人狼物語 三日月国


33 【恋愛RP】Umbrella×School×Love!【R15】

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視点:人

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【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 特別になりたかった。
ただ、特別になるのは怖かった。
結局たぶん、臆病者なのだ。

彼らは踏み出したのに、
己はここに立ち止まったまま。
その先に進むのが怖かった。

だからひとり、こんなところで
立ち止まったまま、動けなくて。
あの熱気の中にあった音の粒をただ
無機質な床の上に落としていくだけ。

カタン、と小さく椅子が音を立てた。
ベースをそっと近くにあった机に置く。
そのまま足を窓際へと進める。

降り続く雨の音。目を閉じた。]

 
(104) 2020/06/23(Tue) 18:39:33

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 彼にとっても>>1:-151

 彼にとっても>>2:118

 彼らにとっても>>2:166 ]



   ───後悔、か >>1:102


[ 息を短く吐いた。
唇を噛んで、離す。]

 
(105) 2020/06/23(Tue) 18:41:20

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 窓際からそっと離れて、ベースをケースに入れた。

話さなければいけないことがある。きっと。

だから、ここから行かなきゃいけない。

彼らが自分で踏み出したみたいに、
自分もこの足で。

教室を出る。
ここがどこかはわからなかったけれど、
人の声のする方へと足を向けて。

途中、「イチくん」と呼んでくれる
声があった。やめてほしいと思っていた
その声が、少し照れ臭くて嬉しい。
そう素直に思えた。]

 
(106) 2020/06/23(Tue) 18:41:59

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 見えた人影。
心臓が打った。
なんとなく、緊張する。
少しだけ背筋を伸ばして。

後ろからその背中に駆け寄ろう。

そして、とん、と手を肩に置いて。

ああ、うまく言葉になるだろうか。
変なやつだって思われるだろうな。]

 
(107) 2020/06/23(Tue) 18:43:03

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ まあそれでもいいさ。
だっておれは、特別になりたいんだ。

特別なW友達Wになりたいんだよ。]

 
(108) 2020/06/23(Tue) 18:43:25

【人】 転校生 矢川 誠壱





   ────なあ、 あのさ、



**
(109) 2020/06/23(Tue) 18:43:35

【人】 転校生 矢川 誠壱

 ──まだもうすこし先のもしも──

[ くああ、と大きなあくびをこぼした。

相変わらず寝坊癖は治らない。
スマートフォンの着信は2件。
一件は祐樹で一件は裕也だった。

Two winsは「終わらない」と宣言した
祐樹の言葉通り、文化祭の後もライブハウスで
何度か演奏をし、そのたびに盛況を呼んだ。
ただ、相変わらず曲は書けないと跳ね除ける
ツインズにはデビューだとかそういう話は
くることもなく。大学生になってすでに
2年と少しが経った現在もゆるゆると
コピーバンドとして活動を続けている。]

 
(121) 2020/06/23(Tue) 23:01:18

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ 祐樹の声は人の耳を引くし、
見目麗しい双子に人気が出ないわけもなく
着実にファンを増やしていっている。
ちなみに、以前のベース担当はというと、
己にその枠をわたして、県外の大学を受験し
あっという間にこのバンドを去っていった。
相変わらず仲はいいし、あのころよりも
ずっと自分とも交流はあるけれど
もう一度バンドをする気はないらしい。
というわけで、間違いなく、矢川誠壱は
Two winsのベース担当なのである。

メッセージがきているのを開くと、
こちらもまた祐樹からだった。


 W次のライブ決まった

  再来週の金曜の夜だけど
      予定大丈夫そう?W


なるほど、おそらく電話もその件だろう。]

 
(122) 2020/06/23(Tue) 23:01:52

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 父の転勤は相変わらずだけれど、
もう一緒に転々とするような歳でもない。
学園から二駅離れたところにある
大学にそのまま進学して、現在21歳。
一人暮らしは気ままなものだ。

