【人】 3年生 黒崎 柚樹[死んでもいいと思っていた。 死んだら楽になるのかなと思っていた。 去年あたりから、心の隅で。 思うまま走れない自分に失望して、将来への道筋が何も見えてこないことに焦燥を覚えて、男として生きるつもりなんてないのに"女の子"にも到底なれない自分に絶望して。 けど、死にたくないと思うようになった。 助かりたいと心から願い続けていた。] (21) 2022/09/12(Mon) 6:25:18 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹[好きだ、と思って、でも告げる事なんて許されないと思っていた人に、好きと言われて。 でも、傍らに立つ事なんて許されないし、怖い、と思う私に、 "他から見た時にどうこうは知らない"って。 "オレは恥ずかしくない"って。 そう告げてくれた彼が還っていった現実に、私も還りたいと思った。 私を幸せに出来たら良い、と照れくさそうに笑ったあの人を、私が幸せにするんだ、って。思った。 だから、これは、とても嬉しい────ことなのに。] (22) 2022/09/12(Mon) 6:27:07 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹…………だれか、叫んでる……。 >>15 [蹲っていた瓦礫から、緩慢に顔を上げる。 多分、そう遠くはない展示室。 津崎の声とは違う。 小泉さんは……私に救急箱を渡しに来て >>4:354 、朝霞さんの元へ戻ると口早に告げていたから、多分だけれどこの辺りには居ないはず。] 松本さん……? [今日、一緒に還る人。私の"先輩"。 私は小泉さんから渡された救急箱を手にしたまま、聞こえた声の方向へと歩き出した。 まるで導くように、微かな物音が聞こえる。布を切り裂くような音 >>16 、啜り泣くような、苦しげな、吐息混じりの声?悲鳴?慟哭?何を言っているのかまでは、聞こえなかったけれど。 辿り着いたのは、"異変"が訪れてから一度も足を向けることのなかった、特別展展示室。 そう、そこには、林檎頭の絵 >>0:177 と、好きだと思った絵 >>0:178 が飾られていた場所で────。] (23) 2022/09/12(Mon) 6:44:18 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹………………っ。 な、に、してるんですか……ッ!これ……! [津崎同様、松本さんも着ているシャツが変わっている。 ああ、津崎の"ちょっと血でかなりべとべと" >>4:240 に松本さんも関わっていたんだろうかと思いつつ近付けば、そのシャツはずたずたに裂けていて、そこからは、赤色と林檎の香が散っていた。 傍らには、赤に染まったナイフまでが落ちていて。 "ここ"では死なない。死ねない。 けれど、痛みはちゃんと感じる。 ナイフで傷つけてしまった私の左手は、今も時折、ツキリと痛む。] 死のうと、思ったんですか……? [救急箱は何の役にも立たないかもしれないけれど。 私は松本さんの傍らに跪いた。**] (25) 2022/09/12(Mon) 7:00:11 |
3年生 黒崎 柚樹は、メモを貼った。 (a12) 2022/09/12(Mon) 7:29:56 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹[どうしよう、これ、止血とか意味があるのかな……と思いつつ。] 松本さん、失礼します。黒崎です。 触ります。 [こちらに視線が向かない松本さんに告げつつ、腹を庇うようにしている彼を上向きに寝かせようとした。 着ているパーカーが赤に染まろうと林檎の匂いが染みつこうと構わなかったし、いや、むしろパーカーを脱いで、救急箱から取り出したガーゼ越し、松本さんの傷に押し当てようとして。] ……………………? [掠れた声で、囁くように告げられた >>31。 いや、私あてではなく、多分、独り言。 "生きて"、"生きてる"、"現在も"。 それは自分の事ではなく、誰かを思い、願っているような片言だった。] (33) 2022/09/12(Mon) 7:52:08 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹[どうしよう、どうすれば、と困惑しているところに、小泉さんの声 >>29 が届く。] 小泉さん、どうしよう、松本さん、自分で……っ。 [告げる手の下、じわりと赤を吸い領土を広げていくパーカーの、その色の動きが変わったことに気付く。 視線を落とした先の傷、それが魔法のように、すうと消えて行きつつあるところだった。 それでも残り続ける、濃密な林檎の香。] …………私は……。 松本さんに死んで欲しくないです……。 [津崎にも、小泉さんにももちろん死んで欲しくない。 私だって死にたくない。 ぽつりと呟いた声は、でもきっと、松本さんの心には届かない。*] (34) 2022/09/12(Mon) 7:53:40 |
