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![]() | 【墓】 瑞野 那岐[好きかと問われて、また弱く首を揺らす。 首を振る度に、水滴がいくつも湯に落ちて波紋を作り、 頬だけでなく、背中が染まるぐらい羞恥に熟れて。 やだ、と思うのにその声に煽られるみたいに、 きゅん、と中は悦ぶみたいにひくついた。] ……ひ、ぅッ……、…ぁッ、…ァッ、 こんなの、しらな、 いッ……ぁッ、やッ…… ……はっ、ぁッ、……も、だめッ……、ッ… [中を執拗に何度も突付かれて、 彼の手が痛みを与えるくらいに、赤い尖りを弄る。 胸と、後ろと、声が弱い耳を擽って。 ぶるっ、と身体が大きく撓る。 好きな声に、愛してる、と囁かれたら、] ……アッ、……ッ、ぅ ……キちゃ……ッ [声にならない音が、跳ねる。] (+125) 2023/04/01(Sat) 15:13:36 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[ガク、と岩場についていた手が滑って、 へたりと頬を冷たい岩場に押し付ける。 汗だけじゃない、涙も、飲み下せなかった唾液も、 口端から滴らせただらしない姿態を見せながら、まだ。 達し続けている身体が、ぴく、ぴくと震えている。] ……ぁ、ぅッ……、 [もう何度もイってるのに、 擡げたままの熱はまだ身体の中で渦巻いたまま。 お腹の下が苦しくて、つらい。] (+126) 2023/04/01(Sat) 15:15:07 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[ぼろぼろと大粒の涙を零しながら、 背中に落とされる朱への、弱い刺激にすら、 小さく身体を震わせる程、肌が敏感になっている。 そんな姿態が彼の眼に映っていることも、 脳裏に過る余裕も、今はないまま。 岩肌に懐くように身体を寄りかからせて、 彼に背を向けたまま、肩で何度も、呼吸をしていた。*] (+127) 2023/04/01(Sat) 15:15:47 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[いやも、だめも、受け入れてもらえずに。 堕ちよう誘われて、また内股がひくんと痙攣を起こして。 ふる、とまた弱く首を振っても叶わない。 煽り立てる声に震えて、身体を揺すられて、 限界なんてもうとっくにきてるのに、 それ以上を求めるように、腰をきつく抱かれて、 逃さないと言わんばかりに、奥を抉られて。 岩につく腕も、かたかたと震え。 中で膨らみ、彼が熱を吐き出す頃には、 喉をつく声も掠れて、ただただ揺さぶられていた。] (+132) 2023/04/01(Sat) 23:20:01 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[彼が中で果てたことも、理解しているものの。 声をかけることも出来ずに。 収まりきらず、言うことを効かない身体に、 翻弄されて、止まらない涙を流し続けて。] ……は、っ、……は、……ぁ、ッ…… [只管、呼吸を繰り返す生き物のようになっていた。 滴るもの全てを制限できないみたいに、 呆けて、震え続ける身体には何もかもがつらくて。 気遣うように引き抜かれていく行為すら、 酷く中を通じて、身体に痺れが走るみたいにじんじんする。] ぅあッ……、ぁ、ぁッ …… ふ、 ンッ……[もう出ないと思っていた声も、溢れ。 つらい、と訴えるように、首を揺らすのに。] (+133) 2023/04/01(Sat) 23:20:32 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[くたりと力の入らなくなった身体を、 彼の腕に支えられて、少し安堵したのも束の間。 腫れあがった孔をついて、指が突き入れられて。] ッ ア ! やっ ……まだ、 イってる、からッ……ん、ンッ、……ぅッ、……ぁ、 ひ んッ……[高める為ではないのだとしても、その行為がつらい。 長い指が、中を引っ掻くように蠢いて、 入り口まで引き抜かれたら、また差し込まれて。 ゆっくりと、言われても。 尚更その緩慢さが、指の動きが伝わってしまって。 腰が、びくびくと踊るように跳ねて、唇を噛む。] (+134) 2023/04/01(Sat) 23:20:56 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[処理を彼に任せた後、彼の手を借りて。 