もちろん仕送りに足すためにバイトも
しているし、それなりに忙しくはあるが
バーでのバイトは、楽しかった。

恋愛云々に関しては今もからきし。
というか、正しくは好きな人がいる。
…否、好きな人になった、のだ。

バーカウンター越しに誘われることも、
大学の同期やライブ終わりに
声をかけられることもある。
だがなぜだろう。
微塵のときめきも感じないのだ。

ある一人の人間を除いては。

だから、つい1ヶ月ほど前。
高校時代からの年下の友人に話した。
どうやら俺はあいつの事が好きらしい、と。
そのときどんな顔をしてたっけ。
あまりにあっけらかんと話したから、
もしかしたら面食らっていたのかもしれない。]
 
(123) 2020/06/23(Tue) 23:03:51

【人】 転校生 矢川 誠壱



[ ───同性で、友達だった。


いや、そうだな。

友達なんだけど、特別な人だった。


自覚したのはわりと最近の話だが
それに納得すれば話は早かった。
今までの感情にも整理がつくのだ。

同性を、ましてや友人を好きになるなんて、
もっと悩むべき事なのかもしれないし、
もっと思い詰めるべき事なのかも
しれないのだけれど。

そんな気持ちは微塵もない。
ただ、はっきりしているのは、
間違いなく自分は彼のことが好きで、
自分にはそれを伝える術があって
受け入れてもらえるかどうかはさておき
今のままでは嫌だということだった。]

 
(124) 2020/06/23(Tue) 23:04:35

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 約束していた場所へ向かう前、
先に喫煙所へ寄るとそこには
案の定彼の姿があった。

自覚すれば、その笑顔も、
声も、髪の長さも、指の動きも
伏せられたまぶた、光に当たると
薄く茶色だとわかる瞳の色
くわえたたばこがほんの少し恨めしい程
なにもかもが愛おしく思えるのだから
人間不思議なものだ。

喫煙所の窓越しに手を振る。
目があって、撓む。
こちらに気づいたのがわかった。]

 
(125) 2020/06/23(Tue) 23:04:58

【人】 転校生 矢川 誠壱






[   ───ああ、うん 好きだな。]


(126) 2020/06/23(Tue) 23:05:34

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ それからそっとその扉を開いて、
中へと足を踏み入れる。
この匂いにも随分慣れた。
自分は相変わらず吸わないけれど。

ジジ、と小さく燻る灰の音がした。]



   今日晩飯どっか食いにいく?


[ 形の良い唇が開く。
答えにうんうんと頷いて。
片手にスマートフォンをとった。
返信をしておかなければ、再来週の金曜日。
ついでにバイトに休みの申請を
連絡しておかなければ。

ふと上げた目線の先にあった、
柔らかな髪が、揺れる。
晒された白い首筋に光が当たった。]
 
(127) 2020/06/23(Tue) 23:06:00

【人】 転校生 矢川 誠壱




    そういえば、俺さ、
    雨宮のこと好きなんだよね


 
(128) 2020/06/23(Tue) 23:06:25

【人】 転校生 矢川 誠壱


[ 口から、当たり前のように吐いて出た。
遠くでテニスサークルが打つ
ボールの小気味良い音が響いている。
ロマンチックさのかけらもない。

スマートフォンの画面をタップして、
「りょーかい」と祐樹に返信した。]



    あ、あと次のライブ再来週の
    金曜だけどこれたりする?

    要にも連絡しとくけど
    たぶん体調次第だろうし。


[ そう続けて。
またスマートフォンが震えた。
祐樹からだ。「ちょっときて」と
書かれているからこれはたぶん
曲のことで裕也と揉めたんだな、と頷いて。]

 
(129) 2020/06/23(Tue) 23:07:01

【人】 転校生 矢川 誠壱




    あ、ごめん、ちょっといくわ



[ そういって壁につけていた背を離して、
ポケットにスマホを押し込んだ。
出て行く直前「あ」と小さく落とし、
立ち止まる。いけないいけない。
さすがにさっきの言葉を
なかったことにするつもりはないのだ。

彼の唇にあるタバコをとって。
それに口をつけるか一瞬迷って、
かわりにその唇に自らのそれを当てよう。
かすかなリップ音とともに離せば、
高校の時、文化祭の日に理科室で吸った
タバコの煙たい苦味が思い出された。

