人狼物語 三日月国


188 【身内P村】箱庭世界とリバースデイ【R18RP村】

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視点:


【人】 XI『正義』 マドカ

[ちらりと振り返った先、
 彼は僕の吐き出した汚物を片付けているようで、


 初対面の相手に
また
、後始末をさせることを、


 ひどく申し訳なく思ったものだった。*]
(597) 2022/12/13(Tue) 20:10:39

【人】 XI『正義』 マドカ

── 面白くもない過去の話 ──

[今世の僕は、大陸よりも東の海の上、
 浮かぶ島の一つに生まれ落ちた。

 幸か不幸か、会場に並ぶ島々の中でも
 さらに小さな島に生まれたものだから、
 『証』を持って生まれた僕に対しても、
 普通の『人間』の子供のように、
 両親はもちろん、島民も接した。

 そもそも、大陸で信じられている件の『宗教』
 そのものに興味があまりなかったのかもしれない。

 僕は、『証』を持っていたくせに、
 『証』がない者のように扱われた。

 それが非常に稀有なことであったと、
 幼い頃僕は知らずに呑気に笑っていたのだ。]
(598) 2022/12/13(Tue) 20:10:53

【人】 XI『正義』 マドカ

[僕が平和な日常を過ごしていた時、

 『証』を持つ誰かはその存在を否定され、
 あるいは石を投げられて、
 親にすらその生を否定され、
 けれど殺すこともできない、
 ……と腫物のように扱われ、
 もしかしたら厄介払いされ。

 書物でそのことを知った、8つの頃、
 僕は両親に尋ねたことがある。

 僕は、ここにいて良いの?と。

 両親は驚き、それから悲しみ、僕を叱った。
 
 たった一つの痣があったからと言って、
 そんなものは、何の理由にもならない。
 持って生まれた痣でなくとも、
 生涯消えることのない印など、いくらでもあるのだと。

 僕はその時…………

             妙な心持がした。]
(599) 2022/12/13(Tue) 20:11:09

【人】 XI『正義』 マドカ

[両親の言葉は、世の中一般の親としてみれば、
 どこまでも善良で、親として正しい反応だ。

 けれど、僕の胸の内はざわめいた。

 だってこれは、『平等』じゃない。
 他の『証』を持つ子供たちが苦しんでいる傍らで、
 僕だけが、そうじゃない。

 不安が心を占めるのに、そう時間はかからなかった。

 それでも時間だけは、平穏に過ぎていく。
 僕の生まれた家は、これまた幸運
不幸
なことに、
 はっきり言って裕福な方で、生活上の心配は
 まるで存在しなかった。

 衣食住に困ることはなかったし、
 多分欲しいといえば大概のものは
 手に入っただろう。

 僕が両親に何かを強請ったのは、
 幼い時分だけだったけど。]
(600) 2022/12/13(Tue) 20:11:23

【人】 XI『正義』 マドカ

[15の夜、目が覚めると、
 辺りは紅蓮に包まれていた。

 島ひとつを燃やし尽くした炎は、
 僕以外の全ての命を奪った。

 僕と違ってただの『人間』だった、
 幼い弟の命をも、容赦無く奪い去った。
 僕はきちんと教育を受けていたけれど、
 自身が『人間』より丈夫なことを知らなかったから、
 炎からさえ守れば、
 自身より低い位置に庇った子供は
 助かると思い込んでいた。

 彼は僕より少しの煙を吸い込んで、
 そのまま息を止めた。

 血の繋がりのない子供達も、
 親を含む親戚も、隣人も、
 ずっと僕にもよくしてくれた使用人の彼らも、
 小さな島だ、
 顔を知らぬものなど一人もいなかった。

 皆みんな、死んでしまった。]
(601) 2022/12/13(Tue) 20:11:37

【人】 XI『正義』 マドカ

[手の中からこぼれ落ちていったものを、
 惜しんで泣いた。

 それが僕に与えられた罰だと知って・・・
 
こうべ
を垂れた。

 僕は悲しかった。
 けれど、同時に安堵した。

 嗚呼、これで漸く……
 漸く僕も、他の『証』持つ者たちと、

 並ぶことができる。]
(602) 2022/12/13(Tue) 20:11:49

【人】 XI『正義』 マドカ

 

   [これで多少は、


       
『平等』
に近づけただろうか?*]

 
(603) 2022/12/13(Tue) 20:12:16

【人】 XI『正義』 マドカ

── いつか、故郷の唄を ──

彼女
チェレスタ
が、僕の故郷の唄を歌えるらしいことに
 気づいたのはいつだったろうか。

 きっと、僕か彼女が口ずさんでいたのを、
 どちらかが気づいたのに違いない。

 年下の子供たちに、
 子守唄を歌っていたのかもしれない。
 僕の故郷の唄は、
 どこか独特の節を持っていた。

 もしかして、僕たちの故郷は近いのか、と、
 期待したのも束の間。
 僕の淡い期待が砕けるまで、
 そう間は置かなかったろう。

 僕は彼女に笑って問うた。]


     ねぇ。
     君の故郷はどこ?
     君はどこからきたの?

     良かったら、教えてよ。**


 
(605) 2022/12/13(Tue) 20:12:51
XI『正義』 マドカは、メモを貼った。
(a89) 2022/12/13(Tue) 20:15:05