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【人】 黒眼鏡>>0:179 イレネオ ぎらぎらと研ぎ澄まされ、突きつけられる牙に視線が合う。 柔らかく緩みすらする黒眼鏡の奥の目が、 どこか楽しさを抱えている。 若者と話すと楽しい。 その言葉通りなら、そういう感情で。 「好き嫌いはよくないね」 指は渋面を一度、くるりと空中でなぞるように回ってから 再び膝の上へと戻る。 視線は奥へ──祈りをささげる神父のほうへと向けながら、 「今夜には仕事があるよ」 「きちんと税関を通ってきた、 法律上何の問題も無いコンテナを受け取るのさ」 海。 黒眼鏡の部署は、"港"とも呼ばれている。 ファミリーの密輸・流通、流れるものの大半を牛耳るその中核は、 船。 海に囲まれた三日月島における海運には、 黒眼鏡の息がかかった会社がそれはもう、浜の真砂のようにある。 #教会 (5) 2023/09/11(Mon) 21:29:20 |
【人】 黒眼鏡>>48 エルヴィーノ 「珈琲をきちんと飲んでくれるやつは、皆上客だ」 自動車修理業のほうと喫茶店、店の内装はそれを半々につなぎ合わせたようで妙なものだ。 なんともハードルが低いことを口にしながら、代金を受け取る。 ついでに、と包みに入ったものをいくつか、一緒に渡す。 「ついでにこれとこれ。 あー、正真正銘ただの菓子だ。 そっちは飴で、そっちが焼き菓子だったかな」 ここで買い物をすると、たまにこうして何かを押し付けられることがある。 別に断っても、「そう?」と引き下がるだけだ。 「ちゃんと寝るのは大事だからな。 体には気を付けろよ」 ついでに、お節介もひとつ。 #Mazzetto (49) 2023/09/12(Tue) 12:45:15 |
【人】 黒眼鏡>>65 エルヴィーノ 「そうだろうそうだろ、 持ちつ持たれつというやつ」 なんとも楽しそうに笑う。 若者と話すと楽しい、などと前にこぼしたことがあるが、 本気だったのだろうか。 「万が一俺がいなくなっても、 引き継げるようにはするがね。 そこは…アフターサービスだ」 物騒なことを口に出しつつ、 無害をアピールするように両手を挙げて。 店の扉をからん、と空ける。 「そうしてくれ。 情報もうちの商いだが、これはいつ入るかわからない。 気長に待っていてくれ」 よほど暇なのか、店の外まで出てあなたの車を見送る。 手を振るでもなく声をかけるでもなく、 あなたの姿が見えなくなるまで見送っていた。 #Mazzetto (71) 2023/09/12(Tue) 21:44:21 |
【人】 黒眼鏡カウンターで暇そうにタブレットを叩いている。 すると、メールが一通ポン、と鳴った。 「ん。おー……」 かたかた。返信を打ち込むと、立ち上がる。 壁際に張ったボードにかけてあった車のキーを手に取って、 ガレージへと向かった。 ついでに、カウンターに一枚のボードをかける。 『ちょっとドライブ』 ……営業中なのにドライブに行く男だ。 /*来客の方は気にせずいらしてください あなたが来る頃には戻ります (76) 2023/09/12(Tue) 22:36:16 |
【人】 黒眼鏡>>120 >>121 「おう、喰え喰え」 黒眼鏡の生態として、 若いのが飯を食っていると嬉しそうにする。 もしかしたらおじさん全体の生態かもしれないが。 片付けに関しては「気にするな」と手をふって、 ダヴィードに座るよう促した。 「いつも通りが一番だ、商売も人生もなんもかも」 含蓄があるんだかないんだか、わからないことをいいながら。 「アマラントか、最近行ってないな。 行ってみるか」 自分の分の珈琲も準備し終わって、カウンターに肘をつく。 「俺も……特にはねえな。 なんだか騒がしくなりそうだが、 デキる男の俺は仕事に常に余裕を持っている。 つまりは問題なしってコト」 ず、と珈琲を傾けて。 「まぁそんな忙しさに向けて、お前らの様子を見たかっただけだ」 #Mazzetto (122) 2023/09/13(Wed) 21:38:54 |
【人】 黒眼鏡>>123 >>127 カフェ 「そーかそーか。 なんもねえなら、それでいい」 …もう用件は終わったのだろうか? うんうんと頷くと、ふたりの話に耳を傾ける。 「ああ、なんかあったら呼ぶよ。 クソ重たいガソリン缶が届いた時とかな」 ダヴィードにはそう、軽口で――けれど頼もしげに頷いて。 「お前は変なことに首を突っ込みそうだからな。 そもそもマジで通るのかわからんが、 どちらにせよ何か動きはあるだろう。 しばらくは大人しくしておけ」 珈琲についても、いつも通り。 良くも悪くも特に何か変わったことがないのは、いいことなのかどうなのか。 「そうだお前ら。 レストア終わった車が一台あるんだが? どっちか要るか? 足が多くて困ることはないだろ」 ……なくはなさそうだが。 #Mazzetto (138) 2023/09/14(Thu) 2:13:46 |
【人】 黒眼鏡>>139 >>140 カフェ 「このトシで運ぶのキツくなってきてな〜〜。 おーしおし、偉いぞダヴィード。体を鍛えて悪いことはない」 ダヴィードの腕を見て、ぱんぱんと嬉しそうに手を叩く。 「ああ、ふたりともそうしてくれ。 ……いうまでもないと思うが、情報共有もしっかりな」 やっとカポらしいことを言ってから、 壁のボードにかけられたキーを指先でひっかける。 「いざという時エンジンくらいはかけられるようになっとけよ? 俺は14の時にもう運転してたぞ」 おっさんのヤンチャ自慢が始まりつつ、キーを投げ渡す。 「じゃあペネロペ、お前持ってけ。 で、どこでもいいから停めとけ」 どうやら、逃走手段みたいな話のようだ…。 #Mazzetto (144) 2023/09/14(Thu) 10:43:57 |
【人】 黒眼鏡>>145 ペネロペ 「行けるうちに行っとけよ。 俺なんか腰が重くなっちまってもう」 ここ以外ではほとんど見かけることがない男は、 のんびりとカウンターに肘をつく。 君たちを見送る構えのようだ。 短いやりとりで、"仕事"上必要なことが含まれていたようには思えない。 となればやはり、顔を見たかったというのが本音なのだろう。 そのくせ、来たら来たでこの調子なのだから、 なんとも放任主義がサンダルを履いて歩いているような男である。 「ああ、知ってるよ。必要なことは言うだろう」 お前ならな、と付け加えながら…お代と言われて、手のひらを突き出す。 「いくらだっけな? 忘れたな。 次もちゃんと顔だしたら、その時払ってもらおうか」 …おごり癖が出た。 #Mazzetto (146) 2023/09/14(Thu) 14:24:30 |
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