よろつきながら、岩肌の縁に腰を掛ける。] ……ン、 [辛うじて返事をできるぐらいの意識はあったけれど、 まだぼうっとするような心地が残ったまま。 ……だから、抵抗することも忘れていた。 達したはずなのに熱を持ったそこに彼の顔が近づいて、 大きな口で先端に吸い付き、飲み込まれたら。] ぁッ、 は、ぅッ……、 ……も、……だめ、って……、言ッ……ぅンッ、 [温かい口内に包まれて、先端が喉奥に締め付けられたら、 少し落ち着いていた熱が、 すぐに兆しを見せ、彼の口内で膨らんでいく。] (+135) 2023/04/01(Sat) 23:21:54 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[くったりと身体を岩場に預けて掻き出される時間は、 実際にはそんなに長いものではなかったのかもしれない。 それでも敏感になってしまった身体には、 とても長い時間のように思えていた。 様子を伺うような声は、半分うつろに曖昧で、 半ばがくがくと震えるように、浅い頷きを返して。 堪える。 震え上がる身体を戒めるように、 岩場に爪を立てるように、力んで。 涙で濡らした頬を、冷たい岩場に押し付けて。 ようやく抜かれていった指が無くなった頃には、 縋る腕も弱く、膝も落ちてしまいそうだったけれど。] (+141) 2023/04/02(Sun) 12:38:52 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[彼が悪いわけではないことは分かっている。 ただ快楽に墜ちていくのがこわかっただけ。 何も知らない場所に沈むには、最初、 どんな一歩も恐れてしまうものだから。 悪くないと分かっているのに、 いや、も、だめ、も口をついてしまうのは許してほしい。 そう口にしていないと、自我が壊れそうで。 もっと、違う言葉を口にしてしまいそうで。 少し、落ち着いた身体を浴槽から溢れた湯で濡らした、 岩肌に落ち着けて、責めていいという声に。 否定するように首を振る。 責めたいわけじゃないから、 そんなことは言わないでほしい。] (+142) 2023/04/02(Sun) 12:39:40 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[それでも、口に含まれたら、また。 だめ、と言ってしまうのだけど。 柔らかい口腔に含まれて、腰が抜けそうになる。 思わず、背を丸めて、くしゃりと彼の髪を乱して。] ……ッ、ぁ、 ……は、ぅッ…… [躊躇いもなく口に含まれて、追い立てるように 上下に揺らされたら、まるで身体の中に入っているような 錯覚すら覚えて、くらくらする。] ンッ、ぅ…… ら 、めッ ……ぁッ、ぁッ、[呂律の回らなくなった口をなんとか、回して。 何度も、弱く首を振っても、彼の口が追い立てて。] (+143) 2023/04/02(Sun) 12:40:29 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[眼を細めて、出して、なんていうから。 ぶる、とまた快楽の波が押し寄せてくる。 ぼろ、とまた大きな粒が目尻から零れて。 つらいのではなく、感じ入って出てくる生理的な涙。 片手は髪を掻き混ぜながら、もう片方の手で。 再び自身の口元に手の甲を押し付ける。] は、ぅ……っン、んぅっ……、ぁ、 [腰元から這い上がってくる何かを堪えようと、 しても。促すみたいに喉で締め付けられ、 舌で溢れ出す汁を絡め取られていく。] (+144) 2023/04/02(Sun) 12:40:50 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[髪を撫でていた手を取られて、重ねられ。 あやすように、握り込まれ。 こわくないと、伝えるみたいに強く訴えられたなら。] ……アッ、 ……クるッ……ぅ…ッ、 だ、 め、 くち……、はなして、ッ …… ……ゃッ、 も、 でちゃ、……ッ [中に吐き出してしまうから、と。 首を振り揺らしたまま、手の甲を薄く噛んで。 堪らえようとするのに、喉奥が絞るみたいに、 窄まれば、堪えきれるはずもなく。] (+145) 2023/04/02(Sun) 12:41:37 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[零れた涙が彼に落ちて、濡らしても。 