見た覚えがある。
 "彼"も、同じように顎を狙っていた。

「……」

 地を蹴って後ろへ。上半身を後ろへ傾ける。腕を畳んで、刀で防ごうと顔の前へ。
 顎を砕かれることだけは防いだ。けれど貴方の反応速度がこちらを上回っていたならば、腕を掠めていたかもしれない。そうでなかったにせよ……雷光は、しっかりと看守に喰らい付く。

「……ッぐ、……、……ぅ」

 視界が一瞬白く塗り潰され、そこからちかちかと明滅が続く。服の下にある体が熱い。きっと褐色の肌は焼けて爛れていることだろう。

「…………見たいなら見せようとは言ったが」

 ようやく口を開く。
 それでも戦う技術が染み付いた体は動き続ける。
 後退しながらカートリッジを取り出す。銃はまだ撃てる。刀もまだ維持できる。では、それは何処へ?

(+32) 2021/10/12(Tue) 1:48:23

【墓】 新人看守 ダビー

「俺の内側は、明かしたら排除しなければいけない程よくないものなんだろう、アマノ。それなら、見せる必要はあるか?」


 それは言葉による攻撃でもなんでもない。ただ、思ったことを口にしただけだった。

 話しながら、カートリッジを手放す。それは血を保存する以外の役割はないから、素直に地へと真っ逆さま。
 男はそれを踏み砕いた。ブーツの下で赤が広がる。

「《杭よ》」

 足元に広がる血溜まりに命じる。その刹那、血は貴方を貫こうとする無数の杭として勢いよく伸びていくだろう。
(+34) 2021/10/12(Tue) 1:49:38
ダビーは、もう答えを見つけたいと思わない。もう認めてほしいと思わない。
(c55) 2021/10/12(Tue) 1:50:53

【墓】 新人看守 ダビー

>>105 アマノ

「そうだな。気付かなかった。明かしたことがなかったから」

 杭の間から表情を削ぎ落とした男の顔が覗く。無機質な翡翠は、静かに貴方を捉え、分析を始める。半端な傷では行動不能に持ち込めないのだろう。ターコイズの光の、その意志の強さを静かに理解する。

「でも、もういいんだ」

 開幕で一本。刀の装填に一本。そして先程の杭で更に一本。血液を満たすカートリッジの予備は六本作成していたから、もう既に半分を使い切ってしまった。
 それでも出し惜しみはしない。出来る相手じゃない。

 もう一本、取り出して真上へ放る。

「思考すること自体が良くないなら、俺はそれを棄てる。

 人が人として考えるがために存在する知性を。
 人が人であるが故に抱き揺れる不安定な感情を。
 人が人であるが故に願い進むために用いる意志を。

俺が一人でいる時……と、例外一つを除いて。俺はを殺そう。もう間違いを犯さないようにしよう」

 銃を引き抜いて真上、カートリッジを撃ち抜く。
 その血に命じるのは《雨》。開幕のものと同様、針となって貴方に降り注ぐ。

 最初と違うのは、天から地にいる貴方へ注ぐ雨のほかに……真横から男の銃が立て続けに吠えていることだ。
(+38) 2021/10/12(Tue) 2:50:53

【墓】 新人看守 ダビー

「……ッ!」

 血の雨を降らすその直前、己の先輩の姿を見た。

「……トラヴィス様……!?」

 男の声に乱れが生じる。拳銃を握る手が横薙ぎに空を切る。
 それは力の行使の中止を命じる合図だった。

 針へと姿を変えたはずの血が、その役割を放棄する。
 文字通りの血の雨が、真下にいる男を容赦なく濡らした。

 二方向からの攻撃はルヴァによって阻まれた。
 せめてものと、思考を切り替えた男はすぐさま再び拳銃の引き金に指をかける。赤い銃弾達は真っ直ぐ男へ。
(+39) 2021/10/12(Tue) 2:57:50

【墓】 新人看守 ダビー

>>114 アマノ

「何故捨てるだと?」

 男は顔色を変えない。声色を変えない。
 機械人形めいた様子のまま飛び退き、迎撃の姿勢に移る。

「楽だから」

 銃が吠える。けれど紅色はターコイズと交わらない。弾丸では捕らえられないと理解して、再び銃を納めて刀を持ち直す……はずだったのだが。

 ──多分、刀でも駄目だ。

「アマノ、勘違いしているようだから教えよう。
 俺はただ、愛したいだけなんだ。ただ愛でたいだけなんだ。

 傷をつけたい訳じゃない。壊したい訳じゃない。ただ、静かに愛するものを愛したいだけだった。
 罪を犯してそちらに逃げる理由がないんだよ。少数の世界に行けば生きやすいかと思ったけど……そこでも受け入れられる訳じゃないというのは、もう学んだ」

 刀すらも鞘にしまう。所持しているだけで得物は駆動し、男の能力操作を補助しているから決して無意味では無いのだが。得意な武器の使用を放棄したのは確かだ。

 両手を空ける。拳を握って、構え直すけれど──男は貴方の一撃を、避けずに受け止めた。

「……ッ、げほッ、ゔ、ぇ…………、

 …………アマノ、もういいよ。
 もう、面倒で……疲れたんだ」

 体に打ち込まれる拳を、両腕で絡め取ろうとする。もし叶うのなら、足と足の間に自分の足を割り込ませて動きをなるべく封じようとするだろう。
(+41) 2021/10/12(Tue) 3:55:19

【墓】 新人看守 ダビー

>>チャンドラ

「──チャンドラ様。トラヴィス様を抑えていただいているところ恐縮ですが。
 
俺ごと、アマノを攻撃することは可能ですか?