3年生 黒崎 柚樹は、メモを貼った。 (a15) 2022/09/12(Mon) 7:58:13 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹……小泉さん。 私、担架持ってきます。 [毛布やベッドがあるのだというスタッフルームに行けば、きっと"ある"はず。 小泉さんの事だから、自分が行くと言ってくれそうだけれど、] 私の足の方が早いので、私が。 津崎見つけたら連れて来るけど、片側、私が持てます。 [言い置いてスタッフルームへ走り、さも"さあ使え"と言わんばかりに解りやすい場所に置かれていた担架を抱えて特別展部屋へと走り戻る。 レストランまでは遠回りだから見に行くこともなく。 そして館内を走る道中、津崎の姿は見えなかった。] スタッフルームのベッド……で良いですよね。 [言いつつ、2人で松本さんを運んだ。 取り乱した松本さんを目の当たりにして、今ここに残っている1人が私で良かったと思ったし、工藤さんや朝霞さんらの女子たちを早く還してくれた天使の温情(?)にはほんの少し感謝した、かな。**] (46) 2022/09/12(Mon) 9:29:24 |
3年生 黒崎 柚樹は、メモを貼った。 (a19) 2022/09/12(Mon) 9:32:11 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹[ある程度こうして冷静に動けているのは、あの時 >>4:331 に一度爆発して、その後、驚くほど冷静さが戻ってきたから、だと思う。 多分、私は怒っていた。 自分自身にと、あと────朝霞さんに。 津崎が衝動のまま美術品を壊して歩くに至ったのは、私と会話した後、朝霞さんと会話したからだと確信していた。 そこで何かを言われたか、言ったか、ともかく穏やかな展開とは至らなかったのは明白で。 そんな中、受信した朝霞さんからのメール >>4:344 に、頭の芯が焼けたような感覚が走った。 貴女、自分が何をしてるのか、自覚してるの? 大事な人なんでしょう?津崎が。 "足が痛くて動けない"って。 "救急箱"って。 救急箱でどうにかなる程度の足なら、 這ってでも津崎をどうにかしなさいよ。 薄々、彼女はそういう──誰かにお世話されるのがさも当然、のような──ところがあるのは感づいていたけれど、それにしても、と歯噛みした。] (57) 2022/09/12(Mon) 10:09:46 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹[津崎は、"一人を忌んではない"なんて嘯いていた >>4:292 けれど、本質的には寂しがり屋だと思っている。 "穴だらけでもいい"って。 "がいい"じゃなく"でもいい"って言っていた。 つまり、その穴を塞いでくれる人が居たなら、嬉しくないはずがないということでしょう? 誰か、埋めてよ。 津崎の心の穴を。 私と武藤が出来るならする。何だってする。 でもそれは、きっと、 "たった1人の誰か"じゃなきゃいけなくて。 朝霞さんがそんな存在になってくれたら、なんて、2人の背中を押すような真似をしたけれど、結局津崎を悪い方向に押しやってしまっただけだったのかな、と。 それは、浅はかな言動をしてしまった自分への怒りでもあって。 そんな思いが頭の隅、ずっと渦巻いていて、それが私を冷静にさせていた……んだと思う。*] (59) 2022/09/12(Mon) 10:12:55 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹―― スタッフルーム ―― せめて、気を失っている夢の中では、 苦しくないと良いですね。 [元々顔色が良いとは言えない人だけれど。 常より数段顔色を悪くしている松本さんをベッドに移し、室内の適当な椅子に腰掛ける。] ………………。 あの。小泉さんの、パン屋さんの話。 [突然に長閑な話題を持ち出した私に、小泉さんはどんな顔になっていたんだろう。] (60) 2022/09/12(Mon) 10:25:14 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹バスの中では言えなかったんですが……。 可愛い、猫ちゃんのパン。 買ってみたいな、って、思ってて。 あれ、可愛かった……です。 [何ということもない会話。 けれどこんな事1つ伝えるのにも、"ここ"に来る前の私は躊躇していた。 そんな事すら、誰かに踏み込むのが怖くった。 "可愛い"が好きな自分を曝け出すのはもっと嫌だった。 漸く言えるようになったのに、小泉さんが焼いたそれを口にするという願いは叶わないかもしれないということは、考えたくなかった。*] (61) 2022/09/12(Mon) 10:25:40 |
