［はぁー……こういうところが苛立つ。
　　殺されないと分かっているところから物を言うところが。

　　
　　
　　
　　けれど天使の手は今するりと離れた。
　　開いた口から出るのは、飾らない応援の言葉。］

　　
……言われなくたって勝ってやらあ。


　　［獣拳士としての俺の生き様を否定しなかった彼女が
　　　やがて他の観客の波に溶け込んでゆくのを見送る。］


───ふんっ！気合い入れ直してくぜ！


　　［もやりとした気持ちはくべて闘志の燃料とし、
　　　準備を終えればファルーサは試合へと向かった。］

[地上でも、煉獄でも、俺に纏わりつくものは後を絶たない。
俺に縋るもの。
俺を出し抜こうとするもの。
俺を救おうというもの。

……今、俺の後ろに張り憑く天使や、その上にいるだろう神とやらもまた、俺を救おうとでもいうのだろうか。

俺の地上での生涯も当然、この天使たちにはお見通しなのだろう。
俺が、俺の周囲にあるものすべてに、なんの興味もないということも。



重ねられる"愛"の言葉。
それは、この俺のすべてを知っていて、なお―――

――いや。
このようなことで気を煩わす必要はない。
この世の何よりも、価値のないもの……。


だが、この天使は、自らの任を果たすことに迷いなく、心の底から自らの努めと信じているようだ。
神の僕というものは、そういうものなのかもしれない。
しかし、その執着とも呼べる念の深さ、粘りつくような情念は、自分にはついぞ存在しないものでもある。
その存在に、関心のなさとは真逆の苛立たしさを感じずにはいられない……。

当然、天使に返す言葉などない。

だが、その者の口から出た『輪廻転生の輪に加わりましょう』……その言だけが、ちらりと俺の脳裏をかすめた。

このシャフリヤールという生の軛くびきから解かれることになるのなら……。

地上の生に未練などなく、どだい、己の罪など見当もつかないのだから……。

どれだけ無関心を決め込もうとしてもサーリフの言を無視できない自分自身に苛立ち、
そんな俺に何一つ躊躇うことなく好意を向けてくる天使に、得も言われぬ情を、知らぬうちに抱いている……]

■サービス(A)バカ>>#1
�@：状況(1)^1d6
�A：結果(1)^1d6

※必要なら
相手：ファルーサ
アイテム：空飛ぶ絨毯

テラーダイス取得判定：(3)(6)^2d6

>>63
1:アレがアレして全裸になった。
1:エロくなった。

そっか。

>>39


地上に比べれば濃密なほどの刺激に溢れた
この煉獄に於いてさえ退屈を持て余すお大尽
──シャフリヤールに出くわしたのは、
落ちかけた陽が辺りを橙色に染めあげる街外れだった。
いつも傍に仕えている召使いだけではなく
わらわらと取り巻きのお伴を数名連れており、
これから自宅に戻るところだという。

ふーん、という顔で目を逸らしたナディルが
そそくさとその場を離れようとしたところ、
むんずと上着の裾を掴まれた。

「死神のジンよ、貴様シーシャはやらないか。
良ければ共にどうだ。」

鷹揚に振り返り、取り巻きどもを睥睨すると
彼らは蜘蛛の子を散らすように離れていく。

「お前……、いま態と呼んだだろう。『死神のジン』と。」
「……いや？そうだったか？記憶が曖昧だな。」

強かというか老獪というか。
こういう手合いには蛇を飼う者が多く、
シャフリヤールも例に漏れずコブラを連れている。
その毒蛇は飢えなど知らぬと言いたげに
艶やかな鱗を纏っていた。

連れていかれた先は
この地煉獄には不似合いなほど豪奢な宮殿で
死して尚、贅を尽くす業に舌を巻かざるを得ない。

上等の蜂蜜酒と桃の香のシーシャ。
とりどりの果物と気の利いたメゼ。
地上よりも遥かに入手が難しい筈の品々まで
いったい何処で手に入れてくるのやら、
召使いが何くれとなくシャフリヤールの世話を焼く
その傍らでナディルも甘い煙を味わう。

