人狼物語 三日月国


43 【完全RP】音の鳴る瞬間の相手は【R15】

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視点:


【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―昨夜・宿のロビーにて―



[ 去り際に。
  煙草を吸うならいい場所があるよと
  楽器工房の彼女が耳打ちしてくれる。>>172

  どこかと聞くと、それは
  自分がこの国に来たときに
  居心地の悪さから設営中のコンペ会場から逃げて
  油を売っていた場所だった。>>0:3


  あの場所で彼女も一服していたのか。
  想像したその姿が様になっていて、
  くっくっと笑った。 ]
(195) 2020/09/26(Sat) 12:19:07

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 悟った真実、その底は昏く深く。
  胸中に渦巻く靄が消えたわけでは無い。
  
  しかし、]


  『いいよ。
   コンペ見に行く。』>>172


[ 昨日から変わらない、外連味のない口調で
  そう言う彼女に。


  
(…いい音を届けないとな。)



  思い浮かんだのは、そんな、
  先程まで見失いかけていた感情。
  しかし奏者としてずっと持ち続けていた
  あたりまえの感情だった。 ]
(196) 2020/09/26(Sat) 12:19:56

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―夕刻・コンペ会場―



[ ――そして今。
  本日の戦場―舞踏用大ホールの前に立っている。


  ヨハン、ディミトリエ、
  ノード、ニルソン、ダンテ。

  地獄みたいだった山奥の寒村を抜け出して、
  その先で出会えた5人の仲間と、
  己の
武器
を携えて。

  
  会場アナウンスが、『30分間の休憩』
  を告げる。>>166


  仕組まれた命運を打ち破るように。
  関係者用の搬入口から
  ホールという名の戦場に、
  6人並んで踏み込んでゆく。

   
――さあ、舞台転換の開始だ。
 ]*
(197) 2020/09/26(Sat) 12:25:23
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a50) 2020/09/26(Sat) 12:31:14

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―コンペ会場・通路―



[審査員用の控え室と、>>202
 ホールを結ぶ通路。

 舞台袖に向かう途中、
 目立つ紫のドレスを纏った婦人
  ―この表現は独身の彼女には適切では
  ないのだが、そうとは知らず―
 とすれ違った。

 その銀色の腕章の意味が分かった
 ディミトリエだけが、彼女に会釈をする。 ]
(206) 2020/09/26(Sat) 14:22:47

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[エリクソンは何も知らず、
 その女性を一瞥したのみ。

 彼女が新旧国籍一切不問の
 無類に音楽を愛する『大変人』で、>>1:8
 異国から来た自分らのことを
 ずっと気に掛けてくれていたことも、>>202

 いつの日かリジィに音盤を与え、>>0:54
 間接的に招聘の一要因になっていたことも、

 そして、昨日からずっと中心でコンペを動かし、
 厳しい指摘を与えながらも、
 つねに新たな才能を見逃さなかった、
 幾つになっても輝きを失わぬ目も。


 互いのことは、最後まで知らぬまま。
 彼女は審査員席へ。
 6人は舞台袖に繋がる通路へ。


 思惑は交差しながらも
 両者は同じ目的地に向かい、歩き去って行った。 ]*
(207) 2020/09/26(Sat) 14:23:49

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―コンペ会場・舞台―



[裏方を示す腕章を付けた会場スタッフと共に、
 会場入り直前まで打ち合わせした通りに
 機材を配置してゆく。]


 今回、音楽祭に臨むにあたっては
 一つの懸念があった>>1:11

 自分らの武器の一つにノードの電子洋琴による
 シンフォニックなサウンドがある。
 しかし、今回の審査員は、
 平台やその他弦管楽器の、プロ集団。

 電子楽器は、どんなに性能のいいもの
 ―オリジナルの楽器の再現性が高いもの―でも
 微妙なニュアンスの付け方や響かせ方、
 あらゆる面において
 生の楽器には勝てない。

 他の奏者達とも比較され
 減点されること間違いなしだろう。 ]
(208) 2020/09/26(Sat) 14:28:59

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ゆえに、
 今回はウワモノにシンフォニック要素がなく
 逆に電子楽器ならではの音を、
 リズムセクションに置いた楽曲を
 主軸に採用することになった。


 リズムセクションとの同期には
 やや面倒な、別の機材がいる。

 事前に打ち込まれた、
 64チャンネルで構成された楽曲情報。
 その中で、拍だけを鳴らした1チャンネルのみを
 無線で飛ばし、
 メンバー全員が耳に装着している
 小型の再生装置に送られる。

 これで全員がずれることなく
 自動演奏と同期して演奏が出来るという寸法だ。


 また、これだけ規模の大きい会場、
 しかも電子楽器で大音量を奏でるとなると、
 舞台の両端同士、
 また床や壁に音が反響し、
 自分らに跳ね返ってくる音に遅延が生じる。

 無線再生装置には、
 それを遮断する効果もあった。 ]
(209) 2020/09/26(Sat) 14:29:27

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[舞台が室内ということで
 ある特定の音と、会場のどこかの壁が
 変に共振を起こすことがないかは
 一番の気がかりだったが、

 流石はコンセールカリヨン随一の舞踏用ホール、
 そんなことは一切無かった。


 遠目には…あれは二階席だろうか?
 先ほどすれ違った紫ドレスの婦人が
 座っている一角がある。>>0
 

 ばっちりだ。
 音響装置の配置は、
 ちょうど、彼ら審査員の位置で収束するように
 計算されていた。
 
 (なるほど、彼女も審査員か)