気づくことができないくらい余韻が酷くて、 射精後の脱力感が一気に襲ってくる。 彼が口から溢れさせたそれも、 視界の端に留めてはいたけれど。] ……飲、……っ、 …… [溢れたものまで、指で掬い上げ口に含むのは、 少し、いやかなり恥ずかしかった。 何度その光景を見ていたとしても。 ただ、上がった息を肩で呼吸しているぐらい、 口を挟める程の余裕もなかったから。 小さく呻くだけになってしまって、 その反抗は、彼には通じないだろう。] (+153) 2023/04/02(Sun) 18:31:00 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[いくら湯に浸かっていたとしても、 濡れた肌を長い時間、夜風に晒していれば寒気も伴う。 自分も彼も吐き出したものを手で掻き出したとはいえ、 すぐにまた浸かるのはさすがに抵抗があったけど。 冷えた空気には抗えずに、少しだけ身を浸した。 肩口まで温もれば、外の温度に合わせて、 少し高めに設定されたお湯が心地いい。 温もってから身体を二度目の身体を洗い流して、 丁寧に彼が指で掻き出した場所は、 少しだけ、シャワーで洗い流していれば、 彼からもまた、手伝う声が上がったかもしれない。 少しだけ、また触れ合って。じゃれあって。 逆上せてしまう前に身体を冷ます。 彼に逆上せた頭と表情だけは、残ったまま。 ] (+154) 2023/04/02(Sun) 18:35:09 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[身体を気遣うように差し伸べてくれた手は、 気怠さを残した身体には、ありがたかったけれど。 足元が濡れた場所で寄りかかるには、気になってしまって。 やんわりと首を振って申し出を断った。 甘い雰囲気を壊したかった訳じゃないけれど、 二人して滑ってしまったら、元も子もないので。 手だけを借りて、脱衣所まで戻り、 水気を取り払った後、宿の据え置きの浴衣に身を包んで。] (+155) 2023/04/02(Sun) 18:35:28 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐…………けいと、さん [つんと彼の浴衣の袖を引っ張ってから、 ン、と甘えるように両手を伸ばしたら、 さっきの誘いのお返しだと気づいてもらえるだろうか。 ドライヤーは部屋にも持ち運べるはず。 髪はまだしっとりと濡れたままだけど、 後で、彼に乾かしてもらうとして。 今は、先程断った彼の腕の中に甘えるように身を寄せた。*] (+156) 2023/04/02(Sun) 18:35:56 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[袖を引いて、少し高い位置にある彼を覗いて、 笑みを深くされて、腕の中に閉じ込められたら、 肩口に、ぽてんと頭を寄せて甘えた。 両腕に抱き込まれる大きさを覚えてしまったなら、 もう、抜け出せない。忘れられない。 着慣れていない浴衣は少し生地が薄く、 風呂上がりの温もった温度を伝えている。 其処に居ることを確かめるようにゆっくり瞬いてから。 名残惜しそうに、身体を離して。 膝裏に差し込まれた腕に身を預けて、 首裏に両腕を回せば、慣れた様子で運ばれていく。 ……なんだか、出会った時よりも、 運び方が慣れてきたような、不安がないような。 彼がもし知らぬところでそれを意識していたとしても、 まだ、それは知ることのない、話。] (+162) 2023/04/02(Sun) 21:50:28 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[窓際の座椅子に降ろされて、はふ、と。 風呂上がりの開放感にほっとした息をついて。 どちらが甘えているのかは分からずとも、 互いに触れ合い、離れがたいのは事実。 傍に居たい理由を付けて、隣を望む。 そういう時間が、付き合い始めた頃は、 もう少し、たどだどしかったように感じるから。 その頃に比べたら、甘え方は上手くなったと、思う。 少し、腰は重かったか。気怠さが纏わりついていて。 出されたままだった茶碗を取り、水分を補給して、 すっかり乾いていた喉を潤した。 姿を一度消した彼が、ドライヤーを手に戻るのに 気づいたら、座椅子に座り直して。 