──貴様なら俺の望みを叶え、
恵みをもたらすことができるのかな…？

本気にするな、と笑いながら、酒を呑むたび
シャフリヤールはそう問いかける。
恐らくそれはナディルにではなく、自分自身に。

そのことがわかっているから、
ナディルも笑みだけを返して、ほうと煙を吐く。

ハレムで死んだと聞いたくらいなので
色事もそれなりに好んだのだろうか。
女も置かず、ゆるりと日々を過ごす
シャフリヤールの退屈を晴らすものが何なのか
ジンとして怠惰を愛するナディルには
未だわからないままだ。

もしも自分がシャフリヤールだったなら。
そう夢想する者はきっと少なくないだろう。
望みと云うには戯れに近く、
ナディルもそのひとりに加わってみる。

──それは確かに退屈かも知れなかったが
それでも、いつか母が語ってくれたような種類の
『幸福』に似ているように、ナディルには思えた。

『わはー　わははー』
『猫ちゃんびびってんのかー？肩の力抜けよ』



俺たちは今どこにいるかというと、めちゃくちゃ高い木の上だ。

猿系の獣人と喧嘩してて、
そいつを追いかけたら木登りしやがったから
俺も木登りの得意な友を呼んで対抗したはいいけどさ、

やって来たのが"猫"だったんだよ。

登るのは得意なのよ。
でも降りられねーのよ。
木の上で悲しげに鳴いてレスキューを待つ動物なのよ。

だけどいつまでも木の上でおろおろしてるなんて
そんなの人間俺のプライドが許さねーから！



ばっと、両手を広げて飛び降りた。
鳥になりてえ─────────

『じゃんぷだー　ふぉーりんぐだー』
『枝に当たりまくって服がどんどん破けていってるな』

茂みの上にどっすん。
"猫"だから極力しなやかに着地してダメージは抑えた。
イテテテテテ…………と立ち上がる。

ほら見ろよこの傷だらけの身体をよ。
鍛え抜いた筋肉に、赤く鋭い切り傷が走ってるだろ。
これが俺のプライドだ……。

千切れた服の切れ端が、上からはらはらと舞い落ちた。［〆］

■サービス(B)エモ>>#2
�@：状況(4)^1d6
�A：結果(3)^1d6

※必要なら
相手：ラナー

テラーダイス取得判定：(2)(3)^2d6

>>70
4:ふと、ちょっとしたことに挑戦してみようという気になった。
3:内心とても驚いた。

はじめてのえもさーびす。

>>23>>24　ファルーサ


[歓声が遠かった。まるで砂で描かれたドラマだ。だってさァ、見世物になるようなモノ。それは果たして闘いなのか？

だけど楽しげだ。目の前のやり取りに何ら興味は無いが、一蓮托生となった隣のこの男には、せっかくだから興味を持ってもいいと思った。

のは、あの片翼のせいじゃないと。
言い聞かせるように、脳内から散らす。]


　……人斬りとか言うなし。


[明るい。底抜けに、そう思う。自分より年端がいかないからじゃない。根本的に違うと感じた。]


　ファルーサ、は……どうやって生きてきた？


　オマエ、"生きるか死ぬかの闘い"って、言ったな。
　なんでその２つが結果として同列になる？

　俺は生きていただけだ。
　生きる以外の結果なんて求めてなかった。

　玩具感覚で命のやり取りだろ、こんなの。
　ねぇ、オマエの見てる闘いの先は、何があんの。

[パス]

■サービス(A)バカ>>#1
�@：状況(6)^1d6
�A：結果(6)^1d6

※必要なら
相手：ファルーサ
アイテム：あぶないコスチューム

テラーダイス取得判定：(2)(1)^2d6