それがダメなら……俺が血を流すくらいの傷を、俺にいただけませんか」
(+42) 2021/10/12(Tue) 3:55:33
ダビーは、誰かを一瞬思い出した。
(c58) 2021/10/12(Tue) 4:17:36

ダビーは、一欠片ほど思考した。ああ、少し前に俺を殺した相手は、こんな気持ちで死にたがったのかな。
(c59) 2021/10/12(Tue) 4:19:15

【墓】 新人看守 ダビー

 願いは届いた。
 胴体に走る衝撃に顔が歪む。続いて火を付けられたかのように痛みが肉体に燃え広がっていく。

 "すまない、ダビー"。

 男の声を拾う。
 目の前のターコイズが濁るのを見た。仄暗い色に、よくない熱が胸の中で育っていくのを自覚する。

 やっぱり、駄目なんだ。
 きっと正常な人間はここで貴方を慰めたりするのだろうか。共に悲しみに暮れて寄り添うのだろうか。
 ああ、でも、結局自分は歪んでいるのだと認識する。

 苦しむ貴方が、傷つく貴方が。たいへんに魅力的に見えて、美しいものに感じてしまって、狂おしいほどに愛おしくなってしまうのだ!

 己を殺すと言ったのに、内側から込み上げる甘やかな幸福に笑みが溢れそうになる。でも笑ってはいけない、けれどいつものように口元を手で隠すことも叶わない。必死に耐えなければ。

「……アマノ。違う。貴様が謝ることはない。
 謝るべきは、俺だ。だって、何故なら、元はと言えば──」
(+45) 2021/10/12(Tue) 12:08:42
ダビーは、唇を震わせる。
(c65) 2021/10/12(Tue) 12:09:17

ダビーは、囁く。
が生まれてきたのが間違いなんだ」
(c66) 2021/10/12(Tue) 12:09:43

【墓】 新人看守 ダビー

 だから、貴方は悪くないと。
 それが当然であるかのように言いながら。

 厚かましいと、そんな資格はないと知っていながら、腕を捉える手で貴方を優しく撫でて。
 男は、慰めるように優しく、そっと呟いた。

「《杭よ》」

 傷口から溢れ出す生命に告げる。
 赤い雫は呼応して、音もなく肉体を貫く杭へと姿を変える。

 狙う先は──自分と、相手。二人まとめて。
(+46) 2021/10/12(Tue) 12:11:13
ダビーは、己諸共アマノを杭で貫いた。
(c67) 2021/10/12(Tue) 12:12:29

【墓】 新人看守 ダビー

 終わらない。

「もう一度」

 更に血が流れ出るように傷を作って、繰り返す。
 大地に撒き散らされた血に命じる。
(+47) 2021/10/12(Tue) 12:12:40
ダビーは、己諸共アマノを杭で貫いた。
(c68) 2021/10/12(Tue) 12:13:21

【墓】 新人看守 ダビー

命の杭が、全てを穢す。


 晴れやかな空の青、爽やかな草の緑を、アマノのターコイズを。

 何もかもを、汚していく。

 まるで自分が許せないと言わんばかりに己の肉体諸共相手を貫く。串刺刑は執行される。

 失血してもいい量の血は既に失われた。自分はもう戦えないだろうから、託すならチャンドラか……止める義務などないけれど、巻き込んでしまうけれど、メサあたりだろうか。トラヴィスは、どうなのだろう。

 それは極力防ぎたいと、自分で終わりにしようと、知性の犯罪者の機械化した部位を中心に杭は伸びたことだろう。
(+48) 2021/10/12(Tue) 12:14:52

【墓】 新人看守 ダビー

>>133 >>134 >>135 アマノ

 男の叫びを浴びた。傷つけたのは自分なのに、苦しめたのは自分なのに、ああ、哀れで可愛らしいと思う。無表情の多かった貴方の剥き出しの感情が、愛おしくて仕方がない。

 杭の顕現は長くは持たなかった。二人を穿ち貫いていたそれは砂のように崩れて消えていく。
 支えの代わりにもなっていたであろうそれを失って、体の力も命ごと流れ出ていくけれど、それでも男はほんの少しだけ倒れまいと踏みとどまった。体を動かすのは最早意地だ、精神というあやふやな概念だ。