3年生 黒崎 柚樹は、メモを貼った。 (a23) 2022/09/12(Mon) 10:27:02 |
黒崎 柚樹は、?スマホ……誰の?ああ松本さんの…… (a25) 2022/09/12(Mon) 11:33:12 |
黒崎 柚樹は、……津崎から?(出ていいのかな、これ……) (a26) 2022/09/12(Mon) 11:33:42 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹>>76 [そう、そういえば、スタッフルームのテーブルには津崎のスコッシュが、不思議な感じに置かれていた。 まるで陳列するように、財布とか絵はがきとか、あと、どう見ても女の子向けのハンカチ、とか >>4:207 。 なんでこんな風に並べてあるのかな、と思ってはいた。さほど気には留めなかったけど。] 傷は、見てるうちにどんどん塞がった。 今は出血してない……けど。 でも、回数が……もう、どれだけ、って。 [シャツ見ればわかるよ、と、かけていた毛布をちらりと捲れば、ずたずたになって血濡れた──香りだけは芳醇な林檎という忌々しい──シャツが覗けると思う。*] (78) 2022/09/12(Mon) 12:20:15 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹[私が松本さんについて知っている、性格以外のことといえば、1学年下だけど5歳上なこと。 死にたがりなこと。 何らかの理由でスマホの文字情報のやりとりが難しいこと。 そのくらい。 同性愛者である事は知らなかったけれど、知ったところで、「ああ、そうなんだ」という納得しか覚えなかっただろうと思う。 ほとんど言葉も交わしていないうちから私が女であると看破して、だからと言って誰に何を言うでもなく、態度を変えることもなく、ただ"どう呼べば良いか"という意味合いだけを乗せて、"黒崎ちゃん"と呼んで来た人。 >>0:75 こんな態の私に、"女の子が好きな同性愛者なんでしょ?"なんていう偏見を押しつけたりはしてこない、優しい人。 人のこと、応援したり励ましたりばかりで、俺はそういうの要らねぇのよとへらりと笑うばかりの人。 沢山のものをくれた松本さんに私も何か返したいのに、全然、ちっとも、返せていない。*] (85) 2022/09/12(Mon) 13:38:33 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹―― 特別展 展示室 ―― [多分一人になりたいのだろう小泉さんがいるレストラン周りに行くのは避け、何とはなしに足を向けたのは、松本さんが倒れていた特別展の展示室。 10個の林檎頭の絵が並ぶ、あの陰惨な部屋。] ………………。 [むせかえるような林檎の香、私たちと同じ服を着た林檎頭の肖像たち。砕けた頭の4つが誰を指しているのかなんて、一目瞭然だった。] ………………。 ……?…………っ。、 [先刻、松本さんを介抱している時に、粘つくような視線を感じた気がしていた。 出元はおそらく、"私の絵"。 睨むように見つめていたら、その絵がじわりと動く気がした。] (88) 2022/09/12(Mon) 14:29:00 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹[自分の声のような。 でも違うような。 自覚よりいくらか高く、甘く舌っ足らずな風な声が絵の中の自分から聞こえ、気付けば己の絵の様相は一変していた。 それは確かに自分……なのだろうけど。 いかにも華奢で女性的な、首から肩の線。 シンプル極まりない黒いシャツは黒いブラウスに。 白パーカーはふわふわとしたカーディガンに。 肩にまで落ちている黒髪は、艶やかに緩くふわりと柔らかな弧を描いていた。 砕けた林檎に隠れた唇は、きっと私のものより数段赤く艶やかなのに違いないと、見えてもいないのに確信する。] (91) 2022/09/12(Mon) 14:30:11 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹────そんなの、いらない。 いらなくないでしょう? 欲しいでしょう? "これ"だったら、どこに出ても 少しも恥ずかしくない、 恋人同士になれるんだよ? さぁ──手を、伸ばして。 (92) 2022/09/12(Mon) 14:30:48 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹[────などということは、なく。 ふ、と笑う私の手は、絵の中の、崩れた林檎頭に伸びていく。 