人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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視点:


【人】 軍医 ルーク

[ 自分の義足も、地下を出発する際に、
 新しいものに付け替えられている。
 これまでは基地内を歩き回れば十分ということで、
 旧式の性能の低いものを支給されていたのだが、
 地上に向かう使節への餞別だとばかり、
 技術班が張り切った。

 何か面白いものを見つけたら報告するようにと、
 相変わらずの早口で頼んできたジルベールは、
 最後にこう言って手を振った。]


 『シュゼット、ルーク!
  君たちの旅路に幸運を!!』 

(428) 2020/06/01(Mon) 0:52:34

【人】 軍医 ルーク


  “山”か……
  地上は、ほんとうに広くて仕組みが不思議だ。
  火山活動、というものによって
  地形の変化があったのだっけ。
  植物の分布なんかも、過去のデータを調べて
  あとで照合してみるね。
  

[ 木陰に腰を下ろし、何を書いているか覗き込む。
 尻尾に触れてくれた手の感覚に、
 嬉しそうにふるりと尾が揺れて、
 そっと身を寄せる。

 タブレットに増えているものは、調査記録だけではない。
 写真をたくさん取るようになった。
 地上の様々な場所、様々な景色。
 写っているのは、自分が写すときは彼とぺんぎんであったり、
 操作を覚えたぺんぎんが頑張って、
 自分たちふたりで映っている写真を写すこともあり、
 タイマー、というものの存在も発見したものだから、
 皆で写っていることもある。]
(429) 2020/06/01(Mon) 0:54:51

【人】 軍医 ルーク

[ 一緒にいる景色を、記憶を、
 積み重ねて形にしていくそれは、
 ひとつひとつが自分にとっての宝物だ。

 その写真に残る表情は、次第に増えていって、
 嬉しそうな顔、幸せそうな顔、
 新しく訪れた土地の状況によっては
 不安げにも悲し気にもなり、
 時には驚いたり怒ることもあり、
 先程のように悪戯っぽい笑顔だとか、
 以前と変わらず時折意地悪をするときの表情だとか、
 様々な顔で、画面に映っている。

 (後で纏めて見返せば、我ながらこう、
  一緒に写っているときの写真の自分は、
  我ながらだれ…? と思うほどに幸せそうで、
  思わず蹲ってしまったりもする)
 

 そんな“一緒”の写真たちは、
 もう決して、どこに消えてしまうこともなく、
 鮮やかに、タブレットの中に収められていく。]
(431) 2020/06/01(Mon) 0:56:23

【人】 軍医 ルーク

 
  リンゴ――…、
  果実の一種かな、木は落葉高木樹。
  甘味があるなら、
  これもジャムにしてみようか?
  そうすれば暫く持って歩ける。


[ シェルターに立ち寄ったときなどには、
 いつもいちごを調達するけれど、常備するのは難しい。
 加工して持ち歩くのが主になる。
 最近は作れる料理も大分増えた。

 ひとつひとつ、味を教えてくれる言葉に、
 うなずきながら一口齧り、
 口の中に広がる水気と歯触りを確認する。
 少しでも感じられるものがないか、真剣に考え込み、]


  ん――…、硬くて少し驚いた、
  でも、水分があって、歯触りがいいね。
  赤い色――ああ、この色が好きだな。


[ そう言って笑う視線の先にあるのは、
 自分の言葉を聞いてくれているだろう、赤い耳であったり。
 取り戻すことは出来ないだろうと思っていた感覚を、
 いつかは取り戻したいと思えるようになったのは、
 それを望んでくれていると、知ったからだ。]
(437) 2020/06/01(Mon) 0:58:47

【人】 軍医 ルーク

[ 自分たちも、この世界も、たくさんのものを失って、
 つぎはぎだらけの今を生きている。
 けれど、手を伸ばすことを、
 歩き続けることを辞めずにいるなら、
 いつかは取り戻される日も来るのだと、
 いまなら、そう思う。

 父の言っていたことは、半分正しくて、半分間違い。
 天の向こうには世界がある、
 どれだけ手を伸ばしたって、
 決して触れることが出来ないものがある――
 それはきっと、“空”のこと。

 そう、手を伸ばしたって、あの青色は遥か遠いけれど、
 それはこの地上まで繋がって、
 いま、自分はその下にいる。
 この手で、空に触れることだって出来るのだ。]
(439) 2020/06/01(Mon) 0:59:37

【人】 軍医 ルーク

[ 傍らにいる彼が立ち上がり、
 伸ばしてくれる手を、ぱしりと取って、立ち上がる。
 晴れた空のような笑顔で、笑いかけながら。

 そうして、再び歩き出す。
 この先がどのような道でも、道など無い場所でも、
 これからもずっと一緒に、
 決して離れることはなく。


   ――… 
    遠ざかってゆく足音を見送るように、
    木陰に揺れる、赤と白の二輪の花が、
    空を見上げ、風に揺れていた。
    芽吹き始めた小さな吐息を、
    空へとうたいながら。 ]**
(440) 2020/06/01(Mon) 1:01:48