 先ほどすれ違った彼女の
 凜とした表情を思い出す。

 今は表情はおろか姿もぼんやりとしか見えない
 その座席を見据え。

 どんな評価でも受けてやろう。
 そう心を決めた。]
(210) 2020/09/26(Sat) 14:43:09

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 日はとうに西へ落ち
  沢山の小さな連れとともに会場に入る者、
  失意とともに会場を去る者、
  馬車で会場に向かう者。

  会場におらずとも、
  どこか他の場所で、流れる音に耳を澄ます者。


  人によって多少はあれど、 
  たった二日間のコンペの中でも、
  音楽によって喜び、憂い。
  様々な感情が生まれただろうか。
 
  そのコンペも、間もなく終わりを
  迎えようとしている。 ]*
(211) 2020/09/26(Sat) 15:00:09

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 昨日ちらと見かけた、派手髪の若者が、>>1:300
  少年のように頬を紅潮させて此方を見ている。


  その対岸にいるのは、あの男。>>1:301
  憎々しげな表情で舞台を睨め据えている。


   ――もう、逃げることはしない。
      お前みたいな視線は慣れている。
 

  こともなげに視線を外し、
  派手髪の若者に目を戻すと、
  彼はこちらをずっと見ていたのか
  計ったように笑みを向けて、
  音盤らしきものをこちらに振って見せた。]
  
(212) 2020/09/26(Sat) 15:11:27

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 最終調整が終わり、
  ダンテが裏方に向かって合図する。


  場内の照明がフッ…と消えた。

  それまで明るく照らし出されていた
  赤と金を基調とした内観も、>>1
  中央の豪華なシャンデリアも、>>0

  闇に隠され、もう見えない。 


  
――『辺りが闇に沈む頃。』



  日陰者の俺が、
  日の当たる者達にとって代わることのできる
  唯一の瞬間。
 

 
――ようこそ。俺らの舞台へ。
 ]*
(213) 2020/09/26(Sat) 15:13:37
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a53) 2020/09/26(Sat) 15:15:08

鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a54) 2020/09/26(Sat) 15:20:11

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―舞踏用大ホール・舞台上―



[ 暗幕の張り巡らされた会場。>>213
  ホールが闇に包まれると、
  千人規模の観客は
  潮が引いたように静まりかえった。 

  キリキリとした耳鳴りがしてきそうな
  その静寂を破るように…曲が始まった。  ]
(230) 2020/09/26(Sat) 20:31:08

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 精緻に計算された不協和音とともに
  開始する#1。

  枯れた音。沈み込む重圧感。
  その上に重ねられる、
  這い出るような低いグロウル。


  曲全体に通底する仄暗さの間にはしかし、

  電子ではない"生の"六弦による
  とろけるようなアルペジオが差し挟まれ、
  そこが哀愁漂う叙情性を付加している。

    …まるで、寒く霧深い、
    針葉樹林の森のように。
       

哀愁漂う情景を想起させるとの
評価を受けており、
俺の原体験を色濃く残しているのは明白
6人組といえばこの楽曲、と言われる
キラーチューンは、
それなくしては生まれなかったものだろう


]*
(231) 2020/09/26(Sat) 20:31:26

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ メランコリーと耽美の狭間を行き交う#1が
  終わるやいなや、

  エレクトロニックな打ち込み音が
  会場を包み、
  そのまま、先程とは打って変わって
  "激しさ"を全面に押した#2へ。


  序盤の打ち込み音は、それ以降も
  拍を刻むように続き
  曲の躍動感をさらに加速させている。


  食い気味のリズムは、
  クライマックスで唐突に
  落ち着いたと思いきや、

  その上に、トレブルの効いた
  強靱なファルセットが重なった。


主歌唱のダンテの声遣いが両極端
な楽曲が、二曲連続で並ぶ。
かなり負担を掛けたが
完璧に歌いこなしてくれた。


]*
(232) 2020/09/26(Sat) 20:31:42

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 前2曲とはまた趣を異にする、
  短調で激しさはありつつも、
  どこか前向きさを感じさせる#3。
  
  ツインの電子六弦がメロディー部を担い
  絡み合いながらハーモニーを作り、

  楽器演奏者も副歌唱者として全員参加、
  合いの手とハーモニーを添え
  歌唱に厚みを与えている。


作曲はディミトリエ。
俺の作った他の曲に比べてポップに聞こえ
好きになれなかったが、
コンセールカリヨン出身の、
品のいい彼らしい曲だ。


]*
(233) 2020/09/26(Sat) 20:32:04

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 最後の#4。
 
  これは、今までと一変した雰囲気を持つ。
  昨日、一晩で仕上げた
  エリクソンの新曲。

  六弦のフィードバックと
  怒濤のスネアロールで始まるこの曲は
  低い調弦も激しい音像も
  変わらないが、どこか涼しげなドライさを
  感じさせる音像。
  

歌詞は、抑圧された少年が
電子六弦を手にして
決意を固めるというもの。
壊れゆく世界の中で、
信じるものはただ自分のみという
悟りを開いている



  最後には葛藤と決意に満ちた
  歌い上げるような歌唱で以て、
  曲は終わる。 ]
(234) 2020/09/26(Sat) 20:32:29

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 鬱々とした『陰』から始まり、
  その正体を知り、
  飲み込みながら、
  "その先"を見据える『陽』への進化。


  この二日間、この国で過ごした
  自分自身の変化を表すような
  セットリストと共に。
  

  
――全ての演奏が、終わった。

]*
(235) 2020/09/26(Sat) 20:33:45
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a56) 2020/09/26(Sat) 20:37:32

鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a62) 2020/09/26(Sat) 22:56:36

 




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