人狼物語 三日月国


137 【身内】No one knows【R18】

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【人】 商人 J

[ 神は決して人に甘い夢は与えない。
与えるのは心と体を苛むほど厳しく苦しい試練だけ。
人に甘く美しい夢を見させるのは悪魔と相場が決まっている。]
(1) 2022/03/14(Mon) 11:20:31

【人】 商人 J

[ 眼鏡の下に刻まれている十字の刺青。
整った顔立ちに際立つそれは、消えることのない傷痕の上に彫られたものだ。]


 そう警戒しないでください。
 私は商売に来ているのですから。


[ 顔の下部に浮かぶ弧線は変わりなく。
女を値踏みする目も変わりなく、眼鏡の奥で女を観察し続けている。]
(2) 2022/03/14(Mon) 11:20:48

【人】 商人 J

[ 金はある。
宿屋を貸し切るほど。
だが、思っていたよりも不調が見てとれるほど消耗がひどい。
世間知らずではあっても、知恵がないわけではない。

ではなぜそんなにも余裕がないのか。
導かれる答えはひとつ。

それは収入がないということ。
持つものが無くなれば、恐らくそこで終わり。
金も行動も、全て目的のために使うと言わんばかりか。
そこに自分自身を守ることが含まれていないのは、まるで破滅的だと男はそんな印象を持った。

それほどまでに大事なことか。
それとも他に道がないのか。

いずれにせよ、男にとって都合の悪いことではない。]
(3) 2022/03/14(Mon) 11:21:32

【人】 商人 J

[ それはただの経験の差だった。
だが、その差はこの場において決して覆ることのない差であろう。
かたや、表も裏も知っている海千山千の男。
かたや、どこぞのお嬢さん。
百戦錬磨の商人相手ならいざ知らず。
駆け引きの何たるかも知らない女相手に遅れをとるはずもない。]


 驚くことではないでしょう。
 貴方が私のような人間を求め、そして私はここにいる。


[ 調べるまでもない。
男から見ればこの女は迂闊以外の何ものでもない。
だから、差し伸べてみせる。
僅かな可能性を、闇雲の中に一筋の蜘蛛の糸を。]
(4) 2022/03/14(Mon) 11:22:01

【人】 商人 J

[ 声が、吐息が、その目が。
垂らされた蜘蛛の糸に縋ろうとしているのを伝える。
男は内心でほくそ笑む。]


 この街であれば、力になれるかもしれません。


[ そう男の言葉が伝える。
お前の味方になってやれる、と。

だが、差し出された紙を手にしたその刹那、男の顔の筋肉がピクリと震えた。それだけ、動揺などというものを見せたわけではない。ただ、顔の一部だけが自身の意に反した。]
(5) 2022/03/14(Mon) 11:22:27

【人】 商人 J

[ 神も悪魔も同じもの。
その先が光であればそれを神と呼び、闇であれば悪魔と呼ぶ。

青い宝石のブローチ。
白銀の片翼が、慈しむ様に抱く意匠。

─── 数奇とは、運命とはまさにこのことか。]
(6) 2022/03/14(Mon) 11:23:07

【人】 商人 J

[ 顔が崩れるのを堪えるために男は努力を擁した。
口元に浮かべた笑みが深く大きくなるのを堪えるために男は強い心を持って対しなければならなかった。]


 ……これが、この街に?


[ 思案する様な芝居は、自然と笑いだそうとするのを強く戒めるため。]


 流石に大陸の何処にあるかもわからない。
 ということであれば、お力にはなれませんが。


[ 探し物がこの街にある。
それをどうやってこの女が突き止めたのか知る由もないが、大事なことはこの女がそれを確信し、そしてそれが事実であるということだった。]*
(7) 2022/03/14(Mon) 11:23:35

【人】 商人 J

[ 写し絵を持つ手に女の指が触れる。
こちらから触れたのではない、女から触れたのだ。
呼び方も『さん』から『様』へと変わる。
育ちの良さが出ているのか。
そしてそれは確かに女が男を頼りにした証か、或いは媚びた振りで利用しようとしているのか。そんな器用な真似が出来る女とも思えなかったが、それはわからぬこと。]


