XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。 (a29) 2022/12/16(Fri) 17:50:58 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ ただ思考に沈む。 今の私があの子に出来ることなどないのだから、 違うことを考えようかと思ったのだけれど、 かといって突き付けられた選択についても 答えが決まっている以上、もはや考えることがない。 クリスタベルは今頃頭を痛くしていないだろうか。 エーリクはまた誰かの袖を引っ張ってるんだろうか。 シャルだって、最近は大丈夫そうだったけれど>>0:383 悪夢に悩まされ私を頼っていた時期があるから心配だし ああでも、シャルってさっき いつものように フォルと一緒にいたから、今もそうだろうか。 あんなこと言った手前それはさすがに非常に行きづらい。 アリスやシールやクロは 唐突にこんな重大事を突き付けられて戸惑ってない? なんだかんだと面倒見の良い者も少なくないから、 その辺は誰かしらがついているかな。そんな気はする。 ] (123) 2022/12/16(Fri) 18:46:41 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ 少し昔のことを思い出した。 クリスタベルが倒れた時、>>1:84 珍しく憔悴した顔を見せていた薬師もどきの姿は きっとおそらく当人は目にしなかったと思う。 私の薬によるものであることには違いないのだから ただでさえ近寄りはしない『悪魔』を殊更避けて通った。 『隠者』は『悪魔』にもそれなり恨みがあるのだと思う。 今回ばかりは申し訳なかったのだ。合わせる顔がなかった。 もちろんさすがに怒ったが、過度に強くも言えなかった。 好き勝手言う要望に苦笑することこそあれど、>>1:121 クリスタベルは基本的には良い患者だと、私は思っていた。 それを駆り立てるほどの「何か」があった。 そう、思い至ってしまったから。 だから、問うような言葉は向けなかった。 万が一本人の口から語られるなら耳を傾けたけれど それはきっと望まれていないはずだ。 一気飲みしないと約束してくれるなら考えます。 [ それはそれは、何とも言えない顔をしていたと思う。 ] (125) 2022/12/16(Fri) 18:49:35 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ …… どうせ誰も来ないだろうし 多少は席を外しても、大丈夫だろうか。 『少し席を外しています。しばしお待ちを』 定位置の椅子に書き置いたミニ黒板を立てかけて、 足早に自室に戻ると、 小さな紙の手提げ袋に持っていく物をまとめる ] クリスタベル。 ―― いますか? [ ノックをして声を掛けてはみたけれど、 実を言うと、自室にいるとはあまり思っていなかった。 私はホールでの『悪魔』との一幕を見ていないから。 私に必要なのはあの子の決断だけ。 ]だからあの時、私にはそこに留まる必要がなかった。 (126) 2022/12/16(Fri) 18:51:18 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ 故に手提げ袋なのである。 中にはドロップ缶と茶葉と走り書き。 ドロップはごくごく普通の甘いドロップだけれど 茶葉は私のブレンドなので、あとはお察しください。 『差し入れです。 一気飲みする前にこれで一息ついてください』 少し待ってみて、予想の通りに不在であるのなら (あるいは居留守を使われる、とか) 袋をドアノブに掛けてそのまま薬草園に戻るだろう。 部屋の主がすぐに出てくるのであれば、 とりあえず走り書きがそのまま口から出ることになる。 ―― もしどちらにしても少なからず間があったなら、 ] (127) 2022/12/16(Fri) 18:52:14 |
【人】 IX『隠者』 アリア薬師なんて、本当は必要ない方がいいんですよ。 [ それが声になって落ちていたのか、 自分では、あまり定かでない。 *] (128) 2022/12/16(Fri) 18:53:30 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ── 回想:交わる月 ── [ エーリクが洋館で過ごし始めてから、 誕生会やパーティー等行事の際には 「参加するかい?」と幾度と声を掛けていた。 その度、大体参加してくれたが>>1:106 彼が本心から楽しめているのだろうか、と 後日感想を尋ねていた。もし微妙な反応を見せたなら 「無理に参加しなくていいよ。 君が楽しめないと意味がないだろう?] と、答えていた。 いつかのパーティーの際、カルクドラとエーリクの二人が 欠席した時、揃って洋館の外に出たこともあった。 館にいればパーティーはまた参加できるから 今回は二人で遊びに行こうか、と。 迎えに来た時のように彼の手を引き、外の世界へ旅立った。 その時に、自分も洋館に来た当初はよく抜け出し、 しかも生意気で手のかかる子だったことを語り 当時、抜け出した時に良く訪れた露店街へと連れて行った。] (129) 2022/12/16(Fri) 18:58:53 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ 彼を迎えに来た時の、両親への別れ言葉>>1:112を聞いた時。 