あのときは返したそれを、
目の前の灰皿に押し付けて。]

 
(130) 2020/06/23(Tue) 23:07:21

【人】 転校生 矢川 誠壱





    ───さっきの、考えといて



[ と首を倒して笑い、その場を去ろうか。

一度や二度断られたくらいでは
諦めるつもりは毛頭ない。

きっとゆっくりしていては
あっという間に掻っ攫われてしまうから。

彼にとってのW特別な人Wに
今度はまたあのときとは
別の意味でなりたいと願うのは
きっと悪いことなんかじゃないから。

バンドメンバーのもとへ向かう途中。
足取りはなんとなく軽い。
キスをした。だがその唇の柔らかさより
その直後の顔を思い出しては
なんだか笑えてしまった。]*

 
(131) 2020/06/23(Tue) 23:08:09

【人】 大学生 矢川 誠壱

 ──もしものもう少し先の話──


[ 雨が降ると思い出す。
短い期間ではあったけれど、通った母校は
自分にかけがえのないものをたくさん
たくさん、贈ってくれた。
それは、友達だったり、絆だったり、
思い出だったり、約束だったり
───今この手のなかにある、
愛おしい人だったり、するのだけれど。

「文化祭、そろそろだよな」と
呟くと隣にいる男はタバコをふかして
「そうだなあ」と返した。

あの頃は、どうしてこんな時期に
わざわざ文化祭をするのだろうかと
不思議に思っていたものだけれど
今となっては、なんとなくわかる。

これが大人になったからなのか、
はたまた時間が経ってただただ、
美談になっているだけなのかは
わからないのだけれど、
まあひとまず自分にとってあの日の
出来事は何もかもが特別だった。]

 
(146) 2020/06/24(Wed) 20:37:46

【人】 大学生 矢川 誠壱




  そういえば、文化祭の始まりの演目に
  伝統の和太鼓ってあったじゃん

  俺は伝統かどうかしらないけどさ、
  あの日、学園の男子生徒宛に
  送られてきたメッセージ、
  入って1ヶ月くらいだったし、
  俺のところにはさすがに届いてなくて
  それなのにわざわざ祐樹が転送してきてさ


[  あの日、理科室で話している途中。
鳴った着信は、そのメッセージだった。
自分はライブのこともあるし、
あまり目立ちたくはなかったから、
申し訳ないがスルーさせていただいたのだが]

 
(147) 2020/06/24(Wed) 20:38:06

【人】 大学生 矢川 誠壱




   智がさ、あのとき

  「俺ドラムだし和太鼓もやっとくべき?」
   とか急に言い出して、祐樹が
   爆笑しながらやってこいよって勧めてさ

   いや俺もまさか褌だと思わないから
  「いいじゃん」って普通に流したんだけど
   いやもうあのときのさ、智の
   すんげえ気合のはいりようと、
   迫力がさ、忘れらんないよな。

   今もたまにあのときの画像、
   持ってる子いるらしいし。


[ そんな話をしながら、スマートフォンを触る。

1本目のタバコを灰皿に押し付ける
その指の動きをじっとみて、
2本目を取ろうと、箱をトントン
叩いているのもまたじっとみて。]

 
(148) 2020/06/24(Wed) 20:39:02

【人】 大学生 矢川 誠壱

[ そっと箱を左手で押さえて、
触れるだけの口づけを贈った。

まつげの隙間から驚いた顔を
盗み見ては、ふ、と口元を緩め。
またもう一度重ねては、
開いてくれないだろうかと、
舌先でそっと閉じられた合わせをなぞった。

あの文化祭の日。
友人となったこの男は、
紆余曲折の末、現在恋人という関係に
落ち着いているわけなのだけれど。
不意打ちで仕掛けたキスのハードルは、
軽々と超えたというのに、それから先に
どうにもなかなか進まない。