 ええ、勿論です。
 

[ 触れる女の指をそのままに。
近づく顔を真正面から見つめ返して。]
(14) 2022/03/14(Mon) 16:28:08

【人】 商人 J

[ だが、その黒いレンズは深淵の様に昏く。
光を通さないかのように、奥に在るものを見せはしない。]
(15) 2022/03/14(Mon) 16:28:32

【人】 商人 J

[ 暫くして、或いは女の顔が離れれば男は口を開く。]


 だけど、私も商売人。
 身銭を切るわけにはいきません。
 この街では、何を得るにも対価が必要です。


[ 親切の振りはここまで。
慈善家如き姿はかえって不信を招くというもの。
以下に良家のお嬢さんであっても、無償の善意を信じるほど間抜けではないだろうから。]


 必要なことはこちらで手配します。
 情報を集めるのも、それに近づく手筈も。
 それらにはどうしても金がかかります。
 そして、私もある程度の手数料をいただきます。


[ それが商会にとっての利益なのだと伝える。]
(16) 2022/03/14(Mon) 16:29:24

【人】 商人 J

 
 こういった物にに目のない人物には、
 何人か心当たりがあります。


[ この貿易都市にはの金持ちにはコレクターと呼ばれる様な者たちがいる。だが、彼らの様な人間がそれを手にしていたのなら、それを買い戻す必要がある。そして、欲しいものを手に入れた人間からそれを買い戻すのは容易ではない、と男は言う。]


 もしも信用して貰えるなら、
 数日のうちに手掛かりを見つけてみせましょう。


[ 物が珍しければ見つけるのも容易だと、男は女にそう嘯いた。]*
(17) 2022/03/14(Mon) 16:30:08

【人】 商人 J

[ 初心な反応。
男を知らないのだろう、良家のお嬢さんらしい。
それもまた女にとっては弱みとなる。
知らずのうちにそうやって女は男に自らの手の内を晒していく。]


 お任せください。

 ケリオス商会のジュダスに、
 この街でわからぬことはないと証明しましょう。


[ 離れた間を詰めることなく、胸に手を当てて恭しいお辞儀をひとつ。
下げた顔に浮かぶ弧線は大きくなっていた。]
(25) 2022/03/14(Mon) 20:20:47

【人】 商人 J

[ 顔を上げたときには元通り。]


 では、しばしお待ちを。
 
 そうそう。
 自分を撒き餌にするのはやめた方がいい。
 私のような善良な商人ばかりではないのですから。


[ 張り付いた薄い笑みが皮肉な笑みへと変わる。
自らを闇商人だと明かした男が善良とは何の冗談か。]


 無論、私を信用できないのであれば、
 別の伝手を探すのも止めはしませんがね。


[ そうして男は微笑う。
笑いながら、その部屋を後にするのだった。]*
(26) 2022/03/14(Mon) 20:21:13

【人】 商人 J

[ 運命とは不思議なものだ。
すべての事柄には何かしらの繋がりがあるのだろうか。
例えば、真白の髪をして女を見つけたこととか。
例えば、その女の探し物がこの街に流れ着いたこととか。]


 さて、どうしてしまおうか。


[ 男の視線の先。
小汚く痛みの激しい胸像のその胸に輝く青い宝石は、銀の翼に抱かれている。]


 ……生きていたとはな。


[ ひとり呟く。
皆殺しにされたと、その情報の不確かさに瞳なき目を細め、やはり人伝というのはアテにならないものだと嘆息した。]
(27) 2022/03/14(Mon) 20:43:32

【人】 商人 J

[ ケリオス商会の裏の顔はオークショニアであった。

─── 闇市。
盗品の売買や資金洗浄を可能にするオークション。
それを主催しているのがこの商会であった。

そして、その闇市最大の特徴は商品に人が含まれるという点だった。
労働力としての奴隷、戦うための闘奴、そして愛玩用の性奴。

勿論それらは表では決して許されないこと。
だが、需要があるのだ。買う者がいるからこそ売り手がいて、その構図は裏社会でも同じこと。

その証拠に商品≠ヘいつだって品不足だった。]*
(28) 2022/03/14(Mon) 20:47:08

【人】 商人 J

[ 邂逅から三日後、男は夜遅くに女を訪ねてきた。]
そして一枚の羊皮紙を女の前に差し出した。]


