【人】 XIV『節制』 シトラ[ 薬草園から去りゆくクロさんの背が見えなくなってから わたしは再び、椅子に腰を下ろした。 誰しもにいつかは平等に訪れる死が 刻限までも平等に訪れるのなら、 世界の崩壊は、ある意味では 『平等』と言えるんだろうか。 そう考えるひとも、中には 居るのかもしれない。けれど、] ……アリアちゃんの作ったお薬で 命を救われてきたひとたちや、 まだ生まれて、間もなくて 何が悲しいのか、楽しいのかさえ まだわからない小さな子たちまで わたしに優しくしてくれたひとたちまで 崩壊に巻き込まれてしまうのは…… …………わたし、やっぱり 嫌だ。 [ 故郷に残した両親も、村のみんなだって今頃 必死で羊やアルパカたちを避難させているかもしれない。 決心を固めるように声にした。] (356) 2022/12/19(Mon) 17:14:18 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ 辛く感じることもあった。 いっそ死んでしまえたら楽なのかもしれないと 思った日が、ないではなかった。 けれど悲しむ人ごとみんないなくなればいいと 願うほど、この世界を恨んではいない。] お茶会で使った、可愛いティーセットも 美味しい紅茶の茶葉も、 テオブロマの材料も、野菜も、果物も この世界のどこかで誰かが、作って ここまで届けてくれたもので フォルスさんがプレゼントしてくれた ノートも、ペンだって きっとたくさんの誰かの手を介して わたしのところまで来てくれて…… [ フォルスさんがいつか贈ってくれたノートは>>0:692、 わたしのやってみたいことをひたすらに書き連ねた やりたいことリストノートになっていた。 文字を手習いするための紙も、 知識を得るため読んできた書物も この世界の誰かが生み出したもの。 外には、まだ知らない世界が無限に広がっている。 ] (357) 2022/12/19(Mon) 17:14:41 |
【人】 XIV『節制』 シトラ……直に関わり合いになることはなくても、 気付かないうちにお世話になったひとたちも この世界にはきっと、大勢いるんだと思うの [ お世話係のひとたちも含めて 洋館で一緒に暮らしてきた誰かが 悲しむ姿を、わたしは見たくない。] ……壊れてほしく、ない 神様には、そうお願いする。 アリアちゃんは……? [ 青と緑の瞳を、正面からまっすぐに見つめた。] (358) 2022/12/19(Mon) 17:14:56 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ アリアちゃんは憶えているだろうか。 まだぐしゃぐしゃの文字しか 満足に書けなかった頃の話だから、 彼女は忘れてしまったかもしれない。 「──わたし、文字が読めるようになって タナトスさんみたいな、 綺麗な文字が書けるように、なったら いつか 自分の瞳で 世界を見に行ってみたいな。 それでね、 あの、 その………… ……あ、アリアちゃんさえ 良ければ わたしと、一緒に 来てくれませんか……っ!」 そんな会話をした日も、あったこと。 ] (359) 2022/12/19(Mon) 17:15:09 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ 教祖になる気はない、の一言に わかってるよ、って ふっと口元を緩めて>>289 ] 当たらずとも遠からず…… ……良かったら、 詳しく聴かせてほしいな アリアちゃんの思うところ。 [ そうして彼女の声に、静かに耳を傾けはじめた。 たとえそれが日を跨ぐほど長い話になろうと、 わたしから話を遮ることはない ]* (360) 2022/12/19(Mon) 17:15:16 |
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。 (a77) 2022/12/19(Mon) 17:20:33 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ そこに居てくれたことにほっとした。 扉を開けてくれたことが嬉しかった。 昨日の最後は扉越しだったから、 顔を見たら泣きそうなくらい胸が苦しかった。 大きな目を瞬かせる>>344姿が、 まるきり猫の仕草で可愛くて愛しくなった。 …………駄目だな、と思った。 『恋人』の証持ちのくせに、 恋で死んでしまいそうな心持ちさえしている。 ] (361) 2022/12/19(Mon) 17:44:13 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ 一度は何もかもと諦めようとして、 それまでも何度も気持ちを誤魔化そうとしてきて、 そんな恋心に振り回されて ──そして振り回してしまって──今ここに立つ、 自分の滑稽さに呆れてしまうけれど。 