進みたいとは思っているし、
進めようとは思っているのだけれど
なかなかどうして男同士ということもあってか
ガードが固いのは仕方がないのだろうか。

───己に、抱かれる気が全くないし、
むしろ抱く気しかないのも要因なのだとは
薄々感づいてはいるがそこは置いておこう。


離れた唇を、ぺろり、と舐める。
抗議の言葉は聞く気がない。

たぶん、もう一押しなのだ。]
(149) 2020/06/24(Wed) 20:39:35

【人】 大学生 矢川 誠壱



[ 恋人の指が今度こそ2本目のタバコに伸びる。
カチッカチッと響いたライターの音。
赤く灯った火が葉を燃やして煙を立てた。

そういえば、この間要と話したことを
ふと思い出す。あれもあの日のことだった。]



   そういやあの日さ、要に
   たばこの煙吹きかけたんだって?>>2:16
   こないだちょうどその話してた。

   あのときにさ、なんか、
   喫茶店やってよかったなあって
   思ったんだって>>2:21


[ それだけ聞けば変な話ではあるのだが。
なんとなく、わかる気がした。]

  
(150) 2020/06/24(Wed) 20:40:11

【人】 大学生 矢川 誠壱


[ あの日、年下の友人があそこで
喫茶店を開いていてくれたから。
自分たちはきっといまここにいるわけで。
あの時間が、あの場所がなければきっと
今は存在していなかったと思う。

そう考えると、理科室を使った、
小さな喫茶店が人生の転機になったと
言ったって過言ではないだろう。

あいつにはまたお礼を言わなきゃな、
なんてことを考えながら。]

 
(151) 2020/06/24(Wed) 20:40:40

【人】 大学生 矢川 誠壱




   ───ところでさ、たばこの煙、
   吹きかけるのって意味があるって
   知ってた?


 
(152) 2020/06/24(Wed) 20:41:01

【人】 大学生 矢川 誠壱


[ そういって首を傾げる。
そっと彼の手にあるタバコをとって、
あの日のように吸い込んだ。
今度は咽せたりしない。
肺までしっかり取り込まなければ
平気だということはここ数年で
学んだし、そもそもいまはこの香りが
別に嫌いではないのだ。

ふう、と恋人の顔に紫煙を吹きかける。

それから、軽い口づけを落として、
その指にタバコを返した。
また怒られるなら肩を竦めて笑うだろう。]



    知らないなら、調べてみて。

    ───意味がわかったらさ、
    今晩、飯行こうよ。



[ そんな誘いをかけて。
自分は一旦その場を去ろうか。
ひらひら手を振って、
なんでもないような顔をして。]
 
(153) 2020/06/24(Wed) 20:41:41

【人】 大学生 矢川 誠壱



[ ちなみにそのあと意味を知った
恋人から焦ったように連絡がくるなら、
男はからからと笑い声をあげるだろう。

どうしてもというなら待ってあげなくもない。
だって、まだまだ時間はある。
友人としてはそれなりに経った月日だが
恋人としては、まだまだ、短い
───否、これから、続いていくのだから。]

 
(154) 2020/06/24(Wed) 20:42:07

【人】 大学生 矢川 誠壱



[ 雨が降ると思い出す。
短い期間ではあったけれど、通った母校は
自分にかけがえのないものをたくさん
たくさん、贈ってくれた。

なぜあの時期にわざわざ雨の中、
文化祭をしたのか、なんて。
今となってはどうでもいいこと
なのかもしれないのだけれど。
大人になったいまだからこそ、
───振り返ることのできるいまだからこそ、
わかることもきっとある。

そうだな、もし自分が理由をつけるなら。]
 
(155) 2020/06/24(Wed) 20:42:28

【人】 大学生 矢川 誠壱



[ 雨が降るたびに思い出せるから?
雨が上がれば虹がかかるから?


いや、それよりも。]

 
(156) 2020/06/24(Wed) 20:42:57

【人】 大学生 矢川 誠壱




───雨は、降り注ぐ幸せに似てるから。


 
(157) 2020/06/24(Wed) 20:43:15

【人】 大学生 矢川 誠壱




[ そんなことをいったらあいつらには
「くさいこというなよ」と笑われるのかも
しれないけどさ、いいだろ。

だってきっと、あそこにはたくさんの
幸せがあったはずだと、思うんだ。]**

 
(158) 2020/06/24(Wed) 20:43:31