頭を垂らして、乾かしてもらっただろうか。 温風が心地よくて、無言になれば。 うつらうつらと眠気が襲ってきて、かくりと船を漕いで。] (+163) 2023/04/02(Sun) 21:50:40 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[いつの間にか、ドライヤーが終わっていた。 一瞬手放した意識が、戻ってきて。 傍らで聞こえるドライヤーの音に、ごし、と瞼を擦る。] 変わる。 [と、申し出て、受け入れられれば。 動けない分、座椅子の前に俯いてもらって、 温風を当てて乾かしていっただろうか。 濡れていた髪をぱさぱさと揺らせば、水気が抜けていく。 正面から乾かしている分、視線が合いやすく、 手持ち無沙汰にした彼と目が合えば、微笑んで。 もう少し、と口パクで伝えて。 長い髪を、後ろに流して、乾かしていく。] (+164) 2023/04/02(Sun) 21:50:52 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[大きかった一房が、さらりと流れるようになれば。 温風を切って、見上げ。 いつもの表情が覗いたら。] うん、格好いい。 [……と、満足気に仕上がりに頷いただろう。] (+165) 2023/04/02(Sun) 21:51:09 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[そんな穏やかな時間を過ごして、どちらともなく。 布団に入り込んだ。 二つ並んだ布団を、隙間なくくっつけて。 枕を隣り合わせ直して、床に入り。 待っていたように伸ばされた腕に、身じろぎ。 腕の中に身を収めると、閉じ込められる。 睡魔が訪れるのは思いの外、早く。 数度背中を叩かれるだけで、うと、と瞼が落ち始め。 ぬくもりに包まれながら、船は眠りへと旅立っていく。] (+166) 2023/04/02(Sun) 21:51:32 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[疲れ果てた身体は、睡眠を求めていたのか、 朝まで目覚める気配もないまま、ぐっすりと眠っていた。 瞼の向こうが少し、明るくなったような気がするけれど、 瞼はまだくっついていたいと、言うから。 逆らえないまま、言うことを聞いていた。 ただ、眠る前にあった温もりが、無いような気がして。 少しだけ、重い瞼を持ち上げて、姿を探し。 その背中を見つけたら、もぞ、と身動いで。] …………んぅ、……、 [ぬくもりを求めるように、 ぴと、と両手と額を彼の背中に擦り寄せた。 夏が近づいているとは言え、まだ朝は春眠暁を覚えない。 要するに、もう少し寝ていたい。] (+167) 2023/04/02(Sun) 21:52:38 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[無くしたものが確かに埋められて、 とろ、とまた瞼が落ちてくる。微睡みに落ちるのは早い。 寝乱れて浴衣が肩から少し下がり落ちている分、 ぬくもりと求めてしまうのは仕方がない。 腿まで覗いている脚も、 冷えた足先を温めるように、足首をすり、と絡めて。*] (+168) 2023/04/02(Sun) 21:53:14 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[ぬくもりを求めるみたいに擦り寄った時、 彼が起きているのかどうかは、確かめていなかった。 眠っていたなら問題なかったし、 起きていたら、もう少しと布団の中を長引かせたかも。 だから、降り掛かる声には、] ……んー…… 、 [ぐずるように返事とも否定ともつかない反応を返して、 身体はより、近づけるように額を擦りとぶつけて。 絡めた脚を、もぞ、と動かして。 脚に挟んでもらって、ぬくもりを求め。 もう少し、うとうとと船を漕いでいて。] (+174) 2023/04/02(Sun) 23:36:00 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[誘いの声に、ン、と寝ぼけたまま頷いて。 眠ったときと同じように向き合う形になれば、 もぞもぞと、胸の内に身体を落ち着けた。 包まれる温かさが好ましい。 身じろげば尚更、浴衣がずれて肩を露出して。 腰元には帯が纏わりついている程度。 