人狼物語 三日月国


77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】

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視点:人


【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   男であれば贄として屠るだろう。
   元来贄というのはそういうものだ。

   しかし女の方が美味であったとしても
   『 大蛇 』にとってはそもそも食事など
   嗜好品に過ぎず、それが途絶えたところで
   生命の危機など起こりえない。


   結果として女や子供がこの世から消える
   そんな結末は無に等しい物となる。**



         
(305) 2021/06/18(Fri) 11:23:59

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



   子どもは純粋だ。
   相手にどう見られるか考え振る舞うことの無い
   その姿は、取り繕われないその人間の本性を
   その身一つで体現してみせる。>>297

   とはいえその純粋さ故の言葉に>>298
   『ラサルハグ』は思わず顔を顰めて言った。


      「お前達が勝手に神と呼んでるだけで
       我が神と名乗ったことはないのだが...。」



   目を丸くして気の抜けたソフィアを前に
   『ラサルハグ』はやれやれと肩を竦める。

   こんな犠牲を強いる神様などいるわけなかろうに。
   なぜ己を神様だと思えるというのか。
   犠牲がどう言い伝えられているのか。>>301

   聞けば『ラサルハグ』は腑に落ちたような表情で
   冷ややかな笑みを浮かべることになるのだろう。



(306) 2021/06/18(Fri) 11:26:00

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   正直なところをいえば
   『ラサルハグ』の想定ではソフィアといえど
   己が神だとはすぐには信じないと思っていた。
   「嘘だ」など、そんな言葉が来るとばかり。

   そう思っていたが結果は想定を超えて訪れる。

   頬に伸ばした手は柔らかなものを捉えて
   人間らしからぬ冷たい手は
   形容しがたくも心地よい暖かな感触に包まれる。

   ソフィアもまた人間であると言うのに、
   抱くはずの嫌悪が現れないのは何故なのか。

   言葉の詰りを流すような少女の呼吸を余所に
   『 大蛇 』の興味はなおも引かれゆく。


   

      
(307) 2021/06/18(Fri) 11:28:53

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   水面に映る裏葉柳は問う。>>301

   『ラサルハグ』の冷ややかな笑みは
   ソフィアにはどう捉えさせたものか。
   『ラサルハグ』の応えは淡白なもので。


      「―――ない。
        当人達もそれを覚悟している。」


   ソフィアの問いをただ否定する。

   村の手伝いならば帰れるはず。
   少女の疑念は至極真っ当なものだ。

   にも関わらず帰れないということは
   神の手伝いをしに行っているわけではないのだと。

   少女が悟らない事を祈ることとしよう。



(308) 2021/06/18(Fri) 11:30:54

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   過去嫁いできた女達は村には戻れない事。
   そして決して死んでいるということはなく
   今は他の村で暮らさせていること。



   少女が抱くかもしれない疑念には出来る限りを
   答えようとはするだろう。
   明確な疑問を抱く聡明な者には鮮明な答えを。
   元来世界とはそうあるべきものなのだから。


   少女は『神』とやらを軽蔑するだろうか
   それとも別の感情を持つのだろうか。
   それもひとつ、『ラサルハグ』の興味であった。
   


(309) 2021/06/18(Fri) 11:32:41

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   少女の問いに答えきったあたりだろうか。

   次第に『ラサルハグ』の口数は減るも
   『ソフィア』と『ラサルハグ』だけの世界は
   ひたすらに静寂が続く。>>302
   そこは一切の立ち入りを許さない領域。

   月明かりは互いの姿形を鮮明に照らし、
   まるで嘘偽りを許さぬと暴き明かすように。

   それは人間を嫌悪する『ラサルハグ』にも
   思わぬ感情を与えることになる。



(310) 2021/06/18(Fri) 11:35:15

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ





     森の中で薄く照る裏葉色の少女は
     美しいという形容が相応しかろう。




   主と容姿が瓜二つだからでは無い。
   それに、主の瞳は裏葉柳ではなくロベリアだ。



   何も知らないであろう少女は
   何物にも染まらない芯を感じさせるも
   何物にも染まりそうな魅力を持つ。


   不意に『ラサルハグ』は触れた頬を優しく撫で
   その髪を指先で梳いていく。
   『ソフィア』を指先に刻むがごとく、触れる。



   
(311) 2021/06/18(Fri) 11:36:53

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



       「―――お前は、麗しいな。」

(312) 2021/06/18(Fri) 11:40:15

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   思わずそう吐息混じりの声で囁いた後。

   絡み合っていた視線を最初に解いたのは
   『ラサルハグ』だった。

   人間よりも鋭敏な五感はたとえ森の入口であっても
   人間達が森に立ち入ったことにはすぐに気づく。

   恐らくはソフィアを探しに来ているのだろう。
   そうだ。この少女には帰るべき場所がある。

   にも関わらず村の者達はこの場所に来る前に
   引き返していくのだ。

   それはつまり『神』を恐れたからで
   あの者達にとっては村娘よりも神の怒りが怖いと。
   『 大蛇 』にはそう思えてならない。



(313) 2021/06/18(Fri) 11:41:25

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   『ラサルハグ』はソフィアに視線を戻し。


      「どうやらお前を探しに来た者がいる。
       しかしここには辿り着けないようだな。

       まったくもって...救いようのない連中だ。」


   『ラサルハグ』は呆れたようにため息をつく。
   もし少女が不安がるようならば必ず村に帰すと
   宥めることにするだろう。

   『 大蛇 』は立ち上がれば
   その片手をソフィアに差し出して。


      「こう夜が更けていては
       本当に蛇が子どもを攫いかねん。

       お前を村まで送り返してやろう。」


   そう、少女の答えを待つのだ。*


   
(314) 2021/06/18(Fri) 11:46:39

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   たとえば『ソフィア』が見える世界だけを語り、
   深く疑うことを知らなかったとして。>>324