 契約書です。


[ 持ってきたのは吉報ではなく契約書だと言う。
そこに書かれていたのは二人の間に交わされる取り決めだった。]
(38) 2022/03/14(Mon) 22:54:29

【人】 商人 J

一つ、捜索に係る費用については依頼者の負担とする
一つ、依頼者は捜索対象に最終的につけられた価値の2割を請負人に報酬として支払う。
一つ、捜索対象を見つけられなかった場合、請負人は依頼者にすべての費用を返還する。

最後に、依頼者、請負人、共にこの契約の履行に最大限の責務を負うものとする。
(39) 2022/03/14(Mon) 22:54:43

【人】 商人 J

[ 黒のインクで書かれたそこには署名欄が二つ。]


 口約束でも構いませんが。
 これは貴方が私から取り立てる際のためと思ってください。


[ 男は言う。
この件に関して女から金を絞りとるだけ搾り取って知らぬ振りをしたとして、女には男から、ケリオス商会から反故のペナルティを取り立てる手立てがないということを。]


 それはフェアではない。
 だからこれを用意しました。


[ そう言って男は署名欄に『ケリオス商会 ジュダス』の名を書き記し、そして小さなナイフで指先を切ると自分の名前の上に紅を引いた。]


 口約束のままにするか、サインするか。
 それは貴方が決めるといい。
 心配しなくても、口約束のままでも仕事しますよ。


[ だから強制はしないと男は言う。]
(40) 2022/03/14(Mon) 22:56:24

【人】 商人 J

[ 契約は結ばれただろうか。
それとも、女はそれを怪しんでサインを拒んだだろうか。]


 では早速。
 ある男が最近になって青い宝石の装飾品を手に入れた。
 そういう情報が入りました。


[ そのこと自体は真実であった。
故に女が別の伝手を使っていれば、その情報を得ることもあっただろう。]


 それを明日、確かめに行きます。
 一緒に行きますか?


[ 薄く笑う男は女をじっと見つめていた。
否、黒い眼鏡の奥の瞳は今も女には見えぬまま。]*
(41) 2022/03/14(Mon) 23:01:00

【人】 商人 J

[ ジャンヌ・アンペール。
それが女の名だった。

そして男は確信する。
この女が自分に惹かれているということを。
その顔は相変わらず人形の様に変わらないが。

その目が伝える。
その声が伝える。

夜遅くに訪ねてきた者に対する警戒の無さ。
三日前は、最低限の気構えはあったというのに、あっさりと示された契約書に本当の名を記すほどに、今、女の目は曇っているように思えた。]
(50) 2022/03/15(Tue) 8:22:42

【人】 商人 J

[ 男は苦笑いを堪えるためにかなりの努力を要した。
頼る者もなく、探す宛もなく、事件から向こうだったひとりでここまで来たのだろう。箱入り娘だったはずの女。その胆力は賞賛に値する。]


 賞賛はまだ早い。
 貴方の探し物と決まったわけではないのですから。


[ 欺瞞に満ちた言葉。
そうではない≠ニ知っていて吐いた言葉は女の耳には謙虚として届くだろうか。いずれにせよ悪い響きとはならないだろう。]


 この契約書の効力は一週間。
 まだ、始まったばかりです。


[ 契約者を受け取ると、朱を引いた女の指を手に取り、それを自分の唇まで運ぶと、ちうと軽く血を吸い舌先で薄く傷を舐った。]
(51) 2022/03/15(Tue) 8:23:03

【人】 商人 J

[ 唇を離せば、懐からハンカチを取り出しそれを破いた。
指へ巻くにちょうどいい即席のバンテージ。それを女の指に緩く巻き付け器用に結んだ。]


 ところで、なぜあんな事を?


[ あんな事、とは女が働いている事を指していた。
待つだけの時間が手持ち無沙汰とでも言うのだろうか。]


 失礼。
 予想の斜め上に更に向こう側だったもので。


[ 男の薄い笑みが、微かに可笑しそうに笑った。]
(52) 2022/03/15(Tue) 8:23:19

【人】 商人 J

 
 ありがとうございます。
 

[ 差し出されたクロック・ムッシュを男は受け取った。
その顔には優しげな笑みさえ浮かべて見せて。]
(53) 2022/03/15(Tue) 8:23:36

【人】 商人 J

[ 帰路。
女の部屋を出て寝ぐらに戻るその途中。]