 目の前の男を抱き止めて、うつ伏せにならないよう寝かせるだろう。
 一つの動作を行うたびに、傷口が開いてあちこちから残りの血がとめどなく溢れ出したけど、もう何も感じることはなかった。
(+54) 2021/10/12(Tue) 13:42:19

【墓】 新人看守 ダビー

>>だれか、こえをひろってくれるひと

「……誰、か。誰か」

 声だってもうまともに出ない。それでも、出入り口にいる誰かに届いてほしいと願いながら血の気の引いた唇を震わせる。

「アマノを、頼む」

 囚人を管理するのは、看守の務めだ。役割は全うしなければならない。それだけだった。
 そうでなくてもこの囚人は色んな者と知り合いだろうから、きっと誰かが助けてくれるだろうけど。

 あとは……あとは、何が必要なのだったか。

 視界が暗い。やり残したことがあるなら、やらなければならないのに。
 かすみ始めた意識ではまだ思考できている、でいているような気がしていたけれど。

 新人看守の体はもう、血の海に沈んでいた。
(+56) 2021/10/12(Tue) 13:43:21
ダビーは、何も返さない。先輩の思うまま体が揺れている。無事であってもそう受け入れていただろうけど。>>140
(c69) 2021/10/12(Tue) 14:17:34

ダビーは、カプセルの中で目を覚ます。
(c77) 2021/10/13(Wed) 9:34:19

【墓】 新人看守 ダビー

 瞼が持ち上がる。意識が引き上げられる。
 見慣れない景色が視界いっぱいに広がっていて、停止していた思考がちゃんと働くのにそれなりに時間を要した気がする。

 ここはどこだと問う前に、一番手前にあった記憶に手をかけた。
 重たい拳。謝罪と共に呼ばれる自分の名前。二人まとめて貫いた血の杭。相手の悲鳴にも慟哭にも似た叫び。

「………………ああ」

 死ぬ前の事を鮮明に思い出して、何の意味もない音が唇から漏れ出た。

(+86) 2021/10/13(Wed) 9:34:29

【墓】 新人看守 ダビー

 彼との戦闘の前に既に一度死んでいて、その時はカプセル型ではなかったから少しだけ新鮮な気持ちだ。

 父は自分と他国に逃げ出し、そのまま息を引き取ったので棺を用意してもらって丁寧に供養されていたことをなんとなく思い出す。

 棺の中はこんな感じなのだろうか。

 ろくに思考を働かせないまま生きてきたツケだろうか、この数日で沢山己のことを考えてなんだか息が詰まってしまった。

 エリア内はどうなっているだろうか。
 チャンドラ様、トラヴィス様、アンタレス様はご無事だろうか。関係のない囚人達も問題ないだろうか。アマノは……彼の様子はどうだろうか。
 回復を果たしたならすぐにでも看守の仕事を再開すべきだというのに、体は怠惰を貪りたがっている。

" が生まれてきたのが間違いなんだ"

 相手に囁いた言葉を思い出す。
 死んでいたままでもよかったかもしれない。蘇生を果たすための箱の中で、不毛な考えが浮かんでは消えていく。

(……余計な思考が多い。精神面の回復に努めると言えば、今もう少しだけ休むことは許されるだろうか)

 寝返りを打って、瞼を下ろした。

 もう一度だけ、男は眠りの海に身を委ねる。
(+87) 2021/10/13(Wed) 9:37:14
ダビーは、カプセルの中から出る。
(c79) 2021/10/13(Wed) 14:00:55

ダビーは、そのままカウンセリング室へ。その顔に感情の色が宿ることなど無い。
(c80) 2021/10/13(Wed) 14:01:22

ダビーは、其処で考えるように過ごしてから、砂が敷き詰められた箱庭に手を伸ばす。
(c81) 2021/10/13(Wed) 14:02:17

ダビーは、箱庭の中にある男性の人形を手に取って暫くぼんやりしていたが……
(c82) 2021/10/13(Wed) 14:04:34

ダビーは、人形を砂の中に深く埋めて、カウンセリング室を後にした。
(c83) 2021/10/13(Wed) 14:05:11

【墓】 新人看守 ダビー

 自室に戻って来た。何一つ変わらない……否、とある人物と話をするために用意したものがいくつか減った机を見た。此処だけはかつての名残がある。手錠や治療ユニットがそれに該当するのだが……よく探せば、サイドボードに置かれていた。清掃用ロボットが片付けたのだろうか。

 机の上に並べたものを全て片付け終えると、代わりに刀と銃を並べてメンテナンスの準備に取り掛かる。その前に、端末に何か連絡が来ていないかも確認を始めた。

「……ああ」

 そういえば、自分はこの後処刑されるのだったか。

 どうせ死んでまた蘇生を受けるのであれば、武器に装填する血液を抜いてもいい気がする。先の騒動で予備のカートリッジをかなり消費してしまったから。
 頭はひたすら淡々と今後の計画を組み立てていく。

 胸の内側も、表情も。
 何もかもがいつも通りだ。
(+89) 2021/10/13(Wed) 15:30:51