親に愛されていて良かった、との感慨深さと同時に 何故家族が引き裂かれないといけないのか、と やるせなさが同時に襲ってきた。 同時に数年前、自分自身も家を出た時に 似たようなことを言ったと思い出し、古傷が僅かに滲む。 男はその時「僕は死んだことにして欲しい」と残したが 親から貰った名、親の血を引く証である姓は変えていない。 背中越しに、エーリクの母の泣き叫ぶ声が聞こえたとき 振り向きたい思いを抑え、彼の手を強く握り前を進んだ。 他人である男ですら、胸を締め付けられるように辛いのに 本人はもっと辛いはずだろうから。 だから、エーリクのことを愛した両親の分まで 助けたい、守りたい、と改めて決意した。] (130) 2022/12/16(Fri) 18:59:23 |
IX『隠者』 アリアは、メモを貼った。 (a30) 2022/12/16(Fri) 18:59:36 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ しかし時に彼は怯え>>1:114、夜中に自室のドアを叩き 叫びながら入って来ることもあった>>1:115。] ……大丈夫だよ。僕はここにいるから。 僕が君を守ると約束しただろう? だから、安心して。 こっちにおいで。 [ まるで赤子をあやすように優しい声色で招き 彼を優しく抱きしめ、宥めた。 流石に最近は急に怯え、叫びながら部屋に来ることも 少なくなったが、彼の成長と、此処に馴染んできた様子に 安堵、同時にほんの僅かであれ、 寂しさのような不思議な感情が、心を過った。*] (131) 2022/12/16(Fri) 18:59:36 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ── 回想:僕の名は ── [ シトラは五年前に館に来た。 最初の印象は大人しそうな子だったので、 早く馴染めるようにと思い、声を掛けた。 ──非常に申し訳ないが、その時の彼女の反応を見て くすっ、と笑いが漏れてしまった>>1:149。] 、っ、はっ、はは…………。 いや、ごめん。 あまりにも可愛くて、つい……。 そんなに緊張しなくても大丈夫。 何なら、カルクでいいよ。 それなら間違えないだろう? [ これでも食べて落ち着いて、と林檎味の飴玉を握らせた。 純粋さに心が浄化されたような気がすると同時に 楽しく過ごして欲しい、と感じた。 その後もシトラは何度か祈祷室を訪れてくれた。 時にはアリアに頼んでいた土産物を持ってきて貰ったり 話を聞いて、気を紛らわせる為に面白い話もして 彼女が神妙な顔で祈りを捧げれば、 男もまた同様に祈りを捧げていた。] (132) 2022/12/16(Fri) 19:00:13 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ辛いことがあったり、悲しいことがあったら 気にせずいつでもおいで。 僕は君の味方だから。 話すだけでも…… いや、無理に話さなくてもいいよ。 一人じゃないだけでも、誰かがいるだけでも 気持ちが楽になれるかもしれないから。 シトラが悲しい顔をしていると 僕だけでなく、みんな悲しむからね。 [ いつか悪夢のせいで寝られないと扉を叩いたとき。 安眠用の香を焚き、背を、頭を撫で慰めていた。 その後、少しでも落ち着いた様子と 明るさを取り戻した姿を見れば 聖職者ごっこも悪くない、と思ったこともあった。] (133) 2022/12/16(Fri) 19:00:39 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ ある時、シトラが紅茶の入れ方について 尋ね、訪れたことがあった>>1:148 その時は横に立って見守り続けていたが 初めての味はどうだっただろう。 満足のいく味に出来たなら、もう一度同じように、 今度はそれ以上に美味しく出来るようにしよう、と。 微妙な出来だったなら、今度こそはと再チャレンジ出来ると 実際に役立ったかはわからないが アドバイスをした。 逆に、彼女が僕に淹れてくれたこともあっただろうか。 男には思い浮かばなかった組み合わせで用意してくれて 新たな気付きと味に出会うことが出来た、と 彼女の成長と気遣いに感謝していた。*] (134) 2022/12/16(Fri) 19:00:57 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ── 現在:ホール ── [ 神の降臨によりざわついたままのホール内。 肯定の声が、否定の声が右から左へと漏れてくる。 周囲を見渡すと、ふとシトラの袖を握った エーリクの姿が視界に入る>>1:104>>1:230 二人共証持ちの中では比較的若く どちらかといえば大人しい方。 祈祷室にもよく立ち寄る常連で、 時には涙し、震えていた姿も記憶にある。 >>1:103エーリクの、>>1:227シトラの瞳が濡れている。 やがて手を握り、語り合う姿も見えた>>1:378>>1:379 二人が涙を流した姿は、幾度か見たことがある。 普段ならばすぐに立ち上がり、声を掛けるはずだが 足も動かず、声も出なかった。] [ 何と声を掛ければ良い? 