 ……愚かな女だ。


[ 込み上げる笑いを噛み殺しながら、月明かりの道を歩く。
思っていた以上に事は容易に進んでいる。
もう少し警戒されていると思っていたが、よりにも寄って好意を寄せられているらしい。]


 …………


[ スラムと呼ばれる区画に入ると、男は女から受け取ったそれを道端に放り捨てた。そしてそれは、次の瞬間にはどこからか現れた野良犬が咥えて何処ぞへと消えていった。]
(54) 2022/03/15(Tue) 8:23:59

【人】 商人 J

── 翌日 ──

[ 太陽が最も高く位置した頃、男は扉を三度叩いた。
約束よりもまだ少し早い時間。]


 ジュダスです。


[ 扉を開けば、そこにはいつも通りの装いで、いつも通り後ろで手を組んだ男が立っているだろう。]*
(55) 2022/03/15(Tue) 8:24:17

【人】 商人 J

[ 現れた女は前よりも血色が良く見えた。
少しは休息と栄養を取る余裕ができたのだろうか。]


 今回は品定め≠ナす。
 勿論、現物であればその場で交渉に入りますが。


[ 『あなたの手に入れたものを見せてください』なんて事は通らない。あくまでも商売人として、先方が手に入れたものを値踏みしにいく。そういう体だ。
とはいえ、実際に交渉が始まることなどあるはずもないのだが。]


 相手はこの町でも有数の富豪です。
 くれぐれもお気をつけください。


[ まるで女を案ずるように、男は忠告を与える。]
(67) 2022/03/15(Tue) 12:49:18

【人】 商人 J

[ それはブルーノという男だった。
随分と腹の出た中年で、頭髪もやや薄くなっていた。身なりは良質な素材ではあったが、趣味は決していいとは言えない。
いかにも品位を持たない金持ちの商人といった風だ。]


 では、早速。


[ 屋敷の中で品定めが始める。
ブルーノが出してきた宝石類は数十にも及んだ。
大きさは申し分ないが傷モノだったり、逆に完璧な美しさを備えているものまで、多種多様に。]


 なるほど、流石ブルーノ様。
 素晴らしい品々です。


[ 男は褒めちぎる。対してブルーノはどこが満足気だった。]
(68) 2022/03/15(Tue) 12:49:54

【人】 商人 J

[ たが、ブルーノが女を見る。
まるで爬虫類の様なギョロリとした目が、女の全身を舐め回す様に。
そんな下卑た視線を男がそっと逸らす。]


 ……ブルーノ様、
 そろそろ例のアレをお見せ願いますか?


[ そう言われてブルーノは女から視線を外すと、ニヤリと得意気に笑ってそれを持って来させた。

美しく輝く青の宝石。
それを抱く、女神のブローチ。

確かに似ている。
だが、女が探しているのはそれではない。]
(69) 2022/03/15(Tue) 12:50:39

【人】 商人 J

[ 女は落胆を示していただろうか。
その後、男はブルーノと商談をまとめ、傷モノの宝石を数点買い上げた。]


 申し訳ありません。
 空振りでした。


[ 屋敷を出て少しすると男はやや肩を落としながら女に謝罪した。
情報屋を使い、青の宝石のブローチをブルーノが手に入れたところまでは突き止めた。だけど、それがどの様なモノなのかまで詳細には知る術がなかったのだ。男は女にそう伝える。]


 もう少し、回りましょうか。


[ 青の宝石についてブルーノ以上に有力な情報はない。それでも可能性はゼロではないと、他の商人や富豪の元を訪れる事を女に提案した。
勿論、その全てが空振りに終わると分かっていながら。]*
(70) 2022/03/15(Tue) 12:51:32

【人】 商人 J

[ 今度は男が首を振った。]


 足を引っ張っているなど。
 これは貴方の探し物です。
 貴方の目で真贋を確かめなければなりません。


[ そう品定め≠ノはお前が必要だ。
そんな本音はおくびにも出さず、
男は女の身を案じる様に優しく言葉を続ける。]


 お疲れではないですか?
 あの様な男の前に立つのは。
 でも、どうか安心してほしい。
 貴方の身はこの私が必ずお守りする。


[ 冷たい男の右手が、女の左頬にそっと触れる。]
(78) 2022/03/15(Tue) 19:21:06