うん、頑張って引きずりこもうとしているね。 掴まれた手首に長く伸びた爪が食い込む感覚が走る。 けど、そんな貧弱な力で引っ張られて、私が動くわけ、ないじゃない。] 要らないって言ったでしょう。 余計なお世話。 武藤が好きになってくれたのは、私であって、 あんたじゃない。 [掴んだ、崩れた林檎頭。 ぐ、と力を込めたら、更に崩れてぐずぐずになっていく。 ぎいいいい、と、悲鳴とも不協和音ともつかない音が絵から溢れてきて。] (94) 2022/09/12(Mon) 14:32:34 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹…………ね、どんな顔してるの。 見せてよ。 [凶暴な衝動に駆られるまま、更に握り潰して芯まで全部砕いてやろうとしたのだけど────直後、弾き飛ばされるように私の腕は絵の外側に抜け出ていた。 眼前には、最初に見たままの、パーカーにTシャツ姿の、砕けた林檎の私の肖像。] …………なんだ、根性無し。 [そう告げ背を向け歩き出したら、砕けた林檎へはもう振り返らない。**] (95) 2022/09/12(Mon) 14:34:53 |
3年生 黒崎 柚樹は、メモを貼った。 (a34) 2022/09/12(Mon) 18:35:54 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹―― 特別展→廊下 ―― [衝動で絵の中の自分に喧嘩を売ってしまったけれど、絵に突っ込んだ左手は林檎果汁に塗れた風にどろどろで。] …………きもちわる……。 [と、近くにあった化粧室を目指し、念入りに念入りに念入りに手を洗いまくったあと、どこに行こうかなとふらりと歩き出した。 レストランに近付いたら小泉さんに悪いし、どうしよう、外で走るのは……とりあえず止めておいた方が良いかな、じゃあ売店……? なんて考えながら。] (119) 2022/09/12(Mon) 18:45:02 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹……?……ぁ、小泉、さん……。 [そんな視線の先には、"厨房に籠もる">>79と言っていた、小泉さんの姿。 >>118 やっぱりなんだか顔色が悪そう、と思いながら、近付いた。] …………あの…………。 私に出来ること、ありますか? [大丈夫ですか?と問おうと思った。 けれど、それを問うたら"大丈夫だよ"と答えるしかないことを、私は既に知っていて。 そして全然、誰も大丈夫じゃないなんてことも、当然知っている。 私は"次に還れる"のが決まったけれど、次に天使が現れたら、その時には小泉さんと津崎の2人きりになる。 その時はもうすぐ近くに迫っていて、"大丈夫?"なんてどの口が言えるのか、と。*] (120) 2022/09/12(Mon) 18:45:52 |
3年生 黒崎 柚樹は、メモを貼った。 (a35) 2022/09/12(Mon) 18:46:33 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹―― 廊下 ―― [いつだって先輩然としている小泉さん。 きっと後輩相手にはいつだって"理想の先輩像"として振る舞いたいんだろうなと察せられてたし……そう、たとえば、松本さんみたいなだらしない様なんて、見せたことはなかった。 やっぱり私では、小泉さんの助けにはならないかな、むしろ傍に居る方が彼の負担になってしまうのでは、と、この場を離れることも考えていたのだけれど。] ……………………。 ["津崎が亡くなっていたら、どうしよう" それは私も、ずっと考えていたことだった。 津崎だけじゃない。 "小泉さんが亡くなっていたら"、"松本さんが亡くなっていたら"、そして"私が亡くなっていたら"。それは、"残り4人"が決まってから、ずっと心の多くを占めていた思い。] (124) 2022/09/12(Mon) 19:42:33 |
【人】 3年生 黒崎 柚樹[かくりと力を失って廊下端に座り込む小泉さんの隣、私も腰を下ろした。] 私……ずっと、 これは私の夢なんじゃないかなって、思ってました。 [ぽつぽつと話し出す。 小泉さんの問いかけの答えに辿り着くのか解らなかったけれど、自分の心の中を整理しながら言葉を紡ぐ。] 自分の性別の事、自分からは誰にも言えなくて。 可愛いものが好きなのに、それも好きだと出せなくて。 パフェくらい食べに行けばいいのに、それすら出来なくて。 "このままでいい"と"このままじゃ嫌だ"が ずっと、自分の中、ぐるぐるしてました。 (125) 2022/09/12(Mon) 19:43:29 |
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