でも仕方ない、これが私なんだから ] (362) 2022/12/19(Mon) 17:44:30 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ だというのに、 完璧を愛した彼に 何年も片想いを誤魔化してきた天邪鬼は、 そんな心をちらとも覗かせず。 挨拶みたいに告げた言葉に同意を返してくれたから 「ありがとう」と目を細めるだけ。 振られなくてよかった、 だなんていじらしいことを言うものだから、 「不安にさせてごめんね?」と 私だけの可愛い子の夜色をさらりとひと撫で。 ] (363) 2022/12/19(Mon) 17:44:49 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ どさくさに触れたことに満足していると、 その格好、と指摘されて、 一大決心を一瞬で忘れてしまっていたことに気付く。 無言で見られる間が気恥ずかしいやらなにやらで、 誤魔化すみたいに予定していた言葉>>304を ポツリと零せば、 言い淀みながら「似合ってる」>>347、なんて。 やっぱり駄目かな、アリアお化粧教えてくれるかな? 他の……勝手に遠ざけていた証持ちの彼女たちに お洒落について聞いてみても受け入れてくれるかな? なんて、世界が終わるかも知れない時に暢気な悩み ] (364) 2022/12/19(Mon) 17:45:13 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル16歳の最後の誕生日プレゼントなの。 あなたの色だったからどうしても捨てられなくて。 [ つい昨日まで“わたしたち”をやってきていたのに、 ドレスを持っている自分に言い訳するように 何となく出所を明かした。 ……やっぱりもう一回チャンスが欲しい。 次は悩む余地なく 綺麗 と言って貰いたいなんて 胸裡でそっと決意を固めて。 ] (365) 2022/12/19(Mon) 17:45:32 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ 案の定、 神様なんかより真っ先に答えを届けにきたことを、 容易に看破されて笑ってしまった。 駆け落ち、だなんて冗談には 心臓が跳ねて怯んでしまうけれど。 ] うん、行く。 一緒に行こう。 [ そう答え、先に手を差し伸べることは出来ただろうか ] (366) 2022/12/19(Mon) 17:45:48 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ それは昨日の二人の似姿で、>>1:298 もし私が彼にそうしていて、 この手を取られなかったらと考えるだけで 身も世もなく泣き伏してしまいそうだった。 傷付いたとしても、もう許してる。>>136 そう言ってくれたけど、 その優しさに甘えるだけの自分でいたくない。 だからこの手を握り返してくれるなら、 絶対に幸せにしてみせる。 まだ自分に何が出来るかはわからないけれど、 心の中で宣誓をするなら 神の前はさぞかし御誂え向きだと思った。 * ] (367) 2022/12/19(Mon) 17:46:40 |
Y『恋人』 クリスタベルは、メモを貼った。 (a78) 2022/12/19(Mon) 17:52:37 |
Y『恋人』 クリスタベルは、メモを貼った。 (a79) 2022/12/19(Mon) 17:55:33 |
]『運命の輪』 クロは、メモを貼った。 (a80) 2022/12/19(Mon) 18:25:04 |
XVU『星』 エトは、メモを貼った。 (a81) 2022/12/19(Mon) 18:52:30 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ[ユグは、あの日の『吊るされた男』ではない。 だから、迷っても、何も見えなくても。 もう、自暴自棄で命を絶つことは、ないだろう。 ここまで生きてきた。今更、惑わない。 ユグは、あの日の『吊るされた男』ではなく。 ユグは、昨日の盲目的な子供でもなく。 ひとつひとつ、変わっていっているから。 また少し違う未来を見つけたいと思っている。 そんな思いを込めて、あなたの手を取ったのだ>>243。] (372) 2022/12/19(Mon) 19:31:15 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ……それでも、世界が滅びるとなったら。 