邪魔な裾は後ろに残した分、 顕になった腿でぴとりと片脚を挟み込んで、 抱き枕のようにすれば。 瞼を下ろしたまま、夢見心地にふにゃりと、笑んで。 抱き込まれた安心感に満足して、 くぅ、とまた眠りに誘われていく。] (+175) 2023/04/02(Sun) 23:36:17 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[揺蕩うようにゆらゆらと、眠気に誘われるまま。 しばらくの間、寝息を立てていた。 もぞりと、動く手は抱き直すものだろう。 その手が、悪戯に動くのに気づかないでいたら。] ……ン、 [鼻から抜けるような甘い声が溢れる。 一度だけじゃなくて、数度。 胸元がすぅすぅして、くすぐったくて。 顕になった腿の間に彼の太腿が割り入れられて、 朝の兆しを見せていたものを、下から押し上げられて、 吐息混じりのあえかな声が、喉を突く。] (+176) 2023/04/02(Sun) 23:36:52 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[約束していた朝風呂は、予定していたよりも、 少し短く、慌ただしいものになったかもしれない。 寝乱れた布団を仲居さんに直してもらうのは、 とても居た堪れなくて。 対応は彼に任せてしまって、少し長めに湯に浸かり、 脱衣所でそのやりとりを聞いていた。 何食わぬ顔で対応しているその人。 朝から悪戯を仕掛けてくるような人です。 仕事慣れから来ているのか、そもそもの性格なのか。 今はその対応に助けられながら。 彼女たちが部屋を後にしたタイミングで、 ようやく脱衣所の扉を開けて、 様変わりした部屋の眺め、タオルで口元を抑えながら。] ……上がりました、 [湯気を立ち上らせつつ、彼の向かい側に 腰を下ろして、朝食を共にする。 いつもとは、少し、――――違う朝。*] (+177) 2023/04/02(Sun) 23:38:21 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[共犯と呼ぶにはすっかり熱を上げられて、 緩やかな高まりが収まらなくなっていたのは、 すっかり彼の手によって、作り変えられて 甘く柔らかくなってしまった身体のせい。 おはよう、なんて平然と挨拶を交わしていても、 手は布を押し上げる下肢に伸びていて、 そっと握り込まれたら、息を詰めて、 ぴくんと跳ねるみたいに、腰が疼いてしまった。 かろうじて返せた言葉は、悪態一つ。 腰がぶつかって彼も兆しているのが分かったら、 小さく唸りながらも、降りてくる唇を受け入れて、] ……ぅ、 ンッ、 …… [とろ、と眠気よりも彼に溶かされるように、 瞼が降りていく。瞼の裏に浮かぶのは、彼の姿。 その後は、もう、――――言うまでもないだろう。] (+182) 2023/04/03(Mon) 2:11:26 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[仲居さんたちが朝食を用意する間に、 ドライヤーを使う時間は十分にあったから。 半分以上乾いた髪は、軽く水気を残したままだった。] ……ただいま。 [おかえり、というから反射で応える。 やっぱりその表情にさっきまでの艶を帯びた姿はなくて。 ギョーカイジンってみんなこうなのかな。 みたいな、余計な考えた浮かんだけれど、 それを口にするのは辞めておこうと思う。 知ったところで、俺の知っているギョーカイジンは、 彼の一人なので、何の役にも立たない。] (+183) 2023/04/03(Mon) 2:11:43 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[並んだ朝食の前に腰を下ろせば、 ほわりと仄かに炊きたての御飯の香りがした。 食事を目の前にしてしまえば、 そんなことも忘れて、表情が綻ぶ。] いい匂いですね、……美味そう。 [自身でも朝食はそれなりに作るけれど、 これほど数は多くはない。 手抜きでピザトーストにする日もあれば、 休みの日には時間を掛けてブレックファーストも。 彼と朝を一緒に過ごすようになってからは、 和食が好きな彼に合わせて、 朝食を日本食にすることが増えてきている。] (+184) 2023/04/03(Mon) 2:12:02 |
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