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【人】 愛智 哲弥良く知りもしないのに、 好きになんてなるか普通? ないない、俺は絶対ないね [ 惚れっぽい友人の話を、 そうして笑い飛ばしていたというのにな。] (9) 2023/02/10(Fri) 19:05:14 |
【人】 愛智 哲弥[ 高校2年の終わり、両親が離婚した。 少しずつ冷えていく両親の関係に気づいてはいたし、 離婚すると聞いた時は、 あぁやっとか。 と、子どもらしくない感想を抱いたくらいには、 そのことに対して何も思っていなかった。 中学2年の妹は、母のもとへ。 そして、俺は父のもとへと。 別れて引き取られた妹は、 離れたくないと泣いていたのを、 会えなくなるわけでもないのに どうしてそんなに悲しいのか。と、 不思議に思いながらも、笑って慰めた。 それから、タイミングがいいのか、悪いのか。 父の転勤も決まり、高校3年の春という時期に 俺は、転校をすることになった。] (10) 2023/02/10(Fri) 19:05:17 |
【人】 愛智 哲弥[ 昔から、俯瞰して物事を見てしまう。 当事者だとしても、感情が強く揺れることがなくて よく笑って泣く妹と違って、 俺は不気味だったのだろう。 小さな頃、眉を寄せながら 顔を覗く親の顔をよく見ていた。 中学に上がる前には、そのことを理解して、 年相応に笑ったり泣いたり、怒ったり、 取り繕うことを学んだ。 だけど、そう。 結局は、見様見真似だったから、 友人たちとの別れも、 それなりに仲は良かった筈だけど。 そこまで悲しいと思わなかったのも、 別れを惜しんで貰えなかったのも、 きっとそんな俺の薄っぺらな感情を見抜かれて、 そこまで深い関係を築けなかったからだろう。] (11) 2023/02/10(Fri) 19:05:19 |
【人】 愛智 哲弥[ 彼女に出逢うまでは。 まだ、出逢ったばかりだというのに、 君のことを、名前すら知らなかったのに、 俺は、君に 恋 をしてしまった―― ] (13) 2023/02/10(Fri) 19:05:23 |
【人】 愛智 哲弥[ 君を想うと、胸を打つ鼓動が早くなる。 君のことを、自然を視線で追ってしまう。 君の傍を通ると、周囲の温度が 数度上がった錯覚をする。 化学的にありえないのに、 論理的に証明もできない。 そんな初めての感覚に、最初は戸惑うばかり。] (14) 2023/02/10(Fri) 19:05:25 |
【人】 愛智 哲弥[ 君に出逢ってから、俺は初めての経験ばかりだった。 視線が合えば、思わず逸らしてしまって、 それでも、また視線を向けて、 照れを含んだ笑みを浮かべたり、 君のことを知りたくて、 自分から声をかけることもあったり。 読んでいる本があれば、面白いか聞いて、 宿題に悩んでいれば、何処で詰まったか聞いて、 少しでも君の記憶に残れる存在になろうとした。] (15) 2023/02/10(Fri) 19:05:27 |
【人】 愛智 哲弥よし、これでよし [ 走らせていたペンを止めて、 終わった宿題に満足そうに笑えば、 明日、君に ―― 桧垣さんに会えるのを待ち遠しく思う。**] (16) 2023/02/10(Fri) 19:05:28 |
愛智 哲弥は、メモを貼った。 (a2) 2023/02/10(Fri) 19:31:45 |
【人】 愛智 哲弥[ 参考書ばかりで隙間の多かった本棚は、 今まで俺が興味を持たなかった ファッション雑誌などで、少しずつ埋まっていく。 青色で統一された殺風景な部屋が、 色付くように物が増えていくのが妙に嬉しくて。 部屋をちらり、と見渡して、 一人小さく笑っていた。 宿題を終えて、止めたペンをくるり、と 機嫌良さげに回してから、筆箱にしまえば、 明日の授業の予定を確認して、荷物を整理する。 そうしていれば、窓の外はすっかり暗くなっていた。 そろそろ父が帰ってくるから、 夕飯の準備をしなければいけない。] (24) 2023/02/11(Sat) 9:43:16 |
【人】 愛智 哲弥[ ぱたり、と静かに部屋をでて、 足音を殺してキッチンへと向かう。 小さなアパートだから、気を付けないと 階下に足音が響いてしまうから、 いつのまにか、こうして歩くようになった。 冷蔵庫から食材を取り出して、手際よく調理していく。 料理はべつに上手くはないけど、 人間が生きていくには、食事は必要だから、 作れる時はこうして作っていた。 程なくして出来上がった炒飯とスープ。 一人分をよそって自分だけで食べる。 父の分も盛り付けておけば、ラップをかけて 机の上へと置いていく。 一緒に家に住んでいても、あまり顔を合わさない。 顔を合わせても何を話せばいいのか お互い困ってしまうので、楽でいいのだけど。] (25) 2023/02/11(Sat) 9:43:18 |
【人】 愛智 哲弥[ そのうち、妹のように 今日何があったか、なんて話せたらいい。 そんなことを思うようにもなったのは、 俺が彼女と出逢ったおかげなのだと思う。 ほんのりと胸の奥に温かさを感じながら、 今日という一日を終えた。] (26) 2023/02/11(Sat) 9:43:20 |