きっと悲しむ人がいるでしょうね。 [意見は様々、あったように思うが。 おおよそ、強く滅ぼしたいという意見は聞いていないから、ゼロに言ったような結果>>2:164になる気がしている。 それでも、過半数であったかは数えていないから―― 先生の傍、手を引きながら、少しだけ表情を曇らせた*] (373) 2022/12/19(Mon) 19:31:25 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ[最後までチェレスタの話を黙って聞いた後。 彼は深く大きなため息をついた。>>200 俯いて床ばかり見ているチェレスタにもそのことは聞こえる音で伝わった。 彼がどういう返事をするにせよ、しっかり相手のことを見ておかなければならないと思うのに、 顔をあげるタイミングをつかみ損ねている。 ため息が終わりそうなところとか彼が話し始めたところとか色々あったのに] ……かんちがい、してる? [何かを固いものに叩きつける――とまではいかない、乱暴に置くような音で、>>202 ようやく弾かれたように顔をあげる。 彼の分のカップはチェストの上。 中身がこぼれていやしないか……とちょっとばかり考えたが、すぐに状況に流されるようにして消えてしまう] (374) 2022/12/19(Mon) 19:47:42 |
【人】 XI『正義』 マドカ── 回想:7年前 ── [行き合った青年に示された通り、 扉の向こうには洗面台があり、 そこで口を濯いで、顔を洗って。 見上げたところに鏡があった。 見慣れた顔であるはずなのに、 真っ白な顔には見覚えがない。 妙な錯覚を覚えて、つい、鏡面を指先でなぞる。] “ お前は誰だ? ” [問うたのは、僕か、鏡像か。 頭の中が、グラグラする。 と、入ってきた扉が音を立てて開いた。] (375) 2022/12/19(Mon) 19:56:31 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ[絡まり合った糸の結び目を丁寧に解いていくかのように、 彼は言葉を並べていく。>>204 彼がチェレスタをどう思っているか。 彼の選択の根にチェレスタは関係しないこと。 どうしたら悲しい思いをするのか分からないこと。 前提からこじれていた……という事実に、 思わず表情が歪むものの、それ以上様子が変わることはなかった] ……わかりやすい話だね。 [と、先程の彼の言葉>>199をなぞるようなことを呟きもした。 彼の言葉をチェレスタの速度でかみしめつつ。 胸が締め付けられるような感覚があった。 これは……私がちゃんと彼のことを私なりに思えている証左だ。 悲しみに慣れてしまった人のこころには、 悲しみをうたった歌が響かない。これは経験則。 もし彼もそうだったら――と考えてしまった結果] (376) 2022/12/19(Mon) 19:57:09 |
【人】 XI『正義』 マドカ………え……っと…? [洋館に来たばかりの僕には、 その相手が誰なのかまだよくわからなかった。 勢いに負けて、手に押し付けられたそれを、 反射的に握りしめる。>>245 それが、初対面。 彼は何かの折に、 僕を構ってくれるようになった。 折り紙は、僕の方が上手だった。 君が島風の衣装を着て見せた時は、 少し首を傾げてしまったけれど、 君が来た衣装は割合大きな島の文化だったから、 僕にもそうと知れた。 だから、まぁ、少なからず好意はあったのだ。 ────“それ”を知るまでは。] (377) 2022/12/19(Mon) 19:58:00 |
【人】 XI『正義』 マドカ[君の生い立ちを知った時、 僕は洋館に来て初めて狂気を見せた。>>247 僕はどうしても、『僕』に刻まれた宿命から 逃れることができない。 やっぱり僕の預かり知らないことだけど、 『正義』の証を持って生まれる子どもは、 みんな“そう”だった。 そうやって『正義』の魂は、 円環から抜け出すこともできずにずっと、 生まれ変わるたびに、もがいている。 『べき』『べき』『べき』…… 人間らしい心を何一つ赦さずに。] (378) 2022/12/19(Mon) 19:58:22 |
【人】 XI『正義』 マドカ[その日から僕は、 君と少しずつ距離を置き始めた。 いつでも笑い続けている君の心の内など知らない。 感情を否定してきた僕に、 分かるはずもなかった。 君が『不幸』を否定する度、 僕の中の『正義』が揺らぐ。 だってそれを認めたら、僕は…… *]『証持ち』を迫害することを許す世界を、 僕から故郷を奪った世界を、 ……『正義』として生まれた僕を。 何もかも否定し、呪わなければならなくなる。 (379) 2022/12/19(Mon) 19:58:45 |