「大丈夫」なんてあからさまな嘘は言えない。 君のことを守る、君の味方だなんて大言を吐きながら。 とんだ大ホラ吹きだ、僕は。] (135) 2022/12/16(Fri) 19:01:35 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ ただし、それが恩人の姿をした神の云う “ 幸せな世界 ”>>1:9とやらに連結するとは思っていない。寧ろ、“ 不幸の連鎖を断ち切りたい ”思いの方が強い。今回世界が存続したとしても、 遠い未来、神は同じ決断を迫るかもしれない。 それが無くとも、今回集まった皆のように 未来に証を持って生を享ける者本人 家族や周囲の者達は、再び苦しむことになるだろう。 今回世界が存続したとしても、問題の先回しなだけで 世代交代後に誕生することになる、証持ちの子らに 丸投げするだけでしかない。 今を生きる証持ちとしてのけじめでもある、と。 これは『教皇』の魂とは全く関係の無い 『カルクドラ』としての本心。] (137) 2022/12/16(Fri) 19:02:44 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ つまり、程度はどであれ どうあっても僕は破滅を願ってしまうようだ。] [ とはいえ、勿論二択に揺れているのは間違いない。 比率でいえば、破滅の方が僅かに大きいだけで。] (138) 2022/12/16(Fri) 19:03:10 |
【人】 X『教皇』 カルクドラ[ 何も出来ないまま、ぼうっとしたまま 時間だけが経過しようとしていた。 その時手に温もりが触れ、はっと我に返る。>>1:436。] ……シン、くん……。 [ 普段と変わらないように見える笑顔。 幾度も励ましてくれた明るい声。 かつて手を引いてくれた掌の温もり。 心の閊えが、僅かに軽くなった気がした。**] (139) 2022/12/16(Fri) 19:03:25 |
X『教皇』 カルクドラは、メモを貼った。 (a31) 2022/12/16(Fri) 19:12:21 |
Y『恋人』 クリスタベルは、メモを貼った。 (a32) 2022/12/16(Fri) 19:24:32 |
XII『吊された男』 ユグは、メモを貼った。 (a33) 2022/12/16(Fri) 19:34:49 |
【人】 XI『正義』 マドカ[朝起きて、最初に鏡を見る。 鎖骨の間に刻まれた、Ωの形をした『証』を、指先でなぞる。 それから、鏡の中から、同じ場所を。] “ お前は誰だ? ” [当たり前だが、返事を返したことはない。 遠い遠い過去から、『正義』が犯した罪を、 今日も『君』は贖い続けなければならない。 その体に刻まれた『証』が。 『君』を『僕』から 逃さない。 ] (140) 2022/12/16(Fri) 19:36:55 |
【人】 XI『正義』 マドカ── 玄関ホール:クロ ── ……そう? なら、行ってらっしゃい。 [じっくり考えてくる、という君を、 引き止めることはせず。 立ち上がった君を、しゃがんだまま見上げ、 握られた手を一回だけ、きゅ、と握って離した。 君が玄関ホールを後にするのを、 そのまま黙って見送って。] (141) 2022/12/16(Fri) 19:37:14 |
【人】 XI『正義』 マドカ[クロは僕に、『どっちがいい?』と問うた。 僕は明確には、 『どっちがいい』とは答えなかった。 そもそも、比較をしなかった。 僕はそのことを自覚していた。 僕にはおよそ『希望』というものがなくて、 だから、答えられなかったのだ。 そこを、クロに掘り下げられなくてよかったと、 内心で安堵する。 いつだって僕の選択は、 『どうした方が良い』で、 それはこの洋館に来てから殊更にはっきりと 形作られた性質だった。 僕は、温もりの名残を、そっと握りしめた。*] (143) 2022/12/16(Fri) 19:37:45 |
【人】 XI『正義』 マドカ── そして、襲来 ── [君はきっと、 僕に近づく前に僕の視界に滑り込んだことだろう。 僕が君と不用意に接触した時、 わかりやすく飛び上がるのを知っていただろうから。 お互い気持ちの良い反応ではない。 ところで君に言ったことはないと思うけど、 君のおかげで僕はめでたく でかい犬がトラウマになった。まぁ、余談だ。 何であれ、僕は君が近づいてくるのが見えていて、 スッと視線と動線をそらそうとしたのだけれど。] (144) 2022/12/16(Fri) 19:38:30 |
【人】 XI『正義』 マドカ……え? あぁ……ウン、 [声をかけられるとは思っていたなかったので、 なんともマヌケな反応を返す。 歯切れの悪さは、往生際悪く、 この後に及んでまだ視線を逸らそうとしているからだ。 こんな些細な会話でさえ、 心臓はバクバク言うし、 冷たく凍りつきそうだし、 君は僕のことが嫌いだと知っているし、 けれど……僕のものではない『誰か』の言葉が 喉奥で暴れ回るし、 なんだかもう……しんどい。 けれどもう、 『餓鬼』 って済まされる歳でもないので、最終的には視線を上げる、君に合わせる。] (145) 2022/12/16(Fri) 19:38:51 |
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