【人】 愛智 哲弥― 翌朝・学校にて ― [ 人より少し早い時間に教室の扉を開く。 誰かいれば、おはようと挨拶をしてから、 自分の席に座った。 疎らに登校してくる生徒たちを窓の外に眺めながら ぼんやりと過ごす朝の時間が結構好きで、 頬杖をつきながら、転寝をしていた。 特別な音が聞こえてくるまで――**] (27) 2023/02/11(Sat) 9:43:22 |
愛智 哲弥は、メモを貼った。 (a3) 2023/02/11(Sat) 9:45:17 |
【人】 愛智 哲弥[ 君から挨拶をしてくれた日は、良い日。 うっかり転寝していると、声をかけられない日もある。 残念ではあるけど、そんな日も 些細な気遣いを嬉しく思ってしまうのだから、 恋というのは、面白いよね。**] (39) 2023/02/11(Sat) 15:00:55 |
【人】 愛智 哲弥[ 彼は、幼馴染であると、 そう答えているらしいけれど、 直接、それを聞いたことはない。 事実であると知るのがきっと怖いからだ。 初めて芽吹いた感情の行き場を失うのが、 摘まなければいけないものと知るのが、 ―――― 怖いからだ。**] (51) 2023/02/11(Sat) 19:10:26 |
【人】 愛智 哲弥あぁ、そっかテストか…… [ 先生の耳にタコができるほど言われることに 確かに、と笑い返しながら、 悩むように、躊躇うように、 少しだけ視線を泳がせてから、] まだ、その先生の出題傾向とか…… そういうの分からなくて、 桧垣さんよければなんだけど [ そこまで言ってから、 彼氏がいるかもしれない子に、 こういう誘いをしてもいいのかと、 ほんの一瞬、迷って口ごもる。 それでも、確証もないし、 できれば、ちゃんと誘いたいと、 なんとか、自分を奮い立たせて] (60) 2023/02/11(Sat) 21:25:34 |
【人】 愛智 哲弥…… 時間が合えば、 放課後とか、昼休みとかで、 一緒に勉強……する? [ 勉強は、どちらかというとできる方。 現代文や日本史とかは苦手だけれど、 理科、化学、に数学あたりは得意だ。] あ、もちろん ほかに予定があるなら断っていいし、 友だちを呼びたいとかあったら、 言って……くれていいから…… [ 照れ隠しに、後ろ頭を掻いて、 ふふと、こそばゆそうに笑った。**] (61) 2023/02/11(Sat) 21:25:36 |
【人】 愛智 哲弥ふふ、そうなんだ? あ、でも俺も髪の毛洗ったっけ?って もう1回シャンプーしちゃうこともあるし [ ぼんやりしちゃうことはあるよね。と、 おばあちゃんになっちゃったと、笑う君に、 同意するように言葉を重ねた。 大事なものは、形にしておくこと そうしておこないと、人の記憶から、 思い出も存在も、容易く消えてしまうことを、 俺は、良く知っている。] (65) 2023/02/11(Sat) 23:13:24 |
【人】 愛智 哲弥俺も嬉しいな じゃあ、また都合のあう時あったら教えてね 学校でもいいし…… [ 連絡先交換する?と、 ドキドキとしながら、一つ提案をしつつ、 返事がどうであれ、約束を交わせたことに 表情には出ていなかったけれど、心を躍らせて。 君と過ごせる時間を思い描いて、微笑んだ。] (68) 2023/02/11(Sat) 23:13:54 |
【人】 愛智 哲弥おっと、そろそろ予冷が鳴るね 詳しい話は、またあとで [ 教室前方の時計を指させば、 ホームルームも時刻が迫っていることを告げる。 正直、もう少し話をしていたかった。 あと少し、ほんの少しでいい。 顔を合わせて、言葉を交わせたら、と思う。 でも、時間は有限で、時は勝手に止まってくれない。 だから、名残惜しそうにしながら、 それでも、またと言えることに密かに喜んで、 浮足立った気持ちを抑えるように座り直した。**] (69) 2023/02/11(Sat) 23:13:57 |
【人】 愛智 哲弥[ 君をいつか 幼馴染の彼のように やよい、と、名前で呼べる日が来たら そんな日が来たらいいと願いながら、 今日もひとつ、君の新しい一面を知れたことに じわりと胸の奥に 熱 を灯らせていた。**] (70) 2023/02/11(Sat) 23:17:12 |
【人】 愛智 哲弥― ある日の廊下 ― [ 大量のノートを抱えて、慎重な歩みで廊下を歩く。 たまたま職員室前で教師に出くわしてしまって、 『理科実験室に返却する課題ノートを運んで欲しい』 と、頼まれてしまった。 転校してきてからそれなりに経っているから、 場所は覚えているけれど、頼む相手として、 適当なんだろうかと思いながら、 頼まれたのだから仕方がないと、 目的の場所を目指す。 確か、あの角を曲がって、二つ目が…… ぼんやりとそんなことを考えながら 曲がり角に差し掛かったせいか。 近づく気配に気づけなくて、 慎重に歩いていたせいで もしかしたら、相手も気づいてなかったのか。] (89) 2023/02/12(Sun) 12:41:43 |
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