【人】 XI『正義』 マドカ── 売店:フォルス── [君にそんなつもりはなかったかも知れない。 けれど僕には、 『逃げんじゃねぇよ、クソ餓鬼』 という副音声付きで聞こえた。>>267 突然に眉間を殴られたような気分で、 反射的に身構える。 心臓が、冷たくて、痛い。 そこに刺し傷なんて、ありはしないのに。 椅子を蹴って立っても良かった。 むしろそうすべきだった。 けれど僕の中の『 』が、僕の尻を 椅子に縫いつけたままにする。 喉がカラカラで、手にしたカップには、 液体はほとんど残っていなかった。] (380) 2022/12/19(Mon) 19:59:14 |
【人】 XI『正義』 マドカそれがわかったら苦労していない。 [言葉を遮るようにしてこぼれ落ちたのは、 思いの外低くて大きな声だった。 僕にとっては幸いなことに、 結果として君は、最後の一言を言い損なった。 その一言を聞いていたら僕はうっかりすると、 世界の滅亡を見る前に 舌を噛み切ってしまったかも知れない。 ……もしかしたらその方が幸せかも知れないが。 ぴん、と空気が張り詰める。] (381) 2022/12/19(Mon) 19:59:30 |
【人】 XI『正義』 マドカ[世界が広くなればなるほど、 人の数が増えれば増えるほど。 秩序を保つのは難しくなる。 たった22人が存在していただけの箱庭で、 神の生み出した愛子たちですら、 保つことができなかったそれを。 一体どうしたら、 この広い世界でたった一人の人の子が 保つことできると言うのか。 それは土台無理なことなのだと、 まだ幼い少年の頃、誰かに諭されていれば。 あるいはもしかしたら、 『正義』の呪縛から 逃れることもできたのかも知れない。 ……今となっては、もう無理だ。 この信念に従ってきた時間が、長すぎる。] (382) 2022/12/19(Mon) 19:59:49 |
【人】 XI『正義』 マドカたとえば…… その偏りは。 僕が、僕なりの基準で判断して、 僕にとっての平等を目指している。 そうだよ、全部僕のための平等だ。 僕が“ 生きる ”のに必要な平等だ! [言い切ると同時、 自分の表情が歪むのが分かる。 涙は出なかった。 自分の吐いた言葉が、既に痛くて仕方のない 自身の心臓に突き刺さる。 『正義』の証は、命に優しくない。 僕が平等と認められない世界では、 息をすることすらままならない。 不平等が視界に映る度、 身体中をムカデが這うような不快感が襲うのだ。 背中の火傷痕だけじゃない。 僕の身体には至る所、自身の爪で付けた 何かを引き剥がそうとしたかのような痕がある。] (383) 2022/12/19(Mon) 20:00:32 |
【人】 XI『正義』 マドカ[君は侮蔑の表情でも浮かべるんだろうか。 いつかみたいに、 冷たい言葉で突き刺すんだろうか。 僕だって、こんな吐露をするつもりはなかった。 暴いたのは君だ、なんて、 太々しく責任転嫁してやる。 僕は君の視線を正面から受け止めようと、 睨みつけた。 『正義』の証は、事あるごとに、 その所有者すらも裁きの対象とする。 僕自身が、その理不尽な『平等』観に 幾度殺されそうになっていることか…… 『平等』の行き着くところは究極、 『皆殺し』 だから……だから多分、僕は、 この世界の中で、 僕だけ は、経典の『正義』が何を恐れたのか、 わかってしまうし、 分かってあげなくてはいけない……と思う。 君は知らない。 知らなくて良い。 『僕』は『君』にだけは、赦されてはいけない。 **] (384) 2022/12/19(Mon) 20:01:13 |
XII『吊された男』 ユグは、メモを貼った。 (a82) 2022/12/19(Mon) 20:01:28 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ[チェレスタは聞こえてきた言葉通りにした。 見る。>>205 ほんの皿一つ分近付いた指先を。 分かりやすすぎるくらいに震えている。 それでも彼の方から近付いてくれたのだ。 望まれるなら消えてもいいと告げたチェレスタに、 そんなことは望まないと返す言葉を聞いて。 彼が手をカップに押し付けてるまでを見る。>>207 動けないでいた。 私は指先を温める役にはなれそうもない。 気を抜いたらへたり込んでしまいそうで、 足を床に縫い付けるのに必死だった。 永遠に続くかと思われた硬直状態から僅かながら脱して、 言葉を伝えようと口を開く] (385) 2022/12/19(Mon) 20:02:11 |
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