          
犠牲

   だとすれば、この話を知るにはまだ早いのだろうか。
   今教え伝えることが正しいのか否か。
   『ラサルハグ』はその答えを知らずにいる。


      「いや...謝るな。お前じゃない。
       少しばかり昔を思い出しただけだ。」


   すごい人
(蛇だが)
なんて大層な存在ではないと
   ここで否定したところで意味はなく。
   『ラサルハグ』はソフィアの質問には答えず
   ただ狼狽える小さな身体を宥める。>>323


   
(330) 2021/06/18(Fri) 16:32:30

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   「覚悟」の本当の意味
即ち、死

   恐らくソフィアはまだ知らないだろう。>>324

   本来ならば教えなければならないのだ。
   「覚悟」と犠牲が皆の平和を作っていると。
   知らぬことこそが『 大蛇 』の逆鱗。

   知らねば、知らしめる他ないのだから。



(331) 2021/06/18(Fri) 16:34:17

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   しかし『ラサルハグ』は少女に残酷な仕打ちを
   しようなどとは毛ほども思えない。

   彼女が犠牲となった者を忘れていないから。>>325
   『ラサルハグ』が望む在り方を少女は実現している。

   『 大蛇 』が牙を向く道理も残酷な
   事実を突きつけることも、この少女に対しては不要。

   ともなれば『ラサルハグ』が取る行動は
   厚情に満ちたものとなっていく。




(332) 2021/06/18(Fri) 16:35:57

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




    (世界がお前のような人間で溢れていれば
     私もあんな過ちは犯さなかったかもしれない。

          お前のような子を、私はずっと.....。)




(333) 2021/06/18(Fri) 16:39:51

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




         ――― ―――



(334) 2021/06/18(Fri) 16:41:08

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




      「あぁ。元気だ。恐らくはな。
       今は違う村に住ませているせいで
       正確な事までは私にも分からぬ。」


   他の村へと送った後のことは『 大蛇 』にも
   正確には辿ることが出来ない。
   とはいえ訃報はすぐに届くはずなのだから
   つまり皆不幸の道はまだ辿ってはいないのだろう。

   だがこの小さな子どもに真実を全て打ち明けるには
   幾許かの時を要する。


      「いつかまたお前と会う時があるとして
       お前が今よりも大きく育っているならば
       その時は.........お前に全てを話そう。」


   つまりはまだ幼子に話せることでは無いのだと
   ソフィアは納得してくれるだろうか。

   そのVまたVを数奇な巡り合わせが連れてくると、
   それは『ラサルハグ』にとっても誤算に違いない。


(335) 2021/06/18(Fri) 16:42:03

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ



 ***


   戸惑いを声に漏らすソフィアがこちらの機嫌を気遣い
   口を噤んでくれているとなどとは気づきもせず、
   横槍は結局『ラサルハグ』の呟きを曖昧に溶かす。


      「便利なことばかりじゃない。
       聞きたくなくても耳を塞げぬのは
       時として拷問に近しいものだ。」


   安堵に微笑む少女に『ラサルハグ』も苦笑が浮かぶ。
   たとえ少女に対する厚情はあれど村に情はない。

   もしも己の険しい表情がその身を竦めさせていたと
   知らされたとしたら。
   『ラサルハグ』は密かに反省をすることになるだろう。


   
(336) 2021/06/18(Fri) 16:46:02

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   この少女を前にすると妙に調子が狂うのは、
   己の考えている人間の枠組みから外れた少女が
   『ラサルハグ』の知る常識を覆していくからか。

   少女の手を引いて村を目指す間
   『ラサルハグ』の放つ雰囲気は幾分も柔らかく。
   さしずめ少女の陽気に当てられたというべきか。




(337) 2021/06/18(Fri) 16:47:47

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




   しばし歩み続けた先。
   森をぬけて村の入口が見えるところまで来れば
   『 大蛇 』はソフィアの手を離す。


      「私のことは他の者には言うな。
       言えば混乱を招きかねん。」


   村人達のことをよく知らない『 大蛇 』は
   神様を知っているという理由でソフィアが
   奇異の目に晒されることを危惧していた。

   少女の反応を伺いつつも
   ソフィアから離れるように一歩後ろに後退り。


(338) 2021/06/18(Fri) 16:50:29

【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ




      「これに懲りたら...もう森には近づくな。
       さもなくば、今度はお前を攫うぞ。」



   ソフィアにそう言い残して
   『 大蛇 』は少女に背を向ける。

   『ただの子ども』はこの日を境に
   『神の招待を知る子』であり
   世界でただ一人の『蛇に魅入られた娘』となる。


            ── ▷ 蛇と花嫁  ──**   
(339) 2